月刊しばうら1月号

農畜産業振興機構が発表した 1 月の輸入量は 4 万トンの
大台を下回る 3 万 4,000 トン前後と予測される。
<10 月の牛肉通関量>
総量
謹んで新年のご祝詞を申し上げます
チルド
フローズン
全体
48,816( 7.9%増)
21,338(23.4%増)
27,477( 1.8%減)
豪州産
25,444( 6.6%増)
13,132(33.7%増)
13,132(10.4%減)
米国産
18,988(11.4%増)
7,895( 9.0%増)
11,093(13.1%増)
<1 月の全国出荷頭数予測>
旧年中は格別の御厚情を賜り有り難く
御礼申し上げます
本年も変わらず御指導御鞭撻をお願い
申し上げます
平成二十七年元旦
大動物事業部
<11 月の相場動向と月間価格>
11 月の牛枝肉相場は、成牛の全国出荷頭数が前年同月に
比べ 9.2%と減少傾向にある中、各等級とも上昇した。11
月が高値だったこともあり上げ幅は小幅な上昇であったが、
ついに和牛去勢の肉質 3 等級を 2,000 円台に乗せ、これに
続き交雑去勢も和牛の高値につられて上昇した展開であっ
た。
一方、需要の動向は、前月から続く枝肉高騰により牛肉
の販促が低下している中、連休ではさまざまな販促が展開
されたものの、やはり切り落とし中心の動きであった。乳
牛去勢については、頭数が少ない中で輸入牛肉の代替用手
当ての動きがあり急騰している。
本格的な牛肉需要期に入り全般的には荷動きが順調だっ
たことや、輸入牛肉の高止まりなどを背景に品不足感が解
消されないことから、枝肉相場はだれることなく等級や品
種を問わず市場取引の加重平均をさらに押し上げた。
<11 月牛枝肉月間価格>
和牛去勢
A5 2,358 円(前年同月比 103.7%)(前月比 100.7%)
A4 2,156 円(
106.3%)(
103.1%)
A3 2,010 円(
107.8%)(
103.5%)
A2 1,896 円(
109.9%)(
102.8%)
交雑去勢
B4 1,498 円(前年同月比 104.3%)(前月比 100.6%)
B3 1,409 円(
105.8%)(
101.6%)
B2 1,324 円(
106.0%)(
101.6%)
乳牛去勢
B3
円(前年同月比 %)(前月比 %)
B2
円(
%)(
%)
<1 月の牛肉輸入量予測>
財務省が発表した貿易統計によると、10 月の牛肉通関量
実績は前年同月比 7.9%増の 4 万 8,816 トンで 5 万トンに届
かなかったものの前年を上回った。内訳は、チルドが 2 万
1,338 トンで 23.4%増、
フローズンが 2 万 7,477 トンで 1.8%
減となった。豪州産チルドについては、ここ数カ月は通関
量が 1 万トンを超え多めの水準であるが、9 月に前年同月比
で 15%減少した反動もあり 10 月の通関量は 3 割を超す増加
となった。また、米国産のチルドについても豪州産同様、
先高を見込んでの早めの手当てが行われていると見られる。
農畜産業振興機構によると、12 月の全国肉牛と畜頭数は
1.8%減の 11 万 1,200 頭とわずかな減少にとどまる見通し
で、前月の 1 割減から減少幅は縮小した。品種別にみると
和牛は 1.0%減の 5 万 4,000 頭、交雑種は 2.7%減の 2 万
2,200 頭、乳牛去勢は 2.1%減の 3 万 100 頭と予測されてい
る。
相場が高値で推移する中、前倒しで出荷する動きがあっ
たことなどから、1 月の出荷頭数は前年対比で 90%前後が
予測され和牛は暮れの早出しの影響もあり大幅に減少し、
交雑種・乳用種とも減少と予測する。なお、東京食肉市場
の 1 月のと畜頭数は約 7,200 頭を予定している。
<1 月の牛枝肉価格予想>
年末年始の出費や円安等による影響で家計を圧迫し消費
減退が懸念される中、1 月の牛枝肉相場動向は、昨年の高値
相場による早出しが続いたため、全国的に出回り量が減少
し高値基調で推移するとの見方が大方の予想である。また、
年明けは休市期間が長いこともあり補充買いで堅調な動き
が予測される。しかし、中旬以降は卸問屋の在庫状況によ
っては相場形成に影響を及ぼすと予測される。
外食からの影響については、昨年末の総選挙による歓楽
街への利用減少などで需要は鈍ったが、年明けは新年会等
の需要が見込めるとの見方もあり、枝肉の仕上がり状態に
より同一規格内でも価格に差が生じると思われる。和牛 2・
3 等級や交雑種に関してはひっ迫感が強く、引き続き堅調な
相場展開が予測される。
和牛去勢
A5
A4
A3
A2
乳牛去勢
B3
B2
価格予測
2,250~2,350
1,950~2,050
1,800~1,850
交雑去勢
B4
B3
B2
価格予測
1,400~1,450
1,300~1,350
1,050~1,150
1,650~1,750
小動物事業部
食肉流通統計によると、11 月の全国と畜頭数は 128 万
8,119 頭(前年同月比 86.1%)となり前年より大きく減少
した。
11 月分の豚肉通関実績は、総量で 5 万 3,457 トン (前年
同月比 86.4%)と前月から約 4 万 6,000 トンの減少となった。
内訳は、チルドが 2 万 2,305 トン(同 91.5%)であり国
別輸入量は米国 1 万 4,216 トン(同 90.2%)、カナダ 7,197
トン(同 90.6%)、メキシコ 887 トンと減少となった。
フローズンは、3 万 1,152 トン(前年同月比 83.2%)と
前年を下回った。国別輸入量はデンマーク 7,732 トン(同
72.4%)、米国 4,549 トン(同 71.1%)、カナダ 3,006 ト
ン(同 69.2%)といずれも大きく減少し、メキシコは 4,031
トン(同 87.9%)であった。
<12 月の豚取引の推移>
上旬
全国と畜頭数
上物価格
中物価格
上場頭数
1日
2日
3日
4日
5日
63,900
64,200
64,800
65,200
66,400
573
592
602
596
623
551
579
592
583
611
925
945
715
962
1,017
上旬の全国と畜頭数は急激な気温低下や PED の影響もあ
り 6 万 5,000 頭前後で推移した。これは昨年同時期と比べ
約 9%の減少であった。当市場の上場頭数は平均で 900 頭強
と前年同時期を大きく下回った。
枝肉相場は年末需要期の手当て、鍋物需要により安定し
た展開で、上物 600 円前後、中物 570 円前後となった。
中旬
全国と畜頭数
上物価格
中物価格
上場頭数
8日
9日
10 日
11 日
12 日
13 日
15 日
16 日
17 日
18 日
19 日
64,000
63,900
64,700
68,400
68,600
65,100
69,300
68,700
68,900
71,300
73,700
639
669
674
661
642
637
640
643
666
670
692
632
655
669
636
620
617
625
630
661
654
670
996
1,077
806
910
1,079
754
884
1,100
959
933
1,109
中旬の全国と畜頭数は後半に 7 万頭を超えたが、それま
では 6 万 5,000 頭前後と前年同時期に比べ 8~10%の減少で
あった。当市場は平均で 1,000 頭弱の上場となり前年とほ
ぼ変わらぬ頭数であった。
枝肉相場は宴会シーズン、年末需要で引き合いが強まる
中、寒波による出荷頭数減が影響し、上加重 650 円前後、
中加重 630 円前後と上旬から上伸、堅調に推移した。
900~950
750~800
和牛去勢日別相場表(12 月度)
月同様の流れを受け、在庫減少に転じたためと見られる。
24 日には肩ロース、バラ、ロースの引き合いが特に強まり
上加重 766 円と今年の最高値を付けた。
<1 月の豚枝肉相場見通し>
農水省による 1 月の全国と畜頭数は、約 140 万頭(前年
同月比 96.3%)と予測しており一日当たりの頭数は約 7 万
3,000 頭である。
当市場の 1 月の集荷予定頭数は約 1 万 8,000
頭となっており、
一日当たりでは約 950 頭の見込みである。
農畜産業振興機構による 1 月分の豚肉輸入見込数量は、
総量で 5 万 7,700 トン(前年同月比 86.5%)の予測となっ
ている。内訳はチルドが 2 万 1,400 トン(同 83.9%)、フ
ローズンは 3 万 6,300 トン(同 88.1%)の予測である。
10 月における豚肉推定在庫量は、国産品が 2 万 108 トン
(前年同月比 98.9%)と微減、輸入は 20 万 444 トン(同
142.0%)と前月より増加し、合計 22 万 552 トン(同 135.5%)
となった。また、推定出回り量は 16 万 9,921 トン(前年同
月比 112.8%)となり、3 か月ぶりに前年を上回った。うち
国産品は 7 万 8,695 トン(同 94.3%)、輸入品は 9 万 1,226
トン(同 135.8%)と前年を上回った。
国内生産量については、7 万 8,330 トンで(前年同月比
94.6%)2 か月ぶりに前年を下回り、輸入量は 9 万 9,853 ト
ン(同 149.7%)と引き続き増加傾向である。
こうした需給の状況下、1 月前半は年末年始の休みが長期
に亘ったことから十分な出荷量、重量が見込まれる。しか
しながら後半にかけては、寒波や PED の再発などの影響も
考えられる。よって、引き合いは年末の高値反動もあり例
年通り鈍ることが予想されるが、一方で輸入量、在庫量の
減少もあることから、その動向を注目したい。
以上のことから 1 月の加重平均は上物 520 円前後、中物
490 円前後と予測する。
豚日別相場表(12 月度)
800
750
700
650
600
550
500
450
400
350
300
250
200
上
中
並
等外
1234589111111111222222
日日日日日日日0 1 2 3 5 6 7 8 9 2 3 4 5 6 7
日日日日日日日日日日日日日日日
出荷者の皆様へ
2,800
2,600
2,400
2,200
2,000
1,800
1,600
1,400
1,200
A5
A4
A3
A2
1234589111111111222222
日日日日日日日 0 1 2 3 5 6 7 8 9 0 3 4 5 6 7
日日日日日日日日日日日日日日日
下旬
22 日
23 日
24 日
25 日
26 日
27 日
全国と畜頭数
76,000
58,600
78,900
78,100
76,100
-
上物価格
733
752
766
692
651
671
中物価格
723
732
739
612
591
645
上場頭数
1,094
1,299
925
1,049
1,048
1,188
下旬の全国と畜頭数は 7 万頭後半で前年同時期をやや下
回った。当市場の取引頭数は平均で 1,100 頭と前年とほぼ
変わらぬ頭数であった。
枝肉相場は関西方面で 700 円を超え始めると 22 日には関
東の市場でもそれを追う形となった。総選挙終了後、牛肉
相場の高騰や 11 月の輸入量が少ないことにより 12 月も前
東京食肉市場では平成 26 年におきまして、
おかげさまで 22 万頭を取り扱うことができました。
心より厚く御礼申し上げます。平成 27 年も変わらぬ
ご出荷をお待ちしております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。