使用上の注意改訂のお知らせ

―医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。―
使用上の注意改訂のお知らせ
処方箋医薬品
2015 年 1-2 月
注意-医師等の処方箋により使用すること
このたび、標記製品の「使用上の注意」を以下のとおり改訂致しました。今後のご使用に際
しましては、下記内容をご参照頂き、本書を適正使用情報としてご活用頂きますようお願い
申し上げます。
なお、本改訂内容は医薬品安全対策情報(Drug Safety Update)No.236(2015 年 1 月下旬
発送予定)にも掲載される予定です。
★製品に関するお問い合わせ先:エーザイ株式会社 hhc ホットライン
フリーダイヤル 0120-419-497 9~18 時(土、日、祝日 9~17 時)
★製品情報は、エーザイホームページ(http://www.eisai.co.jp)でご覧いただけます。
改訂箇所及び改訂理由
1.相互作用の項
〈改訂部分抜粋〉
下線部分を改訂致しました。
改
訂
改
訂
前
3.相互作用
3.相互作用
(省略)
(省略)
(2)併用注意(併用に注意すること)
(2)併用注意(併用に注意すること)
(省略)
(省略)
サワシリン
サワシリン
薬剤名等
ワルファリンカリ ウ
ム
経口避妊薬
プロべネシド
臨床症状・措置方法
ワルファリ ンカリ ウム
の作用が増 強され るお
それがある。
経口避妊薬 の効果 が減
弱するおそれがある。
本剤の血中 濃度を 増加
させる。
(以下省略)
(
後
)薬食安通知によらない改訂
機序・危険因子
腸内細菌によるビタ
ミンKの産生を抑制
することがある。
腸内細菌叢を変化さ
せ、経口避妊薬の腸肝
循環による再吸収を
抑制すると考えられ
ている。
本剤の尿細管分泌を
阻害し、尿中排泄を低
下させると考えられ
ている。
薬剤名等
ワルファリンカリ ウ
ム
経口避妊薬
(以下省略)
臨床症状・措置方法
ワルファリ ンカリ ウム
の作用が増 強され るお
それがある。
経口避妊薬 の効果 が減
弱するおそれがある。
機序・危険因子
腸内細菌によるビタ
ミンKの産生を抑制
することがある。
腸内細菌叢を変化さ
せ、経口避妊薬の腸肝
循環による再吸収を
抑制すると考えられ
ている。
改訂理由
このたび、文献が集積し CCDS 注)に記載されたことに伴い、サワシリンの「相互作用-併
用注意」の項にプロベネシドを追記いたしました。
注)CCDS:Company Core Data Sheet 企業中核データシート
MAH(Marketing Authorization Holder:医薬品市販承認取得者)によって作成される書類で、安全性情報
に加えて、適応症、用法・用量、薬理学及び製品に関するその他の情報が含まれている。
(ICH E2C ガイドラ
インより抜粋)
2.副作用の項
〈改訂部分抜粋〉
下線部分を改訂致しました。
改
訂
後
改
4.副作用
4.副作用
(省略)
(省略)
パリエット
パリエット
(省略)
(省略)
(3)その他の副作用
(3)その他の副作用
訂
前
以下のような副作用があらわれた場合には、症状
以下のような副作用があらわれた場合には、症状
に応じて適切な処置を行うこと。
に応じて適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
総コレステロール・中
性脂肪・BUN の上昇、
蛋白尿、血中 TSH 増
加
かすみ目、浮腫、倦怠
感、発熱、脱毛症、し
びれ感、CK(CPK)の
上昇
0.1~5%未満
0.1%未満
総コレステロール・中
性脂肪・BUN の上昇、
蛋白尿、血中 TSH 増
加
浮腫、倦怠感、発熱、
脱毛症、しびれ感、
CK(CPK)の上昇
頻度不明
(省略)
そ
の
他
(省略)
目のちらつき、関節
痛、筋肉痛、高アン
モニア血症、
低マグ
ネシウム血症、女性
化乳房
そ
の
他
サワシリン
サワシリン
(1)重大な副作用
(1)重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー
頻度不明
かすみ目、
目のちら
つき、関節痛、筋肉
痛、
高アンモニア血
症、
低マグネシウム
血症、女性化乳房
ショック、アナフ 1)ショック ショック(0.1%未満)を起こすことが
ィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁
あるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常
麻疹等)
(各 0.1%未満)を起こすことがあるので、
感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれ
観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、
た場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には 2)アナフィラキシー アナフィラキシー(呼吸困難、
投与を中止し、適切な処置を行うこと。
全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)(0.1%未満)が
あらわれることがあるので、観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な
処置を行うこと。
2) 中 毒 性 表 皮 壊 死 融 解 症 ( Toxic Epidermal 3) 中 毒 性 表 皮 壊 死 融 解 症 ( Toxic Epidermal
Necrolysis:TEN)
、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-
Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-
Johnson 症候群)
、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿
Johnson 症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿
疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
疱症
中毒性表皮壊死
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
融解症、皮膚粘膜眼症候群(各 0.1%未満)
、多形
(各 0.1%未満)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿
紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性
疱症(いずれも頻度不明)があらわれることがあ
皮膚炎)
(いずれも頻度不明)があらわれることが
るので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、
改
訂
後
改
訂
前
あるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節
皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・
痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張
灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与
感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には
を中止し、適切な処置を行うこと。
投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3)~7) (省略)
8)無菌性髄膜炎
4)~8) (省略)
項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔
吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎(頻度
不明)があらわれることがあるので、このような
症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な
処置を行うこと。
(2)その他の副作用
(2)その他の副作用
過敏症注)
血液
消化器
0.1~5%未満
発疹
好酸球増多
下痢、悪心、嘔
吐、食欲不振、
腹痛
菌交代症
ビタミン
欠乏症
0.1%未満
発熱
頻度不明
瘙痒
黒毛舌
口内炎、カンジダ症
ビタミンK欠乏症
状(低プロトロンビ
ン血症、出血傾向
等)、ビタミンB群
欠乏症状(舌炎、口
内炎、食欲不振、神
経炎等)
その他
梅毒患者において、
ヤーリッシュ・ヘル
クスハイマー 反応
(発熱、全身 倦怠
感、頭痛等の発現、
病変部の増悪)が起
こることがある。
注)発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(以下省略)
(
)薬食安通知による改訂、(
過敏症注)
血液
消化器
0.1~5%未満
発疹
好酸球増多
下痢、悪心、嘔吐、食欲不振、
腹痛
0.1%未満
発熱
菌交代症
ビタミン
欠乏症
口内炎、カンジダ症
ビタミンK欠乏症状(低プ
ロトロンビン血症、出血傾
向等)、ビタミンB群欠乏
症状(舌炎、口内炎、食欲
不振、神経炎等)
その他
梅毒患者において、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発
熱、全身倦怠感、頭痛等の発現、病変部の増悪)が起こるこ
とがある。
(頻度不明)
注)発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(以下省略)
)通知によらない改訂
改訂理由
パリエット:
平成 26 年 12 月に、パリエット錠 10mg が「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は
十二指腸潰瘍の再発抑制」の効能・効果を取得致しました。当該追加効能の臨床試験時に報
告された副作用を、既存の副作用情報と合算したところ、「4.副作用:(3)その他の副作用」
の項にて“かすみ目”の発現頻度が変更となりましたことから、本製品の添付文書にも反映
を致しました。なお、新たに追加した副作用はございません。
サワシリン:
平成 27 年 1 月 9 日付 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知により、
「重大な副作用」の
項を下記のとおり改訂致しました。
1. 「中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症」の記
載に「紅皮症(剥脱性皮膚炎)」を追記致しました。
2. 「無菌性髄膜炎」を追記致しました。
また、
「重大な副作用」の「ショック」、
「アナフィラキシー」の項を併合した記載とするとと
もに、「その他の副作用」の項に「瘙痒」、「黒毛舌」を追記致しました。
サワシリンに関する改訂のうち、
「ショック」、
「アナフィラキシー」の項の併合は記載整備で
す。新たな事象の追記は、症例が集積し CCDS に記載されたことに基づく改訂です。
以下にサワシリンでの紅皮症(剥脱性皮膚炎)の症例概要を紹介します。
紅皮症(剥脱性皮膚炎) 症例の概要
患
性
・
年齢
女
・
60 代
副
者
使用理由
(合併症)
歯科治療
(なし)
1 日投与量
投与期間
作
用
転帰
経過及び処置
250 ㎎
1 日間
投与開始日
(投与終了日)
終了 1 日後
終了 2 日後
終了 4 日後
終了 5 日後
終了 7 日後
終了 8 日後
終了 19 日後
終了 21 日後
終了 53 日後
中毒疹(紅皮症)
抗生物質で紅皮症の副作用歴を有する患者。
歯科治療後、本剤 250 ㎎、ジクロフェナクナトリウム 25
㎎を内服。
関節痛、全身倦怠感、全身に紅斑、ヒリヒリ感が出現。
内科受診。グリチルリチン酸・グリシン・L-システイン
塩酸塩配合剤注射、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
が処方されたが症状軽快せず。
38.4℃の発熱。皮疹は次第に増強。
皮膚科初診時、全身の紅斑、下腿浮腫、下腿紫斑、37.4℃
の発熱、腎機能障害、白血球数 17300/mm3、CRP 21.3、
血糖値上昇あり。
ステロイド剤の点滴開始。入院。
紅斑はやや低下し、色素沈着、剥脱性皮膚炎様となる。
下腿浮腫あり、白血球数 25400/mm3、CRP 11.0。
皮疹は軽快傾向。貧血が進行。発熱なし。次第に紅斑低
下、落屑増加し、症状は軽快。
中毒疹軽快。
スクラッチテストを実施し、24 時間後、本剤にて浮腫性
紅斑を認めた。ジクロフェナクナトリウムでは(±)。
退院。
DLST を実施し、本剤陽性。
軽快
臨床検査値
最高体温(℃)
赤血球数(×104/mm3)
ヘモグロビン(g/dL)
白血球数(/mm3)
好酸球(%)
BUN(mg/dL)
血清クレアチニン(mg/dL)
総蛋白(g/dL)
CRP
終了 5 日後
37.4
342
11.9
17300
0
52
1.78
6.0
21.3
終了 7 日後
37.4
294
9.9
25400
0
-
-
-
11.0
終了 8 日後
37.1
257
8.6
19600
0
16
-
5.6
11.3
終了 19 日後
36.5
323
10.9
6300
1.0
17
0.51
-
0.1
併用薬:ジクロフェナクナトリウム
本剤の最新添付文書は医薬品医療機器情報提供ホームページ
(http://www.info.pmda.go.jp/)からご覧下さい。
CODE DI-J-519
2015 年 1 月作成
(1507)