情報取引企業訪問 No.57 株式会社 ビーズ 高度化するさまざまな顧客ニーズに 高精度小ロットで対応 ビーズは 1996 年、福岡県宗像市 で創業。ビーズとは、BEST(ベスト) の頭文字“B”の所有格を意味する。 “最高のものを最高の人たちに”とい う徳永新一社長のモノづくりへの思 いが込められている。90 年当時、旧 郵政省の職員だった徳永社長は、ゴ ルフ練習場で、精密部品加工会社の 社長と知り合い、意気投合する。や がてその社長から引き抜かれる形で “モノづくり”の世界に飛び込んだ。 その会社で営業、工程管理、加工に 携わった。その後、他社に出向して まで学んだ“金型”関連の仕事をや 社屋外観 りたくて独立し創業した。 企業の強み 90 年代後半は、九州に多数存在した半導体デバイ でありたい。そのために他社にはできないことに常 ス工場が、海外生産を始めた頃。海外で金型供給が にチャレンジする」 (同)という思いで新しい機械 できない時代、ビーズは九州での半導体関連金型生 は積極的に導入した。06 年には 5 軸制御マシニン 産を担った。やがてデリバリーもコストも海外が競 グセンターを導入。機械加工事業にも参入した。 争力を高めてくる。2000 年頃から国内向けにシフト 現在、同社は製造部に金型加工、超音波加工、切 を図る。徳永社長は「所有する設備を有効に活用す 削加工、検査の四つのグループを持つ。これによっ る仕事はなかなか見つからなかった」と振り返る。 て高精度化や微細化、難形状や難削材に対応する。 04 年に現在の地に工場を移転。05 年には国内に また、コストダウンを図るために、24 時間体制の はまだ 2 台ほどしかないといわれた独製の超音波加 生産や NC 制御システムによる無人加工も行う。 工機を導入し、セラミックスなどの脆性素材の加工 多工程、多数台に対応できるよう、マルチ技術者の に着手した。 「海外で活躍する大手企業のパートナー 育成にも取り組んでいる。 5軸マシニングセンター 10 BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.1 放電加工機 我が社の取引拡大事例 13 年に、福岡県中小企業振興センターの自動 どに現在の 2 倍に増やす。半導体関連と合わせ 車産業アドバイザー制度を活用した。自動車メー てトータルで 1.5 倍の 3 億 6000 万円に引き上 カーの派遣アドバイザーのマッチングで自動車 げる計画だ。背景には医療分野の市場が大きく 産業向け金型メーカーとの取引が始まった。毎 なることが予想されていることがある。これに 月 3-5% ではあるが、 安定した取引が続いている。 伴い生産能力を拡大する。約 1 億円を投資して、 今、大きく成長している分野が医療分野への NC 旋盤や円筒研磨、マシニングセンターなどの 取り組みだ。2年目を迎え、全売上高の約 50% 設備を導入する。年間約1億円ずつ売り上げを を占めるまでに成長した。これを 2017 年をめ 増やしていく考えだ。 検査室 狭ピッチ精密加工製品 セラミックスなど脆性素材加工製品 山型成形研削加工製品 徳永新一社長メッセージ「これからは自ら流れを起こす取り組みを」 バブルの崩壊や半導体不況、リーマンショックなど、厳しい時代を乗り越えて来ることができた。そのた びに取引先金融機関や福岡県中小企業支援センターにお世話になった。いろいろな支援制度を教えていただ いた。助けていただけたのは、世の中に必要とされるモノづくりに取り組んでいることへの評価と考えてい る。これからも一貫して難しい加工に挑戦していきた い。 これまでは、自然な流れに身を任すことで、必要と されるテーマに着手してこれた。しかしこれからは、 必要とされるものを積極的に見つけて取り組んでいか なければならない。むしろ、自分から流れを起こさな いといけないと思っている。今後も精度重視の小ロッ ト生産に特化し、海外ローカル工場にはできないモノ これからは自ら流れを起こす動きも必要-と徳永社長 づくりでグローバルに展開していく。 企業概要 企 代 所 T F 業 表 在 E A 名 者 地 L X お問い合わせ 株式会社 ビーズ 代表取締役 徳永 新一 福岡県宗像市池田字龍王3114 0940- 62- 8020 0940- 62- 8021 情報取引推進課 TEL:092-622-6680 E メール U R L 社 員 数 事業内容 [email protected] http://www.kk-bs.co.jp 20 人 超精密金型の設計、製作、販売 精密部品、精密治工具の製作、販売 BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.1 11
© Copyright 2024