第4回 原子力事業所安全推進セミナー 主旨: 「原爆被爆国の経験と福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた、原子力に関して 安全を最優先に考えることが出来る人材育成を行う。」を理念として、本セミナーを開催す る。このため、原子力に関係する事業所の実務者を対象にして、リスク管理および危機管 理に関する、意識の高揚、知識および技術体系の強化および高度化、ならびにこれらの実 践行動力の推進を図ることを目的にする。このことの実現化に向けて、自然科学および人 文社会科学が融和した、リスク管理の基盤、静電気火災対策、リスク認知および法令遵守 についてのセミナーとする。 日時:平成 27 年 2 月 10 日(火)10:00-16:40 場所:東北電力 東通原子力発電所 〒039-4293 青森県下北郡東通村大字白糠字前坂下 34 番 4 内容(プログラムと要旨を参照) : 総合司会;王 晋民 千葉科学大学 セミナー; 1「リスク管理における基盤的素養―本質安全技術―」長谷川和俊(名古屋大学) 2「静電気火災の発生メカニズムと安全対策」田村裕之(消防研究センター) 3「専門家と一般市民のリスク認知の相違点」岡部康成(浜松学院大学) 4「法令遵守の心理学」王晋民(千葉科学大学) 意見交換会(関係者のみの参加となります。 ) 参加費:無料(定員 100 名になり次第、締め切らせて頂きます。 ) 主催等(予定を含む) : 主催;名古屋大学、千葉科学大学 協賛;日本原子力産業協会 申し込み方法:参加のご希望は、①氏名、②所属、③連絡先住所、④Tel/Fax 番号、⑤E-mail、 の5項目を記載の上、下記に Fax または E-mail で「セミナー参加」と題記して、お申し込 み下さい。聴講申込者へは整理番号を返信いたします。 ◇千葉科学大学 危機管理学部 長谷川 〒288-0025 千葉県銚子市潮見町 15-8 Tel/Fax;0479-30-4754 E-mail;[email protected] 付記:このセミナーは、文部科学省の「平成 26 年度原子力人材育成等推進事業」として、 実施するものである。 プログラムと要旨 総合司会: 王 晋民 開会挨拶 千葉科学大学 10:00-10:10 東通原子力発電所長 金澤 定男 セミナー 1 司会: 王晋民 10:10-11:00 「リスク管理における基盤的素養―本質安全技術―」 長谷川和俊 名古屋大学 リスク管理の実行手順において危険源の探査およびリスク低減策の創出が最も重要であ る。危険源探査が不慣れであると、容易に事故に至り「想定外でした。」になる。低減対策 の創出が未熟であると、リスクはなかなか低下しない。この2つの過程を実効的に実施す るための基盤的素養は本質安全技術にある。機械本質安全と化学本質安全のそれぞれの要 素について概説する。その上で、事故事例に関して、本質安全技術の視点から検証して、 再発防止策を講じた例を紹介する。 セミナー 2 司会: 長谷川和俊 11:10-12:00 「静電気火災の発生メカニズムと安全対策」 田村裕之 消防研究センター 危険物施設における火災の原因のうち約20%を静電気放電が占めている。様々な対策 が行われているが、この割合は減少していない。可燃性ガスのみならず可燃性粉じんの滞 留する環境において静電気火災は発生している。帯電は容易に発生し、身近な例では、自 動車のシートから降りるという 動作による帯電だけでも、ガソリン蒸気に着火できるだけ の静電気放電を起こすことができる。災害現場を調査すると、決められた安全対策を実施 していないか不完全に行っている場合が多い。また、対策の技術的な理由を作業者が知ら ない場合も多い。小さな事業所では、静電気放電を経験していても、それにより火災にな るとの認識がなく、対策を取っていない場合がある。ここでは、静電気帯電が発生する機 構や、火災事例とその出火原因、静電気火災を起こさないための対策について紹介する。 セミナー 3 司会: 王晋民 13:00-13:50 「専門家と一般市民のリスク認知の相違点」 岡部康成 浜松学院大学 リスクコミュニケーションを通じて、専門家と一般市民が共に納得できる解決策を見出 すためには、互いのリスク認知の特徴について理解することが重要である。この講演の中 では、専門家と一般市民のリスク認知を紹介しつつ、震災以降の原子力発電に関する評価 ついて原子力の専門家と一般市民がどのような点で異なっているかなどについても報告す る。 セミナー4 司会: 岡部康成 14:00-14:50 「法令遵守の心理学」 王晋民 千葉科学大学 企業における法令順守は安全・安心の確保にとって極めて重要である。法令順守 に関する心理学的研究の結果を紹介し,それに基づいて組織における改善策を一 緒に考えたい。 閉会挨拶 14:50-14:55 意見交換会 司会: 長谷川和俊 15:10-16:40 以上
© Copyright 2024