Title 中国内陸部における自動車部品調達物流 - HERMES-IR

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中国内陸部における自動車部品調達物流 : 四川省日系自
動車企業の事例研究
林, 克彦; 根本, 敏則; 橋本, 雅隆; 小林, 二三夫
日本物流学会誌, 18: 201-208
2010-05
Journal Article
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/10086/22005
Right
Hitotsubashi University Repository
研究論文 R く
審 査 付 き論 文 ) 日本物流学会誌第1
8号 平成2
2
年5
月
中国内陸部 にお ける自動車部品調達物流
一一
四 川省 El
系 自動車企業の事例研究Pr
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一
林克彦 (
流通経済大学)、根本敏則 (
一価大学)、絹本雅隆 (
横浜商科大学)
、小林二三夫 (
横浜商科大学)
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要旨
中国内倭部に立地する自動車企業にとって、物流インフラが整備されていない条件下で長餅 を結び効率的に部品を訴連す
ることが重要な課層となっている。四川省成掛こ立蛤する日系自動車企業を事例分析することにより、どのように中国内随時
の珊連物流条件に合致させて部品調達ネットワークと蜘
軸
システムを構築してきたか解明した.訴連物流のなかでも、長
送手段として長江水運をどのように改善して活用しているかを分析した。
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.
1.は じめ に
ワー クを築 いてい るか、②物流条件 に適合 し
世界の 自動車企 業 は、低 迷す る先進 国市場
どの よ うな調達物流 システ ムを開発 して い る
と比べ堅詞 に拡 大す る中国市場 へ の取 り組 み
の か、研 究す る。 特 に後者 については、(
卦特
を強 めてい る。 なかで も西 部大 開発 に よ り内
徴的 な長 江水運 の活用 の意義 を分析 す る。 な
需が拡大す る内陸部 -の注 目が高 ま ってい る。
お、本稿 の現地調 査 は 2
0
0
9年 8月 に中国 四川
しか し、内陸部 には国営 工場時代 か らの 自動
省 で実 施 した 物 流 調 査I
の一 環 と して行 われ
車部 品産業 の集積 が あ る もの の、現代 の 自動
た ものであ る。
車 を構 成す る稀機能 部品 の生産 はまだ限 られ
てい る。 この ため、 内陸部 に連 出 した外 資系
2.
先行研究の整理
自動車組 立企業 は、 中国 沿海部や海外 か ら高
組 立 メーカー と自動車部 品サ プ ライ ヤー と
機 能部品 を中心 に大量 に調達 してい る。 部 品
の関係 に関 しては、橋本 等 (
20
0
9
)に先行研
在庫削減 を基本 とす る 日本 の 自動車組 立企 業
究 が 次 の よ うに整理 され て い る】
'
。第-に、
に とって、高速道 路、鉄道等 の物 流イ ン フラ
グ ローバル化 に伴 い組 立 メー カー と部 品 メー
が十分 に整備 され てい ない 中国内陸部 で、調
カー それ ぞれ に独 自の戦略的 ポ ジシ ョニ ン グ
達物流 を効 率化す るこ とが重要 な課題 とな っ
を とるこ とに よ り複雑 なネ ッ トワー クを形成
てい る。
す る可能性 が あ るこ と、第二に、各種 制約条
本稿 では 四川省成都 に立地す る 日系 自動 車
件 下で これ ら生産 と部品調 達 を含 めた複雑 な
企業 をケー ス と して取 り上 げ、(
丑中国 内陸部
ネ ッ トワー ク全 休の設 計 と構 築が重要 な課暦
の調達条件 に対 しどの よ うに部 品調達ネ ッ ト
とな る こ とが指摘 され て い る。
2
01
-
地理的に中国に限定 し、現地 自動車メーカ
ルーザ- とプ リウスを生産 している。 以下で
ーの部品サプ ライヤー ・ネ ッ トワー クについ
は、成都 工場 のみ を対象 と して記述す る。
20
04)が
て論 じた文献 として、丸川 ・伊達 (
3. 2 生産工程の概要
あるO そこでは、一般 に輸送 コス ト負担軽減
生産能力は年間 13,
000 台、工場敷地面積
のため近隣サプライヤーが選択 されているが
は 1
7.
7万7
4、従業員数は約 1
,
700人 (
内 3
技術力 の高いサプライヤーに関 しては遠隔地
割は期間工)で 7:
30-16:
16と 1
6:
45-1:
3
0の
であって も調達す ると論 じてい る川。生産 と
2直生産体制 を採 っている。現工場 の生産能
連動 させた遠隔地か らの調達物流 についての
力が限界にきていたが、折 しも四川市 による
分析 は、中国華南地域の 日系 自動車メーカー
0
当該 地 区の再開発 も本格化 したた め 、201
を取 り上げた橋本等 (
20
09)があるi
v
。
年春 に郊外の成都経済技術開発 区報泉新区 に
しか し、物流イ ンフラが整備 され ていない
移転す ることになったbす でにプ レス工程 は
中国内陸部で 自動車 メー カーが現地条件 に合
移転 している。移転 に伴 う総投資額は 36億
致 した調達物流 を構築 した事例研 究は見当た
元であ り、敷地面積 を約 45 万m)
に拡大、生
らない。 そ こで本稿 では、中国内陸部 の調達
産能力 を年 間 3万台 に拡大す る計画であ る。
条件 に対応 した部品調達ネ ッ トワー クお よび
工場内には、プラ ド、 コースター ともに溶
物流条件 に適合 した調達物流 システムを事例
接 、塗装、組み立て工程 が置かれている(
図1
調査に よ り分析す る。
生産工程)
。コー スターはプ レス工程 も現地化
調査 対象 は 四川 -汽 豊 田 自動 車有 限公 司
してお り、
現地調達率の向上 に寄与 してい る。
(
SFTM)と成都豊 田紡 汽車部件 有限公 司(
TB)
プラ ド、 コー スター とも、ボデ ィとシャシー
である。両社は、中国内陸部開発の中心地で
が分離 した構造であ り、部品点数が少 ない。
ある四川省成都 に立地す る代表的な 日系企業
組立は、すべて手作業であ り、 ロボ ッ ト等 の
であるb 3章 、4章では、両社 の概要 と限 ら
自動化設備 は導入 していない。 しか し、チ ェ
れ た生産規模 のなかで効率化が図 られ た生産
ック リス ト方式 によ り、 自工程保証を厳 しく
工程 の概要 を把握 した うえで、 どの よ うに生
行い組立晶質 を維持 してい るo タク トタイム
産 に連動 させ た調達物流 を構 築 し改善 してい
は、 コー スター40分、プ ラ ド 1
9分 である。
るのか を述べ るこ ととす るb
組 立ラインでは、ベル トコンベ ア等の搬送
装置は用いてお らず、台車に載せ たボデ ィを
3. 四川一汽豊 毘自動車有限公司
(
SF
TM)
人力で押 して次の作業工程-送 ってい る。
の調達物流
大物部品以外の部品メーカーは、郊外 の成
3.l SFTM の概要
都 DC に部品 を納入 してい る(
図 1
(
》)
。成都
トヨタ自動車の中国にお ける初 めての完成
DC か ら、工場-順次必要な部品を送 り込ん
99
8年 1
1月 に
車生産工場である SFTM は、1
でい る(
②)
。 シー ト等 の大物部品は、部品 メ
7
0
0万 ドル 、
設立 された。現在 の弁本金 は、6,
ー カーが直接 工場 に納入 してい る(
(
卦)
. 部品
投資総額は 9,
9
09万 ドル である。出繁比率は、
の発注では、 あ らか じめ生産計画 を部品 メー
0
%、トヨタ自動車 4
5
%、
中国第一汽車集 団公 司 5
カーに伝 えてお き、紙のカンパ ンを使 って必
豊 田通商 5
%である。合弁期間は 3
0年 である。
要な分だけ発注 しているC
同社 は、成都 以外 に長春にも工場があ り、
工場 に届いた部品は、開梱 して順 立場に置
0
00年 に コー スター (
マイク
成都 工場では 、2
く。 大物部 品は台車で(
㊨)
、中物部 品は籍で
0
03年 にプラ ド (
SUV)の生産 を
ロバ ス)、2
(
⑤)
、小物部品は
開始 してい るO -方、長春工場ではラン ドク
(
㊨)
、組 立 ライ ンに投入す る。′
ト物部晶は、
2
0
2
-
SPS(
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)
で
印刷 した ピッキング リス トに基づ きマニ ュア
様 に成都 DC に部品 を納入 している。
ル ピッキング している。
同
隣 接 す る成 都 豊 田紡 汽 車 部 件 有 限 公 司
(
TB
)
入し
か らは、シー トを直接,順立てで JI
T納
調達で
ている。 これ以外の四川省内か らの部品
で も成都
は、成都周辺 に立地す る部品 メー カー
中国国内でのパ
DCに納入
レッ してい
ト、折 る。
り畳み
現在コンテ
の ところ、
の輸送用具 の標準化 は進んでお らず、梼 ナ等
荷役効率 は 日本国内 と比べ低 い。 なお、載 ・
場へ移転後は、生産台数が拡大 し調達丑が増
新工
えることか ら、SFTM による ミル クラン
を検討
天津周辺か
している.
ら調達する部品は、まず ミル
調達
出所図・
1
S
F
T
生産
H実科 よ り作成
3. 3
工程に連動 した部 品調達
(1)現地調達
調達物流
と日本か ら
生産台数が コー スター、プラ
の調達の概
ドを合 況
1
3,
000台 と少な く、一緒 に進出
わせ て
企業はわず かである。 地元の 自 した 日系部品
も発展 してお らず、重要部品 を調
動 車部品産業
は困牡であ る。 このため、 日本か達す ること
欠かせ ない。現地調 達率は、コー
プラ ド25%程度である。コ
らの調達が
スター 75%、
工塩 まで 自社化 してい るた ー スターはプ レス
現地調達率が高い。
現地調達部品点数 は、 コー
め、プラ ドと比べ
点、プラ ド約 1
,
400
取引メー カー数は
,
200
スター約 1
点 である。 中国内の部品
省か らの調達は 1
、91社 であ り、地元の四川
的な分布 をみ る と7社 に留 まっている。地理
天津市、上海市か 、部品産業が集積
らの
している
22社 、1
2杜か ら
調達が多 く、それぞれ
江蘇省 7社 、山東
となっている。これ以外 に、
してい
る4
省 2社等か ら調 達省
3杜、漸江省
3杜 、河北
(
現工場の敷地が狭いため、
2)現地調達
ど離れた場所に成都 DC (1工場か ら 21
⊂
mほ
m
万 き、周辺部
れてい る。一部の大物部品 を除
2
)が設 け ら
メー カーは成都 DC に部品 を納入す る。 中国
品
他地域 か らの部品、 日本か らの輸入部晶 も
ックで成都 まで 2
00km ある。 上海か ら波川
中心 とす るサプ ライヤーか ら調
0
04年時点では 2滴 間かか っていたが、
まで 2
これ らの地域間相互の部品調達
それで も鉄道 よ り早か った。後述の よ うに、
ため、天津、上海 、広州 に部品 を効率化す る
長江水運 で直行便化 な ど様 々な改善 を積み重
ロス ドック) を設置 してい る の中継拠点 (
ク
ね るこ とによ り、現在 では、上海か ら娼州ま
中継 地の周辺 にあ るサプ ライヤーか
V
。
らは,
での輸送 日数 を標準 9日まで短縮 した。
Sを用 いて船舶
長江水運 では 、GP
達 してい る。
主に ミル クラン集荷 を行 ってい る。 中継 拠点
1
5重複
間の幹線 は トレー ラー に よって輸送 され てい
度の位 置情報 を確認 してい る。船舶情報 と横
み荷情報 を リンクさせ ることに よ り、部品の
-の部
るが、内航海運の利用 を拡大 している。成都
動静管理 を行 っている。事 故や悪天候 による
輸送 されて
品輸送 は、上海 か らの長江水運に よ り
船舶 の遅れ 、あるいは工場 で急 に部品が必要
送 していたが
い る。 天津か ら成都-は鉄道で輸
になった場合 には、凍州 まで輸送せず途 中の
江水運 を利用す
、上海
るよクロス
う
ドックを中継 し長
重慶等の港湾で コンテナ を卸 ろ して トレー ラ
(2)物流子会社 による管理
になってい る。
これ まで物流管理 は、生産 工場 ごとに行わ
ー に積み替 えて振替輸送す ることも可能 にな
6TEU 積み程度
った。利用船舶 は、当初 は 9
れ て きたが、中国全土の物流ネ ッ トワ
の船型 であ ったが、現在 は三峡 ダムの完成 に
が進 め られ 、物流管理 も一体的に行 う必
ー ク化
よ り水位 が上昇 し、貨物盤 も増 えたこ とか ら
0
0
7
が高まってきた。このため 、2
26TEU 積 み程度 にスケールア ップ
最大で 3
自動車 と中国での合弁先 である-年 に トヨタ
してい る。
天津 汽集団、広
汽集団 との 3杜で同方環球 (
(
Tf
■
GL)を設 立 した。 資本金は )物流会社
天*
SFT
山
要性
5
00万 ドル
であ り、各社の出資比率 は ト
-汽集団 3
5%、広汽集団 25
0%、
ヨタ自動 車 4
の 目的は、(
》TPS(ト
%であ る。設 立
づ く リー ンな生産 ・
ヨタ生産
システ②
ム)
に基
物流基盤
の確立、
晶質
リー ドタイ ム ・コス
・
向上に よる競争力向上で
ト ・安全 ・環境 の レベル
TFGLは、中国合弁企業の完成
あるv
l
。
品 ・生産用部品の物流業務 を元請け
車と
・補給部
3
く1)中国国内調達物
4 調達物流の故善
S
F
TM が単独 で調 達流のネ ッ トワー ク化
一方、 トヨタ自動 車.
で物流 の効率化 を進 める
達物流のネ
は中国全 土 を対象 に調
タ自動車の ッ トワー ク化 を進 めている。 トヨ
長春
S
F
TMの成都 ,
中国内生産拠 点は、
司) 以外に、天津 (
天津-汽豊 田汽車有限公
こ 、広州 (
広州豊 田汽車有服公司) にあるd
場周辺
4カ所の工場で利用
され る部品は、工
れ ら、
さらには部 品産業の集積す
る上海等
2
0
4
を
(
事前申告)1日の合計 1
名 目を要 していた。
53%)、中国第一汽車集 団公
タ紡般株式会社 (
SFTM では、改善 目標 と して輸送時間 半減 を
42%)、 豊 田通 商株 式 会 社 (
5%)の 出 資 で
司(
掲げた。
1
999年 に設 立 され 、2000年 1
2月 よ り操業
長江物流調査 を SFTM で行 った ところ、三
8,
555 r
n
'
)と第 2
開始 され ている。 第 1工場 (
峡 ダムが完成すれば水位 が上昇す るだけでな
工場 (
2,
1
70r
T
f
)
を有 し、事業負 は 3
39名 (
2009
く安定す ることか ら、船舶 の運航 も安定す る
年 7月現在)
である。コー スター とプ ラ ドの シ
ことがわか った。従 来、不可能であった夜間
ー ト及び、特別装備 品を供給 してい る。
運航 、追い越 し等 、ス ピー ドア ップが可能に
SFTM の移転 に合 わせ て 201
0年 10月に新
な り、三峡 ダムでの通過待 ち時間 も短縮す る
0,
000ml
)
に移転 を
工場(
新開発 区、敷地面積 2
06年 の三峡 ダム船舶 用開
こ とが判 明 した020
予定 してお り、新 工場立 ち上げ後は、 コー ス
門の完成 によ り、
上下別に通行が可能 とな り、
,
000台/
年 、プ ラ ド 1
9,
200台/
年で合計
ター 5
ゲー ト待 ちが短縮 され てい る。間門 は 6段 あ
24,
200台分の部品を生産す る予定である。
0m上下 できる。全開
るが、各開門で水位 が 2
4. 2 生産工程の捷夢
門の通過時間は、出入 り時間 を入れて も 4時
工場は工程順 に、原材料 ・部品の受入エ リ
間程度であ る。
ア、 ウレタンの発泡 工程 、溶接 工程、原反の
さらに輸送時間 を短縮す るため、途 中寄港
裁断工程 、縫製工程、組立工程 、成型品の加
のない直行便 を増や し、速度 の速い船舶 を利
工工程、出荷検品工程、出荷積込エ リア等 か
用す るよ うに した。 生産台数 が増 え、部品の
らなってい る。
生産計画は SFTM の車体投入計画 に基 づ
輸入丑が増 えたことも直行便設定に役立 った。
007年 には、上海 か ら液州までの
その結果 、2
き立て られ る。マ ル A ライ ン と称す る SFTM
4 日か ら、標準 9 日プ ラ
輸送 日数 を従来の 1
の組 立 ライ ンの進捗状況 によって順引納入 し
スマイナス 1日に短縮 で きた。
てい るo受注 リー ドタイムは約 60分であ る。
2007年 には、貨物量が 2005年 当時の 3倍
コースター、プ ラ ドは各 2種 ・5パ ター ンあ
にな り、溝川 コンテナ ター ミナルでの取扱量
4パター ンに
り、車体別の組み合 わせ では 2
も拡 大 した。 その結果、 ター ミナル運営会社
な る。 シー トの原反は月 2回調達 し、豊 田通
の優 先的 な取 り扱 いによ り、輸送時間や輸送
商の倉庫 に保管 され、順 次組立加 工 ライ ンに
費用の削減 が さらに可能 にな った。
投入 してい る。 なお、倉庫に搬入時点で所 有
長江水運 の輸送時間の短縮 は、部品在庫糞
の削減 を もた らした。在庫 量は上海か ら漉州
B に移転す る。
権が T
4. 3
TB の中国国内にお ける生産拠点は、長 春
まで の輸 送時 間 に相 当す る量 と してお り、
2007年の部品在庫量は 9日分 に削減 され た。
訴連物流
率波 を含
地域 1か所 、天津地域 4か所 、上海(
む)
地 域 4か所 、広州地 域 3か所、成都 1か所
4. 成蔀豊 田薪汽車部件有限公司
(
T
B
)の調
3拠点である。 それ ぞれの拠点は各
の合計 1
達物流
地域のサプ ライヤーか ら部品 ・原材料 を調 達
4
してい る。各地域か らの物量は上海 地域か ら
1 TB の社章
TB)
は 四川
成 都 豊 田紡 汽 車部 件 有 限公 司 (
省成都市成華区眺軽河南路 にあ り、SFTM に
%を占め
の発生物急が最 も多 く、全体の約 76
る。
シー トを中心 とした 自動車の内装部品 を供給
成都 工場-の部品供給 は一部広州地域か ら
2か所
す るサプ ライヤーであ る。 中国国内 1
の もの もあるが、全体 と しては上海地域か ら
にある トヨタ紡織 の現地 工場の一つで、 トヨ
の長江 を利用 した河川輸送 な らびに トラ ック
2
0
5
-
輸送の割合 が多い。 日本 か らは月 40FEU 程
これ らの複雑 な物流 を改善す るために拠点
度調達 してお り、天津 ・長春 にはそれぞれ天
集約 を行 い、長春、天津 、上海 、広州の物流
津港(
航 海 日数 6 日)
、大連港(
航海 日数 5 日)
拠点は各 1か所の クロス ドックセンターに集
経 由で、上海地域 には上海港(
航 海 日数 3日)・
約 し、地域 ごとに ミル クラン集荷 し、地域 間
経 由で、広州地域 には
寧波港(
航海 日数 4 日)
輸送 を展開す る体制 を構 築 しつつあ る。 これ
三山
によ り、4拠点で 6路線 に集約 し、太い積 送
成都 工場 には上海港か ら河川輸送で漉州港へ
ルー トを形成 し、多回投 入 を実現 しよ うとし
輔送 され る。 日本か らの輸入部品は漉州港 で
てい る。 この物流ネ ッ トワー ク改善後は、天
通関す るか成都 の内陸保全倉庫 で通関 し、成
津 と広州地域 で ミル クラン集荷 された貨物は
都 工場近傍 の倉庫に搬入 した時点で TB の所
トラ ック と鉄道で、上海地区で ミル クラン集
蕗(航海 日数 10 日)経 由で海上輸送 され 、
荷 され た部品は長江河川輸送 で漉州に荷揚げ
有権 となる。
ちなみに、中国域内の現地部品調 達率 は、
され 、 トラ ックで成都 工場-納入 され る。 そ
コース ター用部品(
特別装備 車両)
が約 80%、
の他、重慶 ・武漢の各地区か らも トラ ック輸
プラ ド用部品が 36-40%であ る.プ ラ ド用部
送で納入 され る。 この よ うな物流ネ ッ トワー
品は現地化率 50%を 目指す予定である。原材
クの再整備 にお いて他社 、特 に S
F
TM との混
料 の合成皮革 は中国国内の 日系メーカーか ら
載物流 による共同化 を模 索す ることになろ う。
調達 してい る。 日本か ら調達す るか現地調達
かは、調達規模 、品質、運賃負担力等に よっ
5.考帯
(1) 中国全土の部品調達 ネ ッ トワー クイヒ
て判断 され る。 共通部品はボル ト・ビスの類
S
F
TM の立地す る四川省 は、将来的 に販売
のみである。坂 り扱い点数が増大 してい るが、
プラ ドの シー トな どでシステム ・サプライヤ
市場の拡大が期待 され るものの、部 品調達面
ー(ドアの内装成型加 工品等)
活用 の方向に進
ではサプ ライヤーの集積 が少 な く、 日本や 中
んでい るため、現地化 比率は変わ らない とい
国沿海部か ら部品 を輸送せ ざるをえない不利
う。 なお、一部 の調達先は名古屋 の トヨタ本
な条件下にある。S
F
TMでは、大意 に調達す
社 と相談 して決 めてい る。
るものの、運賃負担力が低 く、生産面で も現
上海∼凍I
J
I
L
l
間の直送化 に よ り河川輸送に よ
地連 出 しやすい部品については、そのサプラ
る部 品の調達は三昧 ダムの完成 によ り 1
2日
イヤー を工場周辺 に誘致 してい る。 シー トを
か ら 9 日∼1
0日に短縮 され てい る。長江の河
納入す る TB はそ の代 表的 な企美 で あ り、
川輸送は国内船社(
民生)
で行 ってい る。一方 、
豊 田通商の管理 による トラック輸送では、天
S
F
TM工場に J
I
T納 品を行 ってい る。
TBは、
S
F
TM が新 工場 に移 転後 もその近傍 に移 転
5日、広州 4 日の リー ド
津か ら 6 日、上海 3.
す る。別会社 であるが、強い結びつ きがあ る
タイムを要す る。緊急晶は FedExな どの航空
ことが分か る。
油 送 を行 うこともあ る。
しか し、他 の部品については、工場 の遠隔
4. 4 訳達物流の改善
地か ら調達せ ざるをえない。 この状況は四川
TBの 中国国内の物流 システムの問題点は、
以外 の長春、天津、広州の工場 でも程度に差
物流拠 点が多 く輸送ルー トが複雑 で物流業者
はあるものの同様 である。 生産面で規模 の経
がパ ラパ ラであ り、 コス ト管理 も一貫性 に欠
済性が強 く働 く自動車部 品では、世界的規模
け る点 である と認識 され てい るo 現状の TB
で水平分業が行われ てお り、遠隔地か らの調
の物流拠点は合計 1
3か所 あ り、 これ らを結
達が有利 とな る場合 も多い。 トヨタ自動車で
ぶ輸送ルー トは 94路線 に も及ぶ。
は、 この よ うな調達粂件 に適合す るため、中
一
2
0
6
-
国全体の部品調達ネ ッ トワー ク化 を進 めてい
物 を倫送す る場合、葡送機関別の輸送時開、
る。 天津、上海 、広州 に中継拠点を設 け、中
■
■
。長江水運は、鉄
費用 は表 1の よ うになるV
継拠点周辺か ら部品 を ミル クラン調 達 し、各
道 、道路 と比較 し、最 も輸送費用が安いもの
拠点間を トラ ックで大量輸送 している。
の輸送時間がかか るoSFTM によれば、鉄道
また中国各工場の部品調達先の最終決定は、
は貨物列車のダイヤが不安定で長江水運 よ り
日本本社が行 ってお り、大量購 買に よる調達
も輸送時間がかかる場合が多いため、利用 し
コス ト低減 を図ってい るB トヨタ紡織 で も同
ない とい う。鉄 道輸送は、輸送機 関の特性 と
様 な考え方 に基 づいて、中国全土の調 達ネ ッ
しては速度 が速い ものの、運営上の閉居 によ
トワー ク化 を進 めてい る。一部、 トヨタ 自動
り安定性 が低 く、 さらに コンテナを追跡管理
車 と連携 を取 り、
決 めてい る調達先 もあ るが、
できないため調達物流には使 いに くい との評
調達物流の共同化 までに至 っていない。
価 であ る。 将来的 に、鉄道の運営体制や輸送
(2)調達物流の システム化
力の整備 が進み五定列車が増 えれば利用可能
トヨタ自動車の調達物流 システ ム化の方向
性 は高まるであろ う。
トラ ックとの比較 では、長江水運は圧倒的
性 と して、生産 ライ ンに同期 させ た調達物流、
近距離 では ミル クラン調達 、長距離では効率
に安 い ものの梱送 時間が 3倍 以上妻す る。両
的 な大量輸送手段 の活用が挙げ られ る。 この
者 の トレー ドオ フに関 しては、 自動車部品の
TM において も合致 してい る。近
方向性 は SF
運賃負担力が関係 してい るYIH。運賃 と輸送時
傍 か らは生産 ライ ンに合致 させ て 、TB がカ
間 (
最短 の場合) との関係 か ら 40 フ ィー ト
I
T納入 を行 ってい る。それ以
ンパ ンに よる J
コンテナ 1本 当た りの 1 日の時間評価額は
外のサプライヤー は、部品セ ンター に納入が
57,
400円 ((
560,
000円 -1
00,
800円)÷ (
1
2
求め られ、そこか ら生産 ライ ンに合致 させて
日-4日))とな る。従 って、図 3に示 され る
工場に輸送 している。 工場敷地が狭隆化 して
よ うに時間費用評価額 が これ よ りも低 ければ
いるため現在は部 品セ ンター を利用 してい る
長江水運利用 が有利 とな り、高けれ ば トラ ッ
が、新 工場-移転後は工場内に部品センター
クが有利 となる。一方、中国向けの海上 コン
の機能 を もたせ、 ミル クラン調達の導入 も検
30万円/
テナ輸送 による 自動車部品価格 は 1
討す る予定である。長距離輸送 については、
トン程度 であ るがt
∫
、今 後現地調達が低価格
鉄道 、道路 と比較 した うえで、効率的に大量
部 品か ら拡大 し、 日本か らの調達部晶が高価
輸送できる長江水運の活用 を進 めてい る。
格化す ることも予想 され る。 コンテナの積載
(3)長江水運の活用
率に もよるが、部品価格 の動向面か らみ ると
SFTM と TBの調達物流 の最大の特徴 とし
トラ ック輸送 が有利 とな ることも予想 され る。
て、長江水運の活用があげ られ る。 三昧 ダム
5垂程
なお、長江水運の メ リッ トとして 、1
の完成 とともに長江水運が クロー ズア ップさ
度の船舶 の位置情報 の確認 を通 じて、 コンテ
れてい るが ,SFTM では他社 に先駆 けて様 々
ナの追跡管理ができることがあげ られ る。 ま
な改善 を積み重ね て定期的に利用 している。
た、 もともと河川は相対的にセ キュ リテ ィの
長江水運 の活用 は、トラ ックか らの CO2排 出
高い手段であるが、上海か らの直行便化 な ど
量削減 とい う地球環境 問題 -の対応 か らも意
に よ り、 さらに紛失、盗難な どの リスクが削
義がある。部品物流の長距離輸送機 関 として、
減 され た。 これ ら運賃以外 の要素 も手段選択
長江水運 は頼送時間 ・コス ト面で どの よ うに
に大 き く影響す ると思われ る。
位 置づ け られ るのであろ うか。
上海か ら成都 まで 40 フィー トコンテナ貸
2
0
7
-
表 1 輸送機関別輸送 時間 ・
車用 (
上海一成都)
を調 達す る物流の仕組 み であ る。
運賃
1元 -1
(
円)
輸送時間
(
運賃
元)
長 江 + トラ ック
1
2-15日
7.20
0
鉄 道 十 トラ ック
8-1
0日
トラ ックのみ
J
1日
l 4円
21
,
00
oo.
800
調達物流 システ ム を中国 内陸部
せ て部品
SFTM は、
下で構 築 してい る。 これ は トヨタ
の特殊 な条件
基本理念 であ る J
I
T物流 を踏 ま
グルー プの
0
294,
000
に
実際の調 達物 流 システ ムを現地 の物
えた流条件
うえで、
出所:
日系物流企業お よび漉州港資
40,00
0
5
60.0
00
適合 させ る 「
現地現物 J を体現 した もの と評
料;
より作成
■∼返
書糊
`
「
.
E
)や退狩用
即+時間
ノ
j
Pl
,
I
.
2
ミ ヤ 用(
門
コンテナ
荒 ・n)
価 特殊
できる。
な物流条件 に対応す るな
るの は、長 江水運 の活用 であるかで注 目され
完成 とともに長江水運 の利 用可能性
。 三峡 ダムの
M と TBでは、様 々
てお り、SFr
が高 まっ
み重ねて利 用 を拡大 している。こ な改善 を積
0
悪
i
l
E
)
頼
コンテナ
送々用+
霊・臼芹
岬
),
附
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5
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出所 :表
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日本 とは異 な る地理的 な スケー の事例 では、
長江水運 が、輸送時間、 コス トルのなかで、
合的 に考慮すれ ば優位 とな るこ、環境等 を総
い る。今後 、内陸地展 開が拡大 とが示 され て
図 3 時間費用評価額
1よ り作成
別総
地 の物流条件 に適 した
コンテナ
6
当た り)
費用 (
4
0フ ィー ト
.
中国内陸部
おわ りに に進 出 した sFTM は
生産規模 の もとで部品産業 の集積 、限 られた
日本 か ら重要部品を調 達せ ざる
がないなか、
に置かれ てい る。 上海か ら成都 を得 ない状況
道 路、鉄道 が十分整備 され てお までは、高速
で も不利 な条件 にあ る。 これ ら らず、輸送 面
産規模が大 き く部 品産業 が集積 の条件
し
は、生
フラが整備 され た中国沿岸部 と大 、物 流イ ン
本稿 では、 この よ うな特殊 な条件
き く異 な る。
せ 、 SFTM が部 品調 達ネ ッ トワ
に適合 さ
きた ことを述べ た。 すなわ ち、 ー クを築 いて
要部 品については、名古屋 か ら上
日本か らの重
テナ輸 送 と上海 か ら漉.
州 -の長
海-の ヨン
合 わせ て調達す る。 大 量に使用 江水運 を組 み
トについては TB を近隣 に誘 致 し嵩高な シー
し、 その他の現地調
し直納体制 と
は、成都 DC に納 品 達 が可能 な部品について
この よ うな部 品調達
させ
ネてい
ッ トワー
る。
す る中で、現
1
運へ
の注 目が高 まる と予想
輸送2
手段
され
る。
と して長 江水
一橋 大学 大学 院 商学研・
究科 (
009)『中国 内陸部
お け る ロジステ ィ クス調 査 報 告帯J
)
。本研 究 は
に
郵船 株 式 会 社 の 寄付 に よる一輪 大 学 の グ ロー 、 日本
ロジステ ィクスに関す る産 単連桝 単発 にお け バル
る .
の 一環 と して実施 したD 関係 各位 な らび にイ 研 究
ュー
ンタ ビ
第 で 調査
あ るC
に ご協力 い ただ い た方 々に深 く感 謝 す る次
" 備 本稚 隆 、石 原伸 志 、根 本 敏 則 、稲築 順 一 (
20
「中国華 南地 域 にお け る 自動 車部 品調 達 ロジス テ09)
クスに関 す る一 考
ィ
察 JF日本物 流学 会誌 』 第 1
161′
-168貫
7号、
I
l
i 丸 山知雄 ・
伊達浩兼 r
第 6車 第 1節 サ プ ライ
- .システ ム 」『グ ロー バル 競
ヤ
業』 蒼 蒼 杜
争 時 代 の 中国 自動 車産
I
'橋 本 等 (
、2
200
1
9
4
)
・
2
前
60頁D
Y トヨタ 自動車 の 中国掲で書。
の物 流 体 制 につ い て は 、高
2009)「トヨタの 中国 に お け る ロジ ステ
松孝 行 (
L
I
」『日本海 運経 済学 会報 告 資料 』 に詳 しい。
ス活動
ィク
2009) 前掲寄 、李端
JTFGLにつ いて は 、高松 (
曹
(
2009年) 「トヨタの 中国 ロ ジ
『Lo
gi
・
Bi
z
』 4月 に詳
ス テ ィ クス戦略 」
しい。
L
H 衷 3は 日系物 流 菜者
お よび沌州 港 管理 者
るイ ンタ ビュ- 調査 に基 づ く-股 的 な荷 主の場
に対す
合
長 江 + トラ ック)の場 合 には 、 で
あ る。SFTM の (
な改 善 に よ り輸 送時 問 は 9±1日に短 縮 され て い様る々
yi.'運 賃 負 担 力 と拠 点配 置お よび調 達輸
。
は 、橋本 等 (
2009)
前 掲 番 を参 照 の こ と。 送 に 関 して
1
1財務 省 『日本 貿 易
物流 システ ムの重要 な構成 要素 となってい
クは、調達
る。 調達物流 システ ムは、生産 と連動 さ