柱梁接合部の新補強工法 (PDF: )

新製品紹介
柱梁接合部の新補強工法
Reinforcement Method of Beam-Column Joint for Steel Structure by Using Unique Steel Parts
Reinforced method for beam-column joint :SMART DIA, SMART BLOCK
建築物の設計では,柱や梁につい
前述の課題を解決するため,日立
異なる柱梁接合部に使用し,内ダイ
て,上部の方が下部よりもサイズの
機材は,柱梁接合部の構成部材とし
アフラムが不要になる。高さが低い
小さい部材を用いて設計することが
て「スマートダイア」と「スマート
梁の下に取り付けることで,鋼管部
多い。その場合,柱梁接合部におい
ブロック」を開発した。これら開発
の面外変形を拘束し,梁からの応力
てサイズ変更が行われるのが一般的
品を用いた新補強工法では,図 2 に
を下階柱へ伝えることができる。こ
であり,鉄骨造建築部の柱梁接合部
示すように柱梁接合部の構造がシン
のため,スマートブロックを用いた
は,図 1 のような構成となる( 以下,
プルになり,設計および鉄骨製作の
柱梁接合部は,内ダイアフラムを用
従来工法)
。建物の接合部には地震
省力化が可能となった。
いた従来工法と同等の剛性および耐
発生時の揺れに伴い大きな応力が作
スマートダイアはテーパ管を用い
力を有する( 図 4)。
用する。下階より上階の柱サイズが
ることなく汎用性の高い傾斜のない
スマートダイアとスマートブロック
小さくなる場合,柱梁接合部には上
鋼管と組み合わせることで柱梁接合
を用いることでテーパ管と内ダイア
下方向に傾斜のある鋼管
(テーパ管)
部を形成する。スマートダイアには,
フラムの製作が省略できるため,鉄
を用いる。また,梁の高さが異なる
上下の柱サイズの違いによる面外曲
骨の製作時間を大幅に短縮すること
場合には,梁が取り付く鋼管部の面
げ変形を起こす力が発生するが,ス
ができる
(従来工法と比較してスマー
外変形を抑制するための鋼板
(以下,
マートダイア下面に設けられた面外
トダイアでは約 4 割,ス マ ー ト ブ
内ダイアフラム)を鋼管の内側に溶
曲げ変形防止用リブの効果により,
ロックでは約 3 割短縮)
。スマート
接する。このように,サイズの異な
テーパ管を用いる従来工法と同等の
ブロックとスマートダイアの併用も
る柱や梁を接合する従来工法は,設
耐力と剛性を確保した( 図 3)。
可能であり,建築物の建設工期短縮
計や鉄骨製作が複雑となる。
スマートブロックは,梁の高さが
が期待できる。
( 日立機材株式会社)
Upper story column
Through diaphragm
SMART DIA
Tapered column
Upper
side
Beam: small size
Beam: large size
SMART BLOCK
Rib for restraining
out-of-plane deformation
Internal diaphragm
Lower
side
Through diaphragm
Lower story
column
図 1 柱梁接合部従来工法
Fig. 1 Conventional method of beam-column joint
200
Beam
Pin
Lower column
Load
Displacement
図 2 スマートダイアとスマートブロックを用いた柱梁接合部
Fig. 2 Beam-column joint used SMART DIA and SMART BLOCK
Stiffness
0
Roller
-100
SMART DIA
Tapered column
-200
-200
-100
0
100
200
300
Displacement of beam (mm)
図 3 スマートダイアを用いた柱梁接合部と従来工法の比較
( 荷重−梁変位関係)
Fig. 3 Comparison of beam-column joint used SMART DIA and
conventional (load-displacement of beam relationship)
56
日立金属技報 Vol. 31(2015)
30
Beam
Strength
100
-300
-300
50
Upper column
Pin
Lower column
Load
Displacement
Load (kN)
300
Pin
Load (kN)
Upper column
Straight column
Strength
10
0
-10
Stiffness
-30
-50
-20
SMART BLOCK
Internal diaphragm
-10
0
10
20
30
Displacement of column (mm)
図 4 スマートブロックを用いた柱梁接合部と従来工法の比較
( 荷重−柱変位関係)
Fig. 4 Comparison of beam-column joint used SMART BLOCK
and conventional (load – displacement of column relationship)