資源リサイクルの取組み(PDF)

資源リサイクルとモッタイナイ
造、流通、販売から引渡し後の廃棄、再利用にと、さまざまな場
使い捨て、大量消費社会に歯止めをかけ、地球の環境と資源
を守り、人々が安全で健康的な生活を未来永劫築いていきた
面で企業活動の変革の結果として、具体化させてまいりまし
いという願いは近年、
人類共通のテーマとなっております。
た。
しかし、
まだまだ取組むべき課題も山積しております。
当社は創業以来「物を決して無駄にしない」という精神を持ち
当社はこれからも床材メーカーとしての役割と責務を感じつ
続けており、これ即ち限りある地球資源を浪費することなく、 つ、床づくりの立場から豊かで便利な生活を享受できる商品
資源リサイクルとモッタイナイ
人々の安全と自然の環境を守る企業としての自覚につながり
提供を追及すると共に、社会全体が自然環境と共生していけ
ました。いよいよそんな当社の精神と取組みがご評価いただ
る循環型社会の実現に向けて、より実効性の高い施策を立案
ける時代になりました。
これまでも地球環境、住環境、省資源に
し、実施につなげられるようにいっそう努力し、探求し続けて
配慮しつつ循環型社会の実現に向けて、商品デザインから製
まいります。
●“限りある資源を有効活用しよう!”
再生資源を使いこなせる理由
当社ではビニル系床材の①生産工程 で生じる製品スクラップ
のほぼ全てを②粉砕・分離工程 に回し、破砕・異物除去した物
を再生材料とし、積層型のビニル系床材の下層シートの原材
料として配合し、再び製品生産に活かす技術を持っています。
塩ビの優れたリサイクル性を活かした一連の仕組みの存在によ
り、発生したスクラップの実に95%以上で社内再資源化とその利
用が達成されていることになります。
また、③配合工程 における新規原料の配合率を低減させるため、
法令法規/注意事項
1970年代半ばより、ビニールハウスの使用済みフィルムの回収~
再資源化、床材への再利用までの仕組み作りに参画してきた経緯
もあり、
“再生材料の活用”は当然のことであり今さら目新しい活
動という訳ではありません。
❶生産工程
自社工場内でこの様な活動ができるのも、使用素材を塩ビに集約
し、素材の分離に手間を掛けずに済む工夫を積み重ねてきた専業
メーカーならではの成果であります。
現時点で“完全なゼロエミッション”とまでは標榜できませんが、
この自社内循環モデルをフル活用し、少ないエネルギーでこの圧
倒的に高いマテリアルリサイクル率を達成し、その恩恵として生
産規模に比較して、排出される産業廃棄物の量の圧縮をも実現し
てきました。
“これまでの使いこなしサイクルを損なうことなく、エコ
2010年、
マークの基準を満たすため外部調達の再生材料の配合率を管理
した”
というのが、新たな取り組みとなります。
完成した
床材
皆様の
お手元へ
製品
スクラップ
インテリアフロア工業会
使用済み床材の
回収・再資源化の取組み
❸配合工程
新規
原料
再生材
A スクラップを砕いた
再生材
B
外部調達の
再生原料
図 1 再資源化サイクル
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処理されるスクラップの
0~5%程度が
真の産廃排出量
❷粉砕・分離工程
●リサイクル推進の指標 環境ラベル <グリーン購入法適合品とエコマーク認定商品>
塩ビ樹脂と言えば、ひと頃は違法な野焼きで生じたダイオキシン
の有害性により悪者扱いされておりましたが、ことリサイクルにつ
いては、
“粉砕し、熱を加えながら練り返す”という低エネルギー
の加工により次の製品に容易に活かせる特性を持ち、既に回収・
利用の仕組みもあるため経済的にも無理がなく、日本においては
資源リサイクルに好都合な素材なのです。
当社は早くから再生資源の活用に着手し、1970 年代には不法
b.エコマーク制度です。
a .グリーン購入法 リサイクル推進活動を後押しするため、官公庁に対し“ 再生材を利用した資材を可能な限り調達しよう ”という
法律。民間でもこれにならい独自のグリーン購買指針などを打出している企業も多くあります。
b .エコマーク制度 環境庁〔現 環境省〕の指導の下、1989 年より財団法人日本環境協会が実施している歴史もあり、比較的認知度の
高い環境ラベル。一般消費者が品物を選択する際、
“ 環境負荷が低い、環境保全に寄与すると公的に認められた商品群 ”を選定する
資源リサイクルとモッタイナイ
投棄が社会問題になっていた農業用ビニールハウスの使用済
みフィルムに着目し、これを回収、選別、粉砕、洗浄、造粒して
使いこなすシステムを国、埼玉県などと連携して構築。日本で
最初に床材に活用する取組みを始めていました。その後も錠剤
プレートやビニルホース製造時のスクラップ粉砕などにも展開
を広げた経緯もありました。
近年ではこのような資源回収活動を国などが後押しする方策と
して、製品を作る際に資源や環境保全に貢献している企業やそ
の企業の製品が消費者に分かるように、
“ 環境ラベル ”という
制度が整備されつつあります。
我々のビニル系床材に関係する環境ラベルは、
“ 製品中に一定
基準の再生ビニルを配合し新規原料の使用量を抑制しようと
する活動 ”を表すもので、その代表格が、
a.グリーン購入法と
際の目印となり得ます。
ト)のに対し、エコマークの場合は、社外から購入する再生原
料( 左頁図 1 Ⓑ )の配合率のみが対象であり、従来の効率の良
い製法では基準を満たしませんでした。そのためご採用いただ
くお施主様の“グリーン購買への適応 ”
、
“ エコ活動のイメージ
アップに貢献できる商材の提供 ”という観点から、外部調達の
再生原料Ⓑを多く利用した配合を新たに組み、今回のエコマー
ク商品の認定取得を行ないました。
a.グリーン購入法とb.エコマーク制度、それぞれに長所、短所
があるようですが補いながら、また改訂されながら発展し、真
のサステナビリティ( 持続可能性 )社会の実現に貢献していく
ことを望んでおります。
図2 マークのイメージ
グリーン購入法適合品
I.F.A
エコマーク認定商品
法令法規/注意事項
この“ 一定基準の再生材料 ”についてグリーン購入法では再
生材料の入手ルートを問わない( 左頁図 1 Ⓐ、Ⓑ共にカウン
NIF
● I.F.A:インテリアフロア工業会( ビニル床材の団体 )
● NIF:日本インテリアファブリックス協会( 繊維製品の団体)
●グリーン購入法・エコマークの判断・認定基準
<ビニル系床材>
2014 年 12 月現在
グリーン購入法
(品目分野)公共工事(特定品目)資材(品目分類)ビニル系床材
(判断基準)
再生ビニル樹脂系材料の合計重量が製品の総重量比で 15% 以上 使用されていること
(配慮事項)
エコマーク
№ 123 「 建築製品 C-6ビニル系床材 Ver.2.13 」
( 主な認定基準 )
再生プラスチック材料の合計質量が、製品質量の 15% 以上 であること
施工時の端材回収とその再利用システム
<カーペットタイル>
グリーン購入法
(品目分野)インテリア・寝装寝具(特定品目)カーペット(品目分類 )タイルカーペット
エコマーク
№ 123 「 建築製品 C-7タイルカーペットVer.2.13 」
(判断基準)
( 主な認定基準 )以下の①及び②を満たすこと
①廃タイルカーペット由来のポストコンシューマ材料からなる再生材料が製品
(配慮事項)
②ポストコンシューマ材料からなる再生材料が製品全体質量比の 25% 以上
使用されていること
未利用繊維、リサイクル繊維、再生プラスチック及びその他の再生材料の合計
重量が製品全体重量比で 25% 以上 使用されていること
簡易梱包化、使用後の回収とその再利用システム
全体質量比の 10% 以上 使用されていること
※再生材料にプレコンシューマ材料も合わせて使用する場合は別途計算式による条件
があります
[用語解説]●ポストコンシューマ材料・・・製品として使用された後に廃棄された材料または製品のこと
●プレコンシューマ材料・・・製品を製造する工程の廃棄ルートから発生する端材などの材料または不良品のこと
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