25 Gbit/s/ch 高速伝送用ダイレクトアタッチケーブル (PDF: )

新製品紹介
25 Gbit/s/ch 高速伝送用ダイレクトアタッチケーブル
Direct Attach Cable for 25 Gbit/s/ch Transmission
®
Direct attach cable: OMNIBIT QSFP28 DAC
データセンターやスーパーコン
差動信号伝送ケーブルを使用した
めたことで( 図 3)
,スキュー( 信号
ピューターでは複数の情報通信機器
ハーネス)を開発した( 図 1)。
の遅延時間差)を低くし,ノイズ影
を接続するケーブルが用いられてい
差動信号伝送とは,2 本の信号線
響を軽減できることである。また,
る。2014 年現在の主流は 1 チャネ
導体に互いに逆位相の電流を流し,
ケーブルのシールドテープは縦添え
ル,1 秒間あたりの伝送容量 10 ギ
受信端側での両者の電位差を利用し
巻き構造とし,従来ケーブル( 横巻
ガビット(10 Gbit/s/ch)のケーブル
て信号伝送を行う方式である。2 本
き構造)で発生していた長手方向の
であるが,今後 1 ∼ 2 年内に 25 ギガ
の信号線導体を同位相で流れるノイ
周期的なシールドテープ導体不連続
ビット(25 Gbit/s/ch)の信号伝送機
ズ電流成分を打ち消す方式であるこ
に起因する信号成分の急激な減衰
器が普及し始める見込みである。こ
とから,ギガビット級の信号伝送を
( サックアウト)をなくした。図 4 に
れに用いられるラック内および隣接
必要とする情報通信機器で広く採用
ケーブル長 5 m での減衰量を示す。
ラック間の配線材として,低損失か
されている。
今回開発したダイレクトアタッチ
つ低スキュー特性を持つ差動信号伝
本開発品のケーブルには,導体
ケーブルについて,25 Gbit/s/ch の
送用メタルケーブルが所望されてい
二芯を一括押出した構造である
信号伝送に十分な低損失,低スキュー
®
る。日立金属は,この要求に対応し
OMNIBIT ケ ー ブ ル を 採 用 し た
た 4 チャネルダイレクトアタッチ
( 図 2)
。このケーブルの特長は,差
ケ ー ブ ル「QSFP28 DAC」
(DAC:
動ペアをなす芯線間の電磁結合を強
(a)
(b)
特性を確認し,2013 年 11 月に上市
した。
( 電線材料カンパニー)
(a)
Jacket
(b)
Cigarette-folded
shield tape
Binder
tape
Helically-wrapped
shield tape
Drain wire
Core
(OMNIBIT®
cable)
Insert
connector
9.1 mm
Dielectric
Dielectric
Conductor
Conductor
100 mm
®
図 1 ダイレクトアタッチケーブル(OMNIBIT QSFP28 DAC)
(a)
外観
( ケーブル長 3 m)
(b)
断面構造
(8 芯
(4CH × 送受信)
)
Fig. 1 Direct attach cable (OMNIBIT ® QSFP28 DAC)
(a) appearance (cable length 3 m) (b) cross-section (8 cores
(4CH x send and receive))
(a)
図 2 ケーブルの構造比較(a)OMNIBIT ® ケーブル(b)従来ケー
ブル
®
Fig. 2 Comparison of cable structure (a) OMNIBIT cable
(b) conventional
0
Strong
Strong
(b)
Weak
Attenuation (dB)
Electromagnetic coupling
between core cables
-10
-20
-30
-40
-50
-60
0
10
20
30
40
Frequency (GHz)
Weak
®
図 3 電界分布図シミュレーション比較(a)OMNIBIT ケーブル
(b)従来ケーブル
Fig. 3 Electric field simulation (a) OMNIBIT ® cable
(b) conventional
図 4 OMNIBIT ® ケーブルの減衰量( ケーブル長 5 m)
Fig. 4 Attenuation of OMNIBIT ® cable (cable length 5 m)
日立金属技報 Vol. 31(2015) 57