人の心を癒し、笑 顔にする みんなの人 気 者「パロ」 福祉・介護ロボットは、現在どのように活用されているのだろうか。癒し効果のある ロボット 「パロ」 を導入している施設を訪ねた。 階 建ての同 施 設では、各フロ アに一体ずつパロを配している。 ら、認 知 症の症 状を軽 減できない かと考えていたので、 「パロ、パロと 神戸市の北、裏六甲の緑豊かな森 の中に、特 別 養 護 老 人ホーム「 六 階、 階では、 「パロちゃん」 階で 1 声 を 出して呼びかけることで、血 福祉・介護 レポート 編集部 甲の館 」 ( 神 戸 市 北 区 )が あ る。 3 る顔 を 見ていると、こちらまでう れしくなり、癒されます」と話す。 で、清 潔 感がある。現 在、長 期 入 施設内は、明るく開放的な雰囲気 という、認知症におけるパロの事例 る」 「 帰 宅 願 望が軽 減 する」など 液循環が良くなり、元気が出てく 何を飼っていたかなど、アンケート 家族に、本人が動物好きかどうか、 んでいる。導入の際には、入所者の は、 「六甲ちゃん」という名前で呼 し、ほんまに可愛いよ」と穏やかな ぱりわかるんやね。この子は暖かい けたら足 を 上げて喜ぶんよ。やっ ても可愛がっている。 「私が声をか 元 来 動 物 好 きの性 格で、パロをと また、入所者の濱本カズ子さんは、 割の人に を出したそうだ。入所者の好みを 人で、その約 報告を聞いた時に、 「これだ!」と 所者は 思い、すぐに導入を決めた。 じである。多数のセンサーや、人工 い。鳴き声は、本物のアザラシと同 うるんだような目がとても愛らし ほんのり と 暖 か く、長いまつ毛の 姿 をしていている。抱っこすると、 パロは、体長 ㎝、体重約 ・ ㎏でタテゴトアザラシの赤ちゃんの パロの有効活用 不安定な人に渡すと、険しい表情 の納 庄 良 輔さんは、 「 精 神 状 態の う。その効果について、介護スタッフ に、パロを渡すようにしているとい 介 護スタッフが入 所 者の様 子を 見て、不安そうな表情のときなど パロの周りに笑顔が集う きるよう、細かな配慮をしている。 がされればと思います」と話す。 やわらげてほしいので、さらに改良 に入 所 者さんのそばにいて気 分を 起きて停電になったときなど、パロ うだ。溝田さんは、 「もし、地震が 笑顔で話してくれた。 (写真上) 。 知能の働きによって、抱きかかえら がなくなり穏やかになります。ま 時 間でバッテリーが切れるそ 入所者や介護スタッフからも喜 ばれているパロだが、充電式なので、 約 がっていくものと思われる。 3 57 70 9 ピー研究会」に参加した。以前か れると喜んだり、自分の名前を覚 た、パロをなでたり、抱っこして話 さらなる活躍に期待! えて、その名前で呼ばれると反応 非日 常の場 面へと、今 後さらに広 癒し効 果のあるロボットの活 躍 の場は、日常生活から、地震など、 者のみなさんが、にこにこされてい 目に見えて効果があります。入所 把握した上で、効果的な活用がで 認知症の症状がみられる。 3 施設長の溝田弘美さんは、昨年 月、 「パロによるロボット・セラ 2 しかけることで、笑顔になるなど、 5 するようになる。入所者の中には、 2 本当の動物だと思っている人もいる そうだ。 パロを囲んで笑顔で談笑 6 施設長 溝田弘美さん 消費者情報 2015/1(No.458) 14
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