「地震・津波観測監視システム(DONET2)」の構築

「地震・津波観測監視システム(DONET2)」の構築
○川口勝義(海洋研究開発機構)
,荒木英一郎・横引貴史・崔鎭圭・西田周平・松本浩幸・
木村俊則・町田祐弥・大木健・岡林功,小寺透・樋泉昌之(日本海洋事業)
海洋研究開発機構が 2010 年度から開発してきた紀伊水道沖の「地震・津波観測監視システム
(DONET2)」は、2013 年度末までに北側セクションの基幹ケーブル敷設と 3 台の拡張用分岐装置(ノー
ド)ならびに 1 観測点の起動を完了した。2014 年度はひきつづき南側セクションの基幹ケーブル敷設
とノードの設置ならびに観測点の構築を実施した(図 1)
。南側セクションの室戸陸上局~終端装置 2D
付近までの約 350km の基幹ケーブルは、2014 年 9 月~10 月にケーブル敷設船により敷設された。この
基幹ケーブル敷設工事により、基幹ケーブルの陸揚げ、5 台の伝送中継器、そして分岐装置と終端装置
それぞれ 4 台の敷設を実施して、DONET2 の全基幹ケーブルシステムを設置した(図 2)
。基幹ケーブル
敷設工事につづき、11 月に地震計埋設設置のための海底ケーシング設置、9 月と 11 月に「ハイパード
ルフィン」によるノード設置ならびに 5 観測点の起動を実施した(図 3)。2015 年 1 月現在、DONET2
は全 29 観測点のうち 6 観測点が起動している。また ROV による観測点構築作業の効率化を目指して展
張装置の自動化を進めており、今回、6 観測点の構築において自動展張作業を実施し安定した操作性を
確認したことで、実運用に供せることを証明した。さらに海底ケーシング設置が困難な底質を持つ観
測点に対しては、ROV に搭載したバイブロハンマーによる海底ケーシングの設置技術を新たに開発し適
用を進める。本発表では 2014 年度に実施した海域作業について報告するとともに、2015 年度末までに
完成を目指す、DONET2 ならびに DONET1 の追加 2 観測点を含む全 31 観測点の今後の構築計画について
紹介を行う。
図2
図1
室戸陸上局への基幹ケーブル陸揚げ
DONET2 運用状況 (2015 年 1 月現在)
図3
ROV による DONET2 観測点構築作業