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m o n t h ly p u b lic a t io n : g ekkan f u kkou jin
1
仙台圏の中小企業の未来を支援する情報誌[月刊ふっこうじん] http://www.25jin.com/
VOLUME. 39
2014年12月25日発行
無 料
next town blues. city worksong is heard
未来の景色
今と過去から見る未来
世界四大漁場のひとつである三陸沖を抱える塩竈市は、
生マグロ水揚げ日本一、『かまぼこ』や『ちくわ』な
ど魚肉練物生産高日本一と、全国屈指の港町として栄
えてきた。東日本大震災では松島の島々が防波堤とな
それでも本土地区で22%、浦戸地区では全島の居住区
域のすべてが浸水するなど甚大な被害を受けている。
塩釡港の再開が早かったため、復興への経済活動再開
もすぐに動きだしたが、基幹産業である水産関連業の
仙台市
完全復活には遠く、街を挙げての復興へと邁進中だ。
多賀城市
19
17
多賀城・塩竈エリア
株式会社 ミヤギ製作所
鉄板居酒屋 一歩
米粉パンと米粉スイーツの森
塩釡水産物仲卸市場
エフエムベイエリア 株式会社
ひまわり弁当
NEW SPIRITS!
tutto
接客アドバイザー 阿部 大さん
ウーマノミクス
株式会社 サスティナライフ森の家
代表取締役 大場江美さん
大地のめぐみ ふたたび
南部実践組合
15 13 11 09 07 05 03
となりまちブルース
21
復興インフォメーション
モノづくり
メガビーム スーパースリムライト
株式会社 コムコム
02
元気に営業中!
富貴寿司
tagajou-city
shiogam a-city
22
23 r epor t
塩釡漁港 (宮城県塩竈市)
特集
壊滅的被害を受けた他エリアの影に隠れた感があった
多賀城・塩竈エリアだが、
被害は大きく、また地区の高齢化などもあり
経済活動の復興には多くの課題が残されている。
そんな中、地域復興の旗印となるべく
地域で奮闘中の人びとがいる。
今月の特集では、多賀城・塩竈エリアで頑張る
復興人たちの姿を紹介する。
り、ほかの沿岸地区に比べると被害は少ない方だった。
塩竈市
view.09
VOLUME. 39 2014年12月25日発行
1
contents
01
株式会社
rep o rt
t a g a j o u- c i t y
shi o g a m a - c i t y
多賀城市
「もともとは船乗りで、機関長をしていました。
では1・5メートル以上の津波によって工場は
稼働と多忙を極めるほどだった。しかし、震災
取締役会長
しかし、同じく船乗りだった兄が遭難してしま
浸水。設備のほとんどがダメになってしまった。
さん
い、家族から説得されて、船を降りることにし
震災時、阿部会長は仙台にいた。多賀城の工
こで初めて、家族を含め
名ほどいた従業員に
人的被害がないことを知り安心した一方、ガレ
て業績を伸ばした。震災前は、機械は常にフル
エンジン部品、精密機械部品製作加工会社とし
ーゼルエンジンの部品製造を受注。ディーゼル
状況だったんです。自分で直せそうな機械は、
は当時を振り返る。あきらめかけた再建だった
んでしまおうかとさえ考えました」と阿部会長
てしまいました。その時は、このまま会社を畳
キに埋もれた油まみれの工場内を見て愕然とし
が、事業再開に向けたさまざまな支援制度があ
1年半もかかってしまいました」
『中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業』。
社に流れてしまい、やっとの思いで事業再開し
震災後の約1年半の操業停止。多くの仕事が他
事業再開後も経営は大変厳しいものになった。
仙台港多賀城地区経済活力基盤産業群として、
たものの、当初の売り上げは震災前の5%にま
第3次で認定された時には、平成
差し迫っていた。それでも再建に向けた希望の
光が差し込んだ瞬間でもあった。
支援制度の活用で事業再開へ
「船舶用ディーゼルエンジンの部品製造の機械
は、ほとんど専用に近く、クルマのエンジンな
どほかの部品を作るというわけにはいきません。
また、当社から流れた仕事を受けた企業も、部
作機械を譲り受けた。また、新しい機械の導入
る『被災事業所復興プロジェクト』も活用。工
商工会議所が行っている遊休機械を無償提供す
事業再開に向けた支援については、ほかにも
もできず、今は家族だけでなんとかやりくりし
解雇せざるを得なかった従業員を呼び戻すこと
大幅な売り上げダウンになってしまいました。
って簡単に戻すということもできず、結果的に
発注元としても当社が操業を再開したからとい
品製造のために新しく機械を導入しているので、
による二重債務の問題も、震災前の債務に対す
現在、設備については、震災前の9割近くま
ている状況です」
後の新たな債務に対して債務保証など事業再建
「三次元測定器の導入によって、1万分の1ミ
で戻すことができた。また、新たな機械を導入
リの加工も可能となりました。これまでの 年
を目指して努力する被災企業を支援する『東日
しかし、補助事業に認定され、さまざまな支
するなど、売り上げ回復に向けて努力をしてい
援制度を活用したことで、再建へと動き出した
にわたるノウハウに最新機械設備が加わりまし
本大震災事業者再生支援機構』に相談し、事業
ものの、実際の事業再開には、さらに半年以上
たので、オーダーメイドによる船舶用ディーゼ
るが、未だ震災前の2割程度に留まるという。
の月日を費やすことになり、従業員たちは一時
再開への道筋をつけることができた。
る債務免除、利息減免、元金返済猶予や、震災
逆境に負けず完全復活を目指す
で落ち込んだ。
年も暮れに
に対して、国が1/2、県が1/4を補助する
最初に申請したのが施設や設備の復旧・整備
分解洗浄して修理しましたが、結局、再開まで
年頃には、大手メーカーから船舶用ディ
んとか会社まで辿りつくことができました。そ
たんです。次の仕事をどうしようかと悩みまし
年に独立創業となった。
場にも津波が来たことを知ったが、連絡を取る
ん。その後、昭和
たが、機関長時代の経験を生かし、船のエンジ
のノウハウを生かし、活路を開く
ことはできなかったという。
る〈ミヤギ製作所〉。この道30年
ン修理の仕事に就きました」と話すのは、〈株
製造・加工に絶対的な自信を見せ
「翌日になって、まだ水が引ききらない中、な
船舶用ディーゼルエンジンの部品
ることを知り、再建に向けて動き出した。
昭和
部品製造の受注をきっかけに経営も軌道に乗り、
ひとりで始めた事業だったが、トラクターの
35
式会社 ミヤギ製作所〉取締役会長の阿部昭一さ
阿部昭一
ミヤギ製作所
r e po rt
が、新品を入れるより遥かに高くなってしまう
中古機械や修理で対応しようかとも考えました
まい、機械が入るのに時間がかかりすぎました。
「被災企業からメーカーへの注文が殺到してし
解雇せざるを得なかった。
標に頑張りたいと思います」と阿部会長は語る。
用と経済振興に貢献できるようになることを目
の支援があるうちに売り上げを回復し、地域雇
な自信があります。今後は、債務返済猶予など
ルエンジンの部品製造、加工については絶対的
30
どうってことないさ
あの日からのことを思えば
時の荒波なんて
03
株式会社 東日本大震災事業者再生支援機構 TEL022-393-8808 http://www.shien-kiko.co.jp/
04
23
部品の強度テスト機材も阿部会長による自作。ものづくり職人として、海の男として震災に負けず折れない心で前進あるのみ
株式会社 ミヤギ製作所 多賀城市明月1-3-52 TEL022-362-3869
56
10
特 集
t agaj
a gaj o u - c i t y
sh
s h i o gama - c i ty
五軸加工機など、設備は震災前の9割近くまで揃った。完全復
活にはまだまだ道半ばであるが、事業再建への支援に感謝しつ
つ、奮闘中だ
鉄板居酒屋
代表
並木貴憲
多賀城市
さん
「震災直後の混乱期、業務用食品商社から食材
けたのが唐揚げ用の鶏肉。アツアツの唐揚げを
時間も並んで買ったというコロッケ
大事そうに抱えながら、お孫さんに届けに行く
少しでも安い値段で出そうと思ったのがきっか
生業としていた集客・販売促進のコンサルタン
並木さんは、同店の代表に加え、震災前から
成長しました」
と笑顔で言うんです。その時ですね。『僕ら若
月、並木さ
んは友人が営んでいた居酒屋の厨房を修復して
めて同店舗を借り上げて居酒屋としての営業を
お店の復活こそがカギになる」との思いを抱い
て多賀城に賑わいを取り戻すためには、小さな
ていた並木さんは、コンサルタントとしての知
ヵ月後から約
にわたり、ランチタイムでの唐揚げ食べ放題を
実施。平日の1時間
台が営業中。現在、
やフェイスブックなどのSNSで発信しました。
そして、その情報を仙台や他県に向け、ブログ
しやすいコンセプトにしたことがポイントです。
組み合わせただけですが、お客さまがイメージ
「誰もが知っている『唐揚げ』と『食べ放題』を
まさにその象徴だ。
人を呼び込むという目標については、ある程度
揚げ販売のお話をいただいています。多賀城に
ボレーション弁当の販売や、東アジア圏での唐
「そのほかにも、仙台のお弁当屋さんとのコラ
力しているという。
身はこの移動販売とコンサルティング業務に注
並木さんは居酒屋の運営をスタッフに任せ、自
れを作り上げていった。ランチタイムの行列は
あとは『多賀城に唐揚げ食べ放題の店がある』
が飛び出していく範囲を広げながら『売り上げ
を伸ばしたい』『名物となる一品がほしい』と
考えている方々の力になりたいですね」
買いに来てくれる人の「一歩の唐揚げじゃな
いと」という声はもちろん、安定して売り上げ
を伸ばしている代理店のデータからも手応えを
感じている並木さん。売り上げの拡大を目指す
年近くが経ち、多賀城の商店街に
も賑わいが戻ってきたことを受けて、ランチタ
年
飲食店や移動販売店の支えになるべく、今後も
イムの食べ放題は、平成
を張って『うちの唐揚げを取り扱ってみません
「代理店や取扱店を検討されている方々に、胸
のためにも、もっと当店の唐揚げファンを増や
また、夜の部の集客も好調だ。かしみん焼きや
遠方から訪れるファンも数多い。
現在は、コンサルティング業務も並行して多
していきたいと考えています。すでに多賀城名
いう方もいらっしゃいます。それから、食べ放
忙を極める毎日だが、それでも並木さんは唐揚
「お客さまは新規の方と常連さんの半々くらい。
題を行っていた頃は、岐阜から岩手に向かう途
げにこだわり続ける。その理由とは。
物と勝手に名乗っているんですけど(笑)」
中にわざわざ寄ってくれたお客さまもいらっし
「店頭販売をしていた頃の、唐揚げを食べた子
最近では、宮城県内のカインズホームなどを
元気にしていきたい』という思いは、今後もず
ているんです。『唐揚げを使って多くの方々を
どもたちやお年寄りの笑顔がすごく印象に残っ
拠点にして移動販売カーでの唐揚げ販売を開始
います」
ゃいました。食べ物の力には改めて驚かされて
中には富谷町や亘理町から来て、代行で帰ると
か』とお勧めできるまで成長したいですね。そ
種類が味わえる唐揚げ定食を提供している。
は、従来のしょうゆ味と新しく登場した塩味の
12
とん平焼きといった鉄板焼きメニューが好評で、
『一歩の唐揚げ』に磨きをかけていく。
月に終了。現在
震災から
元気にしていきたい
唐揚げを通じて、いろんな人を
列に結びついたというわけです」
は達成できたと思っていますし、今後は私たち
加え、代理店としてさらに
識を活用し、『人が人を呼んでくる』という流
2
分というわずかの間に、
開始した。そして、その
年間
唐揚げの店頭販売を行い、同じ年の
トというふたつの顔を持っている。「食を通し
務める並木貴憲さん。震災直後の
こう語るのは、〈鉄板居酒屋一歩〉の代表を
けになり、今ではすっかり当店の代名詞にまで
に
出会ったおばあちゃんが、スーパーマーケット
人が並ぶほどの盛況ぶりだった。
が付き、ボリューム満点
を販売している系列店を紹介され、そこで見つ
連日
サラダや具だくさんのみそ汁など
個を
「震災から2週間経った頃でした。自宅の前で
味と塩味の2種類の唐揚げに加え、
いヤツが何かやらないと』と思ったのは」
2
月には改
4
9
という情報が拡散されて一気に広まり、あの行
2
30
2
今日はしょう油味から食べようと思う
明日は塩味から食べようと思う そう思う
05
06
3
ランチタイムを始めた当初は、主婦層を中心にしたパート採用を行うなど、さまざまな角度から多賀城の復興に貢献した
鉄板居酒屋 一歩 多賀城市桜木3-3-39 TEL 022-781-5505 営業時間/11:30~13:00、17:30~23:00 定休日/日曜(翌日が祝日の場合は営業、祝日休) http://ameblo.jp/izakaya-ippo/
ランチタイムで提供される『唐揚
っと変わることがないでしょうね」
県や愛知県、兵庫県などからも依頼があるという。そのほか、
は、地元・多賀城の商店や店舗を中心に展開しているが、三重
4
2
台に
標について語る並木貴憲さん。コンサルティング業務について
一歩
r e po rt
げ定食』
( 780円・税込)は、
しょうゆ
60
rep o rt
t a g a j o u- c i t y
shi o g a m a - c i t y
している。この移動販売カーは、直営の
「売り上げの拡大を目指す方々の力になりたい」と、今後の目
3
25
特 集
t agaj
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sh
s h i o gama - c i ty
集客セミナーなども積極的に開催している
r epo rt
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多賀城市
もっちりとした食感のシュー生地
が特徴のシュークリームや黒ゴマ
や紅茶の風味豊かなシフォンケー
さん
tutto
代表
森
孝二
トゥット
試作を繰り返し、刻みわかめを練り込んだ「わ
かめパン」をバンズに使った『七ヶ浜バーガー』
の心境を森さんは振り返る。
ジュを発見することができたんです」と、当時
試作を繰り返す中で、米粉との意外なマリアー
はかなりのプレッシャーを感じました。しかし、
「海産物とのコラボ商品は前例がなく、開発に
商品開発の相談に訪れる。
在を知り、七ヶ浜産のわかめやつぶ貝を使った
〈 tutto
〉の米粉パンは、時間が経っても固くな
化したパンやスイーツづくりを決心した。
とを知り、その取り組みに強く共感。米粉に特
ーが宮城産米粉の消費拡大に力を入れているこ
米粉の仕入れ先でもある、川口グリーンセンタ
つくりたいと思案していた。そんな時に現在の
森さんは、勤めていたスイーツ製造工場の閉
鎖をきっかけに、自分の経験を生かしてお店を
たいという思いから、この地に店を構えた。
を呼び込むきっかけとなり、地域活性化を図り
森
(トゥット)〉がある。代表の森孝二
tutto
さんは津波被害を大きく受けた、大代地区に人
物の誕生を夢見て、意欲的に開発を進めている
そこで森さんが目指しているのが、地元の食
材を使用した米粉のスイーツ。新たな多賀城名
いているんです」
の名物土産を作ってほしいという依頼もいただ
いこうと思います。また、商工会から、多賀城
スがあれば、これからも積極的にアピールして
なかった販路を開くことができました。チャン
「展示会に出展したことで、今まで思いもつか
ることになった。
そんな時に職員のひとりが、この米粉パンの存
ヶ浜の名産を使った商品開発に取り組んでいた。
その頃、復興イベントがさまざまなところで
企画され、多賀城・七ヶ浜商工会議所では、七
い、もちもち感を持続させる事に成功した。
ハロースを多く含む天然の白神こだま酵母を使
っくらとした生地を誕生させた。さらに、トレ
いミルキークイーンの米粉と、品種の違う米粉
錯誤を繰り返した。そして、粘り気と甘みが強
り、さまざまな品種の米粉で試作を行い、試行
従来、米粉パンは時間が経つと固くなってしま
を開発。従来の米粉パンを上回るもっちりとし
最中だ。
る事がわかりました。どんな食材でも、試作す
が、冷めてからのもちもち感を持続させてくれ
めて、わかめに含まれるアルギン酸という成分
「特にわかめパンは、この取り組みを通じて初
博している。
く風味も楽しめる逸品として、こちらも好評を
ーパン』はつぶ貝の肝まで使い、食感だけでな
考えています」
や米粉パンが輸出されるようになって欲しいと
で米粉パンを広めてくれて、海外の市場に米粉
ることもありました。そうした海外の方が自国
自分で米粉パンを作りたいとレシピを尋ねられ
が多く、毎日通ってくれる方もいました。また、
「特に夏場は七ヶ浜に向かう途中に立ち寄る方
をブレンドする事により、もちもち感の強いふ
うものが多かったが、森さんは起業するに当た
た食感が好評となり、今ではお店の看板商品だ。
ることで新しい発見があります」と、森さんは
独自に進化し、今では日本食として世界中で食
楽しそうに話してくれた。
海外から日本に来た食文化を
べられています。米粉パンもそんなふうに、世
界中で食べてもらいたいと思います」
『 tutto
』では冷凍の米粉パンの生地も販売して
ーが米粉パンを食べて、ぜひ、景品に米粉パン
商品展示会に出展。訪れたパチンコ店のバイヤ
価していた商工会の職員からアドバイスを受け、
けになることを、森さんは期待している。
給率の低迷から脱却するためのひとつのきっか
粉パンの普及が、年々深刻化する日本の食料自
もらいたいと考えた森さんのアイディアだ。米
いる。これは家庭でも手軽に米粉パンを食べて
を使いたいとオファーが入り、取引が開始され
それまで、口コミや紹介などで販路を広げて
いた森さんだが、以前から〈 tutto
〉のパンを評
日本で進化させて海外に発信
「元は中国の食文化であるラーメンが、日本で
森さんは米粉パンを海外の食シーンにも積極
的に提案していきたいと展望を語る。
文を受けてから揚げたてを提供する『つぶカレ
また、つぶ貝をカレーパンの具に混ぜ込み、注
多賀城駐屯地前から七ヶ浜町方面に抜ける県
号線沿いに、〈米粉パンと米粉スイーツの
キは米粉100%で作られている
らず、もちもちとした食感が持続すると評判だ。
米粉パンと米粉スイーツの森
米粉スイーツの品ぞろえも豊富。
最近では、隣町の七ヶ浜を訪れる海外の方に
も『 tutto
』の米粉パンのファンが多い。
道
58
米粉は今日も歌ってる
口 笛 吹 け ば 、空 も 飛 べ る と
07
08
現在は6名で製造から販売までを行っている。新商品開発も作業の合間をみて全員でアイディアを出し合いながら毎日行われている
米粉パンと米粉スイーツの森 tutto(トゥット) 多賀城市大代1-3-17 TEL022-367-3650 営業時間/9:00~19:00(パンがなくなり次第終了) http://www.komekopan-tutto.jp/
特 集
t agaj
a gaj o u - c i t y
sh
s h i o gama - c i ty
「『tutto』はイタリア語で『全て』という意味です。すべての
人がおいしいと笑顔になるような米粉パンを作りたいと思ってます。
店内を飾る絵画や写真はお客さまが提供してくださったものです。
毎週取り換えに来る方もいるんですよ」
とうれしそうに話す森さん
塩竈市
客さんが訪れている
理事長
今 野 雄一
広報担当
さん
リンゲート付近やJR本塩釡駅周辺、北浜地区
遊覧船や浦戸諸島への定期便の発着所であるマ
東日本大震災の大津波は、塩竈の港を直撃。
組合連合会塩釡水産物仲卸市場』の広報担当で
た」と、当時の模様を教えてくれたのは『協同
再開できるのかまったく見当がつきませんでし
よって水揚げもストップしたので、当時はいつ
さん
などは、打ち上げられた船や流された自動車を
ある大江玲司さん。 大江玲司
はじめガレキや泥で埋め尽くされた。
年を迎える建物はなんとか持
らが押し寄せてきたガレキをブロックしたため、
各入場口は頑丈な鉄扉で閉じられていた。それ
来時の時刻にはすでに営業を終えていたため、
から3日後、市場前にテントを張って販売を再
そんな状況の中で、加工食品組合だけは、震災
った程度。でも、魚はないし、水も電気もダメ。
ちこたえ、場内もトロ箱がちょっとひっくり返
年に築
場内はわずかな浸水被害で済んだそうだ。
開しました。リュックサックを背負った市民が
「平成
「津波の方向が港湾の最深部に向かっていたた
『仲卸市場に行けばきっと何かあるはず』と歩
塩釡港の北側にある〈仲卸市場〉は、津波襲
め、被害が及ばなかったそうです。ただ、港に
いてやって来たそうです。でも、それも2・3
な気がしますね」と、今野理事長は話す。
突き出た塩竈市魚市場は岸壁などが破壊され、
日目に、タンクローリー
日で底をついてしまったんです」
その後、震災から
開したのは震災から2ヵ月後、5月の連休明け
こちらも大急ぎで復旧工事に着手。本格的に再
ンさせた。地下貯水槽が地盤沈下で壊れたため、
「自分の目でモノを選び、自分の手で作るとい
充実させた。
自由に焼いて食べられる『自由焼炉』をさらに
した海産物で作れる『マイ海鮮丼コーナー』と
震災後は、6年前にスタートした場内で購入
だった。連合会の理事長を務める今野雄一さん
う楽しみをプラスしました。おかげで、ランチ
トンの水を運び、なんとか市場を仮オープ
は、「市場内には、日本全国からの注文を受け
タイムの時間帯での来場者も増加したんです」
さらに、新しい試みとして、魚食文化の普及
ていた鮮魚店も多く、いち早く全国に三陸の魚
せてあげたいと思っていたに違いありません。
と発展を目的としたイベント開催用の『塩釡仲
と大江さん。
以前にも増して場内の結束力が高まった感じが
月にオー
卸キッチンスタジオ』も、平成
年
しましたね」と話してくれた。
「塩竈は昔から魚とともに生きてきた街。だか
プンした。
新しい取り組みにチャレンジ
らこそ、この食文化を守り育てていかなくては
〈仲卸市場〉の正式名称は『協同組合連合会塩
魚ファンを増やしたい。特にお子さま方には、
味しい調理法などを楽しく学ぶことで、もっと
が起こるわけですが、思えば、あの震災は組合
要因のひとつかもしれません。そこにあの震災
鮮魚類がスーパーで手に入る時代になったのも
ってしまいました。魚離れも叫ばれたり、安い
が後継者問題などで年々減少し半分くらいにな
がわからなくなるぐらいの賑わいでした。それ
「最盛期には360店もあったんですよ。通路
ている。
もなる。その思いが、市場の皆の心をひとつに
仲卸市場の復活は、塩竈の復興のシンボルに
竈全体の活性化につなげていければ良いですね」
それが、この市場にさらなる活気をもたらし、塩
人たちに働く場所としての魅力を感じてほしい。
「新しい取り組みをし続けていくことで、若い
実にもつながることに期待する。
体の活気を生み出し、売り上げやサービスの充
大江さんは、この取り組みが、〈仲卸市場〉全
と思っています」
釡水産物仲卸市場』。鮮魚組合、魚類組合、中
年に設立され
食育という観点からも魚食を啓蒙していきたい
運営する連合体組織として昭和
央組合、加工品組合の四つの単一組合が共同で
なりません。このスタジオで、魚の捌き方や美
市場の元気が、街の元気につながる
10
している。これからも〈仲卸市場〉が塩竈の元
元 気 な 一 日 は 、こ こ か ら は じ ま る
こ れ ま で も 、そ し て こ れ か ら も 、ず っ と
すね」と広報担当の大江さん(写真中上)は話す。
直送なので何より新鮮。真の美味しさをぜひ味わってほしいで
めて、県内外からもたくさんのお
の古い体質を改善し、新しい〈仲卸市場〉に生
た。現在、146の業者が組合員として加盟し
41
気を力強く引っ張っていくことだろう。
市場〉の特長であり魅力です」と今野理事長(写真上)「漁港
良質なマグロや新鮮な海産物を求
50
復旧までにかなりの時間を要しました。それに
27
を届けたい、そして元気になった塩竈の姿を見
で
12
まれ変わっていくことを決心させてくれたよう
「『三陸ひがしもの』を始め、マグロ専門店が多いのも〈仲卸
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shi o g a m a - c i t y
協同組合連合会
塩釡水産物仲卸市場
re po rt
09
10
20
<各種料金>「マイ海鮮丼」
ご飯味噌汁セット/300円(税込)、焼炉利用料/100円~(税込)、地酒の量り売りも有り
協同組合連合会塩釡水産物仲卸市場 塩竈市新浜町1-20-74 TEL 022-362-5518 営業時間/月~金曜日3:00~13:00、土曜日3:00~14:00、日曜日6:00~14:00
定休日/毎週水曜日、お盆休み(8月14日・15日)・正月休み(1月1日~4日) http://www.nakaoroshi.or.jp/
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特 集
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s h i o gama - c i ty
(ご飯と味噌汁セット300円・税込)に載せて食べる「マイ海鮮
市場内で、新鮮な魚介類を購入し、食堂(6:00~13:00)でご飯
丼」が好評。また、焼炉も設置され、焼きたての魚と塩竈の地
酒を楽しむこともできる
B AY W AV E
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shi o g a m a - c i t y
塩竈市
復興、災害対策に注力し精力的に活
動。現在、全国に285のCFMがある
専務取締役
CFMに大きな関心が集まったのが、平成7
ニティ放送局(CFM)の開局が後押しされた。
コミュニティ放送が法制化され、各地でコミュ
ィ放送。平成4年の放送法の一部改正によって、
身近なメディアとして親しまれるコミュニテ
局にこぎつけました」と話すのは、エフエムベ
を立ち上げ、2年かけて〈ベイウェーブ〉の開
体と民間会社の出資による第3セクターの会社
意味もあって、理解してくれる人も多く、自治
震災直後だったことと、宮城県沖地震に備える
痛感し、すぐに開局準備に取りかかりました。
横田善光
年に発生した阪神淡路大震災だった。被災地の
イエリア株式会社〉専務取締役の横田善光さん。
番目の
新たな存在価値が見いだされ、自治体単位での
であったが、地元住民の歓迎もあり、順調なス
CFMとして開局した。当初は手探りでの運営
こうして〈ベイウェーブ〉は、全国
開局が推進されるようになり、平成8年から全
タートを切った。
「阪神淡路大震災の経験からCFMの必要性を
する〈ベイウェーブ〉もそのひとつだ。
内の仮設スタジオは、現在もそのまま使えるよ
マーシャル収入も多かったが、ネット時代が到
ったこともあり、視聴者からのリクエストやコ
開局当初はインターネットが普及していなか
来するとコマーシャル収入は年々減少し、イベ
うになっているという。移転については高台へ
取りかかりましたが、直後の停電によって放送
「ものすごい揺れに見舞われる中、放送準備に
横田専務は当時の状況をこう振り返る。
や市役所のスタジオとあわせて、災害時でも放
高台の高さ m に設置しました。移動局の新設
「スタジオは海のそばですが、送信アンテナを
ても、再び海の近くで再開となった。
これからも海と共存していく塩竈の街の顔とし
とも考えたが、〈ベイウェーブ〉の名からも、
ができなくなってしまいました。非常用発電機
日、東日本大震災発生。
を用意していたので、すぐに放送再開を試みま
送が継続できるよう万全のバックアップ体制を
年3月
したが、今度は大津波警報で避難指示が出てし
整えています。二度と放送中断はさせません」
再びここから情報発信する決意
たインターネットやツイッターなどのツールと
あれば放送ができると考え、塩竈市庁舎内に仮
サーが無事だった。これさえあれば後は電源が
大部分の機材がやられていたが、送信機とミキ
んとかスタジオへとたどりつくことができた。
避難した高台の神社で一晩を過ごし、翌朝な
インターネットの普及によって、広告や聴取
営を続けていきたいと思います」と横田専務。
域の活性化と住民の方々の生活に寄り添った運
ーネットやイベントのチカラも活用しながら地
うメディアを持つ強みを生かし、また、インタ
のチカラは強力でした。これからはラジオとい
者を奪われた側面がありつつも、インターネッ
トを使うことで、パソコンやスマートフォンで
分。
開局当時から非常時に備えたマニュアルを準備
全国どこからでも聴くことができるようになっ
日の夜6時
していましたが、想定を遥かに上回った事態に
「震災からまもなく4年が経ち、記憶の風化も
たラジオ。近年、
〈ベイウェーブ〉でも全国から
始まっていますが、一方でいまだ立ち直れてな
い人たちや企業もいます。伝えることが仕事の
震災1週間後、臨時災害放送局の申請を行い、
年9月
私たちが、この経験をいつまでも後世に残すこ
Wから100Wに増強。平成
まで、『しおがまさいがいエフエム』として地域
出力を
より広いエリアの人びとに聞いてもらうために、
よって、結果的に空白の2日間ができてしまっ
「放送再開できたのが、翌
設放送局を設置して放送再開へと動き出した。
「震災時、インターネットやツイッターの情報
のメディアミックスも視野に入れる。
回復しつつあるというが、今後は競合相手だっ
現在、コマーシャル収入は震災前の水準まで
28
地域に寄り添いともに歩み続けて行く
その後、街は大きな津波に飲み込まれて行った。
まい、高台へ避難せざるを得ませんでした」
そして平成
ント開催など多角的な経営で対応した。
局した〈エフエムベイエリア株式会社〉が運営
国で開局が相次いだ。平成9年に、塩竈市で開
たことで、防災や災害時の情報ツールとしての
状況や被災者に必要な情報発信をCFMが担っ
さん
エフエムベイエリア
ーブ〉。地域住民の生活情報と地域
とが使命だと考えています。これからも地域と
25
月には新たな
23
12
ベイエリアから風に乗り
今日もみんなのソラをつなげてゆく
平成25年9月に臨時災害放送局『しおがまさいがいエフエム』としての役目を終え、〈ベイウェーブ〉としての放送を再開。地元密着メディアとして地域住民に親しまれている
エフエムベイエリア 株式会社 塩竈市海岸通15-20セレーノ本塩釡駅前1F TEL022-363-3781 ベイウェーブ 78.1FM http://www.bay-wave.co.jp
コミュニティFM放送局〈ベイウェ
リクエストが寄せられるようになったという。
40
たことは、今でも悔しさでいっぱいです」
13
年
専務。この経験を伝えるための講演活動も続けている
11
の情報を伝え続けた。平成
ちから多大な協力を得られたことがありがたかったと話す横田
地域の声を聞き、地域の声を届ける
ともに頑張り続けます」
再起への支援として阪神淡路大震災の被災エリアの企業や人た
23
11
12
10
スタジオに移転。それまで使用していた市役所
東日本大震災では、機材など約2000万円の被害を受けたが、
68
特 集
t agaj
a gaj o u - c i t y
sh
s h i o gama - c i ty
株式会社
r epo rt
さん
塩竈市
弁 当・そ う ざ い の
代表取締役
宍戸幸樹
かずにこだわり、イベント・各種会合への配達
んが開業。塩竈の家庭的な味わいと、手作りお
まわり弁当〉は、平成5年4月に今野みや子さ
JR東北本線塩釡駅の近くに店舗を構える〈ひ
「一時は廃業も検討しましたが、その一方で、
ッチングによって成立した。
頼を受けた宮城県事業引継ぎ支援センターのマ
相談したことがきっかけになり、同会議所の依
た今野さんが、塩釡商工会議所にお店の将来を
顧問
や店頭販売、高齢者を対象にした宅配などで『お
お客さまの『続けてほしい』という声に応えた
さん
ふくろの味』を提供し続けてきた。また、塩釡
いという強い思いがありました。皆さんのお力
今野みや子
港に入港した外国人船員向けに特注のお弁当を
身が抱える消化器系の難病にあると語る。
業種へ飛び込んだ理由については、宍戸さん自
震災時の無理から身体に不調をきたしてしまっ
樹さんへとバトンが渡された。この事業承継は、
ばれ、今野さんから新しい経営者となる宍戸幸
承継が決まったことは本当にうれしいですね」
びる余地はある』と感じていましたので、事業
げを上げていました。その数字からも『まだ伸
継ぎ支援センターからの紹介に結びついた。異
参加を通して育んできた人脈が、宮城県事業引
業家対象のセミナーやランチミーティングへの
一方の宍戸さんは、IT企業からの転身。起
添えですばらしいパートナーが見つかり、今は
月、同店では第三者承継契約が結
「日々の食事制限が食への関心を高めたのでし
宍戸さんはその『伸びしろ』を、前職で培っ
年
ょう。小さい頃から食品分野に興味があり、起
たスキルを使いながら伸ばしていく。インター
余年続いてき
「今野さんの味で障がい者や高齢者向けのメニ
はこの要望を快諾した。
るほどの人気商品なんです」
お客さまから『必ず入れてほしい』と要望があ
きた、まさに家庭の味で、お弁当を注文される
「第三者事業承継は、譲渡する側・される側そ
さんは次のように話す。
パッケージングの工夫や、食べ方の新提案など
もちろん、広域圏への展開を実現するためにも、
べく準備を進めている最中。早期の契約成立は
この『さんまのまろやか煮』は、塩釡商工会
れぞれの要望が大きな壁になることが多々見受
を行っていきたいと宍戸さんは意気込む。
は従業員の皆さんの存在が欠かせません」と宍
けられます。私の役目は、お互いの思いや価値
「今野さんが作った味を大勢の方に知ってもら
議所の後押しを受けながら、宮城県商工会議所
観を少しずつすり合わせていくことですが、今
いたいと思っています。また、塩竈・多賀城地
戸さん。この声を受けて、今回の案件で要望の
回の案件は、スムーズに話が進みました。今後
区の高齢者の方や身体の不自由な方へのお弁当
連合会が主催する『伊達な商談会』に出品する
も新たな〈ひまわり弁当〉が軌道に乗るまで、
配送にも力を入れ、さらに地元に密着したお店
であり続けたいと考えています」
地元客を大切にしながら、より多くの人々に
今野さんの味を届けたいと話す宍戸さん。その
当〉の営業継続決定に笑顔を見せる。
た塩釡商工会議所の笠原充さんも〈ひまわり弁
今野さんから後継者問題について相談を受け
ことがたくさんあります。この店を継いでくれ
と『芯のしっかりとした方』と感じさせられる
ていますが、宍戸さんと一緒に仕事をしている
「今は引き継ぎの最中なので二人三脚で経営し
言葉を受け、今野さんは次のように語る。
「相談当初、今野さんに財務諸表を見せていた
る方が見つかり、本当に安心しました」
今野さんの味を広く発信していく
地元密着を大切に守りつつ
経営面でのアドバイスを行っていきます」
すり合わせを行った中小企業診断士の齋乾二郎
ューを作りたいという思いもあり、その実現に
んまのまろやか煮』。今野さんの家に伝わって
「特にアピールしていきたいのが、
お総菜の『さ
信していくことも今後の目標のひとつだ。
業の際には『食』を通じて障がい者や高齢者の
従業員の雇用維持。もちろん、
事業承継に際して今野さんが挙げた要望は、
ネットなどを活用しながら、情報を積極的に発
平成
作ったり、震災時には避難所にお弁当の配送を
れも家庭的な味わいが好評
ホッとしています」と今野さん。現在は顧問と
ろやか煮』
(大650円・税込)。いず
行うなど、地元に密着した営業活動も積極的に
宍戸さんおすすめの『さんまのま
いう立場で新経営者の宍戸さんを支えている。
くろ弁当』(600円・税込・右)と、
行ってきた。
お弁当で人気ナンバー1の『おふ
方々の助けになりたいと考えていたんです」
11
た『おふくろの味』を守るためにも、宍戸さん
20
ホッカホカのひとつひとつに
真心っていう味がひとつひとつ
20余年にわたって今野さんを支えてきた従業員の雇用を守ることができたという意味でも事業承継の意義は大きい
弁当・そうざいのひまわり弁当 塩竈市東玉川町4-7 TEL022-367-1762 http://www.989984.biz/web/HIMAWARIBENTO/
rep o rt
t a g a j o u- c i t y
shi o g a m a - c i t y
だきましたが、広告宣伝をせずに結構な売り上
取り組んでいます。お悩みの方はぜひご相談を」(木坂さん)
引継ぎ支援センターは、小規模事業者の事業承継支援に全力で
の支えで今回の第三者事業承継契約が成立した。「宮城県事業
26
13
14
「塩竈のおふくろの味を守り続けたい」と語る宍戸さん
センターの木坂尚文さん、塩釡商工会議所の笠原充さん。3人
今野さんは顧問という立場から宍戸さんを支える
左から中小企業診断士の齋乾二郎さん、宮城県事業引継ぎ支援
特 集
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a gaj o u - c i t y
sh
s h i o gama - c i ty
ひまわり弁当
r epo rt
宮城県事業引継ぎ支援センター TEL022-722-3884
http://www.hikitsugi-miyagi.com/
NEW SPIRITS! 07
仙台に新しいチカラを。
仙 台に新しいチカラを。
阿部大さんは、母親と一緒に日本酒の蔵元の前掛けを素材にした
鞄類を製作する〈おさけかばん工房〉もプロデュースしている。
〈おさけかばん工房〉 http://osakekaban.ocnk.net/
どの飲食業を経て経験を積み重ね、さまざ
印象づける接客というものを、さまざまな
客業の本質であるという考えのもと『接客
まなシーンでの接客に対する引き出しを増
手法で広めていきたいと思っています」
アドバイザー』という新たな仕事を立ち上
やしていった。そして、働く人の人間的な
現在、阿部さんは、飲食店はもとより販
げたのが大河原町在住の阿部大さん。
成長を基本に置き、それが現場で活きる接
売、受付に従事する方々へのセミナーの講
阿部さんは、高校卒業後ホテルマン養成
客教育を、自らが現場に入ってマンツーマ
師を基本に、お店の現場に最長で10日間一
の専門学校に入学したことがきっかけで接
ンで行うという独自の方法を確立させた。
緒に入り、そのお店に合った接客をじっく
客業の道に進んだ。
これまで、接客に関する教育現場には、
りと構築していくOJT教育も行っている。
「最初は接客業なんて、マニュアル通りに
お辞儀の角度とか発声方法など一般的な常
さらには、誘客、販売促進、新商品開発、
すればいいだけの仕事だと思っていたので
識を教えるマナー講師という存在があった。
新規開業など店舗全体のコンサルティング
すが、現場では当然マニュアルでは対応し
阿部さんが接客の中で重視しているのは、
にまで発展していくケースも多いという。
きれないことがいくつも発生します。幾度
決して技術ではなく、人間関係を円滑にす
「単にサービス知識だけではなく『サービ
も壁にぶつかりながらも、問題点やそれを
るためのマインドの持ち方だ。
スって楽しい!』という気持ちを伝えたい。
クリアする方法を自分なりに模索していき
「この人がいるから、このお店に来る、と
そして、人を輝かせることが〈接客アドバ
ました。すると、接客業はとても人間的な
思わせるような人材を育てていければ良い
イザー〉として、自分がやらなければいけ
仕事だと感じるようになったんです」 ですね。それには、接客業を心から楽しむ
ないことだと思っています」
接客アドバイザー 阿部大 宮城県柴田郡大河原町西浦35-1 TEL070-6614-3773 https://www.facebook.com/adabedai
さん
あくまでも人間同士の出会いが接
接客アドバイザー
ことが大切です。自分の経験を生かして、
阿部大
その後、ホテルをはじめ居酒屋、バーな
人との出会いをもっと楽しんでほしい。
接客業は、とても人間的な仕事です
お
客さまをひとりの人間として捉え、
NEW SPIRITS!
仙台に新しいチカラを
07
「日本一起業しやすいまち」の実現を目指す仙台市。
本格的な経済復興の実現のために、さまざまな支援体制を紹介しながら、
仙台・宮城の未来を作り出す起業家をクローズアップしていきます。
16
15
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ウ ー マ ノ ミ ク ス volu m e. 0 7
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+
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登米市登米町にある「てのひらに太陽の家」
(写真右上)は、
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世界的なアウトドアメーカー『mont-bell』の支援を受け
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て同社が初めて実現させた共生住宅。伝統工法による木
組み構造やすべての材料に自然素材を使用するというこ
c
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だわりに加え「持続可能な住まい」を実現すべく、太陽
光発電&熱給湯、ペレットボイラー&ストーブ、雨水利
o
用など、さまざまな自然エネルギーを最大活用している
c
のも同社の家づくりの特長だ
n
s
o
い、さらに接着剤や塗料などにも配慮し、
やはり、子どもの頃の原体験が影響してい
に創業した、地球環境に配慮した安全・安
化学物質の力に頼らないものを使っている。
るのかもしれない。
心を提供する木組みの家づくりを行うホー
「それは、かつての日本が当たり前のよう
「私は子どもの頃、山を駆け野を駆けながら、
ムビルダーだ。代表取締役を務めるのは、
にやっていた、自然と寄り添う暮らし方な
自然に育てられてきたと思っています。だか
3人のお子さんを持つ大場江美さん。出身
んです。しかし、現在はコスト削減による
ら、自然を前にしたら男女という区別は関係
は宮城県栗原市で、自然を身近に感じなが
工業化が優先されて、化学物質を含むさま
ないですし、それに元々すべて自分の手でや
ら育ってきた女性だ。
ざまな新建材が多用されています。私たち
らないと気がすまない性分なんですね」
「山や森、そして木とともに暮らしてきた
はあくまでも自然素材にこだわり、住まう
それでも、現実では壁がある。それを乗
という原体験が、今の仕事につながってい
方の健康を第一に考え、責任を持って取り
り越えるために必要なのは、同じ思いを持
るんです」と、大場さんは創業への思いを
組んでいきたい。そして、地域の材料を使
つ仲間の存在だという。
切り出した。地元の製材工場に務めていた
った地域に根ざした家づくりを通して、地
「自分でできないところは、専門的にやっ
頃、木を伐り出し出荷したあと、建材に加
元に根付いた自立循環型の暮らしづくりを
ている人たちの力を借りる。そこをうまく
工され住宅になるまでにさまざまな化学物
目指していきたいと考えています」
コーディネートすることで、自分なりの達
質が使われ加工されている実情を目の当た
また、震災後すぐに創業した理由のひと
成感が得られると思います」
りにした時に、“これはちょっと違うので
つとして、復興住宅を自分たちの手で建て
自然と共生する社会の実現を目指して活
は”と感じたという。
たかったことを挙げた。
動するさまざまなグループとの協働で、サ
「製材までの段階では、防腐剤や防虫剤な
「さまざまな被災地支援を行いながらも、
スティナブルな暮らしを提案し実現してい
どを使用していません。やはり最終の所ま
やはり暮らしのベースになる住宅を早く提
く大場さんの取り組みは、さらに大きな夢
で自分たちが手がけていかないと、本当に
供したかったですし、それには安全で安心、
の途上にあるのだ。
日本伝統の木組みの家づくりで、
環境にやさしい暮らしを広げていきたい
大場 江美
株式会社 サスティナライフ森の家
仙台市泉区福岡字西
仙台市泉区福岡字西森下39森下39- 13
TEL0 2 2 -7 2 5 -2 7 7 5
h t t p ://w w w .s us t a
ainalife.
inalife. co. jp
さん
〈サスティナライフ森の家〉の家づくりには、施主も森に入り、実際に使用する木の伐り出しに同行する。また、
女 性 の 社 会 進 出 が 生 み 出 す 新 た な 経 済 成 長
大場さんが自分の目標に突き進めるのは、
ティナライフ 森の家〉は、平成23年4月
s
る家づくりは、地域の木材、地域の土を使
c
ふさわしいと思ったからなんです」
ヶ岳の麓、泉区福岡に本社を構える〈サス
i
〈サスティナライフ 森の家〉が展開す
株式会社サスティナライフ森の家
しかも暖かく安らぎを感じさせる木の家が
うっすらと雪をまとっている。泉
代表取締役
安全なものは作れないと感じたんです」
m
ツ
リーデッキから見上げる泉ケ岳が
家づくりの各段階でも、子どもたちが現場に参加するなど、みんなで作る家をテーマにしたさまざまな取り組みが
なされている。そこには、住む人たちに家にもっと愛着を持ってほしいという同社の思いが表れている
18
17
南部実践組合
組合長
組合員の幸せを第一に、
将来を見据えた組織づくりを。
の転作を行う組織として活動していたが、
のメンバー。震災前、同組合は大豆や麦
区の農家で構成される〈南部実践組合〉
ンで収穫していくのは、種次・藤塚両地
まで乾燥させた大豆を、2台のコンバイ
葉が落ち、茎や莢(さや)が褐色になる
月下旬、晴天が続いた某日。若林区
種次地区のほ場で大豆の収穫が行われた。
として、平成 年から開始された。相澤
を通じて仕事のある環境づくり』を目的
地などで行う冬期の野菜栽培は、『年間
コストの削減を実施。また、ハウスや露
ではこの一連の作業を一人で行うことで、
するのが一般的とされているが、同組合
たとえば大豆の収穫なら、コンバイン
のオペレーターと運搬係をそれぞれ手配
平成 年からの営農再開を機に、水稲や
々からの依頼を受けて始めることになり
高齢化に伴って離農することになった方
「水稲は、農機具の購入を断念した方や、
野菜栽培も手掛けるようになった。
刈った後の稲藁を畜産農家に販売するな
作と、冬の葉物野菜が中心ですが、稲を
「現在は、春から秋にかけての水稲や転
語り続ける。
通じて経営の安定を追求していきたいと
組合長は、今後もさまざまな取り組みを
ました。津波の影響をはじめ、多くの不
で同組合では、法人化に向けての準備を
ど、さらに収益性の高い仕事を模索して
こう語るのは、組合長の相澤幸義さん。
再起にあたっては、仙台市の『被災地域
着々と進めている。
安があったものの、無事に営農再開がで
農業復興総合支援事業』と、『東日本大
「当組合は任意組織なので、利益を年ご
いる最中です」
震災農業生産対策交付金』を活用した。
とに当組合員へ分配してきました。その
きたのは、ボランティアの皆さんや行政
現在は、8名のメンバーで115ヘクタ
一方、営農再開にあたって揃えた農業機
の方々の後押しがあったからですね」
ールのほ場を管理している。
械や資材が5〜6年後に更新を迎えた時、
営農再開以後の経営は順調で、経常利
益も着実に増え続けているという。そこ
「この規模なら 〜 人のメンバーが在
とを当面の目標に掲げています」
削減に注力し、経営を安定させていくこ
規模拡大よりも生産性の向上とコストの
に増やしていくことが第一。ですから、
つつ、メンバー一人ひとりの収入をさら
今は経営面積や組合員数を現状で維持し
籍していても不思議ではありませんが、
渡す農業の礎を築いていく。
くりを通して、相澤組合長は次代に受け
新法人の設立予定は平成 年1月。組
合員の収入増と、将来を見据えた組織づ
準備金を蓄えるための手段なんです」
まうおそれがあります。法人設立はその
今のやり方では資本が足りなくなってし
で乾燥が進んでから行われる。莢を振り、カ
の天候等で収穫時刻が決まるという
平成26年は31ヘクタールのほ場で大豆を栽培。
大豆の収穫は、茎や莢(さや)が褐色になるま
た2台のコンバインを使い、効率よく大豆を収
ラカラと音が出る成熟期が適期とされ、前日
地栽培も行っている。冬期はこれらの葉物野
穫することができた
震災農業生産対策交付金』を活用して揃えた。
カールを栽培。また、小松菜や雪菜などの露
菜に力を入れて、収益力を高めている
agro-industry creating region
さん
大 地 の め ぐ み ふ た た び
26
『被災地域農業復興総合支援事業』で貸与され
10棟のハウスでは、サニーレタスやグリーン
災地域農業復興総合支援事業』と『東日本大
11
25
19
20
27
「営農再開の弾みになった」と相澤組合長
仙台市若林区種次字番古33
16
トラクターやコンバイン、格納庫などは『被
南部実践組合
15
相澤幸義
規模拡大よりも経営安定。
震災時、この界隈には2メートルの津波が押し寄
せたという。営農を再開した平成25年には塩害の
影響が一部で見られたが、今年は水稲、大豆とも
に前年以上の収量だったそう
モノづくり
product innovation
メガビーム
従来型蛍光灯に比べて消費電力を65%削
減する『スーパースリムライト』は、1本
で最長5mまで使用可能。ショーケース
のサイズに合わせて5cm単位でカットで
きるので、明かりのムラなく隅々まで照
らすことができる。また、商品入れ替え
やディスプレイ変更に伴う本体の取り外
事業継続計画(BCP)作成講座
〈株式会社コムコム〉は、昭和55年の創
業以来、食用油劣化抑制装置『カラット
君』など、省エネルギー機器の開発に注
力してきた企業だ。現在、同社では主力
製品のひとつであるLED照明『メガビー
ム』の新シリーズ『スーパースリムライ
トテープを採用したほか、万が一の事故
ト』を開発している。
スーパースリムライト
しを容易にするため、裏面にはマグネッ
に備えた直流12Vの低電圧仕様、完全防
水など、ユーザーの使い勝手と安全性に
配慮した仕様になっていることも特長だ
商品をより鮮やかに見せるため、演色性
にも配慮。精肉や赤身の魚介向けの『桜
色LED』
(写真下)のほか、生鮮食品や商
品パッケージが鮮やかに際立つ『プラチ
ナホワイト』、揚げ物や総菜、パンなど
の温かさを演出する『電球色』の3カラー
を用意している。「導入コストも抑えた
設定にする予定です」と田原社長
これは、スーパーなどに設置されてい
るオープンショーケース用照明で、シリ
コンのボディに高照度のLEDを配したも
の。従来型蛍光灯の8分の1に相当する
4mmという薄さを実現した。
「現在は取引先のスーパーの協力を得て、
試験を行っている最中です。省電力化に
貢献するのはもちろん、省スペース化に
よって商品の取り出しや補充がスムーズ
になったと好評をいただいています」と
語るのは、代表取締役の田原誠さん。商
品がより鮮やかに見えるよう、演色性に
も配慮し、商品別に3種類のLEDを用意
するなど、製品化への歩みは着々と進む。
「間接照明など狭小スペースへの設置に
も最適です。レイアウトや取り付けが容
易なのはもちろん、長寿命だから交換作
「農業参入フェア2014in仙台」の開催
非常事態に直面した際、事業への影響を最小限に抑
「企業と農業・農村の交流促進」をテーマに、農村地域の活力を生み出す新しい農業の
画の備えがあることが重要。この講座は4日間にわ
化を考えるセミナーを行う「農業参入フェア2014」を開催
かたちを見いだすため、企業の農業への参入相談コーナーの設置や、農業・農村の活性
え、短時間で事業再開するために、平時から事前計
たり、経験豊富な講師から直接アドバイスを受け、
計画書の作成を目指す、実践的な講座
○日時
平成27年1月21日(水)
13時00分~16時30分
○対象者
BCP 策定を予定している中小企業の経営者等
※全4回とも参加可能な方を対象
○定員
10名(先着)
○応募締切
平成27年1月9日(金)
○日時
※全4回連続講座
平成27年1月15日(木)、29日(木)
2月5日(木)、19日(木)
いずれの回も13時30分~16時30分
○開催内容
①相談コーナー
企業・自治体・資金相談・法律制度などの
各種相談
○講師
株式会社フォーサイツコンサルティング
代表取締役社長
リスクマネジメント協会理事 浅野 睦 氏
第4回「女性ビジネスプランコンペティション」募集
株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJ)では、日本の新しい成長を促進する為、女性
による新しい視点でのビジネスを、社会や経済に変革をもたらす成長事業として育成す
○申込み方法
下記HP参照
ることとし、第4回「女性新ビジネスプランコンペティション」を開催
問/公益財団法人仙台市産業振興事業団
地域産業振興部 中小企業支援課 吉田
TEL022-724-1212 FAX022-715-8205
E-mail:[email protected] http://www.siip.city.sendai.jp/
ケーキ店や宝石店のショーケースなど、
新たな用途の提案も行いながら、全国に
チャペルの上空を旅客機が飛ぶと
者同士の式だったので、青空の下、
結婚式参加のため、成田までク
ルマで行ってきました。空港関係
することばかり。特に住職さんの
軽い説教を聞いたりと初めて経験
な雰囲気の中、座禅を組んだり、
お寺の住職さんが企画する「寺
コン」に参加してみました。厳か
毎年しもやけができます。今年
も寒くなりだした途端に足先がム
お話は面白くて、必要以上に話し
ズムズしてきました。そんな冷え
いう絶好のロケーション!しかし、
1カ月で2回も胃カメラを飲む
ことになるとは思わなかった。特
が原因なのか、極度の寒がりです。
帰りの高速で雪に見舞われるし、
に2回目は超音波内視鏡といって、
毎年寒さに負けて、光のページェ
36
歳(汗)(我)
ちょっと太めでイカついヤツ。鎮
ントを見逃しているので、今年は
かけてしまい、本来の目的をまた
静剤のおかげで記憶はなかったが、
完璧な防寒策をとって見に行きた
しても見失った
きっと悶え苦しんでいたに違いな
いと思います(こ)
クルマで行くにはさすがに遠かっ
い。唯一の救いはキレイな女医さ
た(西)
んだったことだなぁ(ア)
早いもので今年もおしまい。月
刊誌だと、今月号は1月号になり
□本誌に掲載されている内容は平成26年12月25日現在のもので
す。情報内容が変更されている場合もございますことをご了承く
ださい。□本誌は仙台市企業等支援情報配信事業として発行され
ています。
ますが、発行日のタイミングを考
仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム
協同組合みやぎマルチメディア・マジック
〒984-0011
仙台市若林区六丁の目西町2-12
TEL. 022-390-5755
FAX. 022-390-5756
Email. [email protected]
URL. http://www.25jin.com/
25
日でメリークリスマスだ
西城孝幸
阿部高久
松本宏幸
我妻奈三江
阿部ことえ
木村益久
えると果たして「よいお年をお迎
協同組合みやぎマルチメディア・マジック
編集
えください」なのか「謹賀新年」
企画
なのかいつも迷います。今月の発
22
編集後記
産業復興支援情報誌プロジェクト委員会
行日は
株式会社 コムコム 仙台市青葉区中山台1-6-12 TEL 022-277-2051 http://comcom-eco.co.jp/
問/株式会社 日本政策投資銀行
女性起業サポートセンター(DBJ-WEC)
TEL03-3244-1652
http://www.dbj.jp/service/advisory/wec/
発行
し。それはさておき、まだまだ寒い
さん
早期の特許取得も視野に入れながら、開発を推し進めています。
応募方法など、詳細については下記HP参照
○事業奨励金
DBJ女性起業大賞 最大 1000万円(1件)
DBJ女性起業優秀賞 最大 500万円(1件)
DBJ女性起業地域みらい賞 最大 500万円(1件)
日が続きますが、どうぞお体(ま)
代表取締役
田原誠
らも「こういうのが欲しかった!」という声をいただいています。現在は、
○事後支援
事業計画のブラッシュアップ、起業・経営に
ついのノウハウをサポート、企業とのビジネ
スマッチング等
○募集対象
創業期にある女性経営者による事業で、技術、
サービス、ビジネスモデル等において新規性
あるいは高い付加価値が期待でき、かつ事業
として大きな成長が期待できるビジネス、ま
た、初めて事業を営む人の他、第二創業も
対象
業の手間も減少します。製品化の際には、
ハリウコミュニケーションズ株式会社
したオーナーの声にありました。実際、試験的に導入をしているスーパーか
問/東北農政局
経営・事業支援部農地政策推進課
TEL022-263-1111(内線 4068)
http://www.maff.go.jp/tohoku/press/keiei/
noutiseisaku/141210.html
○開催場所
AER7階 公益財団法人仙台市産業振興事業団 会議室
協力
はスーパーが潜在的に抱えていた悩みだったんです。開発のヒントは、こう
申込先/全国農業会議所 農地・組織対策部
FAX03-3261-5131
E-mail:[email protected]
http://www.nca.or.jp/hojinsien/kyougikai/
○参加費:無料
※農業に参入を検討している企業等であれば、
どなたでも参加可能
参加を希望される方は、右記HP参照にて、
所定の申込書に必要事項を記入の上、申込先
にFAX又はE-mail にて申込み
○参加費
無料
印刷
灯が外れていたり、商品に線が当たっていたりすることがありますが、これ
②セミナーコーナー
農業参入した企業による事例発表や農業関連
に取り組む企業への調査結果に基づいた分析
などの報告
○場所
イベントホール松栄 6階「ABホール」
仙台市宮城野区榴岡1丁目2番8号
松栄不動産本社ビル 6階
広めていきたいですね」
スーパーのショーケースを見ると、留め具となるプラスチックの劣化で蛍光
info
復興に役立つインフォメーション
シ ョ ー ケ ー ス の 商 品 を よ り 鮮 や か に 彩 る 、 L E D 棚 下 照 明
21
1
2 0 14年
12月25日
発
行
元 気 に 営 業 中 !
「虎さん」と親しまれる3代目店主と現役でお店を手伝う母の淑子さん
宮城の地産地消そのもの
『 仙 台 づけ 丼 』
宮 城 の 食 材 が 詰 まった
”真 “名物
ふうき
深瀬 大輔さん
富貴寿司
店主
虎屋横丁に、創業60年の歴史をもつ
そして、当時漁港の漁師が売り物に
『富貴寿司』がある。3代目店主の深
ならない規格外の魚を、何かに利用で
瀬大輔さんは、仙台の新名物『仙台づ
きないかと悩んでいることを知り、地
け丼』の元祖として、代々受け継がれ
場産の白身魚と宮城県産の米を使った
る味を守りながら、新しい仙台の食を
この丼を『仙台づけ丼』と名付け、寿
盛り上げる一役を担っている。
司組合12店舗で販売を開始しました。
「6年前に『宮城産の米と、地場で採
震災後は取扱い店舗を増やしてほし
れる魚を使って、仙台の名産品を使っ
いとの声が高まり、地場産の季節の魚
た新名物をつくりたい』と、宮城の寿
を使うことと、条件の幅を広げ、今で
司組合に仙台市から依頼がありました。
は県内100店舗以上で『仙台づけ丼』
宮城は名高い漁港があるのに、名物
を食べていただけるようになりました。
と言えば『牛タン』というイメージが
県外から来られたお客さまの注文が
強かった。そこで、この機に乗じて、
ほとんどですが、地元の方にこそ、宮
海産物を使った新しい地産地消の仙台
城の地産地消が詰まったこの丼をもっ
名物を作りたいと、立ち上がりました。
と食べてもらいたいと考えています」
仙台市青葉区一番町4-4-6 TEL022-222-6157
営業時間/11:30~14:00 17:00~23:00 ランチ営業 L.O. 22:30 日祝定休
http://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4000744/
volume
39
2014