H26 第4章 1 那須地区教育の概要 道徳教育 道徳の時間の充実を図るために 道徳の時間は、学校の教育活動全体を通じて行われる道徳教育の要として、それらを補充、深化、 統合する時間です。その際、児童生徒の発達の段階に即しながら、「道徳の内容」に示された基本 的な道徳的価値の全体にわたって計画的、発展的に指導する必要があります。 (1) 道徳的価値の自覚を深めるためには 道徳の時間で大切なことは、児童生徒一人一人が「道徳的価値の自覚を深めているか」という ことです。そのために教師は「道徳的価値の自覚を深める学習展開をする」必要があります。 道徳的価値の自覚を深めるためには、次の3つの事柄を押さえておくことが重要です。 1 道徳的価値について理解すること 2 自分との関わりで道徳的価値を捉えること 3 道徳的価値に関わる課題を培い人間としての生き方についての自覚を深めること 1時間の授業で児童生徒がどのような学習を行うことが必要か、どのような姿を見せればよい のかの例を以下に示しましたので、参考にしてください。 1 道徳的価値について理解すること ① 価値理解:道徳的価値は大切であること 友達と仲良くすると本当に楽 しいんだなあ・・・。 ② 目標に向かってがんばってやり遂 げたときはいい気持ちだなあ・・・。 人間理解:道徳的価値は大切ではあるが実現は難しいこと 困っている人に親切にするのは 大事だけれど、声をかけることは 難しいなあ・・・。 ③ みんなで使う物や使う場所で、 うっかりみんなに迷惑をかけてし まうことがあるなあ・・・。 他者理解:道徳的価値の実現に向けては多様な感じ方・考え方があること 正しいと思ったことをやると きにも、いろいろな考え方があ るなあ・・・。 2 お世話になって「ありがとう」 を言うときにも、いろいろな思い があるんだなあ・・・。 自分との関わりで道徳的価値を捉えること ◆ ◆ 3 道徳的価値についての理解(価値理解、人間理解、他者理解)を自分との関わりで行う。 自分との関わりで道徳的価値を理解することで、併せて自己理解が深まる。 道徳的価値に関わる課題を培い人間としての生き方についての自覚を深めること ◆ 道徳的価値に関わる課題を培うために、現在の自分自身を知る。 今までに、家族のことを考え て役に立てたことはあったかな あ・・・。 今までに、礼儀正しくしなくて はいけないときに、失礼をしてし まったことはなかったかなあ・・・。 以下の観点で、普段の授業を振り返ってみましょう。 □ 価値理解、人間理解、他者理解といった道徳的価値の理解を図っていますか。 □ 児童生徒が、自分との関わりで道徳的価値を捉えていますか。 □ 道徳的価値の思いや課題を培うために、児童生徒が自分自身を振り返っていますか。 - 76 - 那須地区教育の概要 「私たちの道徳」は、道徳の時間はもちろん、学校の教育活動全体を通じて、また、家庭や地 域においても活用されることを念頭に作成されました。 本年度の道徳の時間の指導で使用した学校は98.7%、各教科では20.5%、特別活動では46.2%、 各教科等以外の学校での生活場面や教育活動では46.2%、家庭や地域との連携による教育活動で A小学校とB小学校では、「私たちの道徳」を、道徳の時間をはじめ、各教科の指導と関連さ ◆A小学校の取組 (1) 「『私たちの道徳』活用のための指導資料」 文部科学省は、「私たちの道徳」をより効果的に活用するための手引きとし 校の教育活動において、また、学校と家庭や地域が連携して活用するに当た っての解説や具体的な事例などを掲載しています。文部科学省のホームペー (2) 「ふるさと とちぎの心 栃木県道徳教育郷土資料集(小学校高学年編)」 本資料集は、本県の児童が、本県に関わりの深い人物の思いや生き方、自 ともに、自分自身、家族、そして自分たちの住む地域に誇りをもった人にな ってほしいという願いを込めて作成されました。資料集とともに教師用指導 全児童分(学級備え付)が配付されますので、活用してください。 - 77 - 赤堀博行、澤田浩一)講師資料 生 涯ス ポ ※ 参考資料 「平成26年度道徳教育指導者養成研修(中央指導者研修)」 (文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官 生涯学習 書も作成し、充実した指導ができるようにしました。本年度末に、資料集は 帰国外国 然や伝統文化のすばらしさについて考えることを通して、豊かな心を育むと へ き複 式 ジに掲載するとともに、本年度末に、各学校に学級数分配付されます。 特別支援 て、本指導資料を作成しました。本資料には、道徳の時間をはじめとする学 健康安全 資料の活用について 人権教育 【小学校1・2年p.13】 キャ リ ア 道徳の時間の後段 で、「わたしたちの 道徳」を活用し、普 段から取り組んでい る「かかとそろえ」 などについて、振り 返りを行いました。 生徒指導 2 B小学校では、「基 本的な生活習慣を身に 付け、自ら考え正しく 判断し、行動する子」 を学校重点目標とし、 全教育活動を通して指 導しています。全校児 童で「かかとそろえ」 に取り組み、成果をあ げています。 総合学習 ◆B小学校の取組 道徳の時間の終末で は、ワークシートを活 用し、生活科の授業で 育てているあさがおへ の思いや願いを書かせ ました。身近な植物へ の関わりが深まるよう にしました。 特別活動 「わたしたちの道徳」 を活用して、事前に、ど のような生き物を育てた ことがあるか思い出さ せ、その時の気持ちを振 り返らせました。児童の 実態を把握し、道徳の時 間の指導に生かすことが 【小学校1・2年p.102】 できました。 道徳教育 せたり、日常指導の中で積極的に活用したりしています。以下、その取組の実際を紹介します。 学習指導 は35.9%という結果になっています。 教育課程 本年度行われた「私たちの道徳」活用状況等調査では、本地区において、「私たちの道徳」を 学校経営 (2) 「私たちの道徳」の活用について 指 導 キ ャ リ ア 人 権 教 育 健 康 安 全 特 別 支 援へ き 複 式 生 涯 学 習 生 涯 ス ポ 講 演 記 録 H26
© Copyright 2024