三世代同居・近居に係る税制上の軽減措置の創設(内閣府)

平成 26 年度税制改正(租税特別措置)要望事項( 新設 ・拡充・延長)
(内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付高齢社会対策担当)
制
税
度
名
三世代同居・近居に係る税制上の軽減措置の創設
目
所得税(住居用財産の買換え特例等)
高齢者や勤労世代の希望に応じた家族関係や地域とのつながり、子育て世代の
子育ての態様についての各人の希望を実現するために、三世代同居・近居に係
る所得税制上の軽減措置を要望する。
要
望
の
内
容
(所得税)
同居・近居のための「買換え等の特例」等の適用要件の緩和
・二世帯が同居又は近居するために住宅の譲渡もしくは買換えを行った場
合、以下の特例について、適用要件を緩和する。
①住宅用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例要件を緩和す
る。
現行:所有期間 10 年超
要望:所有期間 5 年超
②特定の住宅用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の特例要件を
緩和する。
現行:所有期間 10 年超かつ居住期間 10 年以上
要望:所有期間 5 年超かつ居住期間 5 年以上
③住宅用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の要件
(現行:所有期間 5 年超)を緩和する。
④特定住宅用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の要件(現行:所有
期間 5 年超)を緩和する。
▲209 百万円
平年度の減収見込額
(制度自体の減収額)
(
百万円)
⑴
○
新
政策目的
子育て世代の希望の実現
子育て世代の中には、日常的に子どもが祖父母とふれあうことや、身近にい
る祖父母に子育てに関する各種相談をしながら子育てをすることを希望する者
もいるところであり、各人の希望する子育ての態様を実現するためには、三世
代同居・近居を希望する者が、実際に希望を実現できるような環境整備を図る
ことが必要である。
設
・
拡
充
○
高齢者及び勤労世代の希望の実現
人が生涯にわたって充実した人生を送るためには、人間の生活の基盤とな
る、家族関係や地域とのつながり等について、自らの希望が実現できる環境整
備を図ることが必要である。
現在、高齢者の世帯状況をみると、三世代同居世帯が減少傾向にある一方
で、高齢者の単独世帯や高齢者夫婦のみの世帯が増加しており、今後は、単独
世帯が大幅に増加すると予想される。
一方、高齢者や勤労世代のニーズを勘案すると、三世代同居・近居を希望す
る高齢者や勤労世代も存在しているところであり、各人の希望に応じた家族関
係や地域とのつながりを実現するためには、三世代同居・近居を希望する者の
希望が実現できるよう環境整備を図ることが必要である。
又
は
延
長
を
必
要
また、地域とのつながりを保つため、住み慣れた地域に継続して居住しなが
ら、三世代同居・近居を希望する者もおり、こうした者の希望を実現できるよ
う環境整備を図ることも必要である。
と
す
⑵
施策の必要性
J ファイル 2013 においては、286 番「家族の絆を深め、家庭基盤を充実さ
せ、全員参加型社会の実現へ」にて、「特に、家庭資産の形成がはかれるよう
な税制の改正、三世代同居・近居の優遇、質の高い持家・借家制度等を進めま
す」と明記している。また 232 番「妊娠から子育てまで切れ目のない家族支
援」にて、多世代同居の促進を挙げており、自民党としてもこれを推進してい
かねばならないとしている。
る
理
由
今
政策体系
における
政策目的の
位置付け
回
【政策】
共生社会実現のための施策の推進
【施策】
子ども・子育て支援の総合的推進
の
○高齢者の意識調査では、子どもや孫との付き合い方につい
て、「ときどき会って、食事や会話をするのがよい」と回答
した高齢者は 46.8%(平成 22 年度)である。
要
望
合
理
に
関
連
す
る
事
性
政 策 の
達成目標
一方、近居の実態は
・高齢夫婦(夫 65 歳以上,妻 60 歳以上の夫婦のみ)普通世
帯と子ども世帯との同居・近居(15 分未満)率は 26.2%
(平成 20 年)
・65 歳以上の単独世帯と子ども世帯との同居・近居(15 分未
満)率は 20.6%(平成 20 年)
に留まっている。
以上から希望と実態にはギャップがあり、今回の要望によ
り、希望の実現を促進していく。
また、高齢者の意識調査では子どもや孫との付き合い方につ
いて、「いつも一緒に生活できるのがよい」と回答した高齢
者は 33.1%(平成 22 年度)であり、75 歳以上では 4 割を超
える回答である。
65 歳以上の者のいる世帯における子ども(既婚・未婚)との
同居率は 34.7%(平成 22 年)であり減少傾向であるが、今
回の要望により各人の希望の実現を促進していく。
租税特別措
置の適用又 平成 26 年 4 月 1 日~平成 26 年 12 月 31 日
は延長期間
同上の期間 三世代同居・近居に係る税制上の軽減措置を創設することによ
中 の 達 成 り、高齢者や勤労世代の希望に応じた家族関係や地域とのつな
目
標 がり、子育て世代の子育ての態様についての各人の希望の実現
を促進していく。
有
効
性
政策目標の
達成状況
―
要 望 の
措 置 の
適用見込み
―
要望の措置
の効果見込
み(手段とし
ての有効性)
―
当該要望項
目以外の税
制上の支援
措
置
相
当
性
予算上の
措置等の
要求内容
及び金額
個人住民税(住居用財産の買換え特例等)
不動産取得税、固定資産税(二世帯住宅に係る軽減措置)
なし
上記の予算 なし
上の措置等
と要望項目
との関係
要望の措置
の妥当性
高齢者及び勤労世代や子育て世代の希望を実現するために、同
居・近居を目的として居住用財産を譲渡したり買換え等を行う
場合には、家庭の事情等により計画的に買換え等を行うことが
難しく、現行の特例を受けることができないために、同居・近
居の実現の支障となることがある。このため、上述の税制上の
措置を講ずることが必要である。
こ
れ
ま
で
の
租
税
特
別
措
置
の
適
用
実
績
と
効
果
に
関
連
す
る
事
項
租税特別
措 置 の
適用実績
租税特別措
置の適用に
よる効果
(手段として
の有効性)
―
―
前回要望時
の達成目標
―
前回要望時
からの達成
度及び目標
に達してい
ない場合の
理
由
―
これまでの
要 望 経 緯
平成21年度及び25年度改正において同内容の要望を行った。