タ イ ト ル : 『外国語教育における反転授業の「反転」とは』 著 者 : 神田 明延(首都大学東京) ここ数年教育手法としての反転授業(Flipped Classroom)が注目されている。 それは一般的には授業で行っていた講義・説明をビデオなどで学生に予習として 視聴させ、授業ではその理解確認や、発展的な学習を行うことと理解されている。 これにより今まで授業後に行っていた宿題や発展的課題を授業中に行うことで、理 解の深化・定着を促し、より高次の学習へ導くことが期待される。 しかしながら、その具体的な授業方法・事例を見ると、そうした一般的定義に収まら ない反転授業の形態が、取り組みの増大とともに乱立している。 これは元々理数系の科目を中心に始まった反転授業が、他の分野に広がることで、 それぞれの科目授業でのニーズや、学習内容に応じて、多様化したと言えよう。 そうした中、外国語教育分野において反転授業はどのような意味を持つであろうか? そもそも外国語教育では本来授業の予習は必須のものである。 たとえば授業の中身そのものであるテキストを前もって読み、解釈を曲がりなりにも 行って、授業でその理解の深化や発展的な活動を行うことを典型としている。 そういう意味では反転授業は特段真新しいものと言えないかもしれない。 そこで、本論では特に日本語教育・英語教育等から見た反転授業における「反転」 の意味を踏まえつつ、様々な事例から外国語教育分野における有効な反転授業の あり方を考察する。
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