介護を担う人には専門性と豊かな人間性を

連載
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長谷川 和夫
─ 新しい研修プロジェクトが進行中 ─
C O N T E N T S
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私が認知症医療に関わり始めた1970年当時の
介護を担う人には専門性と豊かな人間性を
─新しい研修プロジェクトが進行中─
長谷川和夫◎社会福祉法人浴風会 認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長
[特集 ]レビー小体型認知症を知る
症状の特徴 その治療とケア
●トップインタビュー●
● 治療 ●
疾患別ケアの重要性
内海久美子
福田 智子
聖マリアンナ医科大学特別顧問
小阪憲司
◎横浜市立大学名誉教授
◎砂川市立病院認知症疾患医療センター センター長
◎砂川市立病院認知症疾患医療センター 認知症看護認定看護師
「疾患を知ること」は「その人を知ること」
● ケア ●
武田純子
◎ライフアート代表取締役
本人に合った治療とケアがQOLを高めていく
● 医療・介護連携対談 ●
■私の描く Dementia Support
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内海久美子・武田純子
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仙台センターが検討会に必要とされる基本的な
ます。これに伴って認知症の人の数も右肩上が
資料や進行方法などを作成しています。研修内
りに増加傾向をたどっています。まさに超高齢
容の格差を解消することや、地域で活動を続け
化時代に入って、認知症は国としても、また市
ている少人数の事業所などに従事する介護職が
民の一人としても決してひとごとではなくなっ
対象です。週末に限定する研修参加を可能にし
てきており、自分自身の課題としてもしっかり
て、およそ1~2年間にわたる受講システムの開
向き合って対応するときが来たといえるのです。
発や、研修生や教師に共通するシラバスの作成
ところで、現在の介護専門職を担う人は、お
などを課題として、検討に取り組んでいます。
■認知症ケアの今日、明日
技術を身に付けた専門性と豊かな人間性をもつ
療-介護職にとっては新しいテーマですので、
医療法人社団 川瀬神経内科クリニック 通所リハビリテーション
「樫の森」
(新潟県三条市)
質が問われています。厚生労働省は介護保険の
現場での目に見えない工夫と努力が大切になり
施行された00年4月に、認知症介護研究・研修
ます。さらに、地域の市民同士の助け合いや、
センターを全国に三つ(仙台、東京、愛知県大
ご近所力の育成が求められています。この領域
府市 )設置し、その担当地域も全国を 3 地域に分
でこそ認知症介護専門職に、それぞれの地域に
けました。仙台センターは東北、北海道および
おいて指導的にサービスを構築していくことが
四国を、東京センターは新潟県を含む関東およ
期待されます。特にトム・キットウッドの提唱し
び九州、沖縄を、大府センターは東海、北陸お
たパーソンセンタードケアを生かしていくこと
よび近畿地区を担当しています。
が大切です。パーソンセンタードケアとは認知症
一人ひとりが「主役」になれる認知症予防のプログラムを実践
医療・介護・リハビリテーションの総合力で
“より良い在宅での生活 ” を支える
■世界の中の認知症ケア
第 29 回 ADI 国際会議を開催─当事者から “ 新たな風 ” を吹き込む─
認知症高齢者を “ ホームホスピス ” で看取る
事例提供◎ 中野千恵子 居宅介護事業所天寿園在宅サービスセンター ケアマネジャー
松本恵美 老いと病いの文化研究所ホームホスピスわれもこう ヘルパーステーションわれもこう管理者
竹熊千晶 ホームホスピスわれもこう代表
事例解説◎ 白澤政和 桜美林大学大学院教授 センターの業務の中には認知症介護に特化し
のご本人を第一に考え、ユニークなその人らし
た専門職の育成があります。その視点に立って
さを大切にしていくケアです(原著『Dementia
研修などを実施するのが認知症介護指導者です。
Reconsidered』1997 年 )。
■表紙のココロ
認知症介護指導者は原則として約5年以上にわた
ケア職の方々は自分の年齢の2~4倍も長く生
川上アイ子さん
るケアの職歴をもち、地方自治体の推薦を受け
き抜いている高齢者の暮らしを支えることにな
ていることが必要です。14年3月末現在、全国
ります。その人しかもっていないその人らしさ
で1,864名の認知症介護指導者が活躍していま
をもつ尊い存在として、ご本人と向き合うこと
す。指導者の業務は、認知症介護実務者やリー
です。ご本人の視点に自分の視点を置いて、何
ダーを育成すること、そして各事業所を中心と
を望んでおられるのかを、自分の感性を総動員
して地域の認知症介護職の育成および関連する
して考えてみましょう。そうすれば、私たちの
事業に携わることなどです。
認知症ケアはより豊かになることでしょう。
趣味を楽しみながら、いつまでも自分らしく
手帳をアレンジし入院病棟の看護力がアップ
事例提供◎ 医療法人社団東山会 調布東山病院
アドバイザー◎永田久美子 認知症介護研究・研修東京センター 研究部部長 ■ Dementia Today
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2014年現在では24.1%と、実に3.5倍に達してい
種にわたる連携が必要です。いずれも私たち医
■本人の思いをつづり伝える「わたしの手帳」連載 第 4 回
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を立ち上げ、専門職育成の検討を続けています。
年推計値)。そして、人数だけではなく、知識と
医療法人千清會 鈴木脳神経外科(埼玉県川越市 )
■認知症の人を支援するケアマネジメント
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高齢化率は、約7%とされていました。それが
これからの認知症ケアには、地域ケアと多職
医療法人社団もりもと 森本外科・脳神経外科医院(鳥取県東伯郡琴浦町 )
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現在3センターでは、特別の研修プロジェクト
よそ150万人と推定されます(厚生労働省の2012
早期診断に注力! 脳からのサインを見逃さない
■地域で暮らし続けられるケア
本誌についてのお問合せは(株)メディア・ケアプラス
『Dementia Support』編集部(TEL:03-6404-6087、
FAX:03-6404-6097)までお願いいたします。
© エーザイ(株)
社会福祉法人浴風会 認知症介護研究 ・ 研修東京センター 名誉センター長
聖マリアンナ医科大学 特別顧問
介護を担う人には専門性と豊かな人間性を
■認知症ケアへの新しい風 ㉞
Dementia Support 2015 年1 月5 日発行
監修:長谷川和夫
社会福祉法人浴風会 認知症介護研究・
研修東京センター 名誉センター長
聖マリアンナ医科大学 特別顧問
発行:エーザイ(株)
編集・制作:
(株)メディア・ケアプラス
編集協力:
(株)友文社
(有)オーエムツー
デザイン:アクセント
印刷:凸版印刷(株)
新しい風
認知症ケアへの
2015
作者の川上アイ子さんは若いころから刺繍が
大の得意。グループ ホームでもたくさんの作
品を作ってきた。その中の一つ「なかよし」は、
夫婦がこちらをにこにこして見つめている。ア
イ子さんの心情を表しているような作品だ。
(p.31 に記事 )
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第 15 回認知症ケア学会大会
「後世への認知症ケア」のテーマのもとに全国からケアスタッフが集合
第 29 回日本老年精神医学会 テーマは「超高齢社会を支える精神医学」
■認知症ケアに役立つ本
認知症ケアの新しい風/知っておきたい認知症ケア最前線
長谷川和夫■ 1969年 東京慈恵会医科大学助教授、73年 聖マリアンナ医科大学神経精神科教授、93年 同大学長、2002年 同大学理事長、05 年 同
大学名誉教授、現在、同大学特別顧問。2000年 高齢者痴呆介護研究・研修東京センター長、05年 認知症介護研究・研修東京センター長を経て、
現在、同名誉センター長。医学博士。
『認知症を正しく理解するために』
(マイライフ社)
『認知症ケアの新しい風』
(ぱーそん書房)
など著書・論文多数。
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