資料4 ロボット産業集積に向けた 福島県の取組と ロボットテストフィールドに対する期待 2014年12月24日 福島県 福島県復興シンボルキャラクター 「ふくしまからはじめよう。キビタン」 1 福島県のロボット産業集積に向けたポテンシャル ・・・・・1 2 福島県の現在の取組状況 (1) 廃炉・除染ロボット技術研究会 ・・・・・・・・・・・2 (2) 災害対応ロボット産業集積⽀援事業 ・・・・・・・・・3 (3) 医療福祉分野におけるロボット研究開発状況 ・・・・・6 (4) 救急・災害⽤医療機器の開発 ・・・・・・・・・・・・8 3 ロボットテストフィールドへの期待 (1) 基本的な考え⽅ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (2) 期待する事項(ロボットテストフィールドの想定機能ごと)・ 10 4 ロボット産業集積に向けた今後の県の取組の⽅向・・・・・11 ふくしま国際医療科学 センター(福島医⼤) メカトロニクス研究室 (医療や⽔中ロボット等の開発) スーパーグローバル⼤学認定 (⽂部科学省) 先端情報科学研究センター(宇 宙科学、環境情報科学、医学・医療) 復興⽀援センター (先端ICT研究、ICTラボ) ロボット制御技術 テクノアカデミー浜 福島⼤学 医療機器開発 安全性評価センター(仮) 環境創造センター (南相⾺) 分析センター モックアップ施設 福島県農業総合 センター 会津⼤学 機械⼯学科 (ロボット、浅部地中熱) 電気電⼦⼯学科 (ロボット、医療⼯学) 機械システムコース (ロボット⼯学等) 環境創造センター (三春) ⽇本⼤学 ⼯学部 【アカデミアコンソーシアムふくしま】 ● 県内19の⾼等教育機関の連携組織 ● 独⾃の単位互換制度 いわき明星⼤学 ロボット開発、半導体等 福島県ハイテクプラザ 福島⼯業⾼等専⾨学校 ⼈材育成(テクノアカデミー、⼯業⾼校等) 企業との連携(福島県ハイテクプラザ等) 福島県テクノアカデミー 福島県廃炉・除染ロボット技術研究会(ハイテクプラザ) ・各メーカーからの情報収集、情報共有化に関する産学ネットワークの構築(115) ハイテクプラザの取組実績 ・再エネ、医療など本県復興を担う⼈材を育成 福島⼯業⾼等専⾨学校、県内⼯業⾼校 例) 郡⼭北⼯業⾼校の⽣徒が開発の探査ロボが世界2位 相双技塾 機械⾦属加⼯技術、メカトロ産業技術分野 ・技術相談…1,500社4,000件/年 ・依頼試験…3,500件/年 ( )数字は構成機関・団体数 ・機器開放…30000時間/年 南相⾺ロボット協議会(ゆめサポート南相⾺) 地域内製造業者・⾏政・学術研究機関が協⼒したロボット産業の創出(33) いわきロボット研究会(いわき産学官ネットワーク協会) ロボット産業分野のネットワーク形成、技術開発推進(30) (1)福島県廃炉・除染ロボット技術研究会 設 ⽴ 平成25年6⽉18⽇ ⽬ 的 ・国や東京電⼒、プラントメーカーなどからの情報の共有 ・産学官連携ネットワーク構築 ・技術開発 ・プラントメーカー、東京電⼒、JAEA等とのマッチング、受注⽀援 対象技術・分野 必ずしもロボット技術に限定せず、廃炉・除染に係わる機器・部品、材料、ソフトウェア、 計測・評価、メンテナンスなど、幅広い領域を対象 会 ⻑ 福島県ハイテクプラザ所⻑ 会 員 115機関(平成26年9⽉30⽇現在) 事務局 福島県ハイテクプラザ 「ものづくり中⼩企業・⼩規模事 業者連携⽀ 援事業(福島県産業振興センター受託)」に よりコーディネーターを配置 (2)災害対応ロボット産業集積⽀援事業 背景と⽬的 東⽇本⼤震災や原⼦⼒発電所の事故等から の産業復興のため、南相⾺市や楢葉町の復興 計画にも位置づけられている災害対応ロボッ ト技術を通じた産業創出を図るため、被災1 2市町村内企業が中⼼となって取り組む災害 対応ロボットの技術開発への⽀援を⾏う。 事業概要 平成26年度当初予算:6.9億円 実施期間:平成26年度(単年度事業) ※平成27年度も国予算要求 事業内容:災害対応ロボットの事業化のため の研究開発費、実証試験に係る経費の補助 ◇補助⾦の流れ 国(補助⾦)→県(補助⾦)→⺠間事業者 ◇補助対象 ①福島県原⼦⼒被災12市町村の中⼩企業 ②福島県原⼦⼒被災12市町村の⼤企業 ③①②の企業と連携して製品化を⽬指す県内 企業 ◇補助率 ①の企業:3/4、②の企業:2/3、 ③の企業:中⼩企業2/3、⼤企業1/2 ※委託費の補助率は10/10とするが、補助額 全体の1/3以内とする。 進捗状況 1〜5⽉:説明会の開催・企業グループの編成 6〜7⽉:研究テーマ公募(2回公募) 7〜8⽉:審査会開催・助成先決定 9⽉:事務処理説明会開催 9〜10⽉:交付決定 (2)災害対応ロボット産業集積⽀援事業 採択テーマ(10テーマ) ①災害対応完全⾃律有線給電型重量級ヘリコプタの 研究開発 (株)菊池製作所 災害発⽣時に、様々な 場所での⻑時間の監視、 情報収集を可能とする 有線給電型の重量級完 全⾃⽴マルチロータヘ リコプターを開発する。 ②⼩型浮⼒調整装置と不攪乱柱状採泥装置を搭載した モジュール構造型⼩型⽔中ロボットの開発 ⽇本オートマチックマシン(株) (有)協栄精機、(株)タカワ精密 津波災害時などにおいて、 堆積泥を巻き上げることな く⽔中環境調査を⾏うため、 ⼩型バラスト機構を備え、 底質の不攪乱柱状採泥器を 含む各機器を無線で連携さ せたモジュール型⽔中ロ ボットを開発する。 ③災害対策⽤遠隔操作インタフェース“ロボット スーツHALマスタ”および⾃⾛式双腕ロボットの 研究開発 CYBERDYNE(株) ⽇本オートマチックマシン(株) 装着型のロボットスーツHALマスタを⽤いて、災 害発⽣時に投⼊される様々な遠隔機器とオペレー タをシームレスに接続することで、効率的な操作 と協調作業等を可能にする遠隔操作システムを開 発する。 " Prof. Sankai University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc. " ④災害対応4腕式極限作業ロボットの開発 (株)菊池製作所 ⼤型建設機械が⼊れないよう な複雑な地形や狭い災害現場 で活躍できる⼩型の無⼈ロボ ットで、遠隔操作できる四腕 アームと六脚クローラの協調 制御により多様な処理作業を するロボットを開発する。 (2)災害対応ロボット産業集積⽀援事業 採択テーマ(10テーマ) ○:代表企業 テーマ ① 災害対応完全⾃律有線給電型重量級ヘリコプタの研究開発 企業名 (株)菊池製作所 ○⽇本オートマチックマシン(株) ⼩型浮⼒調整装置と不攪乱柱状採泥装置を搭載したモジュール構造型⼩型⽔中ロボッ ② (有)協栄精機 トの開発 (株)タカワ精密 災害対策⽤遠隔操作インタフェース“ロボットスーツHALマスタ”および⾃⾛式双腕ロ ○CYBERDYNE(株) ③ ボットの研究開発 ⽇本オートマチックマシン(株) ④ 災害対応4腕式極限作業ロボットの開発 (株)菊池製作所 ○会川鉄⼯(株) (株)プリント電⼦研究所 ⑤ ⼭林⽕災対応ロボット(がんばっぺ1号)の研究開発事業 鈴⽊電機吾⼀商会 (有)フォワード ○(株)アイザック ⑥ 災害対応ロボットの遠隔操作を容易にする技術開発 (株)栄製作所 (株)ティーエイチ放電 ⑦ 災害対応避難者アシストロボットの技術開発 (株)菊池製作所 ○(株)NCE ⑧ ボーリングマシンのロボット化 (株)広野製作所 災害現場で連携しながら作業するコラボ・ロボット(Collaboration Robot)の開 ⑨ (株)エイブル 発・実⽤化 ○(株)⽇本遮蔽技研 (株)タカワ精密 ⑩ 災害時即応型⽔中狭隘部調査ロボットシステム開発 ⼩浜製作所(有) (有)三輪鉄⼯所 ● 研究開発事業終了後、5年後までに開発したロボットを実⽤化 → 「テストフィールド」での実証試験 (3)医療福祉分野におけるロボット研究開発状況 福島医療福祉機器開発事業費補助⾦ 制度概要 医療・介護ロボット等から⼀般医療機 器まで開発、試作、治験等を対象に企業 に経費補助 補助内容 総額77億円、補助率3/4以内 ①医療⽤ロボットスーツHAL CYBERDYNE株式会社(つくば市) 脳・神経系・筋⾻格系を 含めた運動機能の改善を ⽬的とした、リハビリ⽤ のロボットスーツを開発。 → 郡⼭市に製造⼯場を建 設中 ②移乗・移動ロボットシステムの開発 株式会社アイザック(会津若松市) 従来の⾞椅⼦と異なる前⽅への 乗⾞⽅法による移乗の労⼒軽減 と⾛⾏安定性を確保し、⾃律的 な移動を可能にするロボットシ ステムを開発。 → 製品化完了.マーケット調査 ③装着型筋⼒補助具 (腰部補助マッスルスーツ®)の開発 株式会社菊池製作所(飯館村) 介護従事者の腰痛等の問題を軽減 すべく、低コストで⼩型・軽量な 機構を採⽤し、安全なマッスル スーツを開発。 → 試作終了.安全性試験を実施中 (3)医療福祉分野におけるロボット研究開発状況 ④電動式移動⽀援ロボットの開発・製造 株式会社エヌティーエス(いわき市) 負担となるベッドから⾞ 椅⼦への移乗を⽀援する 簡易操作機能、遠隔操作 機能を備えた移動⽀援ロ ボットを開発。 →開発試作中 国際的先端医療機器開発実証事業費補助⾦ 制度概要 世界をリードする先端医療機器の研究開発 や実証試験に取組む企業に経費補助 補助内容 総額60億円、補助率2/3以内 多関節軟性⼿術⽀援ロボットの開発・実証 オリンパス株式会社(会津若松市・⽩河市) 消化器全域の⼿術に対応す る軟性構造を採⽤ 体内で⾃在かつ精緻な動き を実現 → 28年度中に薬事承認を取 得し、県内で量産化を計画 (4)救急・災害⽤医療機器の開発 医療関連産業集積リーディングプロジェクト 制度概要 医療関連産業集積のためのリーディングプロジェクトとして、救急・災害に対応する医療機器の 開発を産学官(地元企業、地元⼤学等)が連携して取組む これまで本県では、国からの補助⾦を活⽤し、先端的かつ汎⽤的な医療機器の研究開発を進めて きたが、今後は、この動きに加え、救急・災害分野の医療機器の開発にも取り組み、この分野を新 たな柱に育て、本県の医療関連産業の集積に努めていく 補助内容 事業期間:平成26年下半期〜平成29年3⽉、補助⾦総額:2億円×3年=6億円 補助率:県内中⼩企業3/4、県内⼤企業2/3、県外企業1/2 ※ 県内企業、県内⼤学と連携することを必須とする(県内⼤学の活性化、ノウハウの蓄積) 個⼈⽤機器 移動型ER⽤機器 ① ⼩型ウェアラブル患 者センサー ② 救急患者等のDB化 とInterfac eの開発 ① 携帯型のマイクロ波⼿術 ⽀援器具 ② 移動型ER ③ ⼩型X線動画装置 【実際の救急・災害現場で使⽤する医療機器の開発】 【移動⼿術室内において使⽤する医療機器の開発】 簡易X線3D画像, 機能画像 ④ インフラ整備の不⼗分な新 興国でも使⽤可能な必要最 ⼩限の機能を持った低コス ト医療機器 マイクロ波⼿術 ⽀援機器 ● 開発機器の実証・オペレーター養成等(テストフィールドのニーズ) (1)基本的な考え⽅ ○ ロボットテストフィールドは、ロボット産業の集積を通じて浜通り地域、さらには福島県 の産業復興を図る上で不可⽋な施設であるとともに、本県の復興の姿を国内外に発信して いく上でも重要な施設。 ○ そのため、⾼度の研究開発・実証等に係る機能を有するのみならず、ここで開発されたロ ボットの認証や訓練されたオペレーターの資格が国際標準となるようにするなど、我が国 さらには本県のロボット産業の競争⼒の強化に⼗分に資するものであることが必要。 ○ また、開発されたロボットの情報発信や販路開拓、需要側とのマッチングによる新たな ニーズ創出の機能も必要となる。 ○ 県内企業のロボット産業への参⼊が促進されるよう、ロボットテストフィールドには、県 内企業への技術⽀援やフィールド活⽤への優遇、研究開発に取り組む県外企業とのマッチ ング等の企業⽀援の機能を持たせるべき。 ○ 県内企業への技術⽀援を含め、ロボットの研究開発の推進に向け、ロボットテストフィー ルドと国際産学官連携拠点との連携の在り⽅の検討が必要。 (2)期待する事項(ロボットテストフィールドの想定機能ごと) ① 世界のロボット開発をリードする研究開発・実証 陸海空、様々な災害を想定した実証フィールド ● 開発⽀援機能の具備(国際産学官連携拠点との連携) 国際認定基準等を⾒据えた評価 ② オペレーターの教育・研修 テストフィールドが付与する資格に対する評価の向上に国際的な需要創出 ③ ⾮常時における各種ロボットの出動拠点 ④ 情報発信・企業育成等 テストフィールドで開発・実証されたロボットの展⽰会(ロボットフェア)を定期的に開催 事業者のみならず⼀般住⺠のロボットに対する関⼼の向上、ロボットに対するニーズの新たな発掘 国際産学官連携拠点とも連携しながら、企業の技術⼒向上、研究開発の推進につなげるための機能も付与 ⑤ 地域との連携 ロボットテストフィールドを利⽤して研究・実証に取り組む県外・国外の企業の誘致、マッチングを通じた県内 企業のロボット産業への参⼊の促進(例:フィールドでの試験の結果、改良を⾏うに当たっての県内企業参画等) 県内に製造拠点や研究開発拠点を有する企業がロボットテストフィールドを利⽤するに当たっての使⽤料の減免 県内企業のロボット技術開発への⽀援、県内へのロボット関連企業の進出促進 ふくしまロボットバレーの形成 ロボット産業集積施策の充実 ① ② ③ ④ 普及・啓発(ロボットコンテスト、ロボットフェア開催等) ネットワーク構築(廃炉・除染ロボット技術研究会、産学連携) 県内企業の技術⼒向上(ハイテクプラザの機能強化ー体制、⼈材、機器・設備等) 研究開発の推進(災害対応等ロボット産業集積⽀援事業、医療福祉機器開発事業費補助⾦、農業 ⽤ほか産業⽤ロボット開発⽀援) ⑤ 先進企業等とのマッチング、販路開拓(コーディネータ設置、廃炉カンパニー、プラントメーカー 等とのマッチング) ⑥ ⼈材の育成(産業⼈材の育成ー県内⼤学、⾼専、⼯業⾼校、テクノアカデミー)企業⼈材育成⽀援 ⑦ ロボット関連産業の誘致 イノベーション・コースト構想による拠点整備 ○ ロボット研究開発拠点(モックアップ施設関連) ○ ロボットテストフィールド 災害対応ロボット 医療福祉ロボット 福島県の産業基盤(多彩な企業⽴地、優れたものづくり技術、ICT関連技術)
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