次代のまちづくりプロジェクトチーム企画案① 「結婚活動支援事業」 1、結婚活動支援事業を行う目的 近年、伝統的に結婚を促進する機能を担ってきた家庭や地域、職場がその機能を低下さ せる中で、価値観やライフスタイルの多様化により、非婚や晩婚を選択する人が増え、そ れに伴い少子化の傾向が顕著になってきました。しかし、意識調査によれば約9割の人が 「いずれ結婚するつもり」と考えており、4割以上の人が結婚できない理由として「適当 な相手にめぐり合わない」をあげています。この事業はこのように出会いがあれば結婚し たいと考えている人を対象とし、結婚へとつながる出会いの場を提供し交際を深めてもら うことを目的とします。 2、自治体の取り組みについて 男女間の交際や結婚という極めて個人的な判断に基づく現象に行政が積極的に関わろう とする背景には、少子化に伴う人口減少、次代をになう若者の減少に対する危機感があり ます。都道府県や市町村などの自治体でも商工会や農協などと協力して結婚支援事業に取 り組みはじめていますが、運営形態や予算規模、内容など様々です。和歌山県内を見てみ ますと、和歌山市や田辺市、紀美野町、有田川町などですでに取り組みが始められており、 少しずつではありますが、成果も出始めています。 3、かつらぎ町の取り組みについて かつらぎ町の状況を見てみますと、周囲を橋本市、岩出市、紀の川市などの市部に囲ま れており、このような市部への人口流出、特に若者の流出が地域の活気を低下させ高齢化 を加速させてしまうと危惧されています。そこで、この事業を若者の定住政策、少子化対 策の一つとして考え、取り組んでいくことが必要です。また、参加してくれる方に対して かつらぎ町を PR する機会でもありますので、カップルの成立のみにとらわれることなく、 かつらぎ町に興味を持ってもらえるような取組にしていくことが必要と考えます。 4、事業実現に向けての検討項目 運営方法(どのような形で運営をしていくのか) 協議会方式が有力(平成23年度は県の補助金の関係あり) →行政だけではできないので農協や商工会にも参加を促す。 事業主体(どこが中心となって事業を進めていくか) 申込の受付や参加者の個人情報の管理などを行う協議会の事務局をどこに設置するか 予算 協議会参加団体で負担 参加者負担をどこまで求めるか(交通費、宿泊費、食費等) 全体の予算額は、計画の中身(イベント等)を決定後に算出 どの程度の規模のイベントを何回するか(初年度は宿泊1回、日帰り1回程度) 募集方法 使える媒体を使って事業の周知・広報を行う(町や参加団体の広報誌、HP) 会員制にするとイベント参加者が固定される可能性が高いので、イベントのたびに募集 し、人数調整が必要な場合は、以前参加してくれた人に連絡。 男女の募集の時期をずらし、年齢や職業等個人が特定されない情報の一覧を作成。 対象範囲 年齢や職業、居住地等の設定 回によって変えて募集することも検討する 例えば、男女とも30代限定や男性は農業従事者限定等 男性の多い職場、女性の多い職場など普段出会わない人をマッチングするような設定 参加者の選考について 基本的には申し込み順にする。制限が必要なら募集の段階で設ける。 人数(定員) 主な移動手段として貸切バスが想定されるので、1台のバスに乗り切ることが必要(約 30名前後) 1~2名のスタッフが同乗する以外は別の車で移動(参加者に極力接触しない) イベント内容(親交が深まるもの) かつらぎ町内の施設を使ってできる内容であることが必要 ・串柿体験、あんぽ柿体験、フルーツ狩り体験、農作業体験、お菓子作り、町石道散策 (丹生都比売神社付近)、バーベキュー、ソフトバレー、軽い運動(大縄とび等) 夕食時の懇親会、 参加料 どこまで負担してもらうかは全体の予算規模やイベント内容等から考えていく。 →田辺市では大阪の天王寺駅まで送迎のバスを出し、それまでの交通費は出している 参加者には動きやすい服装で、簡単な暑さ寒さ対策をしてもらう(帽子や雨具等) スケジュール 日帰りプランと宿泊プラン 日帰りプランは参加してもらいやすいが、実施可能なイベントも限られ親交を深める時 間が少ないように思われる。また、朝早くからのスケジュールだと遠方より参加を希 望する人が参加しづらいと考えられる。 宿泊プランは親交を深めてもらいやすく遠方からも参加してもらいやすいと思われるが 宿泊施設の確保の問題や予算の問題が出てくる。 →初年度は、宿泊プラン1回、日帰りプラン1回実施。 晴天と雨天の二つのプラン 農作業体験(収穫体験)や町石道を歩く等の野外イベントは、雨天で中止になる可能性 があるのでそのことを前提に計画を立てる。また、農作業体験等をイベントとして組み 込む場合は農繁期を避けるなどの工夫が必要と思われる。 事業実施前に行うこと ・対象者の把握(事業に対する需要調査、参加者の見込み数など) →農業委員会の委員や農協、商工会などの各種関係団体に聞いたり、場合によってはア ンケート調査の必要あり。 ・シュミレーションをする(スタッフの研修やイベントの流れの確認、必要経費の積算) ・イベント協力者との打ち合わせ(農園や使用施設等) ・参加者が希望すればイベント実施前に結婚セミナーの実施 →コミュニケーション講座、ファッション講座等 事業実施後に行うこと ・参加者にアンケートに答えてもらい次回の改善につなげる ・この取り組みが縁でかつらぎ町へ転入してくれる人に対する特典や支援の仕組み 先進地における課題 ・回数を重ねてくると参加者の確保が難しい(特に女性) ・広域的な取り組みの必要性(地域、職域を越えた取り組み)
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