第4回演習問題

5.データ作成・構築
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SIMA データ変換
解説
[変換ツール(国内データ):SIMA] 機能を使用し、"測量データ 共通フォーマット"からデータへの変換することができ
ます。
■例題
SIMA データの変換フォルダ内の、SIMA 変換.mxd を ArcMap で開きます。
花野路3丁目のシーマファイルからデータに変換してみましょう。
■手順
1.
[ArcToolbox]
- [変換ツール(国内データ)] - [SIMA]
- [SIMA→ジオデータベース]で
変換ツールが開きま
す。
2.
SIMA データの変換フォルダから
入力 SIMA ファイルに,"花野路3丁目.sim" 、
出力ジオデータベースに、"
"を選択し、
[追加]をクリック、空間参照を、公共座標日本測地系2系
を設定します。
3.
[データ追加]から"SIMA.gdb" 内の4つのファイルを
選択し、追加をクリックします。
4.
画面を拡大して、基準となる[基本図]との整合性を見てみまし
ょう。
5.
コンテンツウィンドウの"花野路 3 丁目 D00"にカーソルを合
わせ右クリック、[属性テーブルを開く]から
属性テーブルを開きましょう。次に、属性名:CHIBAN
を使ってラベル表示をします。
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6.
SIMA データから GIS データが作成される過程を見てみ
ましょう。コンテンツウィンドウの"花野路 3 丁目 A01"
にカーソルを合わせ右クリック、[属性テーブルを開く]
か ら 属 性 テ ー ブ ル を 開 き ま し ょ う 。 CHIBAN が 、
[12-114](画面の中心付近になります。)付近を拡大しまし
ょう。
7.
"花野路 3 丁目 A01"の属性:PNTNO をラベル表示します。
CHIBAN[12-114]は、ポイント,875,827,828,876,857,858,859
で構成されています。(右回り)
8.
ワードで、"花野路3丁目.sim"を開きます。SIMA ファイルは、
前半にポイント情報、その後に画地情報が保存されています。
[検索と置換]機能を使って CHIBAN[12-114]の情報を検索します。
CHIBAN
Start
右
回
り
End
■演習問題(回答 p.110)
■ 演習1
ex_01 フォルダ内の演習1.mxd を ArcMap で開きます。八幡西区則松地区の"北九州市基本図_2500:日本測地系"が表
示されます。"画地.sim"には「八幡西区永犬丸土地区画整理事業:完成 2003 年」の完成図書が保存されています。
"北九州市基本図_2500"は、航空測量成果から図化するため、現況が変わっても直ちに修正ができません。そこで、
"画地.sim"]データから現況データを作成し、"北九州市基本図_2500"が完成するまでの暫定処置として対応します。
ヒント:2003 年完成ですが XY 座標は日本測地系で作成されています。
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位置情報データから作成(XY データ変換)
■例
[XY データの追加] 機能を使用し、座標含む表形式データをポイントデータへ変換することができます。
GIS:Y 座標
GIS:X 座標
テーブル データの
X 座標と Y 座標の
情報からポイント
データのレイヤを
作成できます。
***測量成果のデー
タは、規定により
北方向が X 座標に
なりますので注意
しましょう。***
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■例題
位置情報データから作成フォルダ内の、地質調査地図.mxd を ArcMap で開きます。
地質調査平面図.xls ファイルの[各測点一覧表]からポイント データに変換してみましょう。
■手順
1.
地質調査平面図.xls をエクセルで開きます。
表:[各測点一覧表]を選択し、新しいエクセルにコピーします。
(A 列、1行に)
2.
点名が日付になっていますので正しい名称に変更します。
座標名称 X を Y に、Y を X に変更します。
列:標高(T.P)及び空白の行を削除します。
名前を付けて保存で、"地質調査座標データ"名で保存します。
3.
ArcMap を開きます。
[ファイル] - [データの追加] - [XY データの追加]で[XY データ
の
追加] ダイアログが開きます。
[マップからテーブルを選択または他のテーブルを参照]の
をクリックし、2で作成した"地質調査座標データ"を追加しま
す。エクセルデータは、右図の様に
表示されますので、Sheet1$を追加します。
次に、座標を以下のように設定します。
4.
X フィールド
:
X 座標
Y フィールド
:
Y 座標
エクセルデータに[※世界測地系Ⅱ系]と記載されていますの
で[入力座標の座標系] の [編集] から
"
"を選択します。
すべての入力を確認し、[OK] をクリックします。
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5.
「テーブルにオブジェクト ID フィールドがありませ
ん」というメッセージが表示されます。
これは、入力した XY 座標で正しい GIS データが出来
ていることを確認した上で、GIS データとして必ず
保存する必要がありますと書かれています。
6.
"Sheet1$イベント"データを確認しましょう。
[データの追加]
で、"基本図_65E"ファイルを追加
します。"Sheet1$イベント"データに[点名]をラベル表
示します。
地質調査平面図.xls ファイルの位置図と照合しましょう。
[Sheet1$イベント]
地質調査平面図.xls
7.
[Sheet1$イベント]データが、正しく出来ていますので、
GIS データとして出力しましょう。"Sheet1$イベント"データ
にカーソルを合わせ、右クリック、[データ] - [データのエキス
ポート]、出力フィーチャクラスで[地質調査図]名で保存します。
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■演習問題(回答 p.111,112)
■ 演習1
ex_01 フォルダ内の演習1.mxd を ArcMap で開きます。日本の都道府県の境界ポリゴンが表示されます。同じフォル
ダの Tokurei.csv には全国特例市の XY 座標が記録されています。このデータからポイント データを作成しましょう。
ヒント:XY 座標の座標系は JGD2000 を指定します。
■ 演習2
ex_02 フォルダ内の演習 2.mxd を ArcMap で開きます。メッシュが表示されます。各メッシュの中心の X,Y 座標を計
算後、XY データをポイント表示させましょう。
ヒント 1:各メッシュの中心 X,Y 座標の計算は、[ジオメトリ演算] を使用します。
ヒント 2:メッシュの属性テーブルから直接 XY データを表示できません。
属性テーブルの [オプション] → [エクスポート] で一旦テーブルに変換し、再度 ArcMap に追加します。
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CAD データ変換
■解説
CAD データは、ファイル内での相対精度は持っていますが、任意の縮尺及び方位で作成されています。ただし、ベク
トルデータですから座標により、ラインデータ等へ変換することができます。
CAD データと GIS データの構造の違い
GIS データ
CAD データ
ポイント、ライン、ポリゴンに分かれてい
ポイント、ライン、ポリゴンに分かれてい
ます。レイヤは1つ(1ファイル)
ます。レイヤは3つ(3ファイル)
■例題
CAD データの変換フォルダ内の、CAD データの変換.mxd を ArcMap で開きます。
■手順
1.
[データの追加]
で、"Campus.dxf"ファイルを追加します。
コンテンツウィンドウに"Campus.dxf"のデータは表示されていますが
画像は表示されましたか?
2.
[ツールバー] - [全体表示]
中央に表示されましたか?
3.
をクリックします。"Campus.dxf"が
"街区データ"は、どうなったでしょう。
データの変換を行います。CAD:"Campus.dxf"と GIS:"街区データ"の
共通ポイントを2点決めます。(対角線で選びます。)
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4.
共通ポイントを下図の様に選び、それぞれの座標を読み取ります。
CAD
GIS
×
2
×
1
1
5.
取得した座標から CAD データを変換します。コンテ
ンツウィンドウで"Campus.dxf Polyline"にカーソル
を合わせ、右クリック、[プロパティ]から[レイヤプロ
パティ]を開きます。
6.
[座標変換を有効にする]にチェックを入れ、[変換方法]
で[座標値]を選択します。
7.
前後の座標値を下表のとおり入力し、OK をクリック
します。
CAD
GIS
1
2
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2
ジオリファレンス(位置参照)
■解説
地理参照情報が記録されていないラスタ データをベクトル データ(GIS データ)と重ね合わせると位置が合いませ
ん。そこで「ジオリファレンス」という作業を行い、参照データ(この例では町丁目境界のベクトル データ)の座標
系に一致させるようにラスタ データの幾何学的な補正と地理参照情報(座標系)の付与を同時に行います。
■例題
ジオリファレンス(位置参照)フォルダ内の、ジオリファレンス.mxd を ArcMap で開きます。
ラスタ データをジオリファレンスして、ベクトル データと重ね合わせましょう。
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■手順
1.
幾何補正を行うために、[ジオリファレンス] ツールバーを呼び出します。
[カスタマイズ] メニュー → [ツールバー] → [ジオリファレンス] をク
リックします。
2.
参照するラスタ:"花野路.jpg"を、[データの追加]
3.
ラスタには座標値がないため、ビュー画面には表示されていません。
で読込みます。
[ジオリファレンス]ツールバーの[表示範囲にフィット]をクリックし、
ラスタとベクトル(町丁目境) を並んで配置させます。
4.
ラスタをベクトルにマッチさせるためのポイント(コントロールポイン
トと呼びます)を検討します。ポイントは、ラスタの歪が出ないように
均等に配置します。
5.
この例題では、交差点等に5点を図-1 の様に配置しましょう。
[ジオリファレンス] ツールバーの [コントロールポイントの追加] ボタン
をクリックします。
ラスタのポイントでクリック、位置合わせ先のベクトルでクリックします。
ポ
定
設
の
ト
ン
イ
ポ
定
設定
の設
トの
ント
イン
ポイ
1
了
完
目
点
1
了
完了
目完
点目
1点
図-1
残りの4点も同様の処理を行いましょう。
6.
コントロールポイントを取得したら [ジオリファレンス] ツールバーの [ジオリファレンス] → [ジオリファレン
スの更新] をクリックし新しい画像を作成します。
[ ■演習問題 (回答
p.113,114)
■演習1
ex_01 フォルダ内の演習 1.mxd を ArcMap で開きます。Campus2 CAD データをジオリファレンスしましょう。
■演習2
ex_02 フォルダ内の演習 2.mxd を ArcMap で開きます。
「登記情報サービス」で購入した[小倉南区吉田にれの木坂一丁
目 850-102]付近の地番対応図をジオリファレンスしましょう。
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既存のデータから色々なデータの作成
■解説
新しく色々な GIS データを作成するには、ソフトの選択、初期設定、データ編集、境界線の確認など、ワードやエク
セルに馴れている GIS 入門者にとっては必要な設定等が非常に難しいと言われています。
ArcCatalog
使用するソフト
初期設定
ファイル Type
Geodatabase,Shape
ファイル型式
ポイント、ライン、ポリゴン
ファイル容量
整数、小数、文字数
座標系
公共座標、緯度経度
境界線
重複、隙間
■例
下図を参考にして
①
土地利用図(宅地、道路) ②
花野路 1 丁目 10,11,19,20 の街区
③
ナフコの建物2棟
を既存データから作成しましょう。
建物現況図
街区図
土地利用図
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■例題
既存データから作成フォルダ内の既存データ.mxd を ArcMap で開きます。
■手順
1.
[ツール]バーの[フィーチャ選択ボタン]
をクリックし、"町丁目境界"
データの「花野路 1 丁目」を選択します。
2.
コンテンツウィンドウの"花野路 1 丁目"にカーソルを合わせ右クリック、
[データ] - [データのエキスポート]で、[既存データから作成]フォルダを選択
します。ファイル名は、初期値"Export _Output.shp"のままで[保存]します。
[マップにレイヤとしてエクスポートデータを追加しますか?]で、[はい]を
クリックします。
3.
"町丁目境界"は、右クリックで、ビュー画面から[削除]します。
4.
最初に、"土地利用"を作成します。対象:宅地と道路とします。
参照する画像"花野路.JPG"を,[データ追加]で[ジオリファレンス(位置参照)]フォルダから追加します。
コンテンツウィンドウの"Export _Output.shp" にカーソルを合わせ右クリック、
[データ] - [データのエキスポー
ト]で、[既存データから作成]フォルダを選択します。ファイル名を、"土地利用.shp"で保存します。
5.
GIS データを直接加工・修正するときは、[エディタ(データ編集)]ツールで行います。
[エディタ] - [編集の開始]をクリックします。[編集ツール]
選択後
を選択し、
「花野路 1 丁目」ポリゴン内でクリックします。選択された部分は、水色に
変わります。
6.
今回は、大きなポリゴンから[ポリゴン切断ツール]
で画像[花野
路.JPG]を参考にして道路などを作成します。
7.
主な[ポリゴン切断]の方法は、以下の3種類になります。
基本操作 →
直
始点でクリック:赤
線
終点でダブルクリック:青
四
角
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曲
線
8.
ポリゴン切断によって作成した「花野路 1 丁目 10、11、19、20」以
外の部分は、[編集ツール]
で選択し、[削除](keyboard の
Delete キー)します。
[エディタ] - [編集の終了] - [保存]をクリックし、データを保存します。
9.
不要な属性(OBJECTID,K_NAME2,HEAD_NAME,Shape_Leng
,Shape_Area)を削除します。
コンテンツウィンドウの"土地利用"にカーソルを合わせ右クリック、
[属性テーブルを開く]をクリックします。
[OBJECTID]にカーソルを合わせ右クリック、[フィールド削除]を選択します。
「警告」がでますが、[はい]をクリッ
クします。K_NAME2,HEAD_NAME,Shape_Leng,Shape_Area についても同様の処理をします。
10. 土地利用を入力するための[属性フィールド]を追加します。
[テーブルオプション]
をクリック、[フィールドの追加]をクリ
ックします。名前:土地利用, タイプ:TEST, 精度:10 を入力します。
"道路"を入力します。[ツールバー] - [フィーチャ選択]ボタン
を選択し、
道路部分をクリックします。
11. 属性で選択された"行"が[道路]になりますので。ここに[道路]を入力します。
属性フィールド:土地利用にカーソルを合わせ、右クリック、[フィールド演
算]を選択します。
土地利用="道路"
文字は、
"
ダブルクォーテーション (二重引用符)
で囲みます。
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12. 次に「宅地」を入力します。
道路でないところが宅地になりますので、[選択]:道路を切り替えます。
[テーブル] - [選択セットの切り替え]を
クリックします。
属性フィールド:土地利用にカーソル
を合わせ、右クリック、[フィールド演
算]を選択します。
土地利用="宅地" と入力して、
OK ボタンをクリックします。
このままで、コンテンツウィンドウの"土地利用"にカーソルを合わせ右クリック、[データ] - [データのエキスポー
ト]をクリックします。[既存データから作成]フォルダを選択し、ファイル名を、[街路.shp]で保存します。
13. 次に、
「街区」を作成します。対象:花野路 1 丁目 10、11、19、20 とします。
コンテンツウィンドウの"街区"にカーソルを合わせ右クリック、[属性テーブルを開く]をクリックします。
街区番号を入力するための[属性フィールド]を追加します。
[テーブルオプション]
をクリック、[フィールドの追加]をクリックします。名前:街区番号,
タイプ:Short Integer, 精度:4 を入力します。
入力する「街区番号」を確認できるように、[ラベル表示]で[街区番号]を設定します。
14. [ツールバー] - [フィーチャ選択]ボタン
を選択し、画像の街区番
号 19 を選択します。ここに[街区番号]を入力します。
属性フィールド:街区番号にカーソルを合わせ、右クリック、
[フィールド演算]を選択します。
街区番号=20 と入力して、OK ボタンをクリックします。
続いて、19,11、10 を入力しましょう。
15. 最後に、「建物:ナフコの建物2棟」を作成します。
[ツールバー] - [フィーチャ選択]ボタン
を選択し、街区番号
10 を選択します。これから「建物データ」を作成します。
コンテンツウィンドウの"街区"にカーソルを合わせ右クリック、
[データ] - [データのエキスポート]をクリックします。[既存データ
から作成]フォルダを選択し、ファイル名を、[建物.shp]で保存し
ます。
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16. 建物:ナフコとナフコ西若松店資材館を,[ポリゴン切断ツール]で
画像"花野路.JPG"を参考にして作成します。
17. GIS データを直接加工・修正するときは、[エディタ(データ編集)]ツ
ールで行います。
[エディタ] - [編集の開始]をクリックします。[編集ツール]
を
選択し、
「街区 10」ポリゴン内でクリックします。選択された部分は、
水色に変わります。
18. 今回は、大きなポリゴンから[ポリゴン切断ツール]
で画像"花野
路.JPG"を参考にして,建物2棟を作成します。
基本操作
→
直
始点でクリック:赤
終点でダブルクリック:青
四
線
角
曲
19. ポリゴン切断によって作成した「ナフコ、ナフコ西若松店資材館」以外の部分は、[編集ツール]
[削除](keyboard の Delete キー)します。
[エディタ] - [編集の終了] - [保存]をクリックし、データを保存します。
*** 建物を正確に入力するには、[パラメータ入力]を使用します。
20. コンテンツウィンドウの"建物"にカーソルを合わせ右クリック、
[属性テーブルを開く]をクリックします。
[建物番号]、[建物名称]、[建築面積]を入力するための[属性フィー
ルド]を追加します。[テーブルオプション]
をクリック、
[フィールドの追加]をクリックします。
① 名前:建物番号,タイプ:Short Integer, 精度:4 を入力します。
② 名前:建物名称,
タイプ:Text, 精度:30 を入力します。
③ 名前:建物面積,
タイプ:Double, 精度:8、小数点:1 を
設定します。建物番号は、2棟共1、建物名称を、ナフコ、ナフコ
西若松店資材館と[フィールド演算]を使って入力しましょう。
- 55 -
線
で選択し、
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