カルテ①:鶴岡地域における現況とニーズの整理 人口動態 公共交通の利用及び収支状況(路線別) ○運行回数は「鶴岡(水沢口・漁港前)三瀬」「鶴岡(水沢口)温海」「鶴岡(荘内病院) 物産館」が0.5回と低くなっている。 ○「鶴岡~庄内空港(リムジン)」は公費負担のない黒字路線であり、それ以外の路線 は公費負担がある赤字路線となっている。 ○人口は減少傾向である。 ○一方、高齢化率は増加傾向である。 ○人口の約75%を占める65歳未満のうち、頻度の高い外出目的は「通勤・通学」が最 も多く27.0%を占め、次いで「買い物」が10.9%となっている。 バス運行路線図 ○鉄道は羽越本線の鶴岡駅、羽前大山駅、羽前水沢、三瀬駅、小波渡駅がある。 ○バスは34路線あり、鶴岡駅を中心にクモの巣状に運行されている。 ◆人口3区分 及び高齢化率 の推移 (資料:国勢調査) ◆頻度の高い 外出目的の割合 通勤・通学 買い物 通院 娯楽 その他 不明 27.0% 57.2% 10.9% 1.0% 3.6% 0.3% 主な目的施設と公共交通空白区域図 N=304 地域内の人の動き (資料:H22市民意向調査(65歳未満)) ○現状の路線バスの路線網は主な施設へのアクセス性が確保されている。 ○人口が分布している上で公共交通空白域となっていた西郷地区では、ボランティア 輸送活動の実証運行を実施している。 住民ニーズ(市民アンケート調査結果) ○路線バスに対する不満点は、「利用したい行先や時間帯にバスが運行していない」が28.5%となっている。 ○一方、「バスを利用しないので分からない」が49.4%と最も多く、路線バスの利用率は低い。 ○路線バスに対する今後のあり方は、65歳未満と65歳以上で「現状なみの負担で、現在の公共交通を維持する」 が最も多くを占めている。 ○通勤・通学、買い物、通院において、鶴岡地域が主な行先となっている。 ≪通勤・通学≫ 公共 交通 空白 域 0.0% 鶴岡 不明 4% ◆路線バスに対する不満点 市外 12% 63% 市内 84% 不明 6% N=82 温海 羽黒 藤島 1% 櫛引 7% 4% ≪買い物≫ 3% 不明 15.2% 鶴岡 市内 72.7% 78.8% 不明 市外 ≪通院≫ 不明 33.3% 市内 66.7% N=3 (資料:H22市民意向調査(65歳未満)) 28 3.0% 6.1% N=33 鶴岡 66.7% 藤島 3.0% 利用したい行き先や時間帯にバ スが運行していない 路線や運賃がわかりにくい 自宅からバス停が遠い 別のバスやJRとの乗り継ぎがむ ずかしい(乗り換えるバスがわか 時間通りに来ない 運賃が高い バス停に椅子や日よけがない バス停を利用するときに交通安全 上の危険を感じる その他 バスを利用しないのでわからない 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% (%) 28.5% 12.2% 11.2% 12.8% 12.5% 6.3% 5.5% 6.0% 12.8% 24.0% 4.7% 49.4% 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 45.1% MA=864 N=635 5.2% ◆路線バスに対する改善要望 運行ルートの見直し(分かりやす く、行きたいと思うところを通るな 外出する時間帯の便数の増加 バス停の改善(位置の変更・箇所 の増加、ベンチ設置など) バスの乗り継ぎを良くする JRやバスとの乗り継ぎ割引など、 お得で簡単な運賃設定 事前予約制による、路線や時間を 気にせず利用できるデマンド型運 高齢者向けの車両の導入(乗り降 りしやすい床の低いバスの導入な その他 路線バスについて詳しく知らない ので、分からない 路線バスは利用しない ◆路線バスの今後のあり方について 100.0% N=304 (資料:H22市民意向調査(65歳未満)) 100.0% (%) 18.0% 17.8% 24.1% 7.4% 14.6% 10.6% 4.6% 5.4% 9.9% 35.3% 13.1% 21.4% 0.0% 20.5% 31.8% 市の負担を増やしてでも、公 共交通を今以上に充実する 現状なみの負担で、現在の 公共交通を維持する 公共交通の縮小もやむを得 ない その他 不明 MA=853 N=635 (資料:H22市民意向調査(65歳以上)) 市の負担を増やしてでも、公 共交通を今以上に充実する 現状なみの負担で、現在の 公共交通を維持する 公共交通の縮小もやむを得 ない その他 不明 N=635 (資料:H22市民意向調査(65歳以上)) カルテ②:鶴岡地域の課題の解決に向けた方針と対策 問題点・課題 【問題点】 既存のバス路線、車両が分かりにくく、かつ非効率な運行体制となっている。 ↓ 【課 題】 現在運行している、各方面のバスの運行形態や行き先を再整理、分かりやすい運行形態に変えること、 住民や観光客が、利用したいバスを、スムーズに利用できるよう案内の充実を図る。 • • 市内バスは、鶴岡駅・エスモールが起終点と なっているが、各バス案内の統一性がない。 地域には、著名な観光拠点が複数存在するが、 案内や運賃が不統一で利用しにくい状況と なっている。 ▲鶴岡駅前 ▲エスモール 【問題点】 地域住民は、マイカーへ依存をしている状況にある。 ↓ 【課 題】 周辺地域から中心部へ多くのバス路線が最寄りにあるにも係わらず、「利用したことがない、利用の仕方を 知らない」 等の住民が多いため、公共交通のPRを強化し、公共交通の利用促進を図る必要がある。 • 地域内は、放射状に路線バス網が整備されているが、マイカー利用が多く、公共交通が活用されていない。 • 住民の中には、最寄りにバス停が設置され、バスが利用可能にも係わらず、バス利用経験が殆ど無く、認知され ていないことが多い。 【問題点】 市街地の郊外化や中心市街地の衰退により、バスが利用しにくい状況となっている。 ↓ 【課 題】 地域住民の目的地や交通アクセスに関するニーズ、地域のまちづくり計画との関連性など 地域のまちづくりと一体になった運行体制や運行計画の見直しが必要である。 • 地域は、市内の中核的役割を担っているが、中心部の人口が年々減少し、中心市街地の衰退が著しい。 • 中心部では、観光・商業・学術など、多様な産業振興を図り、地域内外の人を招き入れる街づくりを目指している。 【問題点】 地域内に公共交通不便地区が存在し、今後高齢化により、移動制約者が増えていくことになる。 ↓ 【課 題】 新たにバス路線を運行することが困難な状況が想定される中で、地域住民の足を確保するため、 新たな公共交通システムの導入について、検討が必要である。 • 公共交通空白地域となっていた西郷地区では、現在実証運行を実施しているボランティア輸送活動の本格運行 を目指している。 方針① 既存公共交通体系の見直し 対策メニュー(案) ■既存路線の活用による、効率的な運行への見直し・分かりやすく利用しやすいバス ○メニュー1: 鶴岡駅と各地域を繋ぐ路線バスの幹線化、その他路線の枝線化等による、既存バスの階層化。 ○メニュー2: 市内循環線など、中心部エリアの利用者ニーズに合った運行時間、停留所等の改善。 ○メニュー3: 地域内外の目的バスとの連携による効率的な運行。 ○メニュー4: 既存バスの乗り場案内、時刻案内、目的地別のカラー化など、分かりやすいバス案内の実施。 ○メニュー5: 地域主体によるボランティア輸送の本格運行。 ■地域とのタイアップ・バス利用促進に向けたPR ○メニュー6: 地域住民、学校、観光施設、地元商店街などとの連携による、地域一帯となったバス利用の促進。 ○メニュー7: 通勤・通学、通院、買い物等の住民需要、市内観光施設等の観光需要のバス利用促進、需要の掘りおこし。 ○メニュー8: 地域住民、観光目的来訪者のバス利用を促す、モビリティ・マネジメント(MM)の実施。 幹線バス 枝線バス バス停が遠く、公共交通 利用が不便な地域。 (利便性を高め、利用促進を図る) (運行効率化や新たな手段等によ り幹線乗継拠点へアクセスする) • 商業施設シャ トルバス運行 (4往復/日) 西郷地区ボランティア 輸送活動の本格運行 主な目的バス (公共交通としての活用可能性を 検討) 新たな交通手段 観光拠点 (新たな交通手段により、不便の改 (湯野浜温泉) 観光拠点 (加茂水族館) ※(共通) バスの利便性を高め、利用 促進を図る。 ※周辺地区と市街地を繋ぐ 幹線バス沿線地区は、利便 性を高め、利用促進を図る。 循環バスの需要拡大、 効率運行化。 対策方針(案) ■ 既存路線の活用による、効率的な運行への見直し ・現在、地域内で運行している、民営バス、市営バス、その他施設の目的バスなどを、地域の公共交通として 総合的に捉え、効率的で利便性の高まる運行形態に見直しを図る。 ・公共交通空白区域における、新たな公共交通システムの導入について調査、検討する。 方針② 公共交通を分かりやすく利用できるシステムの構築 スクールバスの対応策 ※(共通) ■ 分かりやすく、利用しやすいバス ※(共通) ・現在、運行しているバスについて、目的地への案内や行き先をイメージできるような案内など、 利用者が迷わずに乗りたいバスに乗車できる環境を整備する。 方針③ まちづくりとバスの連携 ■ 地域とのタイアップ ・地域住民の日常的なバス利用のほか、地域の観光拠点や商業施設などを訪れる地域内外の来訪者が バスを活用できるような、地域内での仕組みを構築する。 方針④ 公共交通利用に対する市民意識の醸成 ■ バス利用促進に向けたPRと体制の構築 ・地域住民が、毎日の通勤・通学や買い物、通院など、様々な目的で利用可能なバスを選択できるような、 啓発を行う。また、地域ぐるみで公共交通の利用促進が図られるような体制の構築を目指す。 スクールバスは、基本的に現ルートを維持、可能 な範囲で、路線バスの統合や効率運行を行う。 29 商業施設 (イオン三川)
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