平成26 年の主な出来事(PDF形式:5296KB)

平成26年のできごと
KOBE annually report,2014
神戸市広報課
こ
う
べ
こ
の
一
年
目次・contents
お 知 ら せ
この表 紙 の写 真 は、市 民 のみなさまから「心 に残 る神 戸 の風 景 」「神 戸 で見 つけたとある一 日 」のテーマに
沿 って
フェイスブックに投 稿 いただき、神 戸 市 ホームページトップページに掲 載 された写 真 です。
今 後 も、随 時 受 け付 けておりますので、みなさまの投 稿 をお待 ちしております。
URL:http://www.city.kobe.lg.jp /information /public /online /top -photo /index.html
神 戸 市 トップページ
目次・contents
こうべこの一年
目
次
阪神淡路大震災 1.17 のつどいの開催 ··············································· 1
神戸のさらなる飛躍に向けた都心の再生 ············································ 1
児童虐待事案に係る兵庫県警察との協定 ············································ 3
神戸空港開港から 8 周年、搭乗客 2,000 万人を達成 ·································· 3
26 年度予算案を発表 ····························································· 4
全国初!こうべWエコ発電プロジェクトの実施 ······································ 5
借上市営住宅からの住替え予約制度開始 ············································ 5
災害に強いインフラ整備 ·························································· 6
職員採用試験制度の変更 ·························································· 7
外国客船「クイーン・エリザベス」が初入港 ········································ 7
南海トラフ地震・津波対策 ························································ 8
「いじめ防止等のための基本的な方針」の策定 ······································ 9
エクサスケール・スパコンの神戸設置が決定 ········································ 9
国家戦略特区の指定~(仮称)神戸アイセンターの認定~ ··························· 10
第 2 期「神戸市教育振興基本計画」の策定 ········································· 10
がん対策推進条例の施行 ························································· 12
最大 210 円割引!市バス乗継割引制度 ············································· 12
王子動物園のこの1年 ··························································· 13
市民・職員協働プロジェクトチーム発足 ··········································· 14
目次・contents
震災 20 年継承・発信事業 ························································ 15
第 44 回神戸まつりの開催 ························································ 16
老朽危険家屋の行政代執行 ······················································· 16
第 1 回「デザイン都市・神戸」創造会議の開催 ····································· 17
119 番通報等における外国語同時通訳サービスの開始 ······························· 18
区民サービスの拡充 ····························································· 18
商店街・市場「応援隊」を発足 ··················································· 19
フェニックス神戸沖処分場への基準超廃棄物搬入 ··································· 19
「ジャズの街神戸」推進協議会が発足 ············································· 19
神戸ふれあい工房が市役所内へ移転 ··············································· 20
「大学生と神戸市長との円卓会議」開催 ··········································· 20
人口動態に関する有識者会議の開催 ··············································· 21
イノシシ対策強化の取り組み ····················································· 21
火災に強いまちづくり~火災予防条例の改正等~ ··································· 22
兵庫津遺跡から江戸時代の町屋跡見つかる ········································· 22
過去最高!観光入込客数 ························································· 24
乳幼児等・こども医療費助成制度の大幅拡充 ······································· 25
臨時給付金申請受付を開始 ······················································· 25
FCV導入!水素社会の実現に向けた取り組み ····································· 25
神戸ポートタワーが国の登録有形文化財に! ······································· 26
第 44 回みなとこうべ海上花火大会 ··············································· 27
高齢者見守りのあり方検討会報告書 ·············································· 27
2016 年主要国首脳会議の誘致 ···················································· 27
3 年連続黒字!平成 25 年度決算見込・行財政改革 2015 の取り組み実績 ··············· 28
兵庫区中之島で発見された不発弾処理 ············································ 29
神戸・リガ姉妹都市提携 40 周年記念事業 ········································· 29
目次・contents
神戸三宮フェリーターミナル完成! ··············································· 31
市民病院機構の第 1 期中期目標の達成 ············································ 31
世界初!iPS細胞を用いた移植手術の成功 ······································· 32
豪雨・土砂災害対策 ····························································· 32
阪神国際港湾株式会社設立 ······················································· 34
資源物の持ち去り禁止条例の施行 ················································· 34
市内最大・桜の宮住宅建替事業にPFI導入 ······································· 35
ラグビーワールドカップ 2019 の開催都市への立候補 ································ 35
神戸灘の酒による乾杯を推進する条例の施行 ······································· 37
中学校給食の一部開始 ··························································· 37
兵庫県内初・産後ケア事業の開始 ················································· 37
2014KOBE六甲全山縦走の開催 ················································· 38
子供を守る緊急の安全確保対策 ··················································· 38
感謝と友情!第 4 回神戸マラソン開催 ············································· 39
祝!武庫離宮造営 100 年 ························································· 40
神戸名誉市民の称号を贈呈 ······················································· 40
第 20 回神戸ルミナリエ ·························································· 41
「産業用地 150 ヘクタール売却」の目標達成 ······································· 42
1
January
1月
阪神・淡路大震災 1.17 のつどいの開催
1月17日、阪神・淡路大震災から19年が経過した。
亡くなられた方々の慰霊と鎮魂、そして震災から育ま
れた「きずな・支え合う心」と「経験と教訓」を風化させる
ことなく次世代に語り継いでいくため、中央区の東遊園
地で震災犠牲者に鎮魂の祈りをささげる追悼行事が行
われた。
午前5時、震災モニュメント「1.17希望の灯り」から
分灯した灯りを、東遊園地に並べた約10,000本の
竹灯ろうに灯し、「1.17」の文字を浮かび上がらせた。午前 5時46分に遺族ら約5,000人が黙祷をささ
げた後、遺族の代表と久元市長が追悼の言葉を述べ、続いて、「慰霊と復興のモニュメント」に献花を行
った。午後9時の消灯までに約 43,000人が追悼に訪れた。
会場では東日本大震災の被災地とつなぐ取り組みも行われ、震 災発生の午後2時46分、震災被災
地からお越しになられた方々や神戸市内へ避難して来られた方々とともに、「3・11」の文字を表す竹灯ろ
うの前で黙祷をささげた。この他にも、市内各地で追悼行事が開催された。
また、市民とともに犠牲者を追悼するため、「神戸市震災19年追悼の集い」として区役所等にも記帳
所を設け、約10,000人が記帳を行った。
神戸のさらなる飛躍に向けた都心の再生
1 月 28 日、市は、神戸の都心を大胆に活性化することを目的に、新神戸から三宮、元町を経てハー
バーランドに至 るまでの範 囲を対象 とした「都心の将来ビジョン」の策 定に向け、地元 組織代 表や学識 経
験 者 等 のメンバーが参 画 する検 討 組 織
の設置を発表し、3 月 19 日に、第 1 回
「 神 戸 の 都 心 の 『 未 来 の姿 』 検 討 委 員
会」を開催した。
また、神 戸 の玄 関 口 である三 宮 周 辺
地区について、民間活力の導入を図りな
がら、魅 力 的 で風 格 ある都 市 空 間 を実
現 するために、「三 宮 周 辺 地 区 の『再 整
備基本構想』」の策定に向け、7 月 31
神 戸 の都 心 の「未 来 の姿 」検 討 委 員 会
1
January
1
日、第 1 回「三宮構想会議」を開催した。
将来ビジョン並びに再整備 基本構想 の策定にあたっては、検討委員会や構想会議のほか、WEB 等
による意見募集に加え、「神戸の未来を考える 300 人会議」、「市長との対 話フォーラム」、「都心の未
来 を考 えるシンポジウム」等を実 施 し、市 民 から幅 広 く意 見 を募 った。今 後 、寄 せられた意 見やアイデアを
踏 まえて、「都 心 の将 来 ビジョン」並 びに三 宮 周 辺 地 区 の「再 整 備 基 本 構 想 」の策 定 に向 けた取 り組 み
を進めていく。
一方、5月 12 日、市会では2会期制の導入後初めてとなる臨時本会議が開かれ、新たな時代の
神 戸 のまちづくりについて調 査 するため「未 来 都 市 創造 に関 する特 別 委 員 会 」が設 置 された。調 査 手 法
は従 来 の特 別 委 員 会 と異 なり、調 査 目 的 に沿 った参 考 人 を招 致 すると ともに、参 考 人 の意 見 や他 都
市・事業者への実地調査も踏まえた委員間討議を行っており、最終的に久元市長に対して政策提言を
行う予定となっている。
2
2
February
2月
児童虐待事案に係る兵庫県警察との協定
2 月 5 日、市は、児童虐待事案が深刻
かつ複雑化している現状を踏まえて、兵庫県
警 察 とこれまで以 上 に緊 密 に連 携 することを
定 めた「児 童 虐 待 事 案 に係 る協 定 」を締 結
した。
協 定 では、市 から警 察 に提 供 する情 報 を
①警 察 から要 保 護 を通 告 された子 ども(保
護者のない児童等)に係る措置の内容、②
市 民 から通 告 等 があった事案 のうち、市 が告
発 する必 要 があると判 断 した事 案 、③子 ども
の安全確保等のために、援助・協力要請が必要と判断した事案 、と定めた。
一方、警察から市に提供される情報を①市から情報提供を受けた事案に係る警察の措置 (保護者
の逮 捕 等 )、②警 察 が通 告 した事 案 のうち、子 どもの安 全 確 保 等 のために必 要 と判 断 した情 報 、③市
が行 う立 入 調 査 や一 時 保 護 に際 して、子 どもおよび職 員 の安 全 確 保 のために必 要 と判 断 した情 報 、と
定めた。
協 定 の締結 により、市 が虐待 を受 けた子 どもを一 時 保護 する際に、警 察 の援 助 を受 けて安 全確 保 に
万全 を期すことができるとともに、迅速な保護の実施が可能 となる。また、一時保護後 に家庭 に引取られ
た子 どもについても、市 と警 察 が協 力 することで日 常 の見 守 りを含 めた、安 全 安 心 を確 保 する体 制 の強
化が期待される。
神戸空港開港から 8 周年、搭乗客 2,000 万人を達成
2 月 16 日、神戸空港は開港 8 周年を迎え
た。ターミナルビルでは、搭乗客へ神戸産の花のプ
レゼントやANAスタッフによる横断幕でのお見送
りのほか、ウルトラマンタロウのステージ、就 航 都 市
のPRブース出 展 などの催 しが行 われ、多 くの利
用客らでにぎわった。
8 周年を迎える直前の 1 月には、神戸空港発
着便の搭乗客数が、累計 2,000 万人を達成し、
2,000 万人目の搭乗客には、「認定証」と「記念品」の贈呈が行われた。
3
February
2
また、4 月 1 日からスカイマーク株式会社が神戸-仙台線を就航したことで、神戸空港の発着便数が
1 日あたりの上限とされている 30 往復便に達した。8 月には、仙台線および米子線の利用促進のため、
宮 城 県 、鳥 取 県 の協 力 を得 て、両 県 の観 光 素 材 を市 営 バスにデザインしたラッピングバスの運 行 を開 始
するなど、様々な空港利用促進施策を展開した。
26 年度予算案を発表
2 月 18 日、市は、26 年度(2014 年度)予算案「神戸の元気創造予算」を発表した。一般会計
7,071 億円 (対前年度△0.4%)、特別会計 6,911 億円(同△0.3%)、企業会計 3,664 億円
(同+20.3%)で、予算総計としては 1 兆 7,646 億円 (同+3.3%)となった。
予算案は、1 か月以上にわたる市会審議を経て、3 月 27 日の本会議で可決、成立した。
この予算は、消費税率の引き上げに対 応した「経済対策」、市民や来神者の視点から神戸の将来に
不可欠な総合交通体系の整備 を重点とする「将来を見据えた神戸のまちづくり」、さらには福祉や教育
分野をはじめとした「すべての市民が安心できるくらしづくり」など、特に重要な市政課題の解決に向けて施
策を展開するため、以下の 5 つの重点施策を柱として編成され、神戸の将来を担う様々なプロジェクトの
推進策などが新たに計上された。
【26 年度重点施策】
1.市民が元気で働けるにぎわいのある街の実現
2.世界に誇れる夢のある街の実現
3.安心して子育て・教育ができる街の実現
4.市民が地域とつながり福祉と医療をはじめ安心してくらせる街の実現
5.本物の市政改革をすすめ新しい地方自治がはじまる街の実現
4
3
March
3月
全国初!こうべWエコ発電プロジェクトの実施
3 月 5 日、市は垂水処理場 において「こうべW
エコ発電プロジェクト」を開始した。
このプロジェクトは、処 理 施 設 の広 大 な屋 上 を
活 用 した太 陽 光 発 電 (2,000 キロワット)と、
汚 泥 処 理 の過 程 で発 生 するメタンを主 成 分 とし
た「こ うべバイ オガス」 による発 電 ( 350 キロ ワッ
ト)を組み合わせた事業で、発電電力 は年間約
450 万 キ ロ ワ ッ ト ア ワ ー と な り 、 一 般 家 庭 約
太 陽 光 発 電 設 備 (垂 水 )
1,300 世帯分に相当する。発電した電力は、国
の再生可能エネルギー固定価格買取制度を活用して電力会社に売却され、事業期間は 20 年となって
いる。なお、太陽光とバイオガスによるダブル発電は全国初の取 り組みである。
昼 間 ・晴 天 時 にしか効 率 的 な発 電 ができな
い太陽光発電に、24 時間発電可能なバイオ
ガス発電を組み合わせることで、安定的に電力
が得 られるとともに、化 石 燃 料 に依 存 しないた
め、二 酸 化 炭 素 排 出 量 を削 減 できるメリットが
ある。また、民 間 企 業 との「共 同 事 業 方 式 」
(市が発電設備の設置場所や「こうべバイオガ
ス」などを提 供 し、民 間 企 業 が 設 備 の建 設 や
運 営 などを担 う)を採 用 し たことで、市 と民 間
企 業 がそれぞれの強 みを生 かしながら 事 業 効
バイオガス発 電 設 備 (垂 水 )
率性を高めている。
このプロジェクトは、9 月 10 日に国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」を受賞し、下水道の資源
を活用した再生可能エネルギーの取 り組みを拡大させる第一歩となった。
借上市営住宅からの住替え予約制度開始
3 月 5 日、市は、借上市営住宅のうち市内で最も早く返還期限を迎える住宅について、住替えに関
する予約制度の受付を開始した。
借上市営住宅は、震災時に住まいを失われた被災者の方へ、早急かつ大量に住宅を供給するため、
5
March
3
UR都市機構や民間等の賃貸住宅を 20 年の期限で借り上げて、復興住宅として供給したものであり、
27 年度(2015 年度)以降、順次、返還期限を迎える。
借上市営住宅からの住替えにあたっては、住替えを希望する住宅を事前に予約 する「完全予約制」、
及び予約住宅が確保できるまでの間、返還期限より最長 5 年間の「移転期限の猶予」を行うことにより、
生活圏に配慮した住替えを図 っていく。
また、移転に困難が伴う入居者(要介護 3 以上、重度障害、85 歳以上)がいる世帯は、現在の
住宅に「入居継続」できることとしている。
市 は、この「移転 期限の猶予 」や「入 居継続 」を実 施するために必 要 となる新 たな借 上契約 について、
建物所有者のうち都市再生機構(UR)及び、神戸すまいまちづくり公社との間で合意書の締結を行
っており、今後引き続き民間所有者と協議を続けていく。
また、URから借 り上 げている住 宅のうち、一部 のシルバーハイツ等の住宅 については、市がURより取
得することとしており、そのための協議が大枠で整ったため合意書を締結した。
災害に強いインフラ整備
3 月 6 日、市は、「災害に強い水道づくり」の一環として進めてきた応急
給水拠点全 47 か所の整備を完了し、災害後の初期に必要とされる飲
料水(1 人 1 日 3 リットル×7 日分)の確保およびタンク車等による水の
運搬距離の短縮(概ね 2km 以内)を達成した。3 月 15 日には最後
の整備箇所となった北区淡 河町中山の配水池において、完成記念式典
を実施した。
応 急 給 水 拠 点 シンボルマーク
また、3 月 24 日、大容量送水管奥平野工区において、奥平野浄水場(兵庫区楠谷町)内から
発 進 したシールドマシンが布 引 立 坑 (中 央 区 熊 内 橋 通 )に到 達 し、 全 区 間 のトンネル掘 削 が完 了 し
た。
大容量送水管は、高い耐震性能と大きな貯留能力を備えた送水管であり、8 年度(1996 年度)
より着 工 し、一 部 区 間 では大 深 度 地 下 使 用
法 の適 用 を受 けながら整 備 してきた。これによ
り、大容量送水管のトンネル全区 間 12.8 キ
ロメートル(芦 屋 市 境 ~兵 庫 区 )がひとつに
つながったことになり、完 成 すれば全 市 民 約
12 日間分の飲料水が確保されることとなる。
一方、16 年度(2004 年度)に、台風な
どにより 4 度の浸水被害が発生したことを受け
て、三宮 南地区(生 田川~宇 治川)におい
中 突 堤 ポンプ場
て浸 水 対 策 事 業 に着 手 することとなった。この
6
3
March
うち中 突 堤 地 区 (鯉 川 ~宇 治 川 流 域 )
については、中 突 堤 ポンプ場 に接 続 する放
流渠が貫通し、メリケンパークの地下に大規
模 トンネルが完 成した。現在 、ポンプ場で揚
水 し た雨 水 排 水 を海 域 へ放 流 する ため の
中突堤放流渠
管渠整備を進めている。
こうした着実なインフラ整備により、災害に強いまちづくりを進めていく。
職員採用試験制度の変更
3月18日、市は、グローバルな見地での人材獲得競争
が起きている中、優れた資質を持った多様な人材を確保す
るため、公務員試験のための特別な準備 を要しない職員
採用試験制度に変更を行った。
これまで公務員を選択肢として考えていなかった人など幅
広い層の方々にチャレンジしてもらえるよう新たな試験枠と
して「特別枠」を新設するとともに、従来の1次試験(筆記
試験)の出題についても、社会人として必要な基礎的事
務処理能力を重視する内容に見直しを行ったもの。
大 学 卒 区 分 の申 込者 総数 は2,931人 で、25年 度(2013年 度 )に比 べ740人 (34%)増 加し、
このうち「特別枠」の申込者数は851人となった。6月に1次試験(筆記)を行い、2次・3次試験(面
接等)を経て9月に337人の最終合格が決定した。「特別枠」には民間企業志望者など幅広い層の
方々がチャレンジし、大学の出身学部もこれまでの法学部、経済学部、経営学部中心ではなく、文学部、
社会学部、理系学部など幅広い学部出身者の構成となり、53名が最終合格した。
外国客船「クイーン・エリザベス」が初入港
3 月 19 日 、外 国 客 船 「クイーン・エリザベス」
(90,901 トン)が神 戸 ポートターミナルに入 港 し
た。同 船 は、イギリスのキュナード・ラインが運 航 し、
「世界で最も有名な客船」の名を受け継ぐ 3 代目
「クイーン・エリザベス」として 22 年(2010 年)10
月に就航した。
今 回 、イギリス発 着 の 120 日 間 にわたるワール
ド・クルーズの一環 として日本 に初 入 港 したものであ
7
March
3
るが、寄港地 のひとつとして神 戸港が選 ばれたことは、日 本を代表するクルーズポートとして客 船誘致 に取
り組んできた大きな成果となった。
市は歓迎演奏やセレモニーなどを行い、早朝入港にも関わらず集まった 4,000 人の市民とともに盛大
に迎 えたほか、日 本 文 化 を体 験 してもらうため茶 道 ・琴 演 奏 の実 施 や、神 戸 港 に入 港 した客 船 の写 真
展示などを行った。
また、4 月 13 日には外国客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11 万 5,875 トン)が神戸港に初入港す
るなど外国客船の入港が相次ぎ、港の風景に華を添えた。
南海トラフ地震・津波対策
3 月 25 日、神戸市防災会議・南海トラフ巨大地震・津波対策専門部会が報告書をとりまとめ、久
元市長へ提出した。
報 告書では、近い将 来発生 が確実 視されている南海 トラフ地震 に対し、2つのレベルの地 震・津波 を
想 定 して備 えることが重 要とされ、防 災 対 策 の考 え方としては、①近 い将 来 発生が確 実 視 される南 海 ト
ラフ地震のような概ね 100 年に一度程度発生してきたM8 クラスの地震・津波(レベル1)には、海岸
保全施設の整備等、できる限り被害を抑止する「被害抑止策」により、一方、②1,000 年に一度程度
の発 生頻度 は極めて低いものの甚大 な被害 をもたらすM9 クラスの地 震・津 波(レベル2)には、人命
を守 ることを最 優 先 とし、住 民 の避 難 を軸 としソフト・ハード対 策 を組 み合 わせた「被 害 軽 減 策 」により備
えることが望ましい、との提言がなされた。
また、阪神・淡路大震災の経験を経て、地 域では自
助 、共 助の意 識が広 く普及 し、防災 福祉 コミュニティ活
動 をはじめとする協 働 と参 画 による取 り組 みが進 展 する
など、これまで育 まれてきた神 戸 市 民 の強 みを生 かして
いくこと、市 ・市 民 ・事 業 者 の役 割 を明 確 にし、各 々が
的 確 な行 動 がとれるよう支 援 や啓 発 に努 めることが提
言された。
これを受けて、12 月 19 日に開催された「神戸市防
災 会 議 」におい て 、
「自己決定力の
向上」を基本理
念 とし、市 民 や事 業 者 の役 割 、基 本 理 念 の背 景 や考 え方 、大 震
災の課題と教訓 、災害想 定などをまとめた共通編 を新 たに設けた、
「神戸市地域防災計画」の抜本的な改定がなされた。
このほか、観 光 等で神 戸 を訪 れる来 街 者向 けの津波避 難 行 動
につながる取り組みとして、津波防災ウェブサービス「ココクル?」を公
開するとともに、三宮・元町・神戸の都心部 7 か所に、津波による
8
津波避難情報板
3
March
浸水想定区域や避難情報等を掲載した「津波避難情報板」を新設した。
「いじめ防止等のための基本的な方針」の策定
3 月 27 日 、市 は、「神 戸 市 いじめ防 止 等 のための基 本 的 な方 針 」を策 定 した。これは、 25 年
(2013 年)9 月に、いじめ防止対策推進法が施行され、市においても基本方針の策定が努力義務 と
されたことを受けた取り組みである。
市では、国の基本方針 を参酌しながら、神戸市いじめ指導三原則「するを許さず されるを責めず 第
三 者なし」を核に、特 別な支 援を必要 とする児 童生徒への配慮 、教 職員の意識および責務 、保 護者 の
責務の積極的な啓発を新たに設定した基本方針を策定した。
すべての市立小・中・高・特別支援学校では、26 年度(2014 年度)当初より「学校いじめ防止基
本方針」を策定したほか、いじめ防止対策の総括的組 織として「校内いじめ問題対策委員会 」を設置し
て、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に組織的に取り組んでいる。
今 後 も、児 童 生 徒 が主 体的 にいじめの問 題 に向 き合 い、「いじめのない明 るい学校 づくり」をめざすとと
もに、地域ぐるみのいじめ防止対策を推進していく。
エクサスケール・スパコンの神戸設置が決定
3月 28 日、ポスト「京」(エクサスケール・スーパーコンピュータ)の神戸への設置が発表された。
ポスト「京」の開発は、「京」に引き続き理化学研究所が担い、32 年(2020 年)までの完成を予定し
ている。国 家 的 に取 り組 むべき社 会 的 ・科 学 的 課 題 の解 決 に世 界 に先 導 して貢 献 できるシステムの構
築をめざしている。
想 定 される成 果 事例 として、「防 災 対 策 」では、地 震 ・津 波 による複 合災 害のより精 度 の高い予 測シ
ステムの構築 、「産業 競争力の強 化」では、革新的設計 ・製造 プロセスによる製品開 発の実現 、「エネル
ギー問 題 対 策 」では太 陽 光 を利 用 した新 規 エネルギー源 の創 出 などが挙 げられ、神 戸 の地 から世 界 最
先端の研究成果が数多く発信されることが期待できる。
なお、理 化 学 研 究 所 では、STAP (Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency
cells:刺激惹起性多能性獲得細胞)研究論文の問題を受け、8月 27 日に組織改革のアクション
プランを公表し、11 月 21 日には、発生・再生科学総合研究センターの研究組織や運営体制等の抜
本 的な見直しにより「多細胞 システム形成研 究センター」として再 出発しており、医 療イノベーションの取 り
組みを加速させている。
9
March
3
国家戦略特区の指定 ~(仮称)神戸アイセンターの認定~
3月 28 日 、市 を含 む「兵 庫 県 、京 都 府 、大 阪 府 」が、国 家 戦 略 特 区 に指 定 されることが決 まった
(5月1日特区 指定)。
国 家 戦 略 特 区 は、日 本 経 済 の再 生
に向けた第 三の矢 として創設 された。市
ではこの制 度 を活 用 し、再 生 医 療 の実
用 化 や 医 療 機 器 の 海 外 展 開 とい っ た
取り組みを行うこととしている。
その代 表 的 なプロジェクトが「(仮 称 )
神 戸 アイセンター」である。眼 科 疾 病 に
関 し、基 礎 研究から臨床応 用 、治療 、
リハビリまでをトータルで対応する拠点として整備することをめざしている。
9月 30 日には、この計画を含む「関西圏国家戦略特別区域計画」が内閣総理大臣の認定を受け
た。この認 定 により、同 センターに設 置 する眼 科 病 院 について、法 律 上 の上 限 を超 えた病 床 の設 置 が可
能となった。今後、29 年度(2017 年度)の開業を目指し、具体化に向けた検討を進めていく。
第 2 期「神戸市教育振興基本計画」の策定
市は、市民とともに「教育日本
一 のまち神 戸 」を実 現 していくこと
をめざし、第 2 期目となる「神戸
市 教 育 振 興 基 本 計 画 」(計 画
期 間 : 26 年 度 ( 2014 年
度 )から 30 年 度 (2018 年
度))を策定し、3 月 31 日に
公表した。
この計 画 では、今 後 5年 間 に
お け る 神 戸 の 教 育 を取 り巻 く 環
境 の 変 化 を 予 想 し 、そ れ ら に 柔
軟 に対 応 していくことで、「心 豊 か
に たくましく 生きる人間」の育成を図っていくこととしている。
目 標 実 現 の道 筋 として、一 人 一 人 の自 立 に向 けた力 を伸 ばす 、教 職 員 ・学 校 の魅 力 と実 力 を磨 き
高 める、特色 ある神 戸の教育 を更に発展 させる、市民が自ら学び子供の育ちを共に支 える、の4つの方
向性を示すとともに、方向性に基づいた 4 つの最重点事業を含む 20 の重点事業を掲げ、その進捗状況
を成 果 指 標 により測 っていくこととした。各 施 策 を着 実 に推 進 していくことで、総 合 的かつ一 歩 ずつ目 標 に
10
3
March
向かっていく。
26 年度(2014 年度)は、児童生徒一人一人の状況に応じたきめ細やかな指導を行うため、教員
免 許 状 を有 する支 援 員 の新 たな配 置 や、学 力 定 着 度 調 査 の拡 充 、学 習 支 援 ツールの導 入 など具 体
的な取り組みを進めている。
11
April
4
4月
がん対策推進条例の施行
4 月 1 日、 「神戸市がん対策推進条例」が施行された。この
条 例 は、市 のがん対策 をさらに推 進させることを目 的 として、市 会
4会派により共同提案されたものである。
条 例 には、がん対 策 を進 める市 の責 務 や 、市 民 の役 割 として
「がん検 診 の受 診 に努 めること」などが規 定 されるとともに 、「がん
の予防 」や「学校での健 康教育の推進」 、「患者とその家族への
相談体制の充実」が盛り込まれた。
乳 がん啓 発 「ピンクリボンフェスティバル」でのライトアップ
また、市 では、条例の施 行を受け、がんの専 門家や学識 経験者 、関係者 等から意 見を聴 く「神戸市
がん対 策 推進 懇 話 会」を開 催 し、がん検 診 受診 率の向 上 とがん患 者 等 支援 をテーマに意 見 交 換 を行
った。
今後は、懇話会での意見を踏まえ、がんの予防から患者支援まで、総合的な取り組みを進めていく。
最大 210 円割引!市バス乗継割引制度
4月1日、市は、日常の通院や買い物に使う市バス
の利便性を向上させるために、「市バス乗継割引制度」を
開始した。
この制度は、市バスで「PiTaPa」「ICOCA」「敬老パ
ス」を利用する乗客を対象に、1乗車目(降車時)から
2乗 車 目 (降 車 時 )まで60分 以 内 に乗 り継 いだ場 合 、
2乗車目の乗車料金を最大 210円割り引くものである。
さらに、乗継割引制度の活用方法や市バスの乗り継
ぎ方法を案内する「市バス乗継相談ダイヤル」を設置するなど、今後とも市バス利用者の利便性を向上
させる取り組みを進めていく。
12
4
April
王子動物園のこの 1 年
4 月 21 日、市は必要な情報を見やすく、かつわか
りやすく動 物 園 の魅 力 を伝 えられるように王 子 動 物 園
のホームページをリニューアルした。新 しいホームページで
は写 真 やイラストを多 く取 り入 れ、スタッフブログの配 信 、
動 物 たちのお食 事 タイムといった見 どころ情 報 の充 実 や
おすすめコースの紹介など新たな情報の発信を始めた。
特 にスタッフブログでは、動物 たちの活 動や園 内の様子
など、普 段 見 ることのできない動 物 園 の魅 力 を高 める
興味深い話題を提供している。
6 月 12 日に
は、25 年(2013
年 )10 月 よ り 出
産のため千葉 県
「市原ぞうの国 」に
移動していた王
子動物園のインドゾウ「ズゼ」が、国内では 9 頭目の繁殖成功となる
オスの赤ちゃん「結希」(ゆうき)を出産し、12 月 3 日、王子動物
園に戻ってきた。
7 月 14 日、チンパンジー「チェリー」が 51 歳で死亡した。チェリー
は国 内 最 高 齢 のチンパンジー「ジョニー」の第 一 仔 で、全 国 初 の人
工哺育で成長したチンパンジーである。また、国内に 324 頭のチンパ
ンジーが飼育される中、チェリーは 5 番目の長寿となっていた(25 年
(2013 年)12 月 31 日現在)。動物舎の前に設置した献花台には、チェリーとの別れを惜しむ多くの方
から寄せられた花束や果物、追悼の手紙などが供えられた。
また、7 月 28 日にカバの赤ちゃん「出目吉」(オス)が誕生した。
13
April
4
市民・職員協働プロジェクトチーム発足
4月25日、市は、市民と職員協働で課題解決に向けた
実務にあたる「市民・職員協働プロジェクトチーム」の第 1弾と
して「地下鉄海岸線・市街地西部活性化プロジェクトチー
ム」を設置した。26年度(2014年度)には、このほか「農村
活性化プロジェクトチーム」、「空き家ストックを活用した中古
住宅市場活性化プロジェクトチーム」の合計3つのプロジェク
トチームが設置された。それぞれの課題に対し、外部人材や
所管部署以外の若手職員などを登用して、多様な視点から
の検討や事業推進を行い、市民・職員協働により課題解決を図っていく。
8月25日、「地下鉄海岸線・市街地西部活性化プロ
ジェクトチーム」の取り組みとして、提案者が実施主体とな
る新たな活性化策の募集を行った結果、「地下鉄海岸
線・市街地西部活性化プロジェクト候補事業」に、空き
家・空地を活用したまちづくり関連事業、兵庫運河を活
用した集客事業など10事業を決定した。
今後、それぞれの候補事業の提案者と市が協力しなが
ら、実現可能性の調査や実施に向けた準備などを進め、
プロジェクトチーム全 体 会 (メンバー、提 案 者 による会 合 )
事業実現をめざし取り組みを進めていく。
14
5
May
5月
震災 20 年継承・発信事業
27 年(2015 年)1 月 17 日に阪神・淡路大震災から 20 年の
節 目 を迎 えるにあたり、「震災 の経 験や教 訓の継 承 と発 信 」「『貢 献す
る都市としての神戸』の意識の醸成と定着、活動の展開」という 2 つの
コンセプトに基づいて、「震災 20 年継承・発信事業」を市民とともに展
開している。
これらの事業を通じて、震災 21 年目以降も事業の成果が引き継
がれ、震 災 の記 憶 や教 訓 が、震 災 経 験 者 から震 災 を知 らない世 代 、
さらにその後の世代にまで継承されていくことをめざしている。
8月 19 日 、市 は、新長田 ピフレホールにて「被災
地 中 学 生 サ ミ ッ ト ~ 全 国 中 学 生 防 災 サ ミ ッ ト in
KOBE~」を開 催 した。市 から5校 、市 外 からは東 日
本 大 震 災 の被 災 地 である宮 城 県 、岩 手 県 、福 島 県
に加 え、豪 雨 災 害 に見 舞 われた兵 庫 県 佐 用 町 、奈
良 県 五 條 市 、火 砕 流 災 害 に遭 った長 崎 県 島 原 市 な
どから8校、計 25 名が参加した。
災害から学んだ教訓を次の世代に語り継ぐ大切さを
被 災 地 中 学 生 防 災 サミット
確 認し、「人 と人 とのつながりの大 切さや地 域の方 と共に未 来のまちを描 く担 い手となる」など の行 動 宣言
をまとめ、全国に発信した。
12 月には、震災当時の写真や神戸ゆか
りの著 名 人 からのメッセージを掲 載 した教 材
「みらいへつなぐ」を作 成 し、市 立 小 中 学 校
の児 童 生 徒 に配 布 した。子 供 たちは、教 材
を使 用 して震災 当 時や復興 過 程 時 の様 子
を保護者や地域の方から聞き取 りなどを行う
中 で、命 の大 切 さ、生 きることの意 味 、人 間
としての在 り方、人と人 とのつながり等を学 習
することになる。
また、10 月 10 日、神戸で生まれた教訓や知恵を集め、国内外に発信する「震災 20 年神戸からの
メッセージ発信」の特設サイトを開設した。
このサイトでは、震 災 経 験 についての市 民 アンケートへの回 答 や、震 災 をきっかけとして地 域 ・社 会 ・世
界に貢献する活動を行ってきた方へのインタビューを公開している。
その他、震災 20 年継承・発信事業として、100 を超える事業が展開されることとなった。
15
May
5
第 44 回神戸まつりの開催
5 月 16 日から 18 日までの間、第 44 回神戸ま
つりが市内各地で繰り広げられた。メインテーマは「緑
と海そして愛 」、サブタイトルは「神戸から いい汗 い
い夢 いい笑顔」。
16 日の「港の行事」では、神戸港の繁栄と船舶
の安 全 運 航 および神 戸 空 港 の繁 栄 と安 全 な運 営
を祈 願 した。同 日 夜 には、神 戸 まつりのオープニング
を飾 る音 楽 の祭 典 として 「KOBE 合 唱 フェスティバ
ル」が神戸文化ホールで開催された。
17 日には、地域の特色を生かした各区のまつりが一斉に開催され、18 日には、三宮・旧居留地などで
メインフェスティバルが開催された。恒例のおまつりパレードには、7 年連続出演の東京ディズニーリゾートな
ど計 74 団体が参加し、多彩なパフォーマンスで観客を魅了した。当日は好天にも恵まれ、メインフェスティ
バルは約 105 万人の観客で賑わった。
老朽危険家屋の行政 代執行
5 月 20 日、市は、中央区再度筋町 の老朽危険
家 屋 について、外 壁 全 体 が道 路 側 へ崩 落 し、通 行 人
等 に危 害 を及 ぼすおそれが高 いことから、建 築 基 準 法
に基づく「行政代執行 」による解 体撤去を開始した。ま
た、12 月 9 日、兵庫区小松通の所有者不明の老朽
危 険 家 屋 に対 し 、代 執 行 に よる 解 体 撤 去 を 開 始 し
た。
中 央 区 の老 朽 危 険 家 屋
近 年 、適 正 な維 持 保全 がなされない空 き家 等が増
加 し、倒 壊 や部 材 の飛 散 などにより市 民 生 活 に影 響
を与 えるおそれのある事 例 が増 加 して きている。そこで
市では、25 年(2013 年)7 月より「神戸市建築物
の安 全 性 の確 保 等 に関 する条 例 」を改 正 し、建 物 所
有 者 に対 する指 導 や勧 告 等 を行 っている 。このほか、
建 築 基 準 法 では、著 しく保 安 上 危 険 な建 物 について
は所 有 者 に必 要 な措 置 を命 じ、措 置 がなされない場
合は市が代執行できることが定められていることから、今
回の代執行に至ったものである。
16
5
May
国においても、「空家等対 策の推進に関する特別措置法」が解散前の国会で可決成立したことから、
今後さらに総合的な対策が可能になることが期待される。
第 1 回「デザイン都市・神戸」創造会議の開催
5 月 22 日、市は第 1 回「デザイン都市・神
戸 」創 造 会 議 をデザイン・クリエイティブセンター
神戸(KIITO)で開催した。
この会議は、まち、くらし、ものづくりの 3 つの
分 野 で展 開 される「デザイン都 市 ・神 戸 」の推
進 に関 し、各 局 室 の施 策 や事 業 、今 後 の方
針 に対 し、外 部 専 門 家 から デザインの視 点 で
横断的かつ具体的に提案 してもらう場として設
置した。神戸芸術 工科大学の齊木 崇人学長
を議長 とし、デザイン、建 築、都市計画 、アートなど様々な分野の専門 家を、委員やアドバイザーとして委
嘱した。
第 1 部では、各委員のこれまでの活動内容と、それを踏まえた「デザイン都市・神戸」を推進するための
提案(プレゼンテーション)が行われ、第 2 部では「『デザイン都市・神戸』の実現に向けて展開したいこ
と」というテーマで、ワールドカフェ方式の意見交換を行った。
第 2回 「デザイン都 市 ・神戸 」創 造 会 議では、神 戸
の都 心 の「未 来 の姿 」、選 ばれる都 市 になるための戦
略 的プロモーション、神戸発 ものづくりとことづくりのイノベ
ーションなどについて、具体的な提案や意見交換を行っ
た。
26 年度(2014 年度)はこの会議を 3 回開催し、
その中 で出 されたさまざまな意 見 をもとに、「デザイン都
市・神戸」のさらなる推進を図っていく。
17
June
6
6月
119 番通報等における外国語同時通訳サービスの開始
6 月 1 日、市は、外国人観光客や留学生など、日本語を介してのコミュ二ケーションが困難な方を対
象とした「119 番通報等における外国語同時通訳サービス」を開始した。
このサービスは、英語や中国語など 5 か国語での 119 番通報等に対し 24 時間 365 日対応してお
り、民 間 通 訳事 業者 による電 話 同時 通 訳サービスにより実 現 した。開 始から 11 月 までの利 用件 数 は
18 件となっており、特に救急現場での利用が多くなっている。外国人傷病者の主訴や事故状況の確認
ができるなど、迅速な処置と適切な医療機関の選定 が可能となった。
通 訳 オペレーターにつながった後 は外 国
人 通 報 者 と消 防 職 員 が受 話 器 を持 ち
かえて通 話 を行 う。
区民サービスの拡充
6月 2日 、市 は西 神中 央出 張 所 に敬 老 優待 乗 車証 受 付 、
身体障害者手帳・療育手帳申請受付、保育所入所受付
など、取扱い件数が多く市民ニーズの高い手続きが可能とな
る「保健福祉サービス窓口」を開設した。
また、5月23日、市は、老朽化が進む北区庁舎と兵庫区
庁舎の整備に向けた基本計画を公表した。今後、ユニバーサ
ルデザインやプライバシーに配慮した、住民が分かりやすく利用
西 神 中 央 出 張 所 「保 健 福 祉 サービス窓 口 」
しやすい庁舎の整備をめざしていく。
なお、北区新庁舎は、28年度(2016年度)に完成予定である神戸電鉄鈴蘭台駅前の再開発ビ
ルに移転することとしており、駅と直結する利便性の高い庁舎となる。
また、兵庫区新庁舎は、現庁舎 付近において2段階に分けて建替工事を行い、区庁舎は30年度
(2018年度)、消防庁舎は32年度(2020年度)の完成を予定している。
18
6
June
商店街・市場「応援隊」を発足
市は、市民の暮らしに身近な商店街・小売市場の機能強化を図るため、9人の隊員で構成する商店
街・市場「応援隊」を結成し、6月5日、活性化に向けたサポートを開始した。高齢化や人手不足により
自ら活性化策を講じることが困難な市内13の商店街・小売市場に対して「応援隊」を派遣し、通行量
調査や、住民や商店主へのアンケート調査などにより、課題 の掘り起し、活性化に向けての合意形成、
パンフレットづくりや集客イベントなど様々な取 り組みをサポートしている。
その結果、これまで目立った活動をしたことがなかった商店街が、若手商業者を中心とするプロジェクト
チームを発足させて、スタンプラリーを初開催したり、長年空き店舗であったところに新たな店舗が開店する
などの効果が見え始めている。
10月22日には、応援隊が企画した「商店街・市場 活性化フォーラム in KOBE」を開催し、約220
名が参加した。当日は、応援隊の取組状況や先進事例の紹介、「地域商業の可能性」をテーマにした
パネルディスカッションを行い、商店街・小売市場の活性化や街の賑わいづくりについて議論が行われた。
フェニックス神戸沖処分場への基準超廃棄物搬入
6月11日、滋賀県の自治体が、ダイオキシン類の基準を超過した廃棄物(ばいじん)を、六甲アイラ
ンド沖にある「大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックスセンター)神戸沖処分場」に搬入してい
たことが判明した。
19年(2007年)~25年(2013年)にかけて、総量 669トンのダイオキシンを含む廃棄物(ばい
じん)が搬入されていた。これを受けて、市では、ただちに、当該 自治体、フェニックスセンターと協議し安全
対策を実施した。
また、市やフェニックスセンターでは、これまでも、周辺海域の水質・大気に関する調査を定期的に実施
しているが、今回の事案を受け、市は改めて6月4日、9月12日、11月6日に処分場の放流水及び周
辺海域の水質を調査したところ、それぞれの結果は基準値を大幅に下回っており、生活環境への影響は
ないとの結果が出ている。
「ジャズの街神戸」推進協議会が発足
6 月 13 日、市内のジャズ関係者が一同に集まる協議会が初めて開催され、8 月にその名称を「ジャ
ズの街神戸」推進協議会と決定した。
この協議 会 は、震 災以 降これまで培 ってきた助 け合 いの精 神 とジャズが与えてくれた勇 気 と活 力のもと
に、ジャズに関 するイベント主 催 者 、ライブハウス、プロデューサー、ミュージシャンをはじめ、市 民 ・企 業 ・行
政が一体となって「ジャズの街神戸」の活性化・発信力 強化を図ることを目的としている。
19
June
6
10 月 15 日から協議会としての本格的な活動がスタートし、「ジャズの
街 神 戸 ガイドマップ」のリニューアル、「ジャズの街 神 戸 」キャッチコピーの公
募を実施するとともに、11 月 3 日には、協議会発足を記念したイベント
「『ジャズの街神戸』LIVE@サンクンガーデン」を開催した。
今 後 は、「神 戸 ジャズの日 」の制 定 、記 念 イベントの開 催 、神 戸 ジャズ
の発 信 育 成 を目
指 すラジオ番 組 の
制 作 などを検 討 し
ていくほか、将 来
的には 2020 年東京オリンピックに合わせて世界
規模のジャズコンベンションの開催などもめざしてい
る。
神戸ふれあい工房が市役所内へ移転
6月16日、「神戸ふれあい工房」がデュオこうべから市役所
2号館1階に移転オープンした。
神戸ふれあい工房は、障害者が作る「ふれあい商品」(授
産商品)の展示・販売を通じて、障害のある方の自立と社会
参加を応援するために、11年(1999年)7月に開設された
ショップ&ギャラリーである。
移転後の神戸ふれあい工房 では、障害者が作る「ふれあい
商品」の展示・販売に加え、ギフトや名刺の取次、外商受付
を行うほか、期間限定の販売イベントコーナーも設けている。これらの取り組みにより、障害者の工賃(収
入)アップを通じた、障害者の更なる自立促進をめざす。
「大学生と神戸市長との円卓会議」開催
6月21日、市は、第1回「大学生と神戸市長との円卓会議」を開催した。
この会議は、若者の力を活かして神戸をより魅力あるまちにしていくために、大学生と久元市長とが市
政の様々なテーマについて率直な意見交換を行い、ともに課題解決を図ることを目的としている。
20
6
June
メンバーは市内大学からの推薦学生 、市内在住または在学の大学生等から公募により選ばれた学生
であり、21大学・40名から構成されている。
第1回の会議には28人が参加し、「まち
の活性化」をテーマに率直な意見交換を行
った。9月20日には、「ひとの活性化」をテー
マに第2回目の会議を開催し、今後も様々
なテーマについて対話を重ねる中で、若者の
柔軟な発想やアイデアを市政に反映させて
いく。
人口動態に関する有識者会議の開催
6月、市は、過去の人口動態や将来人口等を客観的かつ実証的に分析するために「人口動態に関
する有識者会議」を設置することを決め、7月1日、中川聡史座長(神戸大学大学院経済学研究
科准教授)を含む3人の委員からなる第1回「今後の神戸市の人口動態に関する有識者会議」を開
催した。
市の人口は震災以降増加してきたが、24年(2012年)からは減少に転じており、また、「日本創成
会議・人口問題検討分科会(座長:増田寛也 氏)」による独自の人口試算では、市においても人口
減少の可能性が指摘されている。
10月22日に開催された第2回会議では、神戸市顧問
に就任された増田寛也氏による「極点社会回避のための
処方箋」をテーマに講演が行われた。その後、増田氏は
「神戸市の人口動態の変化と要因等」をテーマにディスカッ
ションにも参加した。
有識者会議では、分析の視点として「20歳~39歳の
女性」の人口動態やその要因、「小学校区など区よりも小
地域単位」での人口動態についても分析を進め、26年度
(2014年度)中を目途に検討結果をまとめていくこととしている。
イノシシ対策強化の取り組み
6月26日、市は、東灘区・中央区においてイノシシによる人身事故が相次いで発生したことを受けて、
イノシシ対策強化の取り組みを発表した。
市民の安全・安心確保に向けた取り組みとして、6月27日から、人身事故が起きた地域等にパトロー
ル員を派遣し、夜間巡回により住民への注意喚起を行う「パトロール事業」を開始した。
21
June
6
7月からは、専門知識や技術を有する民間事業者を
活用して、市街地に出没しようとするイノシシの個体数を
減らす「追い払い事業」を六甲山中で試験的に実施し
た。
イノシシによる被害の最大の原因は人間による餌付け
であることから、市では、14年(2002年)にイノシシへの
餌付けを禁止する条例(通称:イノシシ条例)を制定
した経緯がある。この条例に基づく餌付け禁止を強化する
取り組みとして、市民やハイカーにチラシ等を配布して餌
付けを行わないよう啓発・指導する事業を実施した。
さらに、12月にはイノシシ条例を改正し、市からの餌付け禁止命令に従わない悪質な条例違反者の
氏名等を市が公表できることとした。
今後も、イノシシによる人身事故をなくすことをめざして、餌付け禁止の啓発・指導を強化していく。
火災に強いまちづくり~火災予防条例の改正等~
6月 27日 、市 は福 知 山 市 花 火 大 会 での火 災 、福 山 市 ホテル火 災 、長 崎 市
グループホーム火災 など近年 の火 災事 故 を踏 まえ、「火 災 予 防条 例 」を改正 し、
新たな防火対策を開始した。
8月1日からは、多数の者の集合する催しにおいて、対象火気器具を使用す
る場合に消火器の準備を、露店等を開設する場合に消 防署への届出を義務
化 した。特 に大 規 模 な屋 外 の催 しの主 催 者 に対 しては、防 火 担 当 者 の選 任 と、
火災予防上必要な業務に関する計画提出も義務化することとした。
また、安全な宿泊施設を公表する「防火対象物適合表 示制
度」の運用を開始し、消防法および建築基準法上、一定の基準に適合しているものに
「表示マーク」を交付している。表示マークをフロントなどに掲出することで、利用者が安
全な宿泊先を選ぶ際に役立ててもらうこととしている。
さらに、10月1日、重大な消防違反がある建物情報を公表する制度 を開始した。公
表する対象は、主に不特定多数の者が利用する飲食店や病院等で、火災を早期に知らせる自動火災
報知設備や火災を自動で消火するスプリンクラー設備等を設置していない建物としている。
これらの新たな制度により、さらに火災に強いまちづくりをめざしていく。
兵庫津遺跡から江戸時代の町屋跡見つかる
兵庫区にある兵庫津遺跡から、江戸時代初期と考えられる街路や町屋群と井戸、溝などの遺構が
22
6
June
見つかった。6月28日、市では、この成果を広く市民に公開
するため学芸員による説明会を開催し、380人の見学者が
江戸時代の兵庫津の町に思いを馳せた。
発掘調査は中央卸売市場跡地の開発工事に伴うもの
で、町屋群は調査対象面積のうち約 16,000平方メートル
についての調査で発見された。江戸時代に火災に遭った町
屋が50棟以上、街路が9本見つかり、焼失建物の床面か
らは焼け残った建築部材や陶器、硯などが出土している。そ
れぞれの建物は、幅1.8~3.1メートルほどの土間にカマドや
台所などを備え、床をもつ部屋が2~3室に区切られていた
こともわかった。
兵庫津遺跡は、かつて大輪田泊とも呼ばれ、平安時代
には平清盛によって日宋貿易の拠点とされた。戦国時代末
の天正8年(1580年)に築城された兵庫城と兵庫津の
町は、その後港町や西国街道の宿場町として発展した経
緯を持つ。元禄9年(1696年)に作成された「兵庫津絵
図」には、賑わっていた頃の兵庫の町の様子が克明に描か
れ、今回の発掘調査で発見された街路や町屋と合致 することが明らかになった。
23
July
7
7月
過去最高!観光入込客数
25 年(2013 年)、神戸への観光入込客数が過去最高を
記録した。
「観光地点」での集客は、日帰り客 1,806 万人、宿泊客
481 万人の合計 2,287 万人となり、24 年(2012 年)と
比較すると 312 万人増加した。また、「行祭事・イベント」での
集客は、前年と比較して 21 万人少ない 1,286 万人であっ
たが、合計では 3,573 万人となり、2 年連続で過去最高の
観光入込客数を更新することとなった。
要 因 としては、異 人 館 が集 まる北 野 周 辺 や有 馬 温 泉 などで集 客
が好 調 であったことに加 え、特 に神 戸 ハーバーランドの集 客 施 設 の開
業や、50 周年を迎えた神戸ポートタワーなど、神戸港エリアの賑わい
が数字を押し上げた。
また、市 内 への更 なるインバウンド観 光
や MICE 誘 致 を推 進 するため、外 国 人
旅行者を中心とした観光 客の利便性向上や、情報 発信力の強化を目指
して、市内の主要な観光スポットや移動経路において「公衆無線 LAN サー
ビス」を整備し、7 月 31 日よりサービスを開始した。
【カード配布方式サービス】
民 間 の通 信 事 業 者 が整 備 したアクセスポイント(AP)から、インターネットへの接
続 が可 能 となる「KOBE Free Wi-Fi カード(ID・パスワードが記 載 された印 刷
物)」を、観光案内所等で外国人旅行者へ無料配布し、市内 3,000AP 以上
で利用できる「公衆無線 LAN サービス」となる。
【独自整備方式サービス】
市内 11 拠点の観光関連施設等において、市が独自に AP(市固有の SSID を使用)を整備
し、外国人観光客をはじめ、市民および国内旅行者等に対して「公衆無線 LAN サービス」を提
供する(12 月 1 日から神戸市役所 24 階展望ロビー・神戸市総合インフォメーションで開始)。
※SSID:無線 LAN のアクセスポイントを識別するための名前のことで、無線 LAN のアクセスポ
イントが複 数 ある場 合 に、どのアクセスポイントに接 続 するかを指 定 する ために利 用 さ
れる。
24
7
July
乳幼児等・こども医療費助成制度の大幅拡充
7 月 1 日、市は、3 歳から中学 3 年生までの外来医療費の一部負担金をワンコイン化 (1 日 500
円上限/1 医療機関等)し、乳幼児等・こども医療費助成を大幅に拡充した。
乳 幼 児 等 ・こども医 療 費 助 成 とは、乳 幼 児 等 の疾 病 の早 期 発 見 と治 療 を促 進 するとともに、若 い世
代の経済的負担の軽減を図るため、医療費の一部を助成する制度 となっている。
【拡充後の助成内容】
入院
外来
年齢・学年
本人負担額
0 歳~中学 3 年生
無 料
0 歳~2 歳
無 料
3 歳~中学 3 年生
1 医療機関・薬局等ごとに
1 日 500 円上限(2 割負担)を月 2 回まで(3 回目以降無料)
※1 歳以上は所得制限あり
臨時給付金申請受付を開始
7 月 14 日、市は、「臨時福祉給付金」の申請受付を、7 月 28 日には「子育て世帯臨時特例給付
金」の申請受付をそれぞれ開始した。
両給付金は、4 月に消費税率が 8%へ引き上げられたことに伴い、低所得世帯および子育て世帯への
経済的負担を緩和するため、暫定的・臨時的な措置として政府が実施 した施策であり、1 月 1 日時点
で住民登録を行なっている市区町村より支給される。
臨時福祉給付金の対象者は、26 年度(2014 年度)の住民税課税者の扶養親族等になっていな
い非課税者で、1 人あたり 1 万円、老齢基礎年金等の受給者は 5 千円が加算される。市での対象者
は、36 万 7,000 人。
子育て世帯臨時特例給付金は、1 月分の児童手当受給者を対象に、児童 1 人につき 1 万円が支
給される(臨時福祉給付金対象者を除く)。市での対象者は 13 万 4,000 人。
市 では、申請 受付 開始 に先 立 ち、専 用 コールセンターの開 設 をはじめ、広 報紙特 別 号の発行 、対 象
と思われる世帯への申請書の送付など、制度の周知・啓発を積極的に行った。
FCV導入!水素社会の実現に向けた取り組み
7 月 15 日、市は、第 1 回「神戸市 FCV 導入促進協議会」とあわせ、シンポジウム「環境貢献都市
25
July
7
KOBE-水素社会の実現に向けて-」を開催した。
市 では、低 炭 素 社 会 の実 現 など環 境 面 での国 内 外 への
貢 献 をめざす取 り組 みの中 で、新 たなエネルギーとして利 活
用が期待されている水素エネルギーの導入 を促進している。
FCV 導 入 促 進 協 議 会 は、市 民 や事 業 者 に水 素 の安 全
性や利用価値への理解を深め、水素と酸素を反応させて動
く「FCV (燃 料 電 池 車 )」の浸 透 を図 るため、先 進 的 な取 り
組みを行っている企業との協働で発足した。
シンポジウムは、国 のエネルギー政 策 づくりに深 く関 わる経
済 産 業 省 「水 素 ・燃 料 電 池 戦 略 協 議 会 」座 長 の柏 木 孝
夫・東京工業大特命教授や、自動車、エネルギーなど水素に関連する業界からの講師が最新の動向を
講演し、企業や自治体関係者など約 100 人が聞き入った。
市では、FCV で世界初の市販車【MIRAI:ミライ】を、26 年度(2014 年度)関西で初めて公用車と
して導入し、次世代エネルギー「水素」の普及啓発に活用するとともに、27 年度(2015 年度)中の水素
ステーション整備をめざして検討を進めている。
神戸ポートタワーが国の登録有形文化財に!
7 月 18 日、神戸ポートタワーが国の文化審議会文化財分科
会 の審 議 ・議 決 を経 て、国 の登 録 有 形 文 化 財 (建 造 物 )として登
録されることとなった。
みなと神 戸 のランドマークとして、広 く愛 されている神 戸 ポートタワ
ーは、世 界 にも類 を見 ない斬 新 な“つづみ型 ”の優 美 な曲 線 デザイ
ンを持 つ。神 戸 港 全 体 を見 渡 せる中 突 堤 に昭 和 38 年 (1963
年)に開業し、25 年(2013 年)11 月 21 日には開業 50 周年を
迎えた。開業以来の有料入場者数は 2,300 万人に上る。
また、22 年(2010 年)4 月には 7,040 個の LED 照明による
40 パターンのイルミネーションを設置するなど全面リニューアルオープ
ンを行い、神戸の夜間景観として新たな魅力を発信している。
今 後 も、神 戸 のシンボルとして、市 民 をはじめ神 戸 を訪 れる方 に
愛されるタワーとして、神戸のまちを見守り続ける。
26
8
August
8月
第 44 回みなとこうべ海上花火大会
8 月 2 日、神戸の夏の風物詩「みなとこうべ海上花火
大会」が開催され、約 10,000 発の花火が新港突堤・メ
リケンパーク沖から打ち上げられた。
第 44 回を迎えた今年は、開始直前までの雨にも関わ
らず、約 25 万人もの観客が訪れ、会場は多くの人で賑
わった。特 に、開花時の直径 が 300 メートルを超える尺
玉 やスターマインなどの演 出による花 火 が観 客 の目 を引き
付けた。
フィナーレには、阪神・淡路大震災 20 年特別演出として、復興を願うフェニックスや架け橋などをイメー
ジした花火が打ち上げられて神戸の夜空が鮮やかに彩られると、観客からは大きな歓声が上がった。
高齢者見守りのあり方検討会報告書
8 月 7 日、「神戸市における高齢者見守りのあり方検討会」委員長より、久元市長へ最終意見を取
りまとめた報告書が提出された。
高 齢 者が孤立 することなく安 心して地域 で生 活できるよう、震 災 後積 極的 に取 り組 んできた見守 り活
動に関して、事業の検証とあり方、その推進方策について、25 年(2013 年)7 月より計 6 回にわたり、
専門的な見地および市民の立場からの幅広い意見をもとに検討を重ねてきた。
報 告 書 では、高 齢 化 が進 展 する中 、支 援 が必 要 な状 態 となっても住 み慣 れた地 域 で自 分 らしく生 活
できるよう、①継続的な見 守り体制の拡 充(ゆるやかな見守り)、
②地 域 支 え合 い体 制 を推 進 する専 門 職 としての役 割 強 化 、③市
民 への働 きかけの強 化 、④地 域 づくりへの行 政 としての支 援 体制 の
充実、が必要とされている。
震災から 20 年を迎えるにあたって、市として、この報告書を踏ま
え、地 域支 え合い活動 を発 展させていくための取 り組みを進めてい
く。
2016年主要国首脳会議の誘致
8 月 8 日、兵庫県の井戸知事と久元市長が市役所で共同会見を行い、28 年(2016 年)に日本
27
August
8
で開催予定である「主要国首脳会議 (サミット)」の神戸誘致に向けて、兵庫県と市が連携して取り組ん
でいくことを表明した。
神戸サミットが実現すれば、阪神・淡路大震災当
時、世界中からいただいた支援や励ましに対する感
謝を伝えるとともに、神戸が有する様々な魅力や産
業を世界に発信する好機となることが期待される。
誘致の実現に向けては、神戸商工会議所をはじ
めとする経済界や各種団体の協力の下、8 月 29 日
に「誘致推進協議会」を発足し、国への要望活動等を行ってきた。また、機運醸成のための広報活動に
あたっては、プロスポーツチームや銀行等にも協力いただき、動 画の作成や企画展示を行うなど、官民一
体となった取り組みを進めている。
さらに、11月19日には池上彰氏を招いた講演会を開催し、世界の課題に対して日本 や神戸がどのよ
うな役割を果たすべきか、またどのような貢献ができるのかを、市民に考えていただくきっかけとした。
今後も引き続き、関係各所と連携しながら神戸サミットの実現 をめざして取り組みを進めていく。
3年連続黒字!25年度決算見込・行財政改革2015の取り組み実績
8 月 12 日、市は、25 年度(2013 年度)決算見込を公表した。
25 年度一般会計決算見込では、
①「神戸市行財政改革 2015」に基づく取り組みを着実に実行
②家屋の新増築による固定資産税の増などにより市税収入が増加
③企業実績の改善や軽減税率の終了などにより配当割交付金などが大幅に増加
したことなど、3 年連続で、基金の取り崩しや土地の売却などの財源対策によることなく実質収支の黒字
(26 億 2,400 万円)を確保した。
しかし、市 税 収 入 については、景 気 の先 行 きが不 透 明 であること、中 長 期 的 には生 産 年 齢 人 口 が減
少することから大幅な回復が見込めないことなどにより、引き続き厳しい財政状況が予想される。
そのため、市民のくらしを守 るとともに、神戸のさらなる発展と成長 を可能とする確 固たる財政基盤の構
築をめざして、「神戸市行財政改革 2015」の完遂に向け取り組みを進めていく。
【「神戸市行財政改革 2015」】
~23 年度(2011 年度)~26 年度(2014 年度)の主な取り組み~
取 組
目標(27 年度(2015 年度))
実 績
職員総定数
概ね 1,600 人削減
1,352 人削減
外郭団体等への派遣職員
30 パーセント以上削減
37.3 パーセント(702 人)削減
外郭団体
10 団体以上削減
12 団体削減
28
8
August
兵庫区中之島で発見された不発弾処理
7 月 29 日、兵庫区中之島 2 丁目の商業施設建設予定地か
ら、不発弾(米国製 250 キロ爆弾 1 発)が発見された。
陸 上 自 衛 隊 により、信 管 が残 っていることが確 認 されたため、発
見場所において防護措置が行われた。市は翌 30 日、事故警戒
本部を設置し、8 月 5 日、「不発弾処理対策本部」に体制を切
り替え、対応の準備にあたった。
本格的な不発弾の処理は 8 月 24 日に実施することとし、市
立須佐野中学校の体育館に、久元市長を本部長 に、市や兵庫
県、兵庫県警察、陸上自衛隊などの関係機関のほか事業者や関係団体など 12 機関、約 520 人で
組織する「不発弾処理現地対策本部」を設置した。
不 発 弾 処 理 の当 日 は、災 害 対 策 基 本 法 に基 づき、処 理 現 場 周 辺 の
半径約 200 メートル内を警戒区域に設定した上で、約 60 世帯・約 110
人に対し退去命令を出した。さらに、午前 8 時から処理終了後まで現場
周 辺 の立 入 りを制 限 するとともに、警 戒 区 域 の設 定 に伴 う避 難 対 象 区 域
内の道路について、通行止めの交通規制を実施した。
陸上自衛隊による不発弾の処理は午前 9 時から開始され、午後 3 時
26 分に信管 が除 去され、本 部長 の確 認のもと安全宣 言 を発 出し、対 応
が終了した。
神戸・リガ姉妹都市提携 40 周年記念事業
8 月 31 日、市は、姉妹都市のリガ市 (ラトビア)に久元
市長、安達市会議長ら 53 名の訪問団を派遣した。
「姉妹都市提携 40 周年」を記念した相互訪問の一
環として行われたもので、訪問団は 9 月 3 日までの滞在
期間 中、ニルス・ウシャコフス市長 を表敬訪 問したほか、神
戸紹介展などの記念行事に参加した。また、久元市長は
ラトビアでの「神 戸 紹 介 展 」開 会 式
ラトビアオリンピック委員会のアルドゥーニス・ヴルブレフスキス会長を訪問し、2020 年東京五輪のキャンプ地
として神戸の魅力を PR した。
これに先立ち、リガ市からは、6 月 12 日から 14 日にかけてウシャコフス市長 をはじめとする 12 名が来神
して、久 元 市 長 への表 敬 訪 問 を行 った。震 災 後 にラトビアより寄 贈 されたインドゾウのズゼが、訪 問 当 日 の
29
August
8
未 明 に無 事 出 産 したことがその場 で報 告 され、引 き続 き行 われた「王 子 動 物 園 とリガ動 物 園 との協 力 協
定調印式」に一層の花を添えることとなった。
また、同じく来神したリガ室内合唱 団アヴェ・ソルと神戸市混 声合唱団による合同コンサートをはじめ、デ
ザイン・クリエイティブセンター神戸 (KIITO)で行われたリガ紹介展や、神戸海洋博物館で行われたラトビ
ア映画の上演会など、多彩な交流事業が実施され、多くの市民がラトビア文化に触れる機会となった。
30
9
September
9月
神戸三宮フェリーターミナル完成!
9 月 3 日、市は、みなと神戸の玄関口の 1 つである新港第
3 突堤において、「神戸三 宮フェリーターミナル」の完成披露式
典 を開 催 した。式 典 には、港 湾 ・海 運 関 係 者 や行 政 関 係 者
ら約 100 人が出席し、除幕式やテープカット等が行われた。
市 は、「港都 神 戸」グランドデザインに添 ってウォーターフロント
の再 開 発 を進 めており、25 年 (2013)年 よりフェリー事 業 者 や
乗船客が利用しやすいターミナルをめざして、新港第 3 突堤の
再整備を始め、9 月末に突堤全体の整備 を終えた。
新ターミナルは鉄骨 3 階建てで、旧ターミナルにはなかったエレベーター等も整備 するなどバリアフリーにも
配 慮 されている。ターミナル名 称 は、最 寄 駅 が三 宮 駅 であることが
分かりやすいように「神戸三宮フェリーターミナル」とした。
新ターミナルには、既存の小豆島・高松航路に加え、10 月 1 日
からは新しく宮崎航路のフェリーが就航している。
新 規 航 路 の就 航および海上 交 通 拠 点 としてのターミナル機 能 の
拡充 により、さらなる人や物の流れの活性化に大 きく寄与することが
期待される。
市民病院機構の第1期中期目標の達成
9 月 9 日、神戸市民病院機構(以下、「機構」)評価委員会
の伊多 波(いたば)委 員長 から、地方 独 立行 政法人 となって初
めてとなる、第 1 期中期目標期間(21~25 年度)の業務実績に
関する評価結果報告が、久元市長 に行われた。
この間 、 地 方 独 立 行 政 法 人 の特 徴 を生 かした機 動 性 ・柔 軟
性 ・透 明 性 を発 揮 し、職 員 が一 丸 となって、法 人 化 への移 行 や、
中 央 市 民 病 院 の移 転 という大
きな節目 を乗 り越え、安定した病院運 営の維持 に努めてきた。また、
救 急医 療や小児 ・周 産期医 療の提供 、新型 インフルエンザへの対
応など、市民の生命と健康を守るという市民病院としての役割が着
実 に果 たされてきたことが認められ、「全 体 として中 期目 標 を達 成し
た」との評価を受けた。
31
September
9
一 方 で、中 央 市 民 病 院 元 職 員 による薬 剤 部 門 システム収 賄 事 件 が発 覚 したが、事 の重 大 性 に鑑
み、外 部 専 門 委 員 がまとめた意 見 書 に基 づいて、9月 17日 に、久 元 市 長 は機 構 に対 して再 発 防 止 と
業 務改 善の指示 を行 った。これを受 けて、機構 では今後 の取 り組 みをまとめ、10月 29日に久元 市長 へ
報告するとともに、再発防止に全力を挙げることで、一日も早い信頼の回復を図ることとしている。
世界初!iPS細胞を用いた移植手術の成功
9 月 12 日、先端医療センターにおいて、iPS 細胞を用いた世界初の
移植手術として「網膜細胞シート移植」が実施された。
今回の移植手術は理化学研究所、先端医療振興財団、および市
立 医 療 センター中 央 市 民 病 院 が共 同 で取 り組 んでおり、「滲 出 型 加
齢 黄 斑変 性」の治 療法 確立 に向けた臨 床研 究の一環 として実施 され
ヒト iPS 細 胞 (ⒸRIKEN)
たものである。
加齢黄斑変性は、加齢などにより視界の中央部がゆがんで見えたり、視力が大きく低下する眼の難病
である。この臨床研究では、患者本人の皮膚の細胞から iPS 細胞を作り、網膜色素上皮細胞に分化さ
せたシートを作 成 し、傷 んだ網 膜 色 素 上 皮 細 胞 と置 き換 えることで、機 能 の維 持 ・回 復 を図 ることをめざ
している。
この臨床研 究の主な目的は、安全性の確認にあり、理化学 研究所の高橋政代 プロジェクトリーダーに
よると、「今回の成果が一般的な治療につながるには 10 年以上かかる」とのことである。
9 月 18 日には、移植を受けた患者が無事退院しており、現在、安全性や視機能への影響などを評
価するため、経過観察を行っている。
豪雨・土砂災害対策
9 月 16 日、市は、第 1 回 「土砂災害対策に関
する有識者会議」を開催した。
8 月 9 日および 10 日にかけ、勢力の強い台風 11
号が近畿地方に接近したことにより、市 内では記録的
な大 雨 が降 り、浸 水 被 害 や土 砂 災 害 など多 くの被 害
が発 生 した。とりわけ、六 甲 山 周 辺 での雨 量 がきわめ
て多 く、大 きな被 害 を受 けた表 六 甲 ドライブウェイは直
後 より不 通 となっていたが、復 旧 工 事 を進 め、12 月
台 風 11 号 による被 害 (北 区 )
26 日、開通することとなった。
また、8 月 20 日には広島市で局地的な短時 間大雨によって大規模な土砂災害が発生、70 名を
超える死者が出るなど甚大な被害が発生した。
32
9
September
市 域 内 は、山 地 が広 がり災 害 が発 生 しやすい地 形 ・地 質 であることに加 え 、さらに、近 年 の激 しい気
象 変 化 への対 応 が求 められることから、市 では、土 砂 、気 象 、地 盤 工 学 、砂 防 、植 生 、災 害 情 報 等 の
専門家による「土砂災害対策に関する有識者会議」を設置し、9 月 16 日に続き、第 2 回を 11 月
12 日に開催した。
今後、27 年(2015 年)2 月を目途に第 3 回目を開催
する予 定 であり、土 砂 災 害 から市 民 の安 全 ・安 心 を守 るた
めに必 要 な意 見 をいただき、施 策 に反 映 させていくこととして
いる。
また、日 本 各 地 で発 生 した豪 雨 災 害 に対 して、県 内 で
多 大 な被 害 が発 生した丹波 市 などへ、数 度 にわたって職 員
ボランティアが派遣され、被災地復旧の支援を行った。
33
October
10
10 月
阪神国際港湾株式会社設立
10 月 1 日、神戸港埠頭株式会社と大阪港埠頭株式会社が経
営統 合し、国 際コンテナ戦略港 湾 「阪神港 」を一元的 に運営する「阪
神国際港湾株式会社」を設立した。
両埠頭株式会社の統合は、当初 27 年(2015 年)を目標としてい
たが、急 激に変化 する海 運・港 湾 を取 り巻 く国 際競 争にいち早 く対 応し、西日 本の経 済・産 業 を支 える
港湾運営を実現するため、1 年前倒しでの統合を果たした。
今後 も、統合 による神戸港 ・大 阪港の両港の強みを生かし、背後圏 貨物の拡大による新 たな航路 誘
致 、多 方 面 ・多 頻 度 の航 路 確 保 など利 用 者 の多 様 なニーズに対 応 することで、競 争 力 強 化 を図 ってい
く。
11 月 28 日には、「港湾運営会社」として国から
指 定 を受 け、あわせて国 から出 資 が行 われることとな
った。今 後 、 より一 層 、阪 神 国 際 港 湾 株 式 会 社 、
神 戸 市 、大 阪市が一体 となり、国 際コンテナ戦略 港
湾として“集貨・創貨・競争力強化”の 3 本柱を軸と
した取り組みを強力に推し進めていく。
資源物の持ち去り禁止条例の施行
10月1日 、市 は、クリーンステーション等 からの資 源 物の持 ち去 り行 為 を
禁 止 する内 容 を追 加 した「神 戸 市 廃 棄 物 の適 正 処 理 ,再 利 用 及 び環
境美化に関する条例」の改正条例を施行した。
近 年 、資 源 物 をクリーンステーションから持 ち去 る行 為 が多 発 し、クリー
ンステーションの散 乱 、騒 音 などに関 する苦 情 も多 数 寄 せられるなど、市
民 と協 働 で進 めているごみの減 量 や、リサイクルの推 進 に大 きな影 響 が
生じていた。
改 正 条 例 では、クリーンステーション等 に排 出 された資 源 物 を持 ち去 る
ことを禁 止 し、市 長 は、持 ち去 り行 為 を行 わないよう命 令 することができる。
また、命 令 に違反した者には 20 万円以下の罰金を科すことができる規定
を設けた。
持 ち去 り禁 止 の対 象 となる資 源 物 は、缶 、びん、ペットボトル、家 庭 用
34
10
October
電化製品、家具類、金属を使用した製品などとしている。
クリーンステーションには持 ち去 り禁 止 のステッカー、看 板 を設 置 し、7月 1日 からは巡 回 パトロールも実
施することで、条例の周知徹底を図っている。
市内最大・桜の宮住宅建替事業にPFI導入
10 月 10 日、市は、北区にある市内最大の桜の宮住宅
において、市 営 住 宅 建 替 事 業 では初 めて、余 剰 地 活 用 を
あわせて一 括 発 注するPFI方 式 を導 入し、民 間事 業 者
の提案募集を開始した。
全体で 2,299 戸に及ぶ大規模団地のため、これに先立
つ 4 月に建替事業の基本方針 を策定し、若年・子育て世
帯 の呼 び込 みやバリアフリー化 、景 観 形 成 や環 境 負荷の低
減などをまちづくりの目標 に定めた。
市 営 住 宅 (450戸 )と民 間 住 宅 を一 体 的 に整 備 する1期
事業の提案募集では、基本方針を踏まえながら民間ノウハウの活用を図るため、建替えを行う市営住宅
に「若 年 ・子 育 て世 帯 向 け住 戸 タイプ」や、「地 域 住民 が利 用 できるエレベーター」の確 保 を盛 り込 んでい
る。また、余 剰 地 活 用 においては、若 い世 代 が取 得しやすい民 間 住 宅 を供 給 することを提 案 条 件 に盛 り
込んでおり、団地再生のモデル事業となることが期待される。
ラグビーワールドカップ2019の開催都市への立候補
10 月 29 日、市は、ラグビーワールドカップ 2019 誘致に向け、開催希望申請書を提出した。先立つ
6 月 23 日、久元市長は、「ノエビアスタジアム神戸」を試合会場とするラグビーワールドカップ 2019 の開
催都市に立候補することを表明した。
ラグビーワールドカップは、4 年に1度開催される、オリンピック、サッカ
ーワールドカップに次ぐ「世界3大スポーツイベント」と称されている。
31 年 (2019 年)大 会の日本 開催はすでに決定しており、国内 の
10 から 12 会場で試合が行われることとなっている。開催期間中は海
外 から多 数 の大 会 関 係 者 や旅 行 者 等 の来 日 が見 込 まれ、大 きな経
済効果が期待されるところである。
また、世 界 に向 けて、震 災 からの復 興 を遂 げたまち神戸 の魅 力 を発
信 できる絶 好 の機 会 でもあることから、大 会 の誘 致 活 動 のため、市 内
中心部の百貨店、商店街、地下街等 と協力して、PR 横断幕・懸垂幕等を掲げ、誘致に向けた機運を
盛り上げた。
35
October
11 月 1 日には、ノエビアスタジアム神戸で国際親善
試合「日本代表 vs マオリ・オールブラックス戦」が開催さ
れ、16 年 (2004 年 )以 降 の日 本 代 表 戦 最 多 となる
21,234 人の観客が詰めかけ、31 年(2019 年)大会
の神戸開催に向けた弾みとなった。
開催都市は審査を経て、27 年(2015 年)3 月に
決定することとなる。
日 本 代 表 vs マオリ・オールブラックス戦
36
10
11
November
11 月
神戸灘の酒による乾杯を推進する条例の施行
11月1日、「神戸灘の酒による乾杯を推進する条例」が施行された。
この条例は、市会4会派により議員提出議案として提出され、産業港湾
委 員 会 の審 査 を経 て、10月 27日 の本 会 議 において、全 会 一 致 で可 決 さ
れた。
条例では、灘の酒による乾杯を広めることにより、日本 文化に対する理解
を深 めるとともに、郷 土への誇 りを醸 成することを目 的 としている。ただし、市ではワイン、ビールなど灘 の酒
以 外 の酒 の生 産 も行われていることから、他 の神 戸 の酒 について配 慮 するよう努めることも条 例 に定 めて
いる。
中学校給食の一部開始
11 月 4 日、市立中学校 33 校(全 82 校)において、「中学校給食」が始まった。
給食は、民間の調理場で調理した上でランチボックスに盛り付けられ、各
中 学 校 に配 送 される。全 員 喫 食 を基 本 としているものの、希 望 により家 庭
弁当の持参も可能としている。
献 立 は主 食 ( ごはん) ・副 食 (お かず 4 品 程
度)・汁物(週に 1 回程度)・牛乳で、管理栄養
士 が中 学 生 に必 要 な栄 養 バランスを考 え、旬 の
食材のほか季節感や行事食を取り入れるなど、工夫を凝らし作成している。
11月の申し込み状況は60%弱となっており、今 後、残り49校についても配
膳室の整備を進め、27年度(2015年度)中の全校実施をめざす。
兵庫県内初・産後ケア事業の開始
11 月 4 日、市は、兵庫県下で初めての取り組みとなる「産後ケア事業」
を市内 6 か所の助産所において開始した。
近年の妊産婦を取り巻く環境は、少子化や核家族化 に加え、地域のつ
ながりの希 薄 化 による支 援 者 不 足 や育 児 の孤 立 化 、産 後 の入 院 期 間 の
短縮化による育児負担の増大など、様々な課題を抱えている。
産後ケア事業は、産後 4 か月までの育児に不慣れな時期に、助産所へ
37
November
11
の宿泊または通所により、家庭的な環境の中で産後の心身を休めながら育児サポートを受けられることが
特徴となっている。助産師などから一日の生活リズムに合わせた授乳や沐浴など、育児のアドバイスを受け
ることで徐々に育児に慣れていくよう支援していく。
また、今 後 は、思 いがけない妊 娠 などに悩 む妊 婦 への相 談 窓 口 「妊 娠 SOS」の設 置 を予 定 しており、
妊 娠 ・出 産 ・育 児 期 までの切 れ目 のない支 援 を強 化 することで、産 後 うつ病 の予 防 や児 童 虐 待 の防 止
を図るとともに、安心して子育てができる街の実現に向けて取り組んでいく。
2014KOBE六甲全山縦走の開催
11 月 9 日・24 日の 2 日間「2014KOBE 六甲全山縦走大
会」が開催された。
早 朝に須磨 浦公園 をスタートし、自 らの足で六 甲連山 の尾 根
を辿 りながら、自 分 自 身 の体 力 と精 神 力 の限 界 に挑 戦 し、わず
か一日で、約 50 キロメートル先の宝塚ゴールをめざす本大会は、
今年で 40 回目を迎えた。
25 年度(2013 年度)に引き続き、インターネット・ハガキによる申込受付を行った。8 月の豪雨災害に
より、コースの一 部で崩 落があったものの、ボランティアの方 々の協 力のもと、大 きな事 故もなく無事 大会 を
終了することができた。
9 日は雨天開催であったものの、1,731 名が参加し、
1,372 名 が完 走 。24 日 は好 天 の縦 走 日 和 のなか、
1,619 名が参加し 1,329 名が完走。両日では、3,350
名の参加に対して 2,701 名が完走を果たした。
北 は北 海 道 、南 は九 州 まで、市 外 からの参 加 者 数 が
5 分の 3 を数え、全国からの参加者の交流の場にもなっ
ている。
子供を守る緊急の安全確保対策
11月10日、市は、子供たちの安全確保に取り組むため、「防犯カメラ設置補助事業」の緊急追加募
集をはじめた。
この事 業は、26年度(2014年度 )の募集から、25年度 (
2013年度)に比べ補助額を約2倍の15万円に、かつ予算
額 を3倍の945万円に増額して、年々高 まる設置 希望のニー
ズに対応してきた。
ところが、9月 に長 田 区 で痛 ましい女 児 殺 人 事 件 が起 きた
38
11
November
ことから、新たに4,000万円の補正予算を計上し、緊急かつ重点的に取り組むこととした。
防 犯 カメラは、地 域での見守 りや防 犯パトロールなどの取 り組 みを補 完する犯 罪抑 止 効果 が期 待され
ており、防犯カメラを充実させることで地域での安全安心なまちづくりを進めていく。
また、市は、子供たちの通学路の安全対策として、小学校入学時全員に防犯ブザーを配布してきたが
事 件 を受 けて全 児 童 を対 象 に防 犯 ブザーの所 有 状 況 の緊 急 調 査 を行 い、故 障 や
紛 失していることが判 明した32,000個について、緊急的 な対 策として11月末 までに
再配布を行った。
あわせて、児 童が防 犯 ブザーを確 実 に所 持 し、自 ら身を守 れるように、防 犯 ブザー
の管 理 や使 用 方 法 、さらに登 下 校 時 等 の防 犯 ブザーの活 用 について指 導 し、家 庭
への周知を行った。
感謝と友情!第4回神戸マラソン開催
11 月 23 日、市は、兵庫
県などとともに「第 4 回神戸
マラソン」を開催した。
大 会 テーマは、「感 謝 と友
情 」 。阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 の
経 験 ・教 訓 を風 化 させず、
未 来 へと伝 えていくこと、ラン
ナーの皆 さんをおもてなしの
心で迎え、兵庫・神戸の魅力を発信することを目的としている。
さらに今大会は、震災から 20 年の節目を迎えることから、「20 年目のありがとう」を合言葉に、スタート
で全てのランナーが黄 色の手 袋を着用するなど、復 興を遂げた神 戸の街の姿を国内 外に広く発信するとと
もに、復興に手を差し伸べていただいた方々に感謝の気持ちを伝える催しとなった。
市 役所前 をスタートし、明石 海峡大 橋付近 で折 り返して、ポートアイランドでフィニッシュするフルマラソン
には 17,597 人、須磨浦公園付近でフィニッシュするクォーターマラソンには 1,783 人が出走し、合わせて
19,380 人のランナーが神戸の街を駆け抜けた。
当日は約 7,500 人のボランティアが大会を支え、若松
公 園 ・舞子 公 園周 辺 ・ノエビアスタジアム神戸 などのイベン
ト会場を中心に、昨年を上回る 61 万人を超える沿道応
援で賑わった。
また、iPS 細胞の研究で、ノーベル生理学・医学賞を受
賞した山中伸弥・京都大 iPS 細胞研究所長も参加され、
募金の 2 分の 1 を神戸マラソンフレンドシップバンクに寄付
していただくなど、大会を盛り上げた。
39
December
12
12 月
祝!武庫離宮造営100年
12 月、須磨離宮公園は「武庫離宮造営 100 年」を迎
えた。
背 山 の緑 、眺 望 の良 さと水 源 地 をもつことから造 営 地 に
選ばれ、大正 3 年(1914 年)12 月に離宮として完成した
も の で あ る 。 総 檜 造 り 2 階 建 て の 御 殿 は 、 昭 和 20 年
(1945 年)の空襲で焼失するまでの間、大正天皇や昭和
天 皇 (当 時 皇 太 子 )が行 幸 されたほか、清 王 朝 のラスト
エンペラーとして知られる溥儀も訪問された。
進駐軍射撃演習場を経て、昭和 42 年(1967
年 )須 磨 離 宮 公 園 が正 式 開 園 した。庭 園 のほか正
門、中門、隧道 、離宮道 、水源地等の施設が現存
しており、神戸の貴重な近代遺産となっている。
11 月 24 日、造営 100 年を記念し、元宮内庁
職 員 と日 本 庭 園 史 家 が古 の離 宮 について講 演 した。
また、記 念 切 手 発 売 や様 々なイベントを通 じて、歴
史的資源を活かした取り組みが行われた。
神戸市名誉市民の称号を贈呈
12月 1日 、市 は、井 村 裕 夫 ・(公 財 )先 端 医 療 振 興
財 団 理 事 長 、ならびに矢 田 立 郎 ・前 市 長 に神 戸 市 名 誉 市
民の称号を贈呈した。
名 誉 市 民 の称 号 は、条 例 に基 づき、公 共 の福 祉 の増 進
や芸 術 面で優 れた功 績のあった人 などに贈 られる。これまでに、
原 口 忠 次 郎 元 市 長 、洋 画 家 の小 磯 良 平 氏 、中 井 一 夫 元
市 長 、宮 崎 辰 雄 元 市 長 、指 揮 者 の朝 比 奈 隆 氏 、笹 山 幸
俊元市長の6名に贈呈されている。
井村氏は、神戸医療産業都市構想の起草段階から中心的な役割を果たし、同構想の懇談会の座
長 や研 究 会 会 長 として、構 想 具 現 化 の方 向 性 を示 した。現 在 も神 戸 医 療 産 業 都 市 を先 導 する中 心
的な役割として、その礎を築くとともに構想の発展に多大な貢献をした。
また、矢田 氏は、13年(2001年)に市長に就任し、3期 12年間の長きにわたり、震 災復興事 業の完
40
12
December
遂、市民が安心して暮らすことができるまちづくりに邁進し、断固 たる
決 意 で行 財 政改 革 に取 り組 み、市 財 政 を立 て直 した。加 えて、井
村 氏 とともに、神 戸 医 療 産 業 都 市 構 想 の推 進 に全 力 で取 り組 み、
日本有数のバイオ・メディカル・クラスターへ発展させた。
贈 呈 後 の記 者 会 見 の席 で、井 村 氏 は「今 後 も神 戸 医 療 産 業
都 市 の発 展 に尽 くしたい」と語 り、矢 田 氏 は「市 民 や多くの人 たちの
支援 があって名誉 市民の称号 をいただけた。これからもできる限り支
左 :井 村 氏 、右 :矢 田 氏
援をしていきたい」と語った。
第20回神戸ルミナリエ
12 月 4 日から 15 日までの
12 日間、神戸の冬の風物詩
「神 戸 ルミナリエ」が開 催 され
た。
7 年(1995 年)12 月に震
災 の犠 牲 者 への鎮 魂 と都 市
の復 興 ・再 生 への願 いを込 め
て始まり、今年で 20 回目。作
品 テーマは 、第 1 回 と同 じく
「神戸 夢と光」。
約 20 万個の電球を使用し、
旧 外 国 人 居 留 地 のフロントー
C Kobe Luminarie O.C.
フロントーネ:○
ネ(光の玄関装飾)、ガレリア(光の回廊)、東遊園地 のスパッリエーラ(光の壁掛 け)、カッサ・アルモニカ(光
の記念堂)、ソロピースで構成される。
フロントーネは、旧居留地の三井住友銀行前の起点に設置され、「新生」と題した、高さ約 22 メート
ル、幅 35 メートルのアーチが光の玄関口を構成する。
続くガレリアは、約 270 メートルの通りに 23 基のアーチ
を並 べた「夢 の回 廊 」と題 する光 の回 廊 。終 点 の東 遊
園地には、「アラベスク」と題した高さ 22 メートル、全長
130 メートルのスパッリエーラが設置された。
来場者数は、344 万人。ルミナリエの継続開催を願
って、学 生 ボランティアや地 元 事 業 者 などの協 力 を得 て
「 一 人 100 円 募 金 」 活 動 に 取 り 組 ん だ 結 果 、 約
4,800 万円の募金が集まった。
スパッリエーラ
41
December
12
今年のルミナリエには、昨年より 200 人ほど多い約 2,000 人がボランテ
ィアとして参 加 し、清 掃 活 動 や会 場 案 内 業 務 などの来 場 者 に対 するおも
てなしや募金活動を行うなど、神戸ルミナリエの運営を支えていただいた。
その他 、ルミナリエ募金グッズ、神 戸ルミナリエ宝 くじの販 売に加え、開 催
20 回目を記念した「20 th メモリアルプラーク」と「20 th ピンバッジセット」の
限定販売を行い、市民、来場者に広く開催支援を呼び掛けた。12 月2
日 には、開 催 に先 立 ち、障害 のある方がルミナリエをゆっくりと鑑 賞 できるよ
うに、スパッリエーラを点灯する「神戸ルミナリエハートフルデー」を開催した。
「産業用地 150 ヘクタール売却」の目標達成
12 月 19 日、市は、17 年(2005 年)4 月に設立した企業誘致推進本部「神戸エンタープライズプロ
モーションビューロー」において、「26 年 度 (2014 年 度 )までの 10 年 間 で産 業 用 地 150 ヘクタール
(ha)売却」と定めた目標を達成した。
この目標は、企業誘致 による雇用の増 大、税源の涵養 を、計画 的かつスピード感 を持 って実現するた
めに定めたものである。過程ではリーマンショック等 の経済不況に見舞われる場面もあったが、当初「10 年
で 100ha」の売却目標であったところ、目標値を 1.5 倍・150ha と上方修正したうえで、前倒しで完遂
したものである。
今 後 は、さらに企 業 誘 致 を加 速 させるため、「28
年度(2016 年度)までに産業用地 50ha 売却」
を新たな目標に掲げた。
市内の産業団地 は、複 合産業 団地、ポートアイ
ランド第 2 期、空港島が中心 であるが、それぞれ陸
海空の交通アクセスの良さ、国内最大級の医療産
業クラスターやスーパーコンピュータ「京」の立地など、
神 戸 独 自 の強みを有 している。さらに、全 国 トップク
ラスの市 税 優 遇 措 置 などの誘 致 施 策 を活 用 するこ
とにより、研 究 開 発 拠 点 や製 造 拠 点 、 高 度 物 流
拠 点 となる企 業 に対し、引き続 き精 力的 に誘致 活
動に取り組んでいく。
42
43
「 こ う べ 」 こ の 一
年
平成 26 年 12 月
発行:神戸市市民参画推進局広報課
神戸市中央区加納町 6 丁目 5 番 1 号
電話(078)322-5012
神 戸 市 広 報 印 刷 物 登 録 平 成 26 年 度 第 257 号
(広 報 印 刷 物 規 格 A-1 類 )
44