夢の銅鉄合金

夢の銅鉄合金
磁石に付く銅、磁性を持つ銅、この夢の様な銅鉄合金
は今 不可能でした。しかしその銅鉄合金が今、製品
となりました。これからは銅鉄合金が世界中で普及し
ていく事になるでしょう。
東京実業株式会社
銅鉄合金の歴史
銅と鉄の合金製品はあまり聞いた事が無いですね。
それは銅と鉄が相性が悪く、鉄が3%以下なら固溶体として完全な銅鉄合
金が可能ですが、鉄が3%以上になると固溶体にならず、偏析が起こり合
金が出来ません。
もし銅と鉄が任意の率でも偏析を起こさず均一に分布すれば銅鉄合金が
出来るのですが、難しくて今 は出来ませんでした。
銅 + スズ(Sn)
→ OK (青銅 Bronze) ( + P = リン青銅)
銅 + 亜鉛(Zn)
→
OK (黄銅・真鍮 Brass)
銅 + ニッケル(Ni) →
OK (洋白 German silver)
銅 + 鉄(Max. 3%) → OK 銅鉄合金(OLIN 特許)
銅 + 鉄(Max.99%) →
X
不可能
新合金(CFA)= 銅 +鉄(3%~99%) OK(包晶合金)
銅鉄合金開発の歴史−1
銅鉄合金は他の金属と合金には無い大きな特徴と利点が有り、
それは銅の高導電性、高熱伝導性と、鉄の硬さと磁性を全て
併せ持つ素晴らしい機能です。
即ち、磁性を持つ不思議な銅です。磁石に付く銅です。
もし銅鉄合金が出来れば、様々な応用が可能となり、金属の
世界を変える事が出来ると言われて来ました。
1929年にドイツの2人の学者が銅鉄合金の論文を出しており、
日本でも1964年に小川・安部の大学教授、1967年に明治大学、
1970年には東芝が研究論文を出し、世界でも多数の研究機関
や企業等で銅鉄合金に関する研究と開発が行われて来ました。
その過程で米国のオーリン社が鉄約3%の銅鉄合金の製法特許
を出し、その特許を使って今でも多くの金属メーカーがリー
ドフレームの大量生産をやっております。(オーリン特許の
有効期限は切れています)。
銅鉄合金開発の歴史ー2
米国政府が銅鉄合金に賞金: 第2次世界大戦が終わってし
ばらくして米国政府が銅鉄合金の発明者に1億ドルの賞金を
出す広報がでました。銅鉄合金がこれからの産業にいかに
重要になるかが分かります。
一方、世界中でも銅鉄合金の研究、開発は今でも続けられて
いる。(日本メーカーの中には戦前から銅鉄合金を開発して
いる所があるが、未だに成功していない。
多くの大学、研究所では銅鉄合金の製造方法として銅と鉄を
高温溶解してから急冷すれば出来るとする論文が多数あるが、
実際に実験すればわかるが、銅鉄合金は出来ない。
しかし最近になり日本の銅鉄合金㈱で合金技術が完成、
箔、ワイヤー、板、メッシュ等の製品化に成功しました。
銅鉄合金(CFA)は金属の世界を変える
銅と鉄の両方の性質を持つ銅鉄合金は下記の事が出来ます。
1.
優秀なバネ材: 高導電性と硬度、高張力
2.強力なシールド性能(電磁遮
効果):
{電磁波=電界波(銅で遮
)+磁界波(鉄で遮
)}
3. 従来の銅合金の下記3大欠点を解決: CFA材で解決可能。
欠点1: 3年以内に劣化とバネ性が落ちる。(CFAは劣化もバネ性もOK)
欠点2: 導電率が悪すぎる(18% ∼ 25%)。 (CFA90は60%)
欠点3: 応力腐食割れが発生。 (CFAは発生しない)。
4.環境問題、政治問題が無い: 銅と鉄だけで安全性は最高度に高く、且つ レアメタルでない為に入手リスクは無い。
5.優秀な放熱材: 高い熱伝導性(銅)と硬さ(鉄)が出る。(金型材等)
6.高導電性と硬さ: 電気電子の基盤材料
6.溶接棒: CFAで異種金属の溶接が可能。
7.優秀な磁性材料: CFAで新磁性材料が可能。
8.新金属の開発: ステンレスに銅を入れたステンレス銅、新電磁鋼板等。
9.CFA粉体の新規応用:プラスチックや塗料等に混入して導電、シールドとする。
10.放電加工ワイヤー: CFAで銅タングステンやピアノ線の代替が可能。
銅鉄合金の製品製造チャート
母合金(CFA50) ↓ →
溶解(銅、又は鉄を追加投入)
↓ ↓
ビレット(例としてCFA90) ↓ ← 鍛造、熱処理、圧延、
↓
1.伸線(ワイヤー)→ 例として CFA90 ワイヤー
2.圧延(板、薄板、箔)→ CFA90 箔、等々
銅鉄合金の応用例−1
1.シールド(電磁遮
): CFA90
自動車(編組線やケーブル等、沢山の個所に使用)、通信関連(通信機器、通
信ケーブル、携帯電話、基地局等)、医療機器、ロボット、PC、産業機械、電
子電気機器、回路基板、航空機、モーター、海底ケーブル、他多数。
銅鉄合金の応用ー2
2.従来の銅合金の代替 : CFA50 ∼ CFA90
リン青銅、洋白、黄銅、べり銅等の代替品。
(特にべり銅は毒性の為に大きな問題になって
いる。CFAは毒性が無く、性能も同じく低価格)
コネクター、リードフレーム、SW、リレー、
軸受等、及び全ての高導電性のバネ材。
銅鉄合金CFAは本当に世界で”ONLY ONE”なのか?
Q1: Internet等で調べると銅鉄合金は世界中で沢山売っている。
A1: その合金は銅と鉄が均一に混ざっていない(偏析が大きい)。
だからΦ0.1mm等の細線や10µの薄膜(箔)が作れない。もし本当に出来たら我々
の真正銅鉄合金と同じである。(だが今まで見た事がない)
Q 2 : しかし実際に鉄が30%(CFA70)のビレットを見た。
A 2: 誰でも簡単にビレットは作れます(下の写真)。しかし次の工程が出来ま
せん。 重要なのはCFAの製品が出来るかどうかです。
→ 製品(ワイヤーや箔)は不可能
Q3: だがCFA70の薄板製品を沢山の会社が売っているのは?
A3: それは銅と鉄を貼り合せたClad(積層)金属か、又は、銅粉と鉄粉を焼い
て固めた焼結金属です。CFAとは内部構造が全く違うのでCFAの様な性能は出ませ
ん。シールド効果も薄い。
ご清聴感謝致します。
地球上にある最も普通の金属である銅と鉄、こ
の2つの金属が一緒になった新素材は世界中で
大きな技術革新を起こす事になるでしょう。
CFAは更に多くの応用が可能であり、この応用
研究こそが世界事業成功の と確信致します。
近い将来において銅鉄合金は世界中で普及して
いると思います。
東京実業株式会社