総 務省の平成25年住宅・土地統計調査による のことが何とかできるようになった、FIMの点数 と、全国の空き家戸数は820万戸で、 「空き家率」 も上がった、在宅復帰率も高率を保っている……。 (総住宅数に占める割合)は13.5%と、5年前と比 私たちの取り組みはこれだけでよいのだろうか。 べ0.4ポイント上昇し、 「過去最高」と報告されて 機能障害を伴っていても、あるいは住まいが変わ いる。私の住んでいる愛媛県の空き家率は全国で ろうとも、そ の 方 の「新たな暮らし」を見据えた 2番目の高さであった。空き家となった理由はさ 対応が重要である。数か月間の入院期間中、多職 まざまであろうが、長く住んでいた持ち主が高齢 種チームが恵まれた回復期リハ病棟の環境をフル 化し、介護施設に移り住んだといったケースもあ 活用して、退院後の「新たな暮らし」にしっかり るようだ。 つながる患者支援に努めたい。 最後に、本年2月 この報告を見て、 「暮らし」について 思いを巡らせた。 家があり、そこで 家族やその地域の 方々と時間や空間 を共有しながら過 27、28日の第25回 巻頭言 研究大会 in 愛媛の 新たな暮らしを見据えた リハビリテーション 案内を。教育講演、 委員会企画、ラン チョンセミナーと して、回復期リハ ごすことで、その 病棟でスタッフが 人の暮らしが成り 対応に苦慮するこ 立っている。 との多い摂食・嚥 回復期リハ病棟 下障害と高次脳機 を退院した患者を 能障害に関し、異 振 り 返 る と 、発 なった視点で複数 症・受傷前は独居 あるいは夫婦で何 藤田 正明 当協会理事 (伊予病院 院長、医師) 演題を企画させて いただいた。脳卒 とか暮らしていた 中患者への治療や が、入院を契機に リハ、さらにリハ 住み慣れた家を離れ、施設へ入所する方、子ども たちと同居する方が増えてきているように思う。 看護についても複数演題を企画した。 最終日には、石川誠前会長、宮井一郎現会長と このような方々は、 「新たな場所」で暮らしていく 園田茂副会長による鼎談「変革するこれからのリ ことになる。同じ住まいに帰れたとしても、障害 ハビリテーション」を予定している。回復期リハ を伴うことで以前とは異なった暮らし方を余儀な 病棟がこれまでどのように進化してきたか、これ くされるであろう。その意味では同じ住まいも からさらにどう進化していくかを皆さんと一緒に 「新たな場所」といえるかもしれない。 回復期リハ病棟は、機能障害軽減、ADL向上と 在宅復帰を目的としている。入院により身の回り 考えていきたい。この大会を通して、 「暮らし」を 見据えた支援のあり方について議論できれば幸い である。多くの皆様の参加をお待ちしております。 愛媛大会ホームページ(http://kaifuku25.iyohp.jp)ご参照 回復期リハビリテーション◆ 2015.1 03
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