平面ひずみ非排水圧縮条件下における供試体寸法比の 変化

土 木 学 会 論 文 集No.
666/III-53,
181-192,
2000. 12
平面 ひずみ 非排水圧縮条件下 にお ける供試体寸法比 の
変化が正規圧 密粘 土の分岐荷 重 に及 ぼす影響
志 比 利 秀1・
藍
正 会員
博(工)
島根 大 学助 手
矢 富 盟 祥2・
亀 井 健 史3
総合 理 工学 部地 球 資源 環境 学 科
(〒690. 8504松
江 市 西川 津 町1060)
2正 会 員 Ph. D. 金沢 大 学教 授 工学 部 土木建 設 工 学科 (〒920-8667 金 沢市 小 立野2丁 目40 -20)
3正会 員 工博 島根 大 学助 教 授 総 合 理 工学部 地 球資 源環 境 学科 (〒690
-8504 松 江 市 西川 津 町1060)
本研 究で は, 正 規 圧密 粘 土 供試 体 を平 面ひ ずみ 非排 水 圧縮 せ ん 断 した場 合 に観 察 され る様 々 な 非均 一 な
変 形 挙動 を, 分 岐 とい う概 念 に基 づ い て解 析 的 に明 らか にす る こ とを試 み て い る. 粘 土 の構 成 式 には, 有
限 変形 共 軸 ・非 共軸Cam-clayモ
デル を用 いた. その 際, 分 岐 時 の供 試 体 寸法 比 と初 期 の 供試 体 寸 法比 の 関
係 を導 出 す る こ とに よ り, 供試 体 寸 法比 の 変化 を考 慮 した分 岐解 析 を行 な った. ま た, 分 岐解 析 結 果 を用
い て, 分 岐時 の 供試 体 内 の最 大 せ ん 断ひ ず み分 布 を求 め た. そ の結 果, 分岐 解 析 に供 試 体 寸法 比 の 変化 を
考慮 した場 合, 平 面ひ ず み対 称 バル ジ型 の 変形 の発 生 が説 明 で き る こ とが解 析 的 に示 され た. また, 分 岐
解 析 結果 か ら得 られ る最 大 せ ん断 ひ ずみ 分布 か らす べ り面 の初 期 発 生位 置, お よび そ の形 態 を考 察 した.
Key Words:bifurcation, Cam-claymodel,non-coaxial,slip surface, plane strain condition
1.
は じめ に
解 析 を行 な ってい る.
一方, 有 限変 形 非共 軸Cam-clayモ デ ル5)を 用 い
た分岐解 析 で は, 円柱供試体6),7)や中空 円筒 供試
正 規圧 密粘 土供 試 体 を非排 水条 件 下で圧 縮せ ん断
した 場合, 載 荷軸 応 力の小 さい範 囲 にお いて は, 供
体8)を 対 象 と した解 析や, 有 限要 素法 へ の適用 の利
試 体 は均 一 な変形 を続 ける. しか し, 最大 応力 に近
づ くにつれ, 棒 の座 屈 や, 樽型 に膨 らむ よ うな, い
便性 を考 え, 平 面 ひず み条件 下で側 圧 を死 荷重 と仮
わゆ る非均 一 な変形 が 現 われ る場合 が あ る. この よ
しか しな が ら, これ らの分 岐解 析 の研 究 では, 試
験 開始 時 にお い て は未 知 な分 岐 時 の供 試 体 寸 法 比
定 した解 析結 果9)な どが報 告 され て い る.
うな非 均一 な変 形 が生 じる最大応 力 近傍 におい ては,
供試 体 内 にせ ん断ひ ずみ の 局所 化 が観 察 され る. そ
の 結果, 最 終的 に一 つ のすべ り面が 形成 され, 供試
(分岐 時 にお い ては既 知 な値)を 用 い て分岐 解析 が
行 われ て お り, 試 験 開始 時 にお いて も既 知 な値 であ
る初期 の供 試 体寸 法比 と分 岐 荷重 の 関係 が考 察 され
体 は破壊 に 至 る.
これ まで に平 面ひ ずみ 条件 下 での分 岐解 析(分 岐
てい ない. 土 の強度 ・変形 特性 は, 試 験 時 の供試 体
荷重 ・
分 岐モ ー ド解 析)が い くつ か行 なわれ て い る.
Hilland Hutchinson 1)は 非 圧縮 性 弾塑性 体 を仮 定 し,
一軸 引張試 験 にお け る均一 な 変位 場 か ら非 均一 な変
寸 法が試 験 結果 に大 きな影 響 を及 ぼす こ とが 多 くの
位 場 への 分岐 問題 に対 して定 式化 し, 支配 方程 式 を
価す るこ とが重要 とな る.
分 類す るこ とに よ り, 分岐 条件 式 の解析 解 を与 えて
い る. ま た, Y0ung 2)は 同様 の手 法1)を 用い て非圧
また, 飽和 粘 土 の様 々な 変形 挙動 を追跡 す るた め
に あ らか じめ初期 不整 を導入 した供 試体 に対 して有
縮性 弾 塑性 体 の一軸 圧縮 試 験 にお け る分 岐条 件式 を
限要 素法 を用 い た解 析 も報 告 され ている14),15).
導 い てい る. さらに, 圧 縮性 弾塑 性 体 に対す る分 岐
本研 究 で は, まず, 各 点 で非排 水 条件 を仮 定 した
平 面 ひ ず み 条 件 下 に お い て, 共 軸 お よ び 非 共 軸
研 究者 に よっ て報告 され てい る10)∼13). したがっ
て,
初期 の供 試 体寸 法比 と分岐 荷重 の 関係 を 定量 的 に評
解析 結果 と して は, Chau and Rudnicki3)が 伸 張お よ
び圧 縮試 験 を対 象 に, Bardet4)が 圧 縮 試験 を対象 に
Cam-clayモ デル5)を 用 い た長方 形 断面 の 直方 体供試
181
体 を側 圧 一定 条件 の 下で 圧縮 せ ん断 した場合 につ い
平 均有効 主応 力 ρ'と一 般化 された偏 差応 力qは,
れ ぞれ 次式 で定義 され る.
て分岐 解析 を行 ない, 分 岐 時の 供試 体 寸法 比 を用 い
た分岐 荷 重の 解析 解 を示 す. なお, 同様 な問題 に対
そ
(2)
して, 著 者 の一 人で あ る矢富ら16),17)が 考 察 を行 な
って い る. しか し, それ らの内 容 は概 要の みで あ る
ので, こ こで, その 詳細 を述 べ, 分 岐解 の分 類, 整
こ こで,3は 有効Cauchy応 力T'の 偏差 成分 で あ る.
理 を行 な う. そ の後, 試 験 開始 時 か ら分 岐 時 まで供
なお, 本 研 究 では, 全応 力 α 平均 有効 主応 力p,
試 体 内で完 全 非排 水 状件 を仮 定 で き る場 合(分 岐後
間 隙水圧uお よび体積 ひ ずみ ηは, 土質 力学 の慣 例
は,変 形お よび応 力 ともに非 均一 な状 態 とな るた め,
に従い圧 縮側 お よび 収縮側 を正 とす るが, それ ら以
供試 体内 の間 隙水 圧 に ば らつ きが生 じ, 完全 非 排水
外 の物理 量 は, 一般 の有 限変 形理 論 で定義 され てい
るよ うに, 引張 り側 お よび 伸 張側 を正 とす る.
状件 が満 足 され な くな る可能 性 が あ る)に おい て,
分岐 時の供 試 体寸 法 比 と初期 の供 試 体寸 法 比の 関係
を導 出す る. そ の結果 を用 いて, 供試 体 寸 法比 の変
土の よ うな摩擦 性材 料 の場 合, 平均 有効 主応 力 が
化 を考 慮 した 分岐 解析 を行 ない, 分 岐時 の供 試 体寸
大 きい ほ ど, せ ん断 強 さが大 きくな るの で, 本 研 究
の よ うな均一 多軸 条件 下 で の分岐 荷重 は, 軸応 力や
法比 を用 いた 分岐 解析 との比 較検 討 を行 な う.また,
主応 力差 で はな く, 応 力比q/p(=η)が 物理 的 に最 も
軸 ひず み と分 岐荷 重 の関係 を考 察 し, 非 均一 変 形が
合理 的 な分岐 荷重 の 定義 で あ る と考 え る. したが っ
生 じ得 る軸 ひず み を調 べ て い る. 最 後 に分岐 解析 結
て, 本研 究 では, 分 岐時 の応 力 比 ηyをもって 「
分岐
果 か ら得 られ る速 度場 よ り, 最 大せ ん断 ひず み の分
荷重 」 と呼ぶ.
布 を求 め, す べ り面 の初期 発 生位 置 や形 態 を考 察す
まず, 物 体の 運動x=z(x,t)を 考 え る と, 物質 点X
で の変形 勾配 は, F=∂ κ/∂X(detF>0)で ある. この
る.
とき, L=FF-1=∂X/∂ κは速度 勾配 で あ り(以後, 上
2.
有 限 変 形Cam-clayモ
付 きの"・"は, 物 質 時 間微 分 を表 す), D=(L+LT)/2
は変 形速度, W=(L-LT)/2は
ス ピ ンであ る. この と
デ ル5)
き, 変形 速度Dが
粘土 は等 方応 力 条件 下 にお い て も塑 性 変形 を示 す
弾性 部分Deと 塑性 部分DPの 和 で
表 され る と考 え, そ の弾性 部分 に対 して次 式 で示 さ
れ るフ ックの法則 を仮 定す る.
材 料で あ り, この よ うな粘 土 の力 学 的挙 動 を記述 で
きる構成 式 をRoscoe et al. 18)は微
小変 形理 論 と弾塑
T = {(K -
性 理論 に基 づ いて誘 導 した. この構成 式 は, 粘 土の
圧密 ・せ ん 断挙 動 を統 一 的 に表現 す る画 期的 な もの
Bjk ))Dkc (3)
ここで, Tij=Tij-WikTkj+TikWkjは有 効Cauchy応
であ り,Cam-clayモ デル と呼 ばれ る. このモデ ル は,
これ までの 多 くの 力学 的実 験 か ら, 正規 ∼過 圧密 比
力
の共 回転速 度 で あ り, 賜 は ク ロネ ッカ ーの デル タで
の 小 さい粘 土 の優れ た応 カ-ひ ず み モデ ルで あ る こ
あ る. ま た, π と δ は, それ ぞれ 体積 弾性係 数 とせ
ん断 弾性 係 数 を表 してお り, 次 式で表 され る.
とが広 く一般 に認 め られ て い る.
Yat0mi et al. 5)は, せん断帯
の生 成 とそ の進 展 を考
察 す るた め に微小 変 形 にお け るCam-clayモ
G)8,j8kc+ G(8ik8j +
IC=op,
デル を
G=Gop
(4)
有 限変形 に拡 張 した. 次 にせ ん断 変形 を よ り発 生 し
こ こ で, π0=(1+e)/κ,
易 くす るた め, 形 式的 にRudnicki and Ricel9)の理 論
に従 い, 非 共軸Cam-clayモ デル を考 えた.
あ り, eは 間 隙 比, κは 自然 対 数 表 示 に よ る膨 潤 指 数,
本 研 究で は, 有 限変 形理 論20)を 用 い る こ とか ら,
正規 圧密 粘 土 の構成 式 と して, 有 限変 形 に拡 張 され
次 に 変 形 速 度 の 塑 性 部 分 に つ い て 考 え る. 微 小 変
形 にお け るCam-clayモ
たCam-clayモ デル を用 い る. 以 下, 本研 究で 必要 と
有 限 変 形Cam-clayモ
なる部分 をYatomi el al. 5)の中
か ら再 掲す る.
に 表 され る.
まず, 全 コー シー応 力T,
有 効Cauchy応
δ0={3(1-2γ)π0}/{2(1+γ)}で
γは ボ ア ソ ン比 を 表 す.
デ ル の 降 伏 関 数18)と 同 様 に,
デ ル の 降 伏 関 数fは 次 式 の よ う
力Tと
(5)
間 隙水圧uの 間に 次式 で与 え られ る有 効応 力 の原 理
を仮 定す る.
T=T+ul
こ の と き, Cam-clayモ
(1)
こ こ で, λ は 自 然 対 数 表 示 に よ る 圧 縮 指 数,
P6は 先
行 圧 密 応 力, ηPは 塑 性 体 積 ひ ず み を 表 す.
ま た,
D=(λ-κ)/{M(1+e)}21)は
デ ル に 用 い られ た パ ラ メ ー タ
182
ダ イ レイ タ ン シ ー 係 数 で あ
り, Mは 限 界状 態 にお け る応 力 比で あ る. この降伏
き共 軸モ デル を表 し, A>0の とき非 共 軸モ デル を表
関数fに 関連流 れ則 を適 用 す る と変 形速 度 の塑性 部
す.
分 と して次 式が得 られ る.
現在 ま で, 非共 軸性 を詳細 に検 討 した実 験例 は ほ
とん ど見 られ な いが, 中空ね じり試 験 に基 づい た非
=v(f=o,
DP =o(f<o,
お よ びNijTij>o)
(6)
あ る い はNijTij≦o)
共 軸性 の存 在 の指 摘, あ るいは その 必要 性 を示 した
研 究 が, 最近 行 われ て いる3)∼6), 9). なお, 本 研
こ こ で, 4は 比 例 定 数 で あ り, β=M-η
とす る と,
Nijは 次 式 で 表 さ れ る.
(7)
最終 的 に有 限変形 共 軸Cam-clayモ デ ル(以 下, 共
軸 モデ ル と呼ぶ)の 構 成 式 は次式 で 与 え られ る.
究 で も上記 のh1は,
た.
Yatomi et al. 5)の表現
を適用 し
間隙 水圧 の連 続 式 は, 透 水係 数 をk, 水 の密 度 を
γwで表 し, 全水 頭 が位 置水 頭 を無視 で きる と仮 定 し
て水 圧水 頭u/rwの み で表 され るな ら, 次式 で 与 え ら
れ る.
tr(D)=kdul
(12)
y,
こ こで, 」は微 分 演算 子 ラプ ラ シア ンで あ る.
(8)
正規圧 密 粘性 土 で は, 非 排 水せ ん 断強 度 が排水 せ
ん断強度 よ り小 さい ので, 本研 究 で は, よ り危険 な
状態(設 計 に おい て は安全 側)と な る非排 水 変形 状
こ こ で,
β=β/3,
7=SijSij/2で
態 を考 え る. また, 透 水係 数 の低 い粘 性 土地盤 での
あ る. ま た, h
は硬化係 数 を表 してお り, 次式 で表 され る.
盛 土は, きわ めて ゆ っ く り載荷 を行 わな いか ぎ り,
地盤 内 の間 隙水 は基 本 的 に動 かな い, す なわ ち, 非
(9)
排 水状 態 で変 形す る と仮 定 して も良い22). したが っ
て, 各 点 にお い て非排 水 とな る条 件 は,
式(8)で 表 現 され るCam-clayモ デ ル が共軸 モデ ル
と呼ばれ る理 由は, 塑性 変形 速度 テ ンソル の偏差成
分 の主軸 方 向 と有効Cauchy応
(13)
tr(D) = 0
力の偏 差 成分 の主軸
と書 き表 され る. したが っ て, 非 排水 条 件 下で は,
方 向が一 致す る(共 軸)か らであ る.
式(8)の 構成 式 は 次式 の よ うに書 き換 え られ る.
有 限変 形非 共軸Cam-clayモ デ ル はRudnicki and
Rice 19)の理論に従 い, 偏 差塑 性 ひず み に非共 軸項 を
(14)
付 加 す る こ とに よ り導 か れ る. そ の 結 果, 有 効
cauchy応 力 の偏 差成 分 の 主軸 方 向 と塑性 変 形速 度
本研 究で は, 平面 ひず み 条件 下 での 非排 水変 形 を
テ ン ソル の 偏 差 成 分 の 主軸 方 向 が 一 致 しな くな る
対象 と して い るので, 式(13), (14)は 以 下の よ うに
(非共軸). 最 終 的 に, 有 限 変 形 非 共軸Cam-clay
モ デル(以 下, 非共 軸 モデル と呼ぶ)の 構成 式 は,
変形 で き る.
Ti-T2'2 =2t/(D-D22)
式(8)に おい て物 質 パ ラメ ー タ を以 下 の よ うに置 き
(15)
TZ = 21uD, 2
換 え るこ とに よって 与 え られ る.
D+
D22 = 0
D33 = 0
(16)
(17)
(10)
ここで, μ*,μ は それ ぞれ45せ
ん断 に お けるせ ん
ただ し, h1は 第2硬 化係 数 と呼ばれ, 式(9)の 硬 化係
断係 数 と単純 せ ん断 係 数 で あ り, hはkβ2+hで
数 と同様 の形 で次式 の よ うに仮 定 され る.
され る. な お, u*は 非 共軸 パ ラメー タAに
表
無 関係
で あ り, μ はAの 単 調減 少 関数 となっ てい る. した
こ こ で, Aは 非 共 軸 パ ラ メ ー タ と呼 ば れ, A=0の
(11)
が って, 非共 軸 モデ ル は, 共 軸 モデ ル よ り単純 せん
と
断変形 を生 じやす い構 成 関係 とな る.
最終 的 に, 均 一変形 状 態 か ら分岐 瞬 間ま での 有限
変形Cam-clayモ
I83
デ ル の構 成 関係 は, 式(15),
(17)
で 表 され る. ま た, 速 度 場 η は 各 点 に お い て 非 排 水
条 件 と な る 式(16)(す
な わ ち, DII+D22=VI.1+2,
を満 足 す る よ うに,
2=0)
の成 分 は流 れ 関数 膨を用 い て
次 式 の よ う に 与 え る.
(is)
η1=Yeav2=-1
この とき, 式(15)の 構 成 式 は, 流れ 関数Ψ を用 い る
こ とに よ り, 次式 の よ うに書 き換 え られ る.
T11,
-Tz2 = 4p y 12
2T2 =(2i-9)V, 22-(2p+9)y/
ここで, q(=σ1-σ1=2q/3)は
(19)
軸 差応 力 で ある.
図-1分
岐 時の 供試 体 概形
考 えて い る面の 単位 法線 ベ ク トル で あ る. また, σ1
3.
分 岐条件 式
は, 図-1に 示 す とお り, 側 面 に働 く圧 力で あ る. な
お, 間隙水 圧 の境界 条件 は, 式(13)の 中に含 まれ て
本研 究 では, 正 規圧 密粘 土 を平 面ひ ず み条件 下 で
非排 水圧 縮せ ん断 した 場合 を考え る. 初期 の供 試 体
の 寸法 は, 幅2βo, 高 さ2Hoと す る. また, 図-1に
お り, 不要 とな る,
分岐 が発 生す る瞬 間 まで, 長方 形断 面供 試体 は載
荷 軸方 向に圧 縮 力 を受 ける こ とよっ て, 均-な 変形
示す よ うに境 界 条件 は, 供試 体 の両側 面 で は圧力(流
を続 け る. その過 程 では, 分岐 時 の圧縮 力 の増 大 に
体圧)を 一定 と し, 上 下端 面で は変位 制 御 に よ り圧
対 して も均一 な変 形 は, 可 能 な解 の一つ とな る. し
縮 し, 摩擦 は な い もの と仮 定す る. 更 に, 本 研 究で
は, 均-な 変 形状 態 か ら非均 一 な変形 状 態へ の分 岐
たが って, 供試 体 の分 岐は, 分 岐時 の圧 縮力 の増 大
現 象 を考 えて い る. した が って, 分岐 が発 生 す る瞬
生す る. 一 方, 構成 式 を増分 釣合 式 に代入 す る こ と
に よ り導かれ る速度 に関す る支配 方程 式 が速度 に関
間(時 刻t=t)ま
に伴 って非 均一 な 変形 を示 す解 が存在 す る場 合 に発
で, 供試 体 は均 一 な変形 を続 け,
分岐 が発 生す る瞬 間 には 図-1に 示 す よ うな幅2β, 高
して線形 関係 とな ってい る ので, 速度 解 を重 ね合 わ
さ2Hの 供 試 体 に変形 して いる もの と仮定 す る.
まず, 準静 的 で物 体力 が ない 場合, 増 分釣 合 式 は
せ る こ とが 可能 となる. その 結果, 供 試体 の各 点 で
塑性 負荷 状態 に あ る変 形 は, 非均-な 速度解 に, 各
点 が負 荷状 態 に な るよ うな均-な 速 度解 を重ね 合 わ
次式 で与 え られ る.
せ る ことに よ り得 られ る. 以 上の こ とよ り, 式(22)
で 与え られ る境 界 条件 の解 は, 以 下に示 す境 界 条件
(20)
divS, = 0
こ こで, St(=T+T(trD)-TLT)は
の解 の和 とな る.
全公 称応 力 速度 で
均一境 界条件:
あ る. 有効 応力 の原 理, 非排水 条件, お よび 分岐 が
発 生す る瞬 間 まで供 試 体 内の各 状態 量 が均 一 で ある
T=O, T2=0
onx =+B
TZ,= 0, v2=Fv20, onx2= +H
こ とを考 慮 して上式 を指標 表示 す る と, 増 分釣 合式
は次 式 の よ うに 書 き換 え られ る.
(23)
非均 一境 界条件:
Tl l+72. 2-u =0
Til i +T2 z -ix 2 =0
(21)
T =u T2 =-qL 2 onx =+B
T = 0 v2=0
onx2= +H
ま た, 載 荷 条件 は, 前 述 した よ うに, 供試 体 の両
側 面(x1=±B)で
は 一 定 圧 力 を 与 え, 上 下 端 面
(x2=±H)で は変 位 制御(v2=+v20)に よ り圧縮 し,
(24)
式(23)は 供 試 体 内 の 各 点 で 変 形 が 均 一(一
変 形)と
η20/H, DI2=Wγ12=0)は
摩擦 は働 か な い もの と仮 定す る と, 境 界 条件 は 次式
のよ うに書 き表せ る.
様圧 縮
な る 境 界 条 件 で あ り, そ の 解(Dn=-D22=
自明 で あ る,
した が っ て, 供
試 体 内 の 各 点 に お い て 非 均 一 な 変 形 が 発 生 し得 る な
ら, 式(24)の 境 界 条 件 か ら非 均 一 な 変 形 を 表 す 解 が
(s) =aiAn
(s) = 0
こ こ で, st(=Stn)は
()2 =a L 2
v2 = +v20
on x =+B
on x2 = +H
(22)
得 られ る. 以 後, 特 に こ と わ りが な い か ぎ り, 式(24)
の み を 境 界 条 件 と 呼 ぶ こ と とす る.
全 公 称 表 面 力 速 度 で あ り, ηは
式(2Dの
I84
増 分 釣 合 式 か ら, 間 隙 水 圧uの
項 を消去
表-1各
領 域 の 判 別 条 件, V(x1)の 一 般 解,
お よ び 分 岐 条 件 式(A1, A2:
未 定 定 数,
α=2μ+q,b=-(4μ*-2μ),
c=2μ-q)
し, 式(19)で 与 え られ る流れ 関数Ψを用 い た構 成式
単 純 な一軸 引張 試験1), および一 軸 圧縮 試 験2)か ら
を代 入 す る こ とに よ り, 次 式 に示 す流 れ 関数Ψの支
得 られ た式 と同様 の型 とな る. そ こで, 以 下 の分岐
配方 程式 が得 られ る.
条件 式 の誘 導 は, 彼 らの方法1),2)に基づ
αΨ, 1111-2bΨ,
1122+cΨ,
こ こ で, α, b, お よびoは
a=2p+q,
た.
(25)
2222=0
まず, 式(28)で 示 され る上下 面 の境 界条 件 を考慮
し, 流れ 関数Ψ を次式 の よ うに仮 定す る.
次 式 の よ うに 置 い た.
b=-(4p*
-2),
c=2p-q
い て行 っ
(26)
ψ=V(Xl)c0s(km
x2)・(km=2u)
(29)
一方, 式(24)の 境界 条件 は, 式(19)を 代入 す る こ
ここで, u(m2=1,2, )は 変形 モ ー ドで あ り, mが 偶数
とに よ り, 流れ 関数 膨を用 い て次 式 の よ うに書 き換
え られ る.
αΨ, 111-(2b-α)Ψ,
ψ,11-Ψ,
ψ,1=0
ψ,22=0
22=0
122=0
on
x, = +B
の場 合 はκ2座標 の原 点 をH/mだ け移 動 させ る必 要 が
あ る. ま た, 式(29)の 形 で仮 定 した 流れ 関数Ψは,
式(25)を 供試 体 内の 各点 で満 足 す る必要 が あ るか ら,
(27)
(α ≠0)
(c≠0)
(α≠0)
7(x1)は次式 で示 され る支 配 方 程 式 を満 足 す る必 要
onx2=+H
が あ る.
(28)
(a D4+2bkmD2+ck4)V(xl) = 0
式(15), 式(16), 式(21), お よび 式(22)は, 正規
こ こ で, Dは
(30)
κ1に関 す る微 分 演 算 子 で あ り, そ の 右
圧 密粘 土(圧 縮 性 弾塑性 体)が 各点 非排 水条 件 の下
で, 平 面ひ ずみ 圧縮 せ ん断(二 軸圧 縮試 験; 側 面で
肩 の 数 字 は そ の 微 分 回 数 を 表 し て い る. μ(x1)がそ れ
は圧カ ー定)を され る場 合 に導 かれ る式 で あ る. し
ぞ れ, 対 称 モ ー ドの 場 合 に はsin(ρkmx1), 非 対 称 モ ー
か しな が ら, 式(21)と 式(24)に 流 れ 関数Ψを代入 す
ドの 場 合 に はc0s(ρkxm1)に よ り表 現 で き る と 仮 定 す
る ことに よ り得 られ る式(25), 式(27), お よび式(28)
る と, 上 記 の7(x1)に 関 す る支 配 方 程 式 は,
は, 非圧 縮 弾塑 性体 にお い て, 側 面 荷重 を0と した
I85
表一2 本 解 析 に 用 いた 土 質定数5), 23)
初期(t=0)の 供 試 体高 さがH0, あ る時刻(t=t)の
高 さがHの とき, その ときの工 学軸 ひず み(以 下,
軸 ひずみ と呼 ぶ)εa(収
縮側 を正)は,
=1- exp{ I D22dt}
と書 き 表 せ る. 一 方,
共 軸 モデ ル の 場合 はA=0,
非共 軸 モ デル の 場合 はA=0. 01.
(32)
式(2)の 物 質 時 間 微 分 を と り,
T11>T22を 考 慮 して 式(13),
式(14)を 用 い る こ と に
よ り, 次 式 が 得 られ る.
(31)
ap4 - 2bp2 +c=0
(33)
で示 され るρに関 す る4次 方 程 式 の実 数解 の個数 に
よ りに分 類 され, 実数 解 の存在 個 数 が0,
2, お よ
び4に 対応 して, それ ぞれ, 楕 円領 域(E), 放 物 領
域(P), お よび双 曲領 域(H)と呼ぶ1). また,
上式 を用 い る と, 応 力 比 ηの物 質時 間微 分 は, 次式
の よ うに書 き表 せ る.
楕 円領
域 は さち に2つ の領域 に分類 され, 4つ の異 な る複
素数解 の場 合 を(EC)と,
(34)
4つ の 異 な る虚 数解 の 場合
を(EI)と 呼ぶ こ と とする2). このと き, 各 領域 の判
t=oの
別 条件, 7(x1)の一 般解 お よび分 岐条 件式 等 を表-1に
t=tま で 上 式 を 積 分 す る と, 次 式 が 得 られ る.
と き, q=o,
ρ'=ρ6を 考 慮 に 入 れ, t=oか
ら
整理 して示 す。 分 岐条 件 式 は, 流 れ 関数Ψ, お よび
7(κ1)の
一 般解 を代 入 した側 面 の境 界条 件 にお い て,
未定 定数A1, 42の 非 自明 な解 が 存在 す る条件(A1,
バ2の係 数行 列 の行 列 式が0と な る条 件)と して得 ら
(35)
れ る. な お, 各領 域 の分 岐条 件 式 は, 分 岐 時の 供試
体 寸法 比HZB, 分岐 荷 重nyと 変形 モ ー ドmの 陰 関数
とな ってい る.
4.
式(16)の 非排 水条 件 を考慮 し, 上 式 を式(32)に 代入
す る と, 時刻t=tの 軸 ひず みeaは,
応 力 比 と軸 ひ ず み お よ び 供 試 体 寸 法 比
(36)
と得 られ, 最終 的 に応 力比 ηの関数 とな る. 一方,
表-1の 分 岐 条 件 式 よ り, 分岐 時 の供 試 体 寸 法比
H7Bが 与 え られ れ ば, 各 変形 モ ー ドuに 対す る分岐
分岐 時の供 試 体 の高 さ2Hと 幅2Bは,
荷 重nyを 求 め るこ とが で き る. しか しなが ら, 試 験
開 始時 にお い ては, 初 期 の供試 体 寸 法比H0/B0は 与
考 慮 に 入 れ る と, そ れ ぞ れ2H=2(1-ea)H0,
2B=2B0/(1-ea)と な るの で, 分岐 時 の供試 体 寸法 比 は,
非排 水条 件 を
える もので あ り既知 な値 で あるが, 分 岐 時の供 試 体
寸法 比 は未知 な値 で あ り, 一般 に は 両者 の関係 は決
(37)
ま らない. した が って, これ まで報 告 され て い る分
と表す こ とがで き る.軸 ひず み亀が応 力比 ηの 関数 で
岐解析 で は, 試験 開 始時 に は未 知 で あるが 分岐 時 に
は既知 とな る分岐 時 の供試 体 寸 法比 と分 岐荷 重 防 の
考 察 が行 な われ て い た1)∼4),6)∼9). しか
あるか ら, 分 岐 時の供 試 体寸 法比H/Bは 分 岐荷 重 ηy
し, 後
と初 期の供 試 体寸 法比H0/Boが 与 え られ る と求 ま る.
述 す る よ うに, 分 岐瞬 間 ま で各 点非排 水 条件 を仮定
なお, H/Bは, η=0の ときにH0/Bo, η=Mの ときに
0と な るηに関す る単調減 少 関数 となっ てい る.
でき る場 合 に は, 分 岐時 の 供試 体寸 法 比H7Bは,
初
期供 試体 寸 法比H0/Boと 分 岐 時 の応 力比(分 岐 荷 重)
ηyの関数 と して導 くこ とが で きる. した が って, 分
岐荷 重 と供試 体 寸法 比 の関係 を, 分 岐 現象 を考 える
上で よ り明確 な分 岐荷 重 と初 期 の供 試体 寸 法比 の 関
5.
供試体 の分 岐荷 重の解 析結 果 と考察
本 研 究 に用 い た梅 田層 粘 土の 土質 定 数23)を 表-2
係 と して考 察す る こ とが 可能 に な る.
I86
図-2
分 岐 荷重nyと 分 岐 時の 供試 体 寸 法比H/B及
び
図ー4 分 岐 荷 重 の と変 形 モ ー ドmの 関係(H0/B0=2)
変形 モ ー ドmの 関係
図-3
分 岐 荷重nyと 初 期 の供 試 体 寸法 比H0/Bo及 び
図一5 分 岐 荷 重nyと 変 形 モ ー ドmの 関係(H/B=2)
変形 モ ー ドmの 関係
に示す. な お, 非 共軸 パ ラ メー タAの 値 が取 り うる
っては, 対称 ・非対 称 モー ドに関 わ らず分 岐荷 重 が
範 囲お よび分岐 解析 に及 ぼす影 響 に 関 しては現 在検
存在 しな くな る領域 が周 期 的 に発 生 して い る. この
周期 性 は, 共軸 モデ ル の場 合 には, 分 岐荷 重 が供試
討 中 であ るが, 本研 究 にお い てはYatomi
et al.5)の
考 察 を基 にAの 値 を仮 定 した. 以 下 に, 表 一1の楕 円
体寸 法比 の影 響 を過敏 に受 け るこ とを示 す.
型, 双 曲型, 放 物型 の 全領 域 にお いて, 分岐 解析 を
非 共軸 モデ ル の場 合 には, 分 岐荷 重 は, mB/H(あ
るい はuB0/Hb)が 約1. 5∼25の 範 囲で, 非 対称 モー
行 な った結 果 を示す. なお, 限 界状 態 にお け る応 力
比 以下 の範 囲 で, 最 初 に分岐 が発 生 す る可能 性 があ
ドの場 合 は最 大値 に, 対 称 モー ドの場合 は最 小 値 に
る最小 の応 力比 を分 岐荷 重 と して採用 してい る.
それ ぞ れ 一度 だ け達 す る. 一 方, mB/H(あ
図-2に 分 岐荷 重 防 と分岐 時 の供試 体 寸法 比HIB及
び 変形 モー ドmの 関係 を, 図一3には分 岐荷 重 防 と初
mB0/Hb)が 約2. 5を 超 え る範 囲 にお い ては, 非 共軸
モデル の 分岐 荷重 は, 共 軸モ デル の 場合 にみ られ る
期 の供試 体 寸法 比H0/Bo及 び 変形 モー ドuの 関係 を
供 試体 寸 法比 に よ る顕 著 な周 期性 を示 さず, 共 軸モ
示 す. 図 中, 縦 軸 は分 岐荷 重 防, 横軸 は変形 モー ド
海 とB/H(あ るいはB0/Hb)の 積 で あ る. した がっ て,
デル の場合 よ り小 さな あ る一 定値(約1. 38)と な る.
横軸 の値 は, 変 形モ ー ドmが 増 大す るにつれ, あ る
い は供試 体 寸法 比(H/Bあ るい はH0/Bo)が 減 少す る
に比べ て供 試 体寸 法 比が 分岐 荷重 に及 ぼす影 響 は小
につ れ, 増大 す る.
実 験 の際 に, ほ ぼ同一 の分 岐 荷重 で しば しば観 察 さ
れ るよ うな, 種 々の変 形 モー ドや 種 々の 変形 モ ー ド
共 軸モ デル の場 合 に は, mB/H(あ
るいは
した が って, 非共 軸 モデル の場合 には, 共軸 モ デル
さく, よ り分 岐 が発 生 し易 い こ とが わか る. ま た,
るいはmB0/Hb)
が増 大す るにつれ, 分 岐荷 重 は 区分 的に増 減 を繰 り
が重ね合 わ され た 変形 モー ド, 変 形 モー ドの 飛び 移
返 して ゆ く. さ らに その極 小値 は次第 に増 大 して ゆ
り現象 等24)が 生 じ易 い こ と も説 明 で きる.
き なが ら限界 状態 にお ける応 力比 に漸 近す る傾 向 に
また, 図一3か ら, 初期 の供 試 体寸 法 比H0/B0の 減
少(す な わ ち, mB0/H0の 増 大)に ともな い分岐 荷重
あ る. また, 供試 体寸 法比 と変形 モー ドの関係 に よ
I87
が 一般 に増 大す るこ とが わか る. この こ とは, 亀 井 ・
常 田10)の 一 軸 圧 縮 強 度quは 初 期 の 供試 体 寸 法 比
H0/Boの 減少 に と もな い増 加 す る とい う報告 と一致
す る.
以 上の 結果 は, 供 試体 寸 法比 に よ らな い一般 的 な
場 合 の結果 で あ る. こ の とき, 分 岐 荷重 とmB/Hの
関係 を示す 図。2と分 岐荷 重 とmB0/Hbの
関係 を示 す
図-3に は, 微 妙 な違 い が存 在す る. そ こで, 違 い を
よ り具 体的 に わか り易 く考察 す るた め に, 以 後, 土
質試 験 にお い て しば しば用 い られ る初 期 の供試 体 寸
法 比H0/B0=225)の 供 試 体 に対 して, 分 岐荷 重や 分 岐
時 の変形 な どを詳 細 に検 討す る.
図一4は, 初 期 の供 試体 寸 法比H0/Bo=2と した場合
の分岐 荷 重 防 と変 形 モー ドm(m=1∼10)の 関係 を示
して い る. ま た, 参 考の た めに, 分 岐時 の供 試 体寸
法比H/B=2と した場 合 の上 記 関係 を図-5に 示 す. な
お, わか り易 くす る ため, 図 中 に各変 形 モー ド概 形
を合 わせ て表 示 してあ る.
この 図 よ り, 共軸 モ デル の場 合 に は, あ る限 られ
た変 形モ ー ドの分岐 荷 重 しか存 在 しない こ とが明確
に わか る.例 えば, 図-4に 示 すH0/Bo=2の 場 合 には,
m=2, 3,6,7,9,10の 対称 モ ー ド, お よびm=1, 4,5,7,8,10
の非対 称 モー ドの分 岐荷 重 のみ が存 在 して い る. ま
図-6
分 岐 荷重nyと 軸 ひず みeaの 関係(共 軸 モ デル)
(a)対称 モー ド(b)非対 称 モ ー ド
た, 図一5のH/B=2の 場合 には, m=3, 4,7,8の 対称 モ
ー ド, お よびm=1, 2,5,6,9,10の 非 対称 モ ー ドの分 岐
荷 重の みが 存在 してい る.
一方, 非 共 軸 モデ ル の場 合 に は, H0/B0=2の 場 合
には, m=1の 対 称モ ー ドを除 くす べて の変 形 モー ド
の分 岐荷 重 が存在 す る(図一4). また, H/B=2の 場合
に は, m=1, 2の 対 称 モー ドを除 くす べ ての 変形 モー
ドの 分岐荷 重 が存 在す る(図一5).
特 に, 共 軸 お よび 非共 軸 モデル どち らの場 合 も,
図-5の 分岐 時 の供 試体 寸 法比H/B=2の 場 合 にお いて
は, 実 際の供 試 体寸 法 比 で しば しば観 察 され るm=2
の平面 ひず み対 称バ ル ジ型 の 変形 モ ー ドの分 岐荷 重
が 存在 しない. 一 方, 図一4の 初 期 の供 試 体 寸 法 比
H0/Bo=2の 場 合 にお い ては, このm=2の
平 面 ひず み
対 称バ ル ジ型 の変 形 モ ー ドの分 岐 荷 重(ηy=1.42)が
存在 す る こ とが 明確 に わか る. この こ とよ り, 一般
に行 われ てい るよ うに, 分岐 時 の供 試体 寸 法比 を仮
定 して変形 モ ー ドと分 岐 荷重 を考察 す る場合 は 十分
注意す る必 要 が ある こ とがわ か る.
次 に, 図-6にH0/B0=2の 場 合 の共軸 モ デル の分 岐
荷 重 と軸 ひ ずみ の 関係 を示 す. 対称 モ ー ドの 場合 に
は, 軸ひ ず みが4. 0∼6.0%の 範 囲 に分 岐点 が分 散 し
て い る. ま た, 非 対 称モ ー ドの場合 には, 1次 変形
モー ド(座 屈型)の 分岐 点 は, 軸 ひ ずみ が2. 9%付 近
図-7
で達す るが, そ の他 の変 形 モー ドの 分岐 点 は軸 ひず
分 岐荷 重nyと 軸 ひず みeaの 関係(非 共 軸モ デ ル)
(a)対称 モ ー ド(b)非対 称 モー ド
188
ti(
2 9JaG
193A5
2 7 3195-3
CO
1933-19140
3 390-3
2 9330-
2 9335
211. 1 -171.
19330
I
1 9320-1
9315
3 93 15-1
1121
非 対 称1次
385
3 3)5-3
380
330-2-5
2 7365
(a)
395
380-2.
変 形 モ ー ド(m=1)
(a)
非 対 称1次
- 2 7176
変 形 モ ー ド(m=1)
rmax(%)
503-501
5001-5012
5019-5013
5002-5001
5015-5019
499-5002
011-5015
1992-4991
-5011
1981-4902
5003310
(b)
対 称2次
変 形 モ ー ド(m=2)
(b)
対 称2次
変 形 モ ー ド(m=2)
52)L-757
5275-6276
524-525
273
-5274
5272-5273
(c)
図-8
対 称10次
J 9250- 39255
139145-9150
i9140-3 9115
0 9135- 3 9140
9130- 3 9331
9215-39130
39110- 19. 1
変 形 モ ー ド(炉10)
(c)
分岐 時 変形 概 形お よび最 大 せ ん断 ひ ずみ の 分布
(共軸 モ デル)
図-9
対 称10次
変 形 モ ー ド(m=10)
分 岐 時変形 概 形 お よ び最 大せ ん断 ひ ず みの 分布
(非共 軸モ デ ル)
み が45∼7. 0%の 範 囲に分 散 してい る.
一 方, 非共 軸 モデル の分 岐 荷重 と軸 ひず み の関係
は, 図-7に 示す 通 りとなる. 非対 称1次 変 形 モー ド
(座屈型)の 場合, 軸 ひず みが2. 7%付 近 で分岐 点 に
達す るが, そ の他 の対称 ・非対 称変 形 モー ド(対 称
2次 変 形 モー ドの4. 9%付 近 を除 く)の 場合 には, 分
(38)
と な る(伸
張 側 を 正).
ln(1+x)剛
で あ る か ら, 14/41<<1の
上 式 に お い て, x<<1な
ら
と き, 主 対 数
ひ ず み は 次 式 で 近 似 で き る.
岐 点 は3. 5∼4.0%の 範 囲 に集 中 して い る こ とが わか
る. した がっ て, 分 岐荷 重 の場合 と同様 に, 軸ひず
(39)
み の場合 も,分岐 点 は共軸 モ デル の場 合 では分 散 し,
非共 軸 モデル の場 合 は比 較的 狭い 範 囲に集 中 してお
り, かつ, 共 軸 モデ ル よ り小 さな軸 ひず みで分 岐す
分 岐 直 前, 時 刻t=tの
るこ とが示 され た.
度 を 用 い て 表 す と, 次 式 で 与 え られ る.
した が っ て, 分 岐 直 後t=t+∠tの
一 様 主 対 数 ひ ず み εLltと
変 形速
(-L)Ia-(EL)IDdt(inosum)
6.
最 大せ ん断 ひずみ
(40)
ま た, 分 岐 直前 のせ ん断 ひず み((el)ijt, (i≠j))は
0で あ るか ら, 分 岐直 後 の対 数せ ん断 ひ ずみ は次 式
初 期 にお い て長 さl0の 部 分 が あ る時刻t=tにlに
な り, その直 後t≡t+tに 群 溜 にな った と仮 定す る
と, 時刻t=t+tに
主 対 数 ひ ず み は,
とな る.
(EL)1DAt(i=j)
お ける主 対数 軸ひ ずみ は,
I89
(41)
工 学 ひ ず みeij(圧 縮 側 を 正)は,
-8(b), 図一9(b)に示 す. 共軸 お よび 非 共軸 モ デル と
対 数 ひ ず み(el)ijを
と き, 分 岐 直 後 の 工 学 ひ ず み の 主 値 をe1, e2, e3
も, 中央部 が膨 らむ よ うな変形 が生 じる場合 に は,
供 試体 内 の最大 せ ん断 ひず みは, 供試 体 の 中央部 で
(ε1>ε2>ε3)と
置 く と, 最 大 せ ん 断 ひ ず み 為 脳は 次 式 で
非 常 に大 き くな り, 供試 体 の四 隅で も少 し大 き くな
用 い る とεij=1-exp{CAL)ij}と表 され る. そ こ で, こ の
る傾 向が ある. したが って, す べ り面は供 試 体 中央
表 せ る.
付 近か ら発 生 し始 め, 供 試体 の 四隅 へ と進 展 してい
(42)
くもの と推 定で き る.
図一8(c),図-9(c)は, 対称10次 変形 モ ー ドの変 形
以後, 上 式 を分岐 時 の最 大せ ん断 ひず み と呼 ぶ.
概形 お よび最 大せ ん 断ひ ずみ の分 布 であ る. 供 試 体
の表 面 が周期 的 に波 打つ よ うな変 形 が発 生す る とき,
7.
最 大せ ん断 ひず み の解析 結果 お よび考 察
供試 体 内の最 大せ ん 断ひ ずみ は, 共軸 お よび 非共 軸
モ デル の違 いに よ り, 異 な った分 布 を示す. 共軸 モ
平 面ひず み 条件 下 で非 排水 圧縮 せ ん断 を受 け る有
デル を用 い た長 方形 断 面供 試体
デル の場 合 では, 供試 体 内全 体 に最大 せ ん断 ひず み
が最 大 とな る点 が周期 的 に観 察 され る. 一 方, 非 共
(初期 供試 体 寸法 比H0/Bo=2)の
分 岐時 の最 大せ ん
断ひ ずみrmaxの 分 布 を式(42)よ り求 め, 各変 形 モー
軸 モデル の場 合 では, そ の最 大 とな る点 は供試 体側
面近傍 に集 中 して周期 的 に観 察 され る. この こ とは,
ドにお け るす べ り面 の発 生位 置 につ い て考察 す る.
なお, 分 岐瞬 間 ま では 各状 態 量(応 力, 間隙 水圧 等)
非共 軸モ デル の場 合, 周期 的 なす べ り面群 が供 試体
の側 面 よ り発 生す る こ とを示す.
が均一 で あ る と仮 定 した が分 岐後 に おい て は, 不均
一 な状 態 とな って い る. 供 試 体 内に おい て間 隙水 圧
また,非 共軸 モデ ル の場 合 には, 前述 した よ うに,
ほ とん どの変形 モ ー ドにお い て分岐 荷重 の 大 き さが
限変 形Cam-clayモ
の大 き さにば らつ きが 生 じる と式(12)は 式(13)と は
ほぼ 一定 であ る こ とか ら, 種 々の変 形モ ー ドが 重ね
な らず, 体積 変化 を生 じる こ ととな る. したが っ て,
合 わ され た変形 モー ドや, 変形 モー ドの飛 び移 り現
分岐 後 にお い ては供 試 体 内で 間隙水 の移動 が 生 じる
象 が生 じ易 くなっ てい る. した が って, すべ り面の
可能 性 があ る.
形 態 が別 の 形態 へ と変化 す る こ とが 予想 され る. な
お, 以 上の 最大 せ ん断 ひず みの 分布, す べ り面 の発
生位 置 ・形 態 は, 当然 同一 物質 で あっ て も, 供試 体
本 研究 で は, 上記 の 「
最 大せ ん 断ひ ずみ が最 大 と
な る点 がすべ り面 が最 も発 生 しやす い位 置 」 と仮 定
して議論 す る. 図一8に共軸 モデ ル の場 合 の, 図-9に
寸法比 に依存 す る.
は非 共軸 モデ ル の場合 の,分 岐 時 の変形 概 形(点 線 で
初 期 の 供 試 体概 形)と 分 岐 時 の 最 大せ ん 断 ひ ず み
2amxの分布 を示す. な お, 変 形 図 は, 生 じた変 形 を
明瞭 にす るた め, m=2の 場 合 は 非均 一 変形 量 を10
8.
倍, その 他 の変形 モ ー ドで は非 均一 変形 量 を100倍
本研 究 で は, まず, 有 限変 形 共 軸 お よび 非 共 軸
Cam-clayモ デ ル が 各 点非 排 水 条 件 の 下で 平 面 ひず
して い る. ま た, それ ぞ れ の変 形モ ー ドに応 じ, rmax
の分布 をわか り易 くす るた め, 同一 の濃 度 で も, 異
な るrmaxの範 囲 とな って い る.
図-8(a), 図-9(a)は, 非 対称1次 変 形 モー ド(座
結論
み圧縮 せ ん断 され る場 合 につ いて分 岐解 析 を行 な っ
て い る.なお,境 界 条件 は 上下端 面 で摩擦 が働 か ず,
両側 面で は圧 力(流 体 圧)が 与 え られ た場 合 を考 え
てい る. この とき, 境 界条 件 の一般 性 に もかか わ ら
屈 型)の 変 形概 形 お よび 最大 せ ん断 ひず み の分布 を
示 してい る. 供 試 体 が上 端部 は左 側 へ, 下端 部 は右
ず, 増分 釣合 式 か ら間 隙 水圧 を消去 し, 流 れ 関数 膨
を導入 す る こ とに よ り得 られ た速度 場 を支 配す る方
側 へ と張 り出す よ うな変 形 が生 じる とき, 供 試体 内
の最大せ ん断 ひず み は, 供 試 体 の上端 部 右側 お よび
程式 と非均 一境 界 条件 式 は, 非圧 縮 性 弾塑性 体 にお
いて, 側面 荷重 を0と した非常 に単 純 な一軸 引 張試
下端部左 側 で 大 き くな る. した がっ て, すべ り面 は
上端 部右 側 お よび 下端 部左 側 付近 か ら発 生 し始 め,
この2点 を結ぶ よ うにすべ り面が進 展 してい くもの
験1)お よび 一軸 圧縮 試験2)か ら得 られ た式 と同様 の
型 となる こ とが わか った.
と考 え られ る. なお, この場合 には, 最 大せ ん断 ひ
その分 岐解 析 か ら得 られ た主要 な 結論 を以 下 に列
ずみ の分 布 に, 共軸 お よび 非共 軸 モデ ル に よる大 き
な違 い は無 かっ た.
記 す る.
(1)共 軸Cam-clayモ デ ル の場合 に は, 分 岐荷 重 が
供 試 体 寸 法 比 の 影 響 を過 敏 に 受 け る が, 非 共 軸
対 称2次 変 形 モー ド(平 面ひ ずみ 対称 バ ル ジ型)
の 変 形 概 形 お よ び 最 大 せ ん 断 ひ ず み の 分 布 を図
Cam-clayモ デ ル の場合 には, 共軸 モデ ル に比べ て供
I90
試 体寸 法比 が分 岐荷 重 に及 ぼす 影響 は小 さ く, かつ
に よ る円柱 供 試 体 の軸 対称 分 岐 解析, 構 造 工学 論 文集,
分 岐荷 重が 小 さい こ とか ら, よ り分 岐 が発 生 し易 い
こ とが示 され た.
Vo1.43A, pp.413-421, 1997.
(2)mB/H(あ
るい はmB0/H0)が
7) Yatomi, C. and Shibi, T. : Antisymmetric bifurcation
約2. 5を 超 える範
analysis in a circular cylinder of a non-coaxial Cam-clay
囲 にお いて は, 非 共軸Cam-clayモ デ ル の分岐 荷重 は
共 軸Cam-clayモ デル の分 岐 荷重 よ り小 さなあ る 一
model, Proceedings of the International Symposium
Deformation and Progressive Failure in Geomechanics,
Nagoya, pp.9-14, 1997.
定値(約1. 38)と な り, 実験 の 際 にほ ぼ同一 の分岐
8)志 比 利秀, 矢 富 盟祥: 有 限 変形 非 共 軸Cam-clayモ
荷 重 で しば しば観 察 され る, 種 々 の変 形 モ ー ドや
種 々の変 形 モー ドが 重ね 合 わ され た 変形 モー ド, 変
デル
に よ る中空 円 柱供 試 体 の非 軸 対称 分 岐解 析, 応 用力 学
形モ ー ドの飛 び移 り現象 が 生 じ易い こ とが わか った.
(3)初 期供 試 体寸 法比Ho/Bo=2の 供試 体 の場 合で は,
分岐 解析 に供 試 体寸 法比 の変 化 を考慮 す るこ とによ
り, 平面 ひず み対 称バ ル ジ型 の変 形 が発 生す る可能
論 文 集, 土 木 学会, V01.1, pp.537-546, 1998.
9)斎 藤 武 久, 矢 富盟 祥, 石 田啓, 志 比 利 秀: 死 荷 重側 方
境 界 条 件 下 に お け る平 面 ひ ず み 非 排 水 試 験 の 分 岐 解
析, 地盤 の破 壊 とひ ずみ の 局所 化 に関 す る シン ポ ジ ウ
性 を説明 で きる こ とが解 析 的 に示 され た.
ム論 文集, pp. 105-110, 1994.
10)亀 井健 史, 常 田亮: 一軸 圧縮 強 度 ・変形 特 性 に及 ぼ す
(4)初 期 供試 体 寸法 比Hb/Bo=2の 供試 体 の場合 にお
い て, 共軸 モ デル の分 岐点 は 軸ひ ずみ が4. 0∼7.0%
供 試 体 寸法 の影 響, 土 木 学 会 論 文集, N0. 436/III-16,
の範 囲に分 散 してい るが, 非 共軸 モデ ル の分岐 点は
pp.131-134, 1991.
軸ひず み が3. 5∼4.0%の 範 囲 に集 中 してお り, 共軸
モデル よ り小 さな軸ひ ずみ で供 試 体 の分岐 現象 が発
11) Goto,
S. and
triaxial
生す る こ とが 定量的 に示 され た.
F. : Effect
compressive
advanced
(5)初 期 供試 体 寸法 比H0/Bo=2の 供 試 体の 場合 にお
いて, 分岐 解析 結果 か ら分 岐 時の最 大せ ん 断ひず み
Tatsuoka,
triaxial
strength
for
of
and
testing
No. 977, pp. 692-705,
of end
soil
conditions
cohesionless
rock,
on
soil,
ASTM,
SIP,
1980.
12)福 島伸 二, 望 月 美登 志, 香 川 和 夫, 石 井 武美: 砂 の低
の分布 を示 した. その分 布 よ り, す べ り面 の初期発
拘束 圧領 域 にお け る超 大型 三 軸 圧縮 試 験, 土質 工学 会
生位 置, お よび 形状 が説 明 で きる こ とを示 した.
論 文 報 告集, V01.29, N0. 1, pp. 187-194, 1989.
なお, (1)∼(3)は 分 岐時 の供試 体 寸 法比H/Bを 仮
定 した, お よび 初期 供試 体 寸法 比H0/Boを 与 えた解
13) Ikeda,
effect
析 か ら得 られ た結果 で あ り, (4), (5)は初期 供試 体
K. and
Goto,
of granular
No. 2, pp. 157-170,
寸 法比H0/Boを 与 えた解析 か ら得 られ た結 果 で ある.
14) Asaoka,
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(1999. 12. 16受 付)
clays,
RATIO
FOR A NORMALLY
UNDER
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of undisturbed
ON THE BIFURCATION
CONSOLIDATED
UNDRAINED
Chikayoshi
YATOMI
ANALYSIS
CLAY
COMPRESSION
and Takeshi
LOADINGS
KAMEI
This paper examines the influences of the aspect ratio on the bifurcationanalysis for a non-coaxial and a coaxial
Cam-clay model of normally consolidated clays during undrained shear under plane strain condition. The bifurcation
analyses are carried out considering the difference between the aspect ratio at the onset of bifurcation and the initial
aspect ratio.
As a result, we show the existence of the symmetricbulging mode,which is often observed in the experiment. We
also examine the sites where the slip surfaces first occur and the patterns of the slip surfaces by judging from the
distributions of maximum shear strain
192