短期予報解説資料1 2014年12月22日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①サハリン北部の低気圧は、 おお むね上空寒冷渦直下に位置して いること、 水蒸気画像では暗域が 上空寒冷渦中心まで入りこんで おり、 発達のピークを越えつつあ り、中心気圧も浅まり始めた。 ②日本海では、 寒気移流に伴う筋 状雲が広がる。特に JPCZ が指向 している北陸~東北南部では、 発 達した雪雲(強いエコー域)が 次々と流入している。 ③西日本では、 引き続き比較的弱 いエコー域がかかっているが、 高 気圧の張り出しに伴って黄海や 東シナ海の中国沿岸では寒気移 流に伴う下層雲が減少しはじめている。 ④寒気トラフ(500hPa-42℃、水蒸気画像でやや不明瞭な暗域広がる)が沿海州を南東進、トラフ前面 にあたる沿海州沖では薄い上層雲域がみられる。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①サハリン北部の低気圧は、1 項①の通り衰弱しながらオホーツク海を東進する。1 項④のトラフ通過 後の 23 日は上空昇温場となって冬型の気圧配置が次第に緩み、 東シナ海から日本の南に高気圧が進む。 また、1 項④のトラフ東進で、新たに日本の東で 23 日朝に低気圧が発生する。一方、24 日夜には 500hPa5400m 付近のトラフが日本海に南東進してくる。このトラフとの結びつきは弱く発達の度合いは 弱いが、23 日夜に低気圧が日本海で発生し、24 日朝には北日本に近づく見込み。 ②1 項④の寒気トラフに対応してこれから地上シアーが顕在化する。また、この地上シアーが 22 日夜 に北日本や北陸を通過し、風・波・降雪の強まりや東北太平洋側への雪雲の流入がある見込み。北日 本~東日本の日本海側を中心に、引き続き大雪や風雪(暴風雪)に注意・警戒、新雪なだれ、着雪、落 雷、突風、強風・高波に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新初期値の GSM を採用。22 日夜に北日本を通過するトラフや 24 日に日本海に達する 500hPa5400m 付近のトラフは初期値毎に深まる傾向続く。②波:地上シアー通 過時の風は MSM が強めの予想。MSM 採用する場合にはモデル上方修正。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北陸 70、北海道・ 東北 50、東海 30cm。②波(明日まで):北海道・東北・北陸 5、伊豆諸島・近畿・山陰・沖縄 4、その 他 3m の所多い。③潮位:大潮期間(22 日は新月)。北日本太平洋側を中心に注意報基準を超えるおそれ。 5.全般気象情報発表の有無 「暴風雪と大雪に関する全般情報」を 17 時頃に発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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