1.カバジタキセル アセトン付加物による重篤な発熱性好中球 2.小腸用

320
1.カバジタキセル アセトン付加物による重篤な発熱性好中球
減少症について… ……………………………………………………………………………………………………………………3
2.小腸用カプセル内視鏡の小児及び高齢者への適用について… … 13
3.重要な副作用等に関する情報… ………………………………………………………………………………… 16
1
2
3
4
カバジタキセル アセトン付加物… ………………………………………………………………………
SGLT 2阻害剤……………………………………………………………………………………………………………
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン…………………………………………………………………………
レベチラセタム……………………………………………………………………………………………………………
16
17
22
24
4.使用上の注意の改訂について(その262)
… ………………………………………………………………………………………………… 26
リナグリプチン 他(2件)
5.市販直後調査の対象品目一覧… ……………………………………………………………………………… 28
この医薬品・医療機器等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用等の情報を基に,医薬品・
医療機器等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
医薬品・医療機器等安全性情報は,医薬品医療機器情報提供ホームページ
(http://www.info.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手
可能です。
平成27年(2015年)1月
厚生労働省医薬食品局
連絡先
03−3595−2435 (直通)
100−8916 東京都千代田区霞が関 1 − 2 − 2
03−5253−1111(内線)2755,2753,2751
厚生労働省医薬食品局安全対策課
医薬品・医療機器等安全性情報 No.320
(Fax)03−3508−4364
−1−
2015年1月
4
レベチラセタム
販 売 名( 会 社 名 )
①イーケプラ錠250mg,同錠500mg,同ドライシロップ50%(ユーシービージャパン)
②イーケプラ点滴静注500mg(ユーシービージャパン)
薬 効 分 類 等 抗てんかん剤
①他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作
を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法
②一時的に経口投与ができない患者における,下記の治療に対するレベチラセタム経口製剤の
効 能 又 は 効 果
代替療法
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発
作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,筋肉痛,
脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を
中止し,適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
直近約3年7ヶ月間(平成23年4月~平成26年10月)の副作用報告であって,因果関係が
否定できないもの。
横紋筋融解症 7例(うち死亡0例)
企業が推計したおおよその推定年間使用患者数:約10万人(平成25年11月~平成26年10月)
販売開始:錠 平成22年9月
ドライシロップ 平成25年8月
点滴静注 平成27年1月1日時点未発売
症例の概要
患者
No.
性・
年齢
1
男 てんかん
10代 (なし)
使用理由
(合併症)
副作用
1日投与量
投与期間
500mg
26日間
↓
2000mg
30日間
↓
1000mg
投与継続
経過及び処置
横紋筋融解症
投与開始日
投与27日目
投与55日目
投与56日目
カルバマゼピン300mg/日に加えて,本剤500mg/日を追加投与。
本剤2000mg/日に増量。
胸部,上肢に筋肉痛発現。
血液検査でCK 103600 IU/L,ミオグロビン尿(+)で横紋筋
融解症と診断。入院し補液の投与開始。本剤1000mg/日に減量。
筋肉痛などの症状なく,CK 6510 IU/Lまで改善し退院。
CK正常値に改善を認め,横紋筋融解症は回復。
投与60日目
投与73日目
臨床検査値
投与
29日目
投与
56日目
投与
58日目
投与
60日目
投与
73日目
WBC(/μL)
5,400
6,000
5,200
6,100
7,400
AST(IU/L)
19
1,030
520
188
17
ALT(IU/L)
30
227
187
169
19
LDH(IU/L)
122
3940
870
163
145
113
CK(IU/L)
97
103,600
40,700
6,510
BUN(mg/dL)
8.9
10
5
8
14
Cr(mg/dL)
0.82
0.88
0.75
0.77
0.83
併用薬:カルバマゼピン
2015年1月
−24−
医薬品・医療機器等安全性情報 No.320
症例の概要
患者
性・
年齢
2
500mg
女 てんかん
20代 (精神遅滞, 16日間
運動発達遅滞)
使用理由
(合併症)
副作用
1日投与量
投与期間
No.
経過及び処置
横紋筋融解症
投与開始日
カルバマゼピン500mg/日,フェノバルビタール100mg/日に加え
て,本剤500mg/日を追加投与。
起立不能で経口摂取不良のため補液投与。血液検査にてCK
2723 IU/Lと上昇を認めた(横紋筋融解症発現)
。
CK 4396 IU/Lと上昇が見られたため,本剤中止。
投与15日目
投与16日目
(投与中止日)
中止3日後
中止10日後
中止14日後
中止16日後
坐位保持可能。
介助歩行可能。
歩行可能。
横紋筋融解症は回復。
臨床検査値
投与
前日
投与
15日目
投与16日目
(投与中止日)
中止
2日後
中止
9日後
中止
12日後
WBC(/μL)
5,020
7,260
5,780
5,480
4,750
3,130
AST(IU/L)
28
67
105
75
23
25
ALT(IU/L)
12
17
30
36
23
30
LDH(IU/L)
291
519
330
271
215
211
34
2,723
4,396
2,019
189
75
BUN(mg/dL)
CK(IU/L)
11.5
9.2
10.3
7.8
6.9
13.0
Cr(mg/dL)
0.44
0.36
0.43
0.35
0.36
0.44
併用被疑薬:カルバマゼピン
併用薬:フェノバルビタール
症例の概要
患者
No.
性・
年齢
3
女 てんかん
20代 (なし)
使用理由
(合併症)
副作用
1日投与量
投与期間
1000mg
5日間
経過及び処置
横紋筋融解症
投与開始1年5ヶ月前バルプロ酸ナトリウム投与開始(本剤投与3日前まで投与)
。
投与2日前
投与開始日
投与翌日
てんかん発作のため入院し,
フェニトインナトリウム投与(2日間)。
本 剤 を1000mg/日 で 投 与 開 始。 バ ル プ ロ 酸 ナ ト リ ウ ム を
800mg/日で投与再開。
全身筋肉痛および下肢脱力感が出現。CKは1000 IU/L程度
あった(横紋筋融解症発現)。
CK 2410 IU/L。本剤投与中止。
投与5日目
(投与中止日)
中止28日後 CK 59 IU/L。横紋筋融解症は回復。
臨床検査値
投与
2日前
中止日
(投与5日目)
投与中止
28日後
WBC(/μL)
7,800
5,200
—
AST(IU/L)
15
26
—
LDH(IU/L)
150
175
—
CK(IU/L)
149
2,410
59
BUN(mg/dL)
6.8
9.8
—
Cr(mg/dL)
0.49
0.54
—
併用薬:バルプロ酸ナトリウム
医薬品・医療機器等安全性情報 No.320
−25−
2015年1月