視 点 『スポーツの祭典と 地域づくり』 一般財団法人 常陽地域研究センター 理事長 増山 弘 新年明けましておめでとうございます。 2015年の年頭にあたりまして、ご挨拶申し上げます。 昨年の日本経済は、所謂アベノミクス効果を受けて総じて回復基調にありました。 一方で、21世紀以降我が国の潜在成長率は大きく後退しており、足下では0.6%程度の 水準にあるなど、本格的な人口減少社会が到来するなかで、将来に向けた経済環境は 不透明感を増しつつあります。 こうしたなかで、中長期的にみれば明るい話題もいくつかあります。その一つが、 半世紀振りに我が国で開催される2020年の東京オリンピックとパラリンピックです。 既に開催地の東京だけでなく、その効果を地域に波及させようと、全国各地で事前 キャンプや観光客誘致の動きが出ています。また、茨城県ではその前年の2019年に国 民体育大会と全国障害者スポーツ大会が開催されます。国体は国内最大のスポーツの 祭典であり、他県からの選手団、観客を「おもてなし」の心を持って迎えることで、 茨城県の魅力を全国に発信する絶好の機会となります。 本号では「スポーツの祭典が地域にもたらす効果」を特集いたしました。国体も含め たこれらのスポーツイベントに対して、茨城県ではどのような取り組みがスタートして いるのか、開催までの各種効果を整理するとともに、関係各機関におけるオリンピッ ク・パラリンピックなどを通じた地域づくりのビジョンを紹介させていただきます。 また、前回の1964(昭和39)年の東京オリンピックでは新幹線、首都高速が整備さ れるとともにカラーテレビが普及しました。今回はどのようなイノベーションがもた らされるのかを考えてみるのも楽しみです。 当財団では、今年も「いばらきの価値創造∼潜在力、デザイン力、連携力を活かして」 をテーマに、様々な調査・研究活動を通じてこれからの地域社会が進むべき方向を見 据えた提言をして参りたいと考えております。引き続き皆様のご支援をお願い申し上 げます。 最後になりましたが、皆様の今年一年のご多幸を心よりご祈念いたします。 15.1 ’ 3
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