市川市監査委員告示第4号 平成26年度第2期定期監査及び行政監査 の結果に関する報告の公表 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第 1項及び第4項の規定により実施した定期監査並びに同 条第2項の規定により実施した行政監査の結果に関する 報告について、同条第9項の規定により別紙のとおり公 表します。 平成26年12月26日 市川市監査委員 川 上 親 徳 同 白 土 英 成 同 竹 内 清 海 同 松 葉 雅 浩 監 1 査 報 告 監査の対象部署 (1) 財政部 財政課、管財課、契約課、技術管理課、納税・債権管理課、市民税課、固定資産税課 (2) 市民部 地域振興課、ボランティア・NPO課、市民安全課、市民課、総合市民相談課、 国民年金課、大柏出張所、市川駅行政サービスセンター 2 監査の実施期間 平成26年8月1日から同年11月21日まで 3 監査の範囲 平成26年度事務事業 4 監査の方法 所管する経理事務、契約事務、財産管理事務その他の事務が適正かつ効率的に執行されている かを主眼として、関係書類及び関係帳簿類を調査するとともに、関係職員の説明を受け、また、 現地調査を実施した。 5 監査の結果 所管する事務事業は、下記の指摘事項を除き、適正に執行されているものと認められた。 (1) 公衆電話委託手数料の収入処理について(管財課) 市川市財務規則第29条によると、随時の収入で納入の通知を発しないものの調定時期は、 原因の発生したとき又は収入のあったときとされている。 しかしながら、公衆電話委託手数料の平成24年度、平成25年度及び平成26年4月から 8月収入分について、毎月手数料収入があったにもかかわらず、平成26年9月にまとめて調 定及び収入処理を行っていたことから、規則に基づき収入の都度納入処理を行われたい。【措 置済み】 (2) 普通財産の管理状況について(管財課) 地方自治法第238条によると、行政財産とは、普通地方公共団体において公用及び公共用 に供し、又は供することと決定した財産をいい、普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財 産をいうとされている。 しかしながら、道路として公共用に供されているにもかかわらず、普通財産として管理され ているものがあったことから、法令に基づき道路として財産種別を変更し、所管部署への所管 替えを行われたい。 - 1 - (3) 文書の収受について(固定資産税課) 市川市文書管理規程第9条3項によると、所管課において収受した文書は専用受付印を押さ なければならないとされている。 しかしながら、固定資産税・都市計画税 減免申請書については、専用受付印が押されてい なかったことから、文書収受については規程に基づき文書管理を行われたい。【措置済み】 (4) 物品の廃棄手続について(地域振興課) 市川市財務規則第221条によると、物品を廃棄する場合には事前に財政部長の不用・廃棄 決定を経て不用の決定をしなければならないとされている。 しかしながら、この決裁手続を経ずに八幡地域ふれあい館の扇風機5台が廃棄されていたこ とから、物品の廃棄手続については、規則に基づき適切に行われたい。【措置済み】 (5) 物品の廃棄手続について(ボランティア・NPO課) 市川市財務規則第221条によると、物品を廃棄する場合には事前に財政部長の不用・廃棄 決定を経て不用の決定をしなければならないとされている。 しかしながら、この決裁手続を経ずにテープライターが廃棄されていたことから、物品の廃 棄手続については、規則に基づき適切に行われたい。【措置済み】 (6) 市民マナー条例(市川市市民等の健康と安全で清潔な生活環境の保持に関する条例)に基づ く過料の徴収について(市民安全課) 市民マナー条例に基づき科した過料において時効の成立により既に不納欠損処分を行って いた1件について、行徳支所で錯誤により誤納付されていたことから、速やかに返還を行われ たい。 (7) 平成25年度防犯協会補助金(概算払)精算について(市民安全課) 地方自治法第208条、同法第235条の5、地方自治法施行令第143条第5項によると、 概算払いによる補助金は、補助金を支出した当該年度中に精算をしなければならないこととさ れている。 しかしながら、防犯協会補助金については、6月に概算払いしていたが、精算処理が当該年 度内(翌年度5月31日まで)になされていなかったことから、年度内に精算を行われたい。 (8) 定数外職員1名に対する交通費支給額の誤りについて(市民課) 消費税が8%となったことに伴う事務処理において、バス運賃の算定に誤りがあったことか ら、適正な額を支給するよう改められたい。【措置済み】 - 2 - 6 監査委員の意見 今回の監査を踏まえ、次のとおり意見を付記する。 (1) 公共施設等総合管理計画について(管財課) 公共施設等総合管理計画については国からその策定が要請されているが、本市には市長部局 のみならず教育委員会所管の公共施設も多く、全庁的な調整等の多大な事務処理が必要となる ことが想定される。 しかしながら、現段階では、管財課公共施設マネジメント担当室のみで事務を取扱っている ことから、今後早急に全庁的な課題として取り組むとともに、計画策定後は、進行管理及びP DCAサイクルによる継続的な見直し等により着実に計画を遂行されたい。 (2) BIMMS(保全マネジメントシステム)の活用状況について(管財課) 平成25年度に導入したBIMMS(ビームス)は、建物等の保全管理に必要な分析等を支 援するシステムであり、施設の建替え時期や統廃合の検討などに幅広く活用できるものである。 しかしながら、数十年前の工事・修繕履歴等の情報を調査、登録することは困難でもあり、 当初想定したシステムの完成は見込めないところである。また、今後策定する公共施設等総合 管理計画や個別計画おいても、具体的な活用方法等が明確となっていない。これらのことから、 十分な効果が見出せない場合は、廃止等について検討されたい。 (3) 中間検査について(技術管理課) 市川市工事検査要綱に基づく中間検査は、給付完了時の検査によっては検査しがたい部分が ある場合において施工途中に行うものであり、完成検査、出来形検査に比べ、不備の発覚後の 対応は弾力的に実施できるものである。 しかしながら、平成25年度では、完成検査276件に対し中間検査は6件となっている。 中間検査の件数が少ない理由は、同要綱において中間検査が必要であるか否かの判断を工事担 当課長に委ねていることなど、技術管理課が積極的には関与していないことが要因と考えられ る。今後は、中間検査等を実施すべき対象の要件を具体的に示すなど、その実施に主体的に関 わり、工事完成品の品質を確保するため、技術管理課主導による中間検査等実施制度の確立を 図られたい。 (4) 時間外勤務の状況について(市民税課) 市民税課では、繁忙期において毎年多くの時間外勤務が行われているが、これは、市民税課 税賦課業務における作業内容が種類、量ともに多く、必然的にスケジュールが過密となること から発生しているものであり、縮減は長年の課題であった。 平成26年度の新体制に入り、作業計画及び進捗管理の徹底と部内応援体制の強化を図った ことが功を奏し、繁忙期である4月から6月までの1人当たりの時間外勤務時間数は25年度 と比べて33.6%減と大きく減少している。時間外勤務の縮減は、職員の健康と市の財政の 両面において効果的であることから、他課においてもこの取組みを模範とし、所属長自らが業 務の内容、フロー、配置、繁閑などの把握に努め、指導力を発揮されることに期待したい。 - 3 - (5) 市民活動団体支援制度運営事業について(ボランティア・NPO課) 本制度は、前年度に納めた市民税の1%を市民活動団体の支援に使える制度で、市川市が全 国に先駆けて平成17年度から始めた制度であり、市民活動の広まりや市民活動団体に対する 市民の認知度の高まりなどに効果があったものである。 しかしながら、本制度の参加団体数は過去6年間ほぼ横ばいの状態であり、補助金算出根拠 となる市民の届出人数も平成21年度をピークに減少してきている現状では、市民の本制度へ の関心は薄らいできていると言わざるを得ないところである。今後の厳しい財政状況を踏まえ、 本制度のように幅広い団体に支援金を交付する支援制度は、有効性、効率性、財政面の観点か ら抜本的な見直しを検討されたい。 (6) 今後の防犯対策事業について(市民安全課) 自主防犯活動を実施する自治会等への物資の支援やボランティアパトロールの活動推進、防 犯カメラの設置、運用など各種の防犯対策事業を展開しており、市川市の犯罪認知件数は、平 成14年をピークに大幅に減少している。 しかしながら、全国的に、また市川市においても街頭犯罪は減少したものの、振り込め詐欺 等により高額被害者が発生する犯罪が急増している現状があることから、従来の防犯対策に留 まらず、振り込め詐欺等の対策について一層強化されたい。 (7) 市民マナー条例(市川市市民等の健康と安全で清潔な生活環境の保持に関する条例)におけ る公平な過料徴収を行う環境整備について(市民安全課) 平成16年度に施行した市民マナー条例は、路上禁煙・美化推進地区の道路上において、喫 煙をし、及び吸い殻を捨てること等を禁止して、違反者に過料を科しているものである。過料 の徴収状況を見ると、平成17年度をピークに逓減傾向にあり、また、路上喫煙者等が減って きていることから、これまでの地域や市民との協力の下に実施してきた啓発活動等によって一 定の成果が出ていると認められるところである。 しかしながら、路上禁煙・美化推進地区であることを表示する路面シートが劣化し、判読不 明になっているものが多く見られることから、今後とも、市民マナー条例に基づく過料徴収を 続ける限りは、路面シートに代わり耐久性に優れる電柱公共広告表示による方法に切り替える など工夫し、路上禁煙・美化推進地区の周知の徹底を図られたい。 (8) まちの相談直行便について(総合市民相談課) まちの相談直行便は、スズメバチ等の営巣の駆除等に関する市民からの要望、相談等に対し、 その日のうちに現場に向かうなど、機動性の高い、誠意ある対応がなされているところは評価 できる。 しかしながら、民間所有地において、業者に委託しているスズメバチやカラスの営巣の駆除 件数は、年間70件程度あることから、将来的にはいくつかの市で行われている補助金制度を 導入するなど、市民生活の安全確保の面を考慮しつつ、敷地等の所有者に対し、ある程度の負 担を求めていくことについて検討されたい。 - 4 -
© Copyright 2024