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公
表
第 28 回
技能グランプリ「貴金属装身具」職種競技課題
※ 材料表に示す支給材料を用い、競技課題図に示す作品を製作しなさい。
1. 競技時間
10 時間 00 分 (第 1 日
7 時間 00 分
第2日
3 時間 00 分)延長なし
2. 注意事項
a. 材料は競技用として支給された材料を使用し、それ以外は認めない。
b. 持参した工具等は、競技開始前に競技委員の確認(点検)を受ける。使用を認められない工具は
使用してはならない。
c. 使用工具等は、持参工具等一覧表で示した以外(課題作品のための罫書き板または特殊な加工
を施した工具類また競技前に作製した展開図、案内図等)使用してはならない。但し、今回に
限り、青海波のための指定アールの罫書き治具の使用を認める。
それ以外、競技中に作製したものは除く。
d. 競技中は、安全に作業できる服装を着用し必要に応じて保護具を装着する。
e. 競技中は、競技者間の工具類の貸借を禁止する。
f. 競技中は、競技者同士及び見学者、家族・友人等との会話は禁止する。
g. 競技中は、指定した場所以外での喫煙は禁止する。
h. 薬品類の取扱い及び処理については、競技委員及び補佐員の指示に従うこと。
i. 競技時間は 10 時間 00 分(延長時間は無し)とする。
j. 競技終了時間前に作業を終了した人は、競技委員に終了したことを伝えた上で作品を提出し、
片付けを行わず速やかに競技会場から退出し、控室で待機する。
k. 競技委員より競技時間終了の合図があったら、直ちに作業を止め作品を洗浄した上で、指定
された場所(補佐員)に提出する。
l. 競技終了後、競技委員の指示により、残り地金(異物を全て取り除く)と残りのろう材をそれぞ
れに分けて返却し、会場の工具及び持参工具の片付けを速やかに行うこと。
また、片付けが終了するまでは競技者間の会話は控えること。
m. 支給材料を標準消費量(減り)よりも多く消耗した場合は減点の対象となる。
消耗した量または残り地金への異物混入の状態によりそれぞれ減点される。
n. 禁止事項に対し競技委員より注意されないよう競技に臨むこと。
o. その他、競技委員より指示があった場合は、その指示に従うこと。
公
表
3. 貴金属装身具職種 競技課題仕様
a.
競技課題図を正確且つ慎重に読み取り、ロケットペンダントとしてバランスのとれた美しい
作品を製作する。
b. ろう付け箇所は精密に摺り合せ、ろう材の過不足がないようにする。
c.
寸法を指定された箇所は、それぞれの許容差に仕上げる。
d. A 部(上部菱形蓋部分)は支給されたt1.8mm の板材を使用し、課題図に示すように加工、同
様に 1.8mm の板材を菱形に加工し、二つの菱形を摺合せ、ろう付けする。
e.
B 部(下部菱形 基部分)は支給されたt1.8mm の板材を使用し、課題図に示すように加工し、
t0.5mm の板材をろう付けし菱形に整える。
裏面には公表図3に示す様に、側面から 2.2mm 内側に罫書き線を入れ、課題図に示した位置
(18 箇所)に 0.5mm のドリルで穴を開け、指定したアールにより青海波模様を糸鋸(3/0)で引
き回す。
f.
I 部は外形 1.5mm のパイプと 0.9mm の丸線材を使用し、開閉機能(蝶番)を施工する。
g.
J 部は開閉操作を行う為の指の爪が入る様、A 部 B 部の合わせにマーキス状の擦り込みを施工
する。
ロケットペンダントとして、スムーズに開閉し確実に固定するよう機能を施す。
h. B 部には公表図3の a 矢視拡大図に示すように開閉機能の止める部分(爪)を施工し、A 部には
公表図2の a 矢視拡大図に示すように B 部の爪を止める擦りこみを施工する。
i. C 部(ハート左部分)パーツは支給されたt1.2mm の板材を使用し課題図に示すように、肉出し
を施し程よい大きさのメレーダイヤモンド8個が容易に彫り留め出来るように下穴を開ける
(裏取り無し)。A 部に 3 箇所ろう付けする。
j.
D 部(ハート右部分)は C 部と同様に 1.2mm の板材を使用し課題図に示すように、肉出しを施
しメレーダイヤモンド6個が容易に彫り留めが出来るように下穴を開ける(裏取り無し)。A 部
に2箇所 C 部に1か所ろう付けする。
k.
E 部(チェーン通し)はt1.8mm の板材を加工し課題図に示すように、5 個のメレーダイヤモン
ドが容易に彫り留めが出来るように下穴を開ける。(裏取りを施す)
l. F 部は、支給された 0.8mm の丸線材を使用し、直径 5.0mm のラウンドカットダイヤモンドが
容易に石留め出来るように加工し、C 部 D 部のハートの中心に 4 箇所でろう付けする。
m. G 部 H 部は、支給された 0.8mm の丸線材を使用し、課題図に示す寸法でマーキスカットの
石が容易に石留め出来るように加工し、各爪 2 箇所ろう付けする。
n. 金性刻印及び競技者番号刻印(3ケタ)を課題図に示した B 部裏面に打刻する。
o. 作品は、工具や加工等による傷、加熱や熱処理による変色等を全て除去し、支給材本来の色彩
に加工するが各部の仕上は以下の仕様により完成上りとする。
光沢仕上は正面 A 部の「甲丸部分」
、C・D・E 部の「表裏及び側面」
、F・G・H 部の全体
及び J 部。
ペーパー(#600)仕上は縦方向に A 部の「外側面・裏面」、B 部の「上面・外側面・底板両面」
に施す。
きさげ仕上は A 部の「内側面」
、B 部の「内側面」
。
光沢仕上については、リューター(研磨材使用可)及びへらを使用してもよいが、研磨し過ぎに
より、形状がくずれないように注意する。
第28回 技能グランプリ貴金属装身具競技課題図
公表図1
【正面図】
【右側面図】
【裏面図】
E
A
J
a
D
45.5mm
40mm
B
I
0*
b
*
C
AU
75
0
F
31mm
G
5.0mm
H
【下面図】
7.5mm
5.0mm
a矢視拡大図(2:1)
5.0mm
b矢視拡大図(2:1)
尺度
1:1
名称
ロケットペンダント 組立図
(A.B.C.D.E.F.G.H.I.J)
許容差
6.0mm未満 ±0.05
6.0mm以上 ±0.10
第28回 技能グランプリ貴金属装身具競技課題図
公表図2
【左側面図】
【正面図】
【右側面図】
【裏面図】
6.0mm
E
A
J
a
0m
7.
D
1.
2m
7m
m
mm
m
d
45.5mm
40mm
m
2.
c
8.
b
65
C
I
F
31mm
3.0mm
G
H
【下面図】
1.5mm
φ1.5
φ0.9
1.7mm
F(石枠)
2.2mm
3.0mm
1.7mm
2.2mm
a矢視拡大図(2:1)
b矢視拡大図(2:1)
c矢視拡大図(2:1)
d矢視拡大図(2:1)
7.5mm
0.8mm
3.0mm
0.8mm
0.8mm
5.0mm
1.5mm
3.0mm
3.0mm
0.8mm
3.8mm
0.8mm
0.8mm
G(石枠)
2.5mm
6.5mm
0.8mm
3.3mm
0.8mm
H(石枠)
0.8mm
尺度
1:1
名称
ロケットペンダント上部
(A.C.D.E.F.G.H.I.J)
許容差
6.0mm未満 ±0.05
6.0mm以上 ±0.10
第28回 技能グランプリ貴金属装身具競技課題図
AU
75
0
0*
*
公表図3
【正面図】
【右側面図】
【裏面図】
罫
1.
7m
m
書
2. き線
2m
m
.0
R9 6.0 0
R 3.
R
m
0m
J
a
2.
7.
0m
m
B
R9.0
R6.0
R3.0
R9.0
R6.0
R3.0
AU
75
0
0*
b
*
I
I
R1
R 0.0
R 7.0
4.
5
競技者番号
金性
【下面図】
2.0mm
1.7mm
1.7mm
2.0mm
2.0mm
2.2mm
罫書き線
a矢視拡大図(2:1)
2.2mm
罫書き線
b矢視拡大図(2:1)
尺度
1:1
名称
ロケットペンダント下部
(B.I.J)
許容差
6.0mm未満 ±0.05
6.0mm以上 ±0.10
第28回 技能グランプリ貴金属装身具競技課題図
公表図4
イメージ画像
表
開いた状態
裏
金具部分拡大 公表
4.貴金属装身具職種 支給材料表
区分
品名
規格
支給
主材料
配合 Au750Ag125Cu125(wt.‰)
材料
支給
材料
数量
Au750
板材
t1.2×12.0×65.0 ㎜
1枚
Au750
板材
t1.8×18.0×66.0 ㎜
1枚
Au750
板材
t0.5×28.0×35.0 ㎜
1枚
Au750
丸線材
Ø0.8×250.0 ㎜
1本
Au750
丸線材
Ø0.9×40.0 ㎜
1本
Au750
パイプ
t0.3 外径 Ø1.5 内径 Ø0.9×50.0 ㎜
1本
備考
副材料
Au750
ろう材
固相点温度 750℃液相点温度 800℃
1枚
薄板 約 1.0g
Au585
ろう材
固相点温度 720℃液相点温度 760℃
1枚
薄板 約 0.5g
* 材料は、競技時間節約のため事前加工をしたもので、作業に支障のない限り、寸法・質量の差異に
固執しない事。また、追加しては支給されない。
* 競技前日の下見作業準備時に材料を配布するので、各自チェックをすること。
競技開始後の申告、交換は受け付けない。
5.採点項目および配点
採点項目
配点
全体の完成度
作品評価
課題図との整合性
50
指定寸法の精度
各種作業技能
技能評価
支給材の取り扱い
作業態度・安全面
50
公
表
6.貴金属装身具職種 競技会場設備基準
区分
品
名
規格
備考
1 台/人
道具入れ用引出し付き
椅子
1 脚/人
背あて・キャスター付き
100V電源
1 ヶ所/人
3~4 口
照明器具
1 台/人
Zライト
金しき
1 台/人
ガス供給口
1 ヶ所/人
天然ガス
天然ガス-空気のろう付け装置
1 式/人
標準トーチスタンド付き
逆火・逆流防止弁
1 個/人
小型エアーポンプ
1 台/人
水入れ(容器)
1 個/人
作業設備類 作業台
持参可
1~2 台
圧延機(ロール・ミル用)
万力台
1~2 台
万力を 2 箇所に用意
圧延機(ロール・ミル)
1~2 台
角溝なし・手動式
刻印 Au750
2本
共有使用
刻印 数字
1~2 組
共有使用
超音波洗浄器
2台
ヒーター付き
硫酸ポット(10%希硫酸溶液)
1~2 台
自動加熱式
会場設備類 重量作業台
硫酸ポット用フック
測定具類
数量
チタン製
適宜
硫酸・重曹・洗剤
適宜
マグネット
1個
洗いブラシ
適宜
残地金用
質量計
電子天秤
1台
重さ測定用
尺度計測器具(ノギス)
デジタル式 1 丁
寸法測定用
公
表
7.貴金属装身具職種
区分
製
作
工
具
類
品
持参工具一覧表
名
すり板・くさび
やすり
やっとこ
ピンセット
けがき針・コンパス
規
格 及 び 摘 要
加工したものでもよい
加工したものでもよい
加工したものでもよい
切
削
用
工
具
類
糸のこ・のこ刃
切りばし(金切りはさみ)
ハンド・ドリル・モーター及び付帯治具
ドリル・カッター・シリコンポイントなど
たがね・やに台・ピッチボール
ハンドドリル・ピンバイス
鍛
金
工
具
金槌・木槌・プラスチックハンマー
矢坊主(パンチ)
鉛板・しゃり板・木台など
鳥口・芯金(しんがね)
持参希望者のみ(断熱剤を含む)
溶
接
用
工
具
ろう付装置・ろう付台(耐火ブロック・耐火板
など)
多目的ライター(チャッカマン等)
・マッチ
フラックス
酸処理用溶液(ディクセル・ニアシッド等)
酸化防止皮膜材
ろう付用ピンセット
ノギス・スケール
小型定番・スコヤ
審査計測はデジタル式ノギスを使用
持参希望者のみ
きさげ
へら
サンドペーパー
研磨剤・マメバフ・ミニフェルト
砥石
加工したものでも良い
加工したものでも良い
#600(指定面の仕上げ用)を含む
大型バッファーは不可
持参希望者のみ
Zライト(照明機器)
・小型エアーポンプ
溶接・切削作業用保護めがね・防塵マスク
粉すくい・ブラシ・粉焼用皿・マグネット
ヘッドルーペ・10 倍率ルーペ
針金盤・えんま(線引き用工具)
石こう・撹拌用容器
ワイヤーブラシ・やすりクリーナー
ガラス板・合成樹脂板
粘土・油土
接着剤・剥離剤・文房具・その他
希望者のみ
測定
工具
仕
上
げ
工
具
そ
の
他
フットコントローラー等も使用可
裏取り作業用・持参希望者のみ
加工したものでもよい(課題専用は不可)
加工したものでもよい(課題専用は不可)
複数の種類可
持参希望者のみ(加温使用はできない)
蓋付き容器に保管すること
残材(落粉)処理用(マグネットは小型でよい)
持参希望者のみ(残った石こうは持ち帰る事)
やすり目の掃除用
*工具類のうち必要がないと判断したものは、持参しなくても良い
公 表
第 28 回
技能グランプリ
「貴金属装身具」職種
付記事項
①
作業場所(作業机)は抽選にて公平に決める。選手は競技委員の指示があるまで競技エリア内に
入ってはならない。
どの作業机も競技上の作業には支障はないので、作業机を改造することは認めない。
②
下見・作業準備より競技終了まで、選手、競技委員、補佐員以外は、競技エリア内に入ることは
認めない。
③
会場下見の時点で競技の準備、課題説明・注意事項の周知徹底、ろう材や酸処理用溶液のテストを
行うため、必ず工具類一式を持参すること。
④ 作業机には、かすがいが取り付けられてあるので、すり板とくさびを持参すること。
また、金しきは、リースなので傷をつけないように注意すること。
⑤ 課題図の製図方式は、技能グランプリの規定に従って「第三角法・現尺」で示してあるが、印刷時
に伸縮して図面上の読み取り寸法と指示寸法に差異がある場合は、課題図に示す指示寸法を優先
すること。
⑥
材料は、競技時間短縮のため事前加工をしたもので、作業に支障のない限り、寸法、質量の差異に
固執しない。また、材料の欠陥は、競技開始前に競技委員に申告すること。
交換等で、競技上不利にならないように対応する。
⑦
ろう付設備は『天然ガス-空気』の組み合わせのものに限る。
他の設備や酸素ガス、その他の可燃性ガスの持ち込み使用は認めない。
トーチを固定する場合、作業机に直接釘を打ったりして傷を付けてはならない。
⑧
課題の図面をコピーして貼り付けることは認めない。
工具類については。特別に課題を対象としたものでなければ弾力的に対応するので、疑問があれば、
必ず事前に具体例を示して問い合わせ(中央職業能力開発協会)をして確認を受けること。
⑨
矢坊主(パンチ)は、通常に市販のものを多少加工したものであれば使用は認める。
ただし、課題のための打ち型(あわせ型・パンチ・ダイ等)の使用は禁止する。
⑩
酸処理溶液は持参工具一覧に記載したように、ディクセルまたはニアシッド等を常温使用にて
許可する。(残液は全て持ち帰ること)
希硫酸溶液は、会場設備として共用で加熱使用するので、各作業机での持ち込み使用は禁止する。
⑪
支給材料の取り扱いは、過多な消耗及び残材への異物混入の無いよう注意すること。
回収・清掃を徹底するため、ワイヤーブラシ等を持参すること。
⑫
競技中製作した作品は、如何なる場合でも返却はしない。