配電用絶縁電線・ケーブルにおける診断・評価手法の実態と課題調査

配電用絶縁電線・ケーブルにおける診断・評価手法の実態と課題調査専門委員会
設置趣意書
電線・ケーブル技術委員会
1.目
的
我が国の電力供給用電線・ケーブルは、高度経済成長期において、面的に広がる電力需要に
対し安定供給すべく、多種多様な環境の下に施設されてきた。とりわけ、配電用絶縁電線・
ケーブルは膨大な施設量となっており、近年においては、様々な不具合事象が発生している。
配電用絶縁電線・ケーブルについては、劣化や製作不完全等に起因する不具合事象を未然に
防ぐため、メーカ、ユーザーでの不具合メカニズムの解明、劣化診断手法の提案、材料性能等
の改善が図られてきた。
しかしながら、メーカ、ユーザーにおいて実施されている製品および材料の評価手法(製造:
材料受入検査等、現地施設後:巡視点検等、リサイクル:材料特性診断等、不具合時:原因解
析等)や考え方が、体系的に整理されている調査報告や技術報告は見られない。
また、高度経済成長期に施設した設備の劣化診断等の必要性が増している現在の状況におい
て、絶縁電線・ケーブルの診断・評価手法、考え方を体系的に整理して解説することは、大変
有用なものとなる。
そこで、絶縁電線・ケーブルの製造からリサイクルに至るまでの各過程における診断・評価
方法や技術動向を調査するとともに体系的に整理・解説し、今後の診断技術の向上に資するこ
とを目的として本調査専門委員会を設立する。
2.内外機関における調査活動
これまでに提出されている報告書には以下がある。
主な調査報告等(電線・ケーブル技術委員会研究会)
1990年 9月「地中線および架空送電線の保守技術・診断技術動向」
1993年 9月「絶縁診断・絶縁余寿命推定」
1996年 9月「最近の電力ケーブル診断技術」
1999年 9月「送配電線路の設備診断技術」
2002年 2月「電線・ケーブルの劣化現象と診断技術」
2003年 1月「電力ケーブル及び絶縁材料の劣化現象・診断技術」
2004年 1月「電力ケーブル・電気機器の劣化診断、監視技術とオンライン計測」
2005年 1月「ケーブル・電気機器の劣化診断技術、アセットマネージメント」
2006年 3月「ケーブル・電気機器の劣化診断技術、アセットマネージメント」
2007年 2月「電線・ケーブル・電力機器の診断技術とアセットマネジメント」
2008年 2月「電線・ケーブル・電力機器の劣化診断とアセットマネジメント」
2009年 2月「電線・ケーブル・電力機器の劣化診断とアセットマネジメント」
2010年 1月「電線・ケーブル絶縁材料の劣化現象、先端診断技術、次世代材料」
2010年11月「電線・ケーブルの保守技術・診断技術に関する技術動向について」
2011年 2月「電線・ケーブル・電力機器の劣化診断とアセットマネジメント」
2011年11月「絶縁材料の劣化現象、電線・ケーブル先進診断技術」
2011年12月「電線・ケーブルにおける保守・診断に関する技術動向について」
2012年 2月「電線・ケーブル・電力機器の劣化診断とアセットマネジメント」
2013年 2月「電線・ケーブル・電力機器の劣化診断とアセットマネジメント」
2014年 2月「電線・ケーブル・電力機器の劣化診断」
電線・ケーブルの診断について記述されている技術報告
1995年 555号「配電設備劣化診断技術の動向」
1998年 695号「電力ケーブルシステムの部分放電測定技術」
2000年 752号「絶縁材料の劣化と機器・ケーブルの絶縁劣化判定の実態」
2006年1064号「ケーブル・電気機器のオンライン診断技術」
2008年1107号「配電線地中化の技術動向と課題」
電気協同研究
1987年43巻2号「配電機材劣化診断技術」
2009年64巻2号「配電設備保全技術の高度化」
2011年67巻1号「地中送電設備の劣化診断技術とアセットマネジメント」
2013年69巻3号「配電機材に対する劣化環境の定量評価」
3.調査検討事項
(1)配電用絶縁電線・ケーブルの変遷および設備数量・事故件数等の推移
(2)配電用絶縁電線・ケーブルにおける劣化・不具合事象
(3)製造からリサイクルに至るまでの各過程における診断評価手法
(4)送電分野における不具合事象、診断評価手法
(5)今後の動向、将来展望
4.予想される効果
本調査・整理・解説により、絶縁電線・ケーブルの製造からリサイクルに至るまでの各過程
における診断・評価の現状、変遷、考え方を体系的に技術資料としてまとめることにより、今
後の診断技術や製品開発・設計に役立つものと考えられる。
5.調査期間
平成27年(2015年)1月 ~ 平成28年(2016年)12月(2ヶ年)
6.活動予定
・委員会:4回/年 程度
・幹事会:適宜
・作業会:適宜(8回/年 程度)
7.成果報告の形態
技術報告をもって報告とする。また、技術報告発行後、講習会等を開催する。
以 上