(数学 ) 第 3回課題のヒント

埼玉工業大学学習支援センター
平 成 2 7 年 度 入 学 前 教 育 (数 学 )
第3回課題のヒント
課題に取り組む皆さんを支援するために, 多くの問題に解答のヒ
ントや説明を記し, 各分野の学習内容の要約も載せました。参考に
してください。
目次
要約
ページ
No.15
複素数平面
・・・・・ 1
No.16
式と曲線
・・・・・ 3
No.17
関数と極限
・・・・・ 6
No.18
微分法
・・・・・ 8
No.19
積分法
・・・・・ 10
複素数平面について
・・・・・ 13
式と曲線について
・・・・・ 16
関数と極限について
・・・・・ 20
微分法について
・・・・・ 24
積分法について
・・・・・ 30
No. 15
1
複素数平面
複素数について, 次の各問に答えなさい。
( 1 ) 複 素 数 z = 1 + √3 𝑖 を 極 形 式 で 表 す と
z =
1 − 1 ( cos
π
1−2
+ 𝑖 sin
π
1−3
)
( 2 ) 複 素 数 𝑧1 = −√3 − 𝑖 , 𝑧2 = 1 + 𝑖 に つ い て ,
𝑧1
𝑧2
の偏角は
2
1−4
12
π
( 3 ) 複 素 数 平 面 上 の 点 z = √3 + 𝑖 を 原 点 の ま わ り に 3 𝜋 だ け 回 転 し
た点を表す複素数は
−√ 1 − 5 + 1 − 6 𝑖
(4) ド・モ ア ブ ル の 定 理 を 用 い て 計 算 す る と
(−1 + √3 𝑖)
6
=
1−7
+
1−8 𝑖
1
( 5 ) 方 程 式 𝑧3 = 8 𝑖 の 解 で , 複 素 数 平 面 の 第 1 象 限 に あ る も の は
√1−9 +
1 − 10 𝑖
ヒント
(1)
1
z = 1 + √3 𝑖 = 2 (2 +
√3
𝑖)
2
に よ り , cos 𝜃=
1
2
, sin 𝜃=
√3
2
(ただし
0 ≤ θ < 2π ) を 満 た す θ を 求 め る 。
( p.14 < 複 素 数 の 極 形 式 > を 参 照 )
( 2 ) 𝑧1 = −√3 − 𝑖 = 2 (−
1
√3
2
1
− 2 𝑖 ) = 2 (cos 𝜃1 + 𝑖 sin 𝜃1 )
( 0 ≤ 𝜃1 < 2π )
1
𝑧2 = 1 + 𝑖 = √2 ( + 𝑖 ) = √2(cos 𝜃2 + 𝑖 sin 𝜃2 )
√2
√2
𝑧
し た が っ て , a r g (𝑧1 ) = a r g ( 𝑧1) - a r g ( 𝑧2 ) =
( 0 ≤ 𝜃2 < 2π )
𝜃1- 𝜃2
2
( p.15 < 複 素 数 の 商 > を 参 照 )
(3)
√3
1
z = √3 + 𝑖 = 2 ( 2 + 2 𝑖) = 2 ( cos 𝜃 + 𝑖 sin θ) , ( 0 ≤ θ < 2π ) を 満 た す θ
2
を 求 め る 。 複 素 数 平 面 上 の 点 を 原 点 の ま わ り に 3𝜋 だ け 回 転 さ せ
2
2
る 複 素 数 は cos 3 𝜋 + 𝑖 sin 3 𝜋 で あ る の で , 求 め る 複 素 数 は
2
2
2
2
3
3
3
3
z ×( cos 𝜋 + 𝑖 sin 𝜋) = 2 ( cos 𝜃 + 𝑖 sin θ) ( cos 𝜋 + 𝑖 sin 𝜋)
2
2
= 2 {cos(𝜃 + 3 𝜋) + 𝑖 sin(𝜃 + 3 𝜋)}
( p.14 < 複 素 数 の 積 > を 参 照 )
1
( 4 ) −1 + √3 𝑖 = 2 (− 2 +
√3
𝑖)
2
= 2 ( cos 𝜃 + 𝑖 sin θ) , ( 0 ≤ θ < 2π ) と 表 わ さ れ る
か ら , ド・モ ア ブ ル の 定 理 を 用 い て 計 算 す る と
(−1 + √3 𝑖)
6
1
= {2 (− 2 +
6
√3
𝑖)}
2
= {2(cos 𝜃 + 𝑖 sin θ)}6
= 26 (cos6 𝜃 + 𝑖 sin6 θ)
2
( p.15 < ド ・ モ ア ブ ル の 定 理 > を 参 照 )
( 5 ) 方 程 式 𝑧3 = 8 𝑖 の 解 で , 複 素 数 平 面 の 第 1 象 限 に あ る も の を
z = r (cos 𝜃 + 𝑖 sin 𝜃 )
( た だ し , r >0 , 0 < θ <
𝜋
2
)とおくと,
𝑧 3 = 𝑟 3 (cos 3𝜃 + 𝑖 sin 3𝜃)
𝜋
𝜋
ま た , 8 𝑖 = 8 ( 0 + 𝑖) = 8 {cos( 2 + 2𝑘𝜋) + 𝑖 sin ( 2 + 2𝑘𝜋)}
,( た だ し , 𝑘は 整 数 )
𝜋
𝜋
で あ る か ら , 𝑟 3 (cos 3𝜃 + 𝑖 sin 3𝜃) = 8 {cos( 2 + 2𝑘𝜋) + 𝑖 sin ( 2 + 2𝑘𝜋)}
し た が っ て , 𝑟 3= 8 ,
3
1
3𝜃 = 2 𝜋 + 2 𝑘π
( た だ し , 0 < 3θ < 2 π に よ り , 𝑘 = 0 )
( p.15 < ド ・ モ ア ブ ル の 定 理 > を 参 照 )
複 素 数 平 面 上 に 2 点 - 2+3 𝑖 , 6+5 𝑖 が あ る と す る 。 こ の 2 点 を
2
直径とする円の円周上を動く点 z が満たす方程式を求めると
|𝑧 − ( 1 − 11 + 1 − 12 𝑖 )| = √ 1 − 13
ヒント
2 点 - 2+3 𝑖 , 6+5 𝑖 を 結 ぶ 線 分 の 中 点 が 円 の 中 心 , 2 点 間 の 距 離
1
の2 が半径だから,
1
中 心 = 2 {(- 2 + 3 𝑖) + (6 + 5 𝑖 )} ,
2 点 間 の 距 離 = √{6 − (−2)}2 + (5 − 3)2
( p.16 < 複 素 数 平 面 上 の 2 点 間 の 距 離 > を 参 照 )
No. 16
1
式と曲線
放物線について, 次の各問に答えなさい。
( 1 ) 放 物 線 𝑦 2 = 8𝑥 の 焦 点 は ( 1 − 14
, 0 ) , 準 線 は x = − 1 − 15
この放物線のグラフを描きなさい。その際, 焦点と頂点の位置
を 示 し , 準 線 も 記 入 し な さ い 。( グ ラ フ は 提 出 不 要 で す 。)
3
(2) 焦 点 が (0 ,
1
4
1
) , 準 線 が 𝑦 = − 4 の 放 物 線 の 方 程 式 は 𝑦 = 1 − 16 𝑥 2
ヒント
( 1 ) 放 物 線 の 方 程 式 の 標 準 形 𝑦2 = 4 p x に 照 ら し 合 わ せ て p を 求 め る 。
こ の と き , 焦 点 は F( p , 0) , 準 線 は x=- p
(2) 焦 点 が F( 0, p) , 準 線 が 𝑦 = - p の 放 物 線 の 方 程 式 の 標 準 形 は
𝑥2 = 4 p 𝑦 し た が っ て , 𝑦 =
2
1
4𝑝
𝑥2 ( p . 1 7 < 放 物 線 の 性 質 > を 参 照 )
楕円について, 次の各問に答えなさい。
(1) 楕 円
𝑥2
42
2
𝑦
+ 32 = 1 の 焦 点 は ( √ 1 − 17 , 0 ) と ( −√ 1 − 18 , 0 )
長 軸 の 頂 点 は ( 1 − 19 , 0 ) と ( − 1 − 20 , 0 )
短軸の頂点は(0 ,
1 − 21 ) と ( 0 , − 1 − 22 )
こ の 楕 円 上 の 点 か ら 2 焦 点 ま で の 距 離 の 和 は 1 − 23
この楕円のグラフを描きなさい。その際, 焦点と頂点の位置を
示 し な さ い 。( グ ラ フ は 提 出 不 要 で す 。)
4
( 2 ) 焦 点 が ( 0 , √5 ) と ( 0 , −√5 ) の 楕 円 で , こ の 2 焦 点 か ら 楕 円
上の点までの距離の和が 6 である楕円の方程式は
𝑥2
1−24
2
𝑦2
+
1−25
2
=1
ヒント
(1) 楕 円
𝑥2
𝑎2
𝑦2
+ 𝑏2 = 1 ( 𝑎 > 𝑏 >0 ) に 対 し て , c = √𝑎2 − 𝑏2 と お い た と き ,
2 点 F( c, 0 )と F'( - c, 0)が 焦 点 で あ る 。
長 軸 の 頂 点 は (a, 0)と (- a, 0) , 短 軸 の 頂 点 は (0, b) と (0,- b) ,
こ の 楕 円 上 の 点 か ら 2 焦 点 ま で の 距 離 の 和 は 2a
(2) 楕 円
𝑥2
𝑎2
𝑦2
+ 𝑏2 = 1
( b > a >0 ) に 対 し て , c = √𝑏2 − 𝑎2 と お い た と き ,
2 点 F( 0, c)と F' (0,- c)が 焦 点 で あ る 。
こ の 楕 円 上 の 点 か ら 2 焦 点 ま で の 距 離 の 和 は 2b
( p.18 < 楕 円 の 性 質 > を 参 照 )
3
双曲線について, 次の各問に答えなさい。
(1) 双 曲 線
𝑥2
𝑦2
− 32 = 1 の 焦 点 は ( 1 − 26 , 0 ) と ( − 1 − 27 , 0 )
42
漸近線は𝑦=
1−28
1−29
𝑥 と𝑦=−
1−30
1−31
𝑥
この双曲線上の点から2焦点までの距離の差は
1 − 32
この双曲線のグラフを描きなさい。その際, 焦点と頂点の位置
を 示 し , 漸 近 線 も 記 入 し な さ い 。( グ ラ フ は 提 出 不 要 で す 。)
5
( 2 ) 漸 近 線 が 2𝑥 − 3𝑦 = 0 , 2𝑥 + 3𝑦 = 0 で , 焦 点 が (√13 , 0) , (−√13 , 0) で あ
る双曲線の方程式は
𝑥2
1−33
2−
𝑦2
1−34
2
= 1
ヒント
(1) 双 曲 線
𝑥2
𝑎2
𝑦2
− 𝑏2 = 1 ( 𝑎 >0 , 𝑏 >0 )に 対 し て c = √𝑎2 + 𝑏2 と お い た と き ,
𝑏
2 点 F(c , 0 )と F'( - c, 0) が 焦 点 で あ る 。 漸 近 線 は 2 直 線 y =𝑎 𝑥 と
𝑏
y=−𝑎𝑥
こ の 双 曲 線 上 の 点 か ら 2 焦 点 ま で の 距 離 の 差 は 2a
(2) 求 め る 双 曲 線 の 方 程 式 を
𝑥2
𝑎2
𝑦2
− 𝑏2 = 1 ( 𝑎 >0 , 𝑏 >0 ) と お く と , 漸 近
2
2
𝑏
3
3
𝑎
線 が y= 𝑥 と y=− 𝑥 で あ る こ と か ら ,
=
2
焦 点 に つ い て , √13 = √𝑎2 + 𝑏2 = √𝑎2 + (3 𝑎)
2
2
2
よ っ て 𝑏= 𝑎
3
3
=
√13
3
𝑎
ここから𝑎 , 𝑏 を求める。
( p.19 < 双 曲 線 の 性 質 > を 参 照 )
No.17
1
関数と極限
関 数 𝑦 = 4𝑥 2 + 3 ( x ≧ 0) の 逆 関 数 は 𝑦 =
1
1−35
√𝑥 − 1 − 36
ヒント
関 数 y = 4𝑥 2 + 3 は 定 義 域 が x ≧ 0の と き は , y の 値 を 定 め る と そ れ に
対応して x の値がただ1つ定まるので x は y の関数となる。y の値
域が逆関数の定義域になる。x を
y の 関 数 と し て 表 す た め に 𝑥2 =
1
x = √4 (𝑦 − 3)
4
(𝑦 − 3) と 変 形 す る と , x ≧ 0だ か ら
1
変数を x , 値を y で表すために, x と y を入れ替えて逆関数をつくる。
2
2 つ の 関 数 𝑓 (𝑥 ) = 3𝑥 − 2 , 𝑔(𝑥 ) = 𝑥 2 + 3 に つ い て , 合 成 関 数 𝑔( 𝑓(𝑥 ))
を求めると
𝑔( 𝑓 (𝑥 )) = 1 − 37 𝑥 2 –
1 − 38 𝑥 + 1 − 39
ヒント
𝑔( 𝑓 (𝑥 )) で は 𝑔(𝑥 ) = 𝑥 2 + 3 の x に 𝑓 (𝑥 ) = 3𝑥 − 2 を 代 入 す る 。
6
次 の 極 限 を 求 め な さ い 。 収 束 し な い と き は 解 答 欄 に 「 999」 を
3
記入しなさい。
( 1 ) lim
5𝑛−3
=
𝑛→∞ 2𝑛+3
1−40
1−41
( 2 ) lim (√𝑛2 + 2𝑛 − 𝑛) =
𝑛→∞
1 𝑛−1
( 3 ) ∑∞
𝑛=1 (− 2)
=
1 − 42
1−43
1−44
ヒント
(1)
3
5𝑛−3
5− 𝑛
=
2𝑛+3
3
2+ 𝑛
及 び lim
1
𝑛→∞ 𝑛
=0 を 用 い る 。
(2)
n > 0 に お い て √𝑛2 + 2𝑛 − 𝑛 =
(3)
∑∞
𝑛=1 (− )
1 𝑛−1
2
1 𝑘−1
= lim ∑𝑛𝑘=1 (− )
2
𝑛→∞
1 𝑘−1
和 S𝑛 = ∑𝑛𝑘=1 (− 2)
1
(√𝑛2 +2𝑛−𝑛)(√𝑛2 +2𝑛+𝑛)
√𝑛2 +2𝑛+𝑛
=
2𝑛
√𝑛2 +2𝑛+𝑛
=
2
2
𝑛
√1+
+1
で あ る か ら 、ま ず 第 𝑛 項 ま で の 部 分
1 2
1 3
1 𝑛−1
= 1 + (− 2)+ (− 2) + (− 2) + ・ ・ ・ ・ + (− 2)
を求める。
一 般 に , 𝑟 ≠1 の と き
∑𝑛𝑘=1 𝑎 𝑟 𝑘−1 = a + 𝑎𝑟 + 𝑎𝑟 2+ 𝑎𝑟 3 + ・ ・ ・ ・ + a 𝑟 𝑛−1 =
𝑎(1−𝑟 𝑛 )
1−𝑟
が成り立つ。
( p.20< 数 列 の 収 束 ・ 発 散 > 、p.22< 無 限 等 比 級 数 の 収 束 ・ 発 散 >
を参照)
次 の 極 限 を 求 め な さ い 。 収 束 し な い と き は 解 答 欄 に 「 999」 を
4
記入しなさい。
(1)
lim
𝑥 2 −𝑥−2
𝑥→2 𝑥 2 −4
=
1−45
1−46
( 2 ) lim {log10(2 + 𝑥 ) − log10 (1 + 𝑥 )} = 1 − 47
𝑥→∞
(3)
(4)
(5)
1
lim 3𝑥 = 1 − 48
𝑥→0
lim
𝑥→0
cos 2𝑥−1
𝑥2
= − 1 − 49
1
lim 𝑥 cos 𝑥 = 1 − 50
𝑥→0
ヒント
7
𝑥2 −𝑥−2
(1)
(𝑥+1)(𝑥−2)
=
𝑥2 −4
=
(𝑥+2)(𝑥−2)
𝑥+1
𝑥+2
( 𝑥 ≠2 に お い て )
2+𝑥
( 2 ) log10(2 + 𝑥 ) − log10(1 + 𝑥 )= log10 1+𝑥= log10
1
lim
=- ∞ を 用 い る 。
𝑥→−0 𝑥
( 4 ) cos 2𝑥 = 1 − 2sin2 𝑥 だ か ら ,
lim
(5)
(𝑥>0 において)
1
( 3 ) lim 𝑥 = + ∞ ,
𝑥→+0
ここで
2
+1
𝑥
1
+1
𝑥
sin 𝑥
𝑥
𝑥→0
cos 2𝑥−1
𝑥2
=
−2sin2 𝑥
𝑥2
sin 𝑥 2
=- 2(
𝑥
)
= 1 を用いる。
1
1
x ≠ 0 の と き |cos 𝑥| ≤ 1 だ か ら |𝑥 cos 𝑥| ≤ |𝑥 |
( p.22 < 極 限 値 の 性 質 > ,< 無 限 大 に 発 散 > , p.23 < 指 数 関
数 ・ 対 数 関 数 の 極 限 > ,p.24< 三 角 関 数 の 極 限 > を 参 照 )
No.18
1
微分法
次の関数を微分しなさい。
3
(1)
y = √3𝑥 3 + 𝑥 − 3
(2)
y = sin3 2𝑥
(3)
y = 𝑒 −3𝑥
(4)
y = log|𝑥 3 + 2|
2 +𝑥+1
y'=
1
( 2 − 2 𝑥 2 + 2 − 3 )(3𝑥 3 + 𝑥 − 3)
2−1
−
2−4
2−5
y ' = 2 − 6 sin2 2𝑥 cos 2𝑥
y ' = (− 2 − 7 𝑥 + 2 − 8 )𝑒 −3𝑥
y'=
2 +𝑥+1
2−9 𝑥 2−10
𝑥 3 +2
ヒント
y = 𝑔(𝑡)と t = 𝑓( x ) の 合 成 関 数 y = 𝑔( f ( x ) ) の 導 関 数 は
(1)
1
3
𝑑𝑦
𝑑𝑥
=
𝑑 𝑦 𝑑𝑡
𝑑𝑡 𝑑𝑥
1
だ か ら , y = √3𝑥 3 + 𝑥 − 3 = (3𝑥 3 + 𝑥 − 3)3 を y = 𝑡 3 と t = 3𝑥 3 + 𝑥 − 3 の
合成関数と見なすと,
1
1
2
y ' = (𝑡 3 )' (3𝑥 3 + 𝑥 − 3)' = 3 𝑡 −3 (9𝑥 2 + 1)
こ こ で t を 3𝑥 3 + 𝑥 − 3 に 戻 す 。
(2)
𝑑𝑦
𝑑𝑥
y = sin3 2𝑥を y = 𝑡 3 , t = sin 𝑢 及 び u = 2 x の 合 成 関 数 と 見 な す と
=
𝑑𝑦 𝑑𝑡 𝑑𝑢
𝑑𝑡 𝑑𝑢 𝑑𝑥
だから,
y ' = (𝑡 3 )' (sin 𝑢)' (2𝑥 )' = 3 𝑡 2 ・ cos 𝑢・ 2= 6 𝑡 2 cos 𝑢
8
こ こ で t を sin 𝑢 に , u を 2 𝑥 に 戻 す 。
y = 𝑒 −3𝑥
(3)
𝑑𝑦
𝑑𝑥
2 +𝑥+1
𝑑𝑦 𝑑𝑡
=
𝑑𝑡 𝑑𝑥
を y = 𝑒 𝑡 と t = −3𝑥 2 + 𝑥 + 1の 合 成 関 数 と 見 な す と ,
y ' = (𝑒 𝑡 )' (−3𝑥 2 + 𝑥 + 1)' = 𝑒 𝑡 (−6𝑥 + 1)
だから,
こ こ で t を −3𝑥 2 + 𝑥 + 1 に 戻 す 。
対 数 関 数 y = log|𝑥 | の 導 関 数 は y ' =
(4)
1
𝑥
y = log|𝑥 3 + 2|を y = log|𝑡|と t = 𝑥 3 + 2の 合 成 関 数 と 見 な す と ,
𝑑𝑦
𝑑𝑥
𝑑𝑦 𝑑𝑡
=
𝑑𝑡 𝑑𝑥
1
y ' = (log|𝑡|)' (𝑥 3 + 2)' = 𝑡 (3𝑥 2 ) =
だから,
3𝑥 2
𝑡
こ こ で t を 𝑥3 + 2 に 戻 す 。
( p.26< 合 成 関 数 の 微 分 法 > , p.27< い ろ い ろ な 関 数 の 導 関 数
>を参照)
2
関 数 𝑦 = 2𝑒 −3𝑥
2
の 増 減 , 極 値 , 曲 線 の 凹 凸 を 調 べ て ,グ ラ フ を 描
き な さ い 。( 増 減 ・ 凹 凸 の 表 と グ ラ フ は 提 出 不 要 で す 。)
増減・凹凸の表は次の通り。
x
y'
y''
y
x = 2 − 11 の と き , 極 大 値 2 − 12 を と る 。
変 曲 点 の 座 標 は (−
1
√ 2−13
,
2−14
√𝑒
) と (
1
√ 2−15
以上からグラフは次のようになる。
9
,
2−16
√𝑒
)
ヒント
2
𝑦 = 2𝑒 −3𝑥 を 𝑦 = 2 𝑒 𝑡 と t = −3𝑥 2 の 合 成 関 数 と み な す と
y ' = (2𝑒 𝑡 )' (−3𝑥 2 )' = 2 𝑒 𝑡 ( - 6 x ) = - 1 2 x 𝑒 −3𝑥
2
2
2
2
2
y ' ' = (𝑦′)' = (- 12𝑥𝑒 −3𝑥 )' = - 1 2 (𝑥𝑒 −3𝑥 )' = - 1 2 {𝑒 −3𝑥 + 𝑥 (−6𝑥 )𝑒 −3𝑥 }
= - 1 2 (1 − 6𝑥 2 )𝑒 −3𝑥
2
y '=0 と な る x で 極 値 を と る 。
y''=0 と な る x の 曲 線 上 の 点 が 変 曲 点 と な る 。
( p.28< 関 数 の 増 減 > ,< 関 数 の 極 大 ・ 極 小 > , p.29< 関 数 の 凹
凸と関数のグラフ>を参照)
積分法
No.19
次 の 積 分 の 計 算 を し な さ い 。( 𝐶 は 積 分 定 数 )
1
1
1
𝑥+ 2−18
log |𝑥+
(1)
∫ (𝑥+3)(𝑥+1) 𝑑𝑥 =
(2)
∫ sin(2𝑥 + 3) 𝑑𝑥 = −
(3)
∫ 𝑥 2 𝑒 𝑥 𝑑𝑥 =
(4)
∫0 √9 − 𝑥 2 𝑑𝑥 =
(5)
∫0 sin 𝑥 cos 3 𝑥 𝑑𝑥 = 2 − 24
(6)
∫1 𝑥 log 𝑥 𝑑𝑥 =
2−17
1
3
2−20
|+ 𝐶
cos(2𝑥 + 3) + 𝐶
3
𝑒𝑥 + 𝐶
2−21
3
1
2−19
2−22
2−23
𝜋
𝜋
𝑒
1
2−25
1
𝑒2 +
2−26
ヒント
(1)
1
(𝑥+3)(𝑥+1)
1
1
1
1
= 2 (𝑥+1 − 𝑥+3) に よ り
1
1
1
1
1
1
∫ (𝑥+3)(𝑥+1) 𝑑𝑥 = ∫ 2 (𝑥+1 − 𝑥+3) 𝑑𝑥 = 2 (∫ 𝑥+1 𝑑𝑥 − ∫ 𝑥+3 𝑑𝑥)
( p.30 <基 本 的 な 関 数 の 不 定 積 分 >, p.31 < 分 数 関 数 ( 有 理 関
数)>を参照)
( 以 下 (2)~ (5)は p.33< 定 積 分 の 置 換 積 分 法 > を 参 照 )
( 2 ) 2𝑥 + 3= 𝑡 と お く と ,
𝑑𝑥 =
1
1
2
1
𝑑𝑡 だ か ら
∫ sin(2𝑥 + 3) 𝑑𝑥 = ∫ sin 𝑡・ 2 𝑑𝑡 = 2 ∫ sin 𝑡 𝑑𝑡
10
1
( 3 ) 𝑥 3 = 𝑡 と お く と , 𝑥 2 𝑑𝑥 = 3 𝑑𝑡
3
だから
1
3
1
∫ 𝑥 2 𝑒 𝑥 𝑑𝑥 = ∫ 𝑒 𝑥 𝑥 2 𝑑𝑥 = ∫ 𝑒 𝑡 ・ 3 𝑑𝑡 = 3 ∫ 𝑒 𝑡 𝑑𝑡
x = 3 sin θ と お く と , x が 0 か ら 3 ま で 変 化
(4)
するとき, θ は 0 から
π
𝑑𝑥
に よ り 𝑑𝑥 = 3 cos θ 𝑑θ
𝑑
= 𝑑θ (3 sin θ) = 3 cos θ
𝑑θ
ま た , 0≤ θ ≤
π
2
2
x
まで変化する。
3
で は cos θ ≥ 0 だ か ら
o
√9 − 𝑥 2 = √9 − (3 sin θ)2 = √9(1 − sin2 θ)
= 3√cos 2 θ = 3 cos θ
π
3
θ
𝜋
2
π
し た が っ て , ∫0 √9 − 𝑥 2 𝑑𝑥 = ∫02 3 cos θ ・ 3 cos θ 𝑑θ= 9 ∫02 cos 2 θ 𝑑θ
こ こ で , cos 2θ= 2 cos 2 θ- 1 だ か ら ,
π
3
∫0 √9 − 𝑥 2 𝑑𝑥 = 9 ∫02
cos 2θ+1
2
𝑑θ =
9
π
∫ 2 (cos 2θ + 1)𝑑θ
2 0
𝑡
t = cos 𝑥 と お く と , x が 0 か ら π ま で 変 化
(5)
1
するとき, 𝑡 は 1 から-1 まで変化する。
𝑑𝑡
x
o
𝑑
= 𝑑𝑥 cos 𝑥 = - sin 𝑥
𝑑𝑥
π
に よ り sin 𝑥 𝑑𝑥 = −𝑑𝑡
-1
したがって,
π
π
−1
−1
1
∫0 sin 𝑥 cos 3 𝑥 𝑑𝑥 = ∫0 cos 3 𝑥 sin 𝑥 𝑑𝑥 = ∫1 𝑡 3 (−1)𝑑𝑡 = - ∫1 𝑡 3 𝑑𝑡 = ∫−1 𝑡 3 𝑑𝑡
𝑏
𝑏
部 分 積 分 法 ∫𝑎 𝑓′(𝑥)𝑔(𝑥 )𝑑x = [𝑓 (𝑥 )𝑔(𝑥 )]𝑏𝑎 − ∫𝑎 𝑓 (𝑥 )𝑔 ′(𝑥 )𝑑𝑥
(6)
を 適 用 す る 。 𝑓′(𝑥 ) = 𝑥 , 𝑔(𝑥 ) = log 𝑥 と お く と ,
𝑒
𝑒
1
𝑒1
1
∫1 𝑥 log 𝑥 𝑑𝑥 = [2 𝑥 2 log 𝑥] − ∫1 2 𝑥 2 𝑥 𝑑𝑥
1
( p.33 < 定 積 分 の 部 分 積 分 法 > を 参 照 )
2
積分法を用いて次の極限値を求めなさい。
𝑦
3
3
3
1 +2 +3 + ・ ・ ・ ・ +𝑛3
𝑛4
𝑥→0
lim
=
2−27
2−28
ヒント
S𝑛 =
13 +23 +33 + ・ ・ ・ ・ +𝑛3
𝑛4
1 31
S𝑛 = (𝑛)
𝑛
2 31
+ (𝑛)
𝑛
とおくと,
3 31
+ (𝑛)
𝑛
+・・・
O
11
𝑘
𝑛
1
𝑥
𝑘 31
+ (𝑛)
𝑛
+・・・+ (
𝑛−1 3 1
𝑛
)
𝑛
𝑛 31
+ (𝑛)
𝑛
𝑘 31
= ∑𝑛𝑘=1 (𝑛)
𝑛
13 +23 +33 + ・ ・ ・ ・ +𝑛3
し た が っ て , lim
𝑛4
𝑛→∞
𝑘 31
= lim S𝑛 = lim ∑𝑛𝑘=1 (𝑛)
𝑛→∞
𝑛
𝑛→∞
1
= ∫0 𝑥 3 𝑑𝑥
ゆえに, この定積分の値が求めるもの。
( p.33 < 定 積 分 と 区 分 求 積 法 > を 参 照 )
3
0≦𝑥≦
𝜋
2
分の面積は
の 範 囲 内 で 2 つ の 曲 線 𝑦 = sin 2𝑥と 𝑦 = sin 𝑥
に囲まれた部
1
2−29
ヒント
sin 2𝑥= sin 𝑥 と お く と
y 𝑦
2sin 𝑥 cos 𝑥= sin 𝑥
sin 𝑥 (2 cos 𝑥 − 1) = 0
よ っ て , sin 𝑥 = 0 , cos 𝑥=
0≦𝑥≦
𝜋
2
1
2
の 範 囲 で は , x =0,
𝜋
3
したがって, この二つの値が
2曲線の交点の x 座標である。
0≦𝑥≦
𝜋
3
𝑥
𝜋
2
𝜋
3
O
で は sin 2𝑥 ≥ sin 𝑥 で あ る の で ,
求める面積は
𝜋
∫03(sin 2𝑥 − sin 𝑥) 𝑑𝑥
( p.34 < 面 積 > を 参 照 )
4
関 数 y = 𝑒𝑥 ( 0 ≦ 𝑥 ≦ 1 ) の グ ラ フ が x 軸 の 周 り に 1 回 転 し て で き る
立体の体積は
1
2−30
(𝑒 2−31 − 2 − 32 )𝜋
𝑦
ヒント
この立体は関数の値を半径とした
回転体だから, 体積は
1
∫0 𝜋𝑦 2 𝑑𝑥
=
1
∫0 𝜋(𝑒 𝑥 )2 𝑑𝑥
y
=
1
𝜋 ∫0 𝑒 2𝑥 𝑑𝑥
( p.35 < 回 転 体 の 体 積 > を 参 照 )
o
面 積
12
𝜋𝑦 2
x
1
𝑥
要約
複素数平面について
<複素数>
「数学Ⅱ」で導入された「複素数」を復習します。
2 乗 し て - 1 に な る 数 i( す な わ ち 𝑖 2 = - 1 ) を 考 え , a , b を 実 数 と
し て a + b i の 形 で 表 さ れ る 数 を 複 素 数 と い う 。a を そ の 複 素 数 の 実 部 ,
b をその複素数の虚部という。
b=0 の と き , a+0i は 実 数 a を 表 す も の と す る 。
b ≠0 の と き , a + b i を 虚 数 と い う 。
特 に a = 0 , b ≠0 の と き は , 純 虚 数 と い う 。
<複素数の相当>
a, b, c, d が 実 数 で あ る と き ,
a+bi = c+di が 成 り 立 つ の は a=c か つ b=d の と き で あ る 。
<複素数の計算>
文 字 の 計 算 と 同 様 に 計 算 し て , 𝑖2 が 出 た 時 に - 1 に 置 き 換 え る 。
和
(a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i
差
(a+bi)- (c+di)=(a-c)+(b-d)i
積
( a + b i ) ( c + d i ) = a c + a d i + b c i + b d 𝑖2 = a c + a d i + b c i - b d
=(ac-bd)+(ad+bc)i
商
𝑎+𝑏𝑖
𝑐+𝑑𝑖
実数倍
=
(𝑎+𝑏𝑖)(𝑐−𝑑𝑖)
(𝑐+𝑑𝑖)(𝑐−𝑑𝑖)
=
𝑎𝑐+𝑏𝑑
𝑐2 +𝑑2
k(a+bi)= ka+kbi
+
𝑏𝑐−𝑎𝑑
𝑐2 +𝑑2
𝑖
(k は 実 数 )
<共役複素数>
2 つ の 複 素 数 a+bi と a- bi は 互 い に 共 役 な 複 素 数 と い う 。
複 素 数 α の 共 役 な 素 数 を 𝛼̅ と 記 す 。 し た が っ て
̅̅̅̅̅̅̅̅
𝑎 + 𝑏𝑖 = a - b i , ̅̅̅̅̅̅̅̅
𝑎 − 𝑏𝑖 = a + b i
y
<複素数平面>
複 素 数 a+bi を 座 標 平 面 上 の 点 (a, b)で
表わしたとき, この平面を複素数平面と
a+bi
b
いう。
実数を表す横軸を実軸, 純虚数を表す
O
縦軸を虚軸という。
13
a
x
<複素数の極形式>
y
複 素 数 平 面 上 で , 複 素 数 z =a+bi
を 表 す 点 を P ( z ) と す る 。 z ≠0 の と き ,
P(z)
b
OP の 長 さ を r , 実 軸 の 正 の 向 き か ら
OP に 測 っ た 角 を θ と す る と ,
θ
r = √𝑎2 + 𝑏2 , a = r cos 𝜃 , b = r sin 𝜃
O
で あ る か ら , z = r ( cos 𝜃 + i sin 𝜃)
a
x
と表わされる。これを複素数 z の極形式という。
r を z の 絶 対 値 と い い , |𝑧 |で 表 す 。 す な わ ち |𝑧 | = √ 𝑎 2 + 𝑏 2
θ を z の 偏 角 と い い , arg z で 表 す 。 す な わ ち arg z=θ
例
z = −√3+ i の と き
r = √ (−√3)2 + 12 = √4 = 2 , −√3 = 2 cos 𝜃 , 1 = 2 sin 𝜃
cos 𝜃= −
√3
2
1
, sin 𝜃= 2
だから
5
に よ り 0 ≤ θ < 2π に お い て は θ = 6 𝜋
よ っ て , z = −√3+ i = 2 ( −
√3 1
+ 2 𝑖) =
2
5
5
2 ( cos 6 𝜋 + i sin 6 𝜋 )
<複 素 数 の 積 >
2 つ の 複 素 数 𝑧1= 𝑟1 (cos𝜃1 + 𝑖 sin 𝜃1) , 𝑧2 = 𝑟2 (cos𝜃2 + 𝑖 sin 𝜃2 ) の 積 は
𝑧1 𝑧2 = 𝑟1 (cos𝜃1 + 𝑖 sin 𝜃1 ) 𝑟2 (cos𝜃2 + 𝑖 sin 𝜃2 )
= 𝑟1 𝑟2 (cos𝜃1 + 𝑖 sin 𝜃1 ) (cos𝜃2 + 𝑖 sin 𝜃2 )
= 𝑟1 𝑟2 {(cos𝜃1 cos𝜃2 − sin 𝜃1 sin 𝜃2 ) + 𝑖(sin 𝜃1 cos𝜃2 + cos𝜃1 sin 𝜃2 )}
= 𝑟1 𝑟2 {𝑐𝑜𝑠(𝜃1 + 𝜃2 ) + 𝑖 𝑠𝑖𝑛( 𝜃1 + 𝜃2 )}
したがって,
①
積の絶対値は, それぞれの絶対値の積に等しい。
|𝑧1 𝑧2 | = |𝑧1 ||𝑧2 |
②
積の偏角は, それぞれの偏角の和に等しい。
a r g ( 𝑧1 𝑧2) = a r g 𝑧1 + a r g 𝑧2
( た だ し , 2π の 整 数 倍 の 違 い を 無 視 す る 。)
③
<複素数の積を表す点>
y
① と ② に よ り , 複 素 数 平 面 上 で 積 𝑧1𝑧2
を 表 す 点 は , 𝑧1 を , 原 点 の ま わ り に a r g 𝑧2
b
𝑧1 𝑧2
𝜃1
だ け 回 転 し , 原 点 か ら の 距 離 を |𝑧2 |倍 し た
𝑧2
𝑧1
𝜃1
点である。
O
14
x
<原 点 の ま わ り の 回 転 >
複 素 数 𝑧1に 絶 対 値 が 1 の 複 素 数 𝑧2 = cos 𝜃 + i sin 𝜃
を 掛 け た 複 素 数 𝑧1 𝑧2 を 表 す 点 は , 複 素 数 平 面 上 で 点 𝑧1 を 原 点 の ま わ
りにθ だけ回転した点である。
𝜋
𝜋
𝑖= cos 2 + i sin 2
特に
𝜋
𝜋
- 𝑖= cos(− 2 ) + i sin(− 2 )
- 1 = cos 𝜋 + i sin 𝜋
であるから,
𝜋
点 𝑧1 𝑖 は , 点 𝑧1を 原 点 の ま わ り に 2 だ け 回 転 し た 点
𝜋
点 −𝑧1 𝑖 は , 点 𝑧1を 原 点 の ま わ り に - 2 だ け 回 転 し た 点
点 - 𝑧1 は , 点 𝑧1を 原 点 の ま わ り に 𝜋だ け 回 転 し た 点
を表す。
<複 素 数 の 商 >
𝑧1
𝑧2
𝑟 (cos𝜃 +𝑖 sin 𝜃 )
𝑟 (cos𝜃 +𝑖 sin 𝜃 ) (cos𝜃 −𝑖 sin 𝜃 )
= 𝑟1 (cos𝜃1+𝑖 sin 𝜃1 ) = 𝑟1(cos𝜃 1+𝑖 sin 𝜃 1) (cos𝜃2−𝑖 sin 𝜃2)
2
=
2
2
2
2
2
𝑟1(cos𝜃1 +𝑖 sin 𝜃1 ) {cos(−𝜃2 )+𝑖 sin(−𝜃2 )}
𝑟2 {(cos𝜃2)2 +(sin 𝜃2 )2}
2
=
2
𝑟1
𝑟2
{cos(𝜃1 − 𝜃2 ) + 𝑖 sin(𝜃1 − 𝜃2 )}
したがって,
①
商の絶対値は, それぞれの絶対値の商に等しい。
𝑧
| 1| =
𝑧
2
②
|𝑧1 |
|𝑧2 |
商の偏角は, それぞれの偏角の差に等しい。
𝑧
a r g ( 𝑧1) = a r g 𝑧1- a r g 𝑧2
y
2
( た だ し , 2π の 整 数 倍 の 違 い を 無 視 す る 。)
③
<複 素 数 の 商 を 表 す 点 >
①と②により, 複素数平面上で商
𝑧1
𝑧2
1
|𝑧2|
𝜃2
𝑧1 𝑧2
𝑧2
を
表 す 点 は , 𝑧1 を , 原 点 の ま わ り に - a r g 𝑧2
だけ回転し, 原点からの距離を
b
𝑧1
𝜃2
O
x
倍した点である。
<ド ・ モ ア ブ ル の 定 理 >
絶 対 値 が 1 の 複 素 数 z = cos 𝜃 + i sin 𝜃 に つ い て , 𝑧2 , 𝑧3 , ・ ・ , 𝑧𝑛 を 考
える。
15
𝑧2 = (cos 𝜃 + 𝑖 sin 𝜃)2= ( cos 𝜃 + i sin 𝜃) ( cos 𝜃 + i sin 𝜃)
= cos(𝜃 + 𝜃) + i sin(𝜃 + 𝜃)= cos 2𝜃 + i sin2 𝜃
𝑧3 = (cos 𝜃 + 𝑖 sin 𝜃)3 = ( cos 𝜃 + i sin 𝜃) (cos 𝜃 + 𝑖 sin 𝜃)2
= ( cos 𝜃 + i sin 𝜃) ( cos 2𝜃 + i sin2 𝜃 )
= cos(𝜃 + 2𝜃) + i sin(𝜃 + 2𝜃)= cos 3𝜃 + i sin3 𝜃
同様にして, 正の整数𝑛 について
(cos 𝜃 + 𝑖 sin 𝜃)𝑛 = cos 𝑛𝜃 + i sin 𝑛𝜃
が成り立つ。
ま た , 正 の 整 数 𝑛 に つ い て , 𝑧−𝑛 =
𝑧−𝑛 =
1
𝑧𝑛
1
,
𝑧0 = 1 と 定 め る と ,
𝑧𝑛
1
cos𝑛 𝜃−𝑖 sin𝑛 𝜃
=
=(
cos𝑛 𝜃 +𝑖 sin𝑛 𝜃
cos𝑛 𝜃 +𝑖 sin𝑛 𝜃)(cos𝑛 𝜃−𝑖 sin𝑛 𝜃)
整数𝑛 について
= cos(−𝑛𝜃) + i sin(−𝑛𝜃) に よ り
(cos 𝜃 + 𝑖 sin 𝜃)𝑛 = cos 𝑛𝜃 + i sin 𝑛𝜃
が成り立つ。これをド・モアブルの定理という。
6
複素数平面上の2点間の距離
y
複 素 数 平 面 上 の 2 点 P(𝑧1)と Q(𝑧2 )の 距 離 は ,
Q(𝑧2 )
𝑧2 − 𝑧1
原 点 O と 点 𝑧2 − 𝑧1を 結 ぶ 線 分 の 長 さ に 等 し
い の で , 2 点 間 の 距 離 は |𝑧2 − 𝑧1 | で あ る 。
P(𝑧1)
し た が っ て , 𝑧1= 𝑥1 + 𝑦1 𝑖 , 𝑧2 = 𝑥2 + 𝑦2 𝑖
の と き は , |𝑧2 − 𝑧1|= √(𝑥2 − 𝑥1 )2 + (𝑦2 − 𝑦1 )2
要約
O
式と曲線について
x
y
<放物線>
・平面上で, 定点 F と, F を通らな
H
P(𝑥 ,
y)
い定直線 l からの距離が等しい
点の軌跡を放物線といい, 定点
F を放物線の焦点, 定直線 l を放
物線の準線という。
-p
O
p 焦点 F
準 線
・ p≠ 0 で 焦 点 が F( p , 0) , 準 線 が
x =- p で あ る 放 物 線 上 の 任 意 の
点 を P(x , y) と し , P か ら 準 線 に
引 い た 垂 線 を PH と す る と ,
H( - p , y) , P F=PH
により,
√ ( 𝑥 − 𝑝 ) 2 + 𝑦 2 = |𝑥 + 𝑝 |
この式を変形すると, 放物線の方程式の標準形
れる。
16
𝑦2 = 4 p x が 得 ら
𝑥
・ p ≠ 0 で , 点 F(0, p)を 焦 点 ,
y
直 線 y=- p を 準 線 と す る
放物線の方程式の標準形は,
𝑥2 = 4 p y
1
( す な わ ち , y = 4𝑝 𝑥 2 )
P(𝑥 ,
・放物線の焦点を通り, 準線に
焦 点 F
p
垂直な直線を, 放物線の軸と
いい, 軸と放物線の交点を,
𝑥
O
放物線の頂点という。
準 線
y)
H
-p
<放物線の性質>
・ 放 物 線 𝑦 2 = 4𝑝𝑥 は
①
焦 点 は (p , 0 ) , 準 線 は x = - p
②
軸は x 軸, 頂点は原点, 放物線は軸に関して対称
・ 放 物 線 𝑥 2 = 4𝑝𝑦 は
①
焦点は( 0 , p ) , 準線は y = -p
②
軸は y 軸, 頂点は原点, 放物線は軸に関して対称
<楕円>
・ 平 面 上 で , 異 な る 2 定 点 F, F' か
らの距離の和が一定である点の
y
軌 跡 を 楕 円 と い い , 定 点 F, F' を
B
楕円の焦点という。
𝑏
A'
・ a > 0, c > 0で 2 つ の 焦 点 F ( c , 0 ) ,
-a
F'(- c, 0)か ら の 距 離 の 和 が 2a で
F'
F
O
-c
c
B'
あ る 楕 円 上 の 任 意 の 点 を P(x , y )
とすると
P(𝑥 ,
- 𝑏
PF+ P F'=2a だ か ら ,
√ (𝑥 − 𝑐 ) 2 + 𝑦 2 + √ (𝑥 + 𝑐 ) 2 + 𝑦 2 = 2 a
この式を変形すると, 楕円の方程式の標準形
( た だ し , a > 𝑏 >0 , c = √𝑎2 − 𝑏2 ) が 得 ら れ る 。
17
𝑥2
𝑎2
𝑦2
+ 𝑏2 = 1
y)
A
a
x
y
・ b > 0 , c > 0で , 焦 点 F ( 0 , c ) , F ' ( 0 , - c )
か ら の 距 離 の 和 が 2b で あ る 楕 円 の
方程式の標準形は
𝑥2
c
F
𝑦2
+ 𝑏2 = 1
𝑎2
P(𝑥 ,
y)
( た だ し , b > 𝑎 >0 , c = √𝑏2 − 𝑎2 )
x
O
・ 2 点 F,F'を 焦 点 と す る 楕 円 に お い て ,
直 線 FF'の う ち 楕 円 が 切 り 取 る 部 分 を
F'
-c
長軸, 長軸の垂直二等分線のうち楕円
が切り取る部分を短軸という。
また, 長軸と短軸の交点を中心、長軸と
短軸の端点を頂点という。
<楕円の性質>
楕円
𝑥2
+
𝑎2
𝑦2
𝑏2
= 1
(た だ し , a> 𝑏 > 0) は 次 の 性 質 を も つ 。
①
焦 点 は ( √𝑎2 − 𝑏2 , 0 ) と ( - √𝑎2 − 𝑏2 , 0 )
②
中 心 は 原 点 , 長 軸 の 長 さ は 2a , 短 軸 の 長 さ は 2b
③
楕 円 上 の 点 か ら 2 つ の 焦 点 ま で の 距 離 の 和 は 2a
④
楕円は x 軸, y 軸, 原点に関して対称
⑤
頂 点 は A(a, 0) , A'(- a, 0) , B( 0 , b ) , B'( 0 , - b )
楕円
𝑥2
𝑎2
+
𝑦2
𝑏2
= 1
(た だ し , b> 𝑎 > 0) は 次 の 性 質 を も つ 。
①
焦 点 は ( 0 , √𝑏2 − 𝑎2 ) , ( 0 , −√𝑏2 − 𝑎2 )
②
中 心 は 原 点 , 長 軸 の 長 さ は 2b , 短 軸 の 長 さ は 2a
③
楕 円 上 の 点 か ら 2 つ の 焦 点 ま で の 距 離 の 和 は 2b
④
楕円は x 軸, y 軸, 原点に関して対称
⑤
頂 点 は A(a, 0) , A'(- a, 0) , B( 0 , b ) , B'( 0 , - b )
<双曲線>
・ 平 面 上 で , 異 な る 2 定 点 F, F'か ら の 距 離 の 差 が 0 で な い 一 定 値 で
あ る 点 の 軌 跡 を 双 曲 線 と い い , こ の 2 定 点 F, F'を 双 曲 線 の 焦 点 と
い う 。 た だ し , 焦 点 F, F'か ら の 距 離 の 差 は 線 分 FF'の 長 さ よ り も
小さいとする。
18
・ 𝑎 > 0 , c > 0で 2 つ の 焦 点
y
y = 𝑏𝑎 𝑥
y = - 𝑏𝑎 𝑥
F(c , 0) , F'( - c, 0) か ら の 距
離 の 差 が 2a で あ る 双 曲 線
P(𝑥 ,
について, その上の任意の
焦 点 F'
点 を P(x , y )と す る と
- c
|PF − PF′|= 2 a
y)
焦 点 F
x
c
O
である。この式を変形する
と,
双曲線の方程式の標準形
𝑥2
𝑎2
𝑦2
− 𝑏2 = 1
が得られる。
( た だ し , a > 0 , 𝑏 >0 ,
y
c = √𝑎2 + 𝑏2 )
y = − 𝑏𝑎 𝑥
y = 𝑏𝑎 𝑥
焦 点
・ b > 0 , c > 0で , 焦 点 F ( 0 , c ) ,
c
F' (0 ,- c)か ら の 距 離 の 差 が
P ( 𝑥, y )
2𝑏 である双曲線の方程式
𝑥2
の標準形は
𝑎2
O
− 𝑏2 = −1
( た だ し , a > 0 , 𝑏 >0 ,
c = √𝑎2
+
𝑏2
x
𝑦2
焦 点
-c
)
・ 2 定 点 F, F'を 焦 点 と す る 双 曲 線 に お い て , 直 線 FF'と 双 曲 線 の 2
つ の 交 点 を 頂 点 , 線 分 FF'の 中 点 を 双 曲 線 の 中 心 と い う 。
・曲線上の点が一定の直線に限りなく近づくとき, この直線をその
曲線の漸近線という。
双曲線
𝑥2
𝑎2
𝑦2
− 𝑏2 = 1 ,
𝑥2
𝑎2
𝑦2
− 𝑏2 = −1 に お い て , |𝑥 |が 限 り な く 大 き く な る と
𝑏
𝑏
き , 曲 線 は 2 直 線 y =𝑎𝑥 ,y =−𝑎𝑥 に 限 り な く 近 づ く の で , こ の 2 直
線が双曲線の漸近線である。
<双曲線の性質>
双曲線
𝑥2
𝑎2
−
𝑦2
𝑏2
=1
(た だ し , a> 0 , 𝑏 > 0 ) は 次 の 性 質 を も つ 。
①
焦 点 は ( √𝑎2 + 𝑏2 , 0 ) と ( - √𝑎2 + 𝑏2 , 0 )
②
中 心 は 原 点 , 頂 点 は (a, 0) , (- a, 0)
19
③
双 曲 線 上 の 点 か ら 2 つ の 焦 点 ま で の 距 離 の 差 は 2a
④
漸 近 線 は y =𝑎𝑥 ,
⑤
x 軸, y 軸, 原点に関して対称
𝑏
双曲線
𝑥2
𝑎2
𝑦2
− 𝑏2 = −1
y =-
𝑏
𝑎
𝑥
(た だ し , a> 0 , 𝑏 > 0 ) は 次 の 性 質 を も つ 。
①
焦 点 は ( 0 , √𝑎2 + 𝑏2 ) ,
②
中 心 は 原 点 , 頂 点 は (0 , b) , (0 ,- b)
③
双 曲 線 上 の 点 か ら 2 つ の 焦 点 ま で の 距 離 の 差 は 2b
④
漸 近 線 は y=
⑤
x 軸, y 軸, 原点に関して対称
要約
𝑏
( 0 , - √a2 + 𝑏2 )
y =-
𝑥 ,
𝑎
𝑏
a
𝑥
関数と極限について
<数列の収束・発散>
・ 項 が 限 り な く 続 く 数 列 𝑎1 , 𝑎2 , 𝑎3 , ・ ・ ・ ・ , 𝑎𝑛 , ・ ・ ・ を 無 限 数 列 と い い 、
{ 𝑎𝑛 }と 記 す 。
・ 無 限 数 列 { 𝑎𝑛 }に お い て , n を 限 り な く 大 き く す る と き , 𝑎𝑛 の 値 が 限
り な く 一 定 の 値 αに 近 づ く な ら ば , 数 列 { 𝑎𝑛 } は α に 収 束 す る と い
い,
このことを
lim 𝑎𝑛 = 𝛼
𝑛→∞
n → ∞の と き 𝑎𝑛 → 𝛼
または
と 記 す 。 αを
数 列 { 𝑎𝑛 } の 極 限 値 と い う 。
・ 数 列 { 𝑎𝑛 }が 収 束 し な い と き , 数 列 { 𝑎𝑛 }は 発 散 す る と い う 。
・ 数 列 { 𝑎𝑛 }に お い て , n を 限 り な く 大 き く す る と き , 𝑎𝑛 の 値 が 限 り な
く 大 き く な る 場 合 , 「 数 列 { 𝑎𝑛 }は 正 の 無 限 大 に 発 散 す る 」 , ま た は
「 数 列 { an } の 極 限 は 正 の 無 限 大 で あ る 」 と い い , こ の こ と を
lim 𝑎𝑛 = ∞
𝑛→∞
または
n → ∞の と き 𝑎𝑛 → ∞
と記す。
・ 数 列 { 𝑎𝑛 }に お い て , n を 限 り な く 大 き く す る と き , 𝑎𝑛 の 値 が 負 で そ
の 絶 対 値 が 限 り な く 大 き く な る 場 合 , 「 数 列 { 𝑎𝑛 } は 負 の 無 限 大 に
発 散 す る 」 , ま た は 「 数 列 { an } の 極 限 は 負 の 無 限 大 で あ る 」 と い
い, このことを
lim 𝑎𝑛 = −∞
𝑛→∞
または
n → ∞の と き 𝑎𝑛 → −∞
と記
す。
・ 例 え ば , 第 n 項 が 𝑎𝑛 = (−3)𝑛−1 で あ る 数 列 { 𝑎𝑛 }は , n を 限 り な く 大 き
20
く す る と き , 発 散 す る が 、𝑎𝑛 の 値 は 正 の 無 限 大 に も , 負 の 無 限 大 に
も発散しない。このような数列は振動するという。
・ ( ま と め ) 数 列 { 𝑎𝑛 }の 極 限 に つ い て
収 束 す る ・ ・ ・ 極 限 値 は 𝛼で あ る
・ ・ ・ ・ lim 𝑎𝑛 = 𝛼
𝑛→∞
正 の 無 大 に 発 散 す る ・ ・ ・ ・ lim 𝑎𝑛 = ∞
𝑛→∞
負 の 無 限 大 に 発 散 す る ・ ・ ・ ・ lim 𝑎𝑛 = −∞
発散する
𝑛→∞
振動する
{
<数列の極限の性質>
数 列 { 𝑎𝑛 } , 数 列 { 𝑏𝑛 }が と も に 収 束 し , lim 𝑎𝑛 = 𝛼 , lim 𝑏𝑛 = 𝛽 な ら ば
①
②
③
④
lim 𝑘𝑎𝑛 = 𝑘𝛼
𝑛→∞
𝑛→∞
𝑛→∞
( た だ し 𝑘は 定 数 )
lim (𝑎𝑛 + 𝑏𝑛 ) = 𝛼 + 𝛽
, lim (𝑎𝑛 − 𝑏𝑛 ) = 𝛼- 𝛽
𝑛→∞
𝑛→∞
lim 𝑎𝑛 𝑏𝑛 = 𝛼𝛽
𝑛→∞
𝛽≠0 のとき
lim
𝑎𝑛
𝑛→∞ 𝑏𝑛
𝛼
=𝛽
<無限等比数列の収束・発散>
・ 項 が 限 り な く 続 く 等 比 数 列 𝑎𝑛 = 𝑎𝑟 𝑛−1 を 無 限 等 比 数 列 と い う 。
・ 無 限 等 比 数 列 {𝑟 𝑛 } の 極 限 は 次 の 通 り 。
①
𝑟>1 のとき
②
𝑟=1 のとき
③
|𝑟| < 1の と き
④
𝑟 ≤ −1の と き
lim 𝑟 𝑛 = ∞
(発 散 )
𝑛→∞
lim 𝑟 𝑛 = 1
(収 束 )
lim 𝑟 𝑛 = 0
(収 束 )
振動
(発 散 )
𝑛→∞
𝑛→∞
<無限級数の極限>
・ 無 限 数 列 {𝑎𝑛 }の 各 項 を 順 に + の 記 号 で 結 ん だ 式
𝑎1 + 𝑎2 + 𝑎3 + ・ ・ ・ ・ ・ ・ + 𝑎𝑛 + ・ ・ ・ ・
を無限級数といい,
①
𝑎1 を 初 項 , 𝑎𝑛 を 第 n 項 と い う 。
・ ① を ∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛 と 記 す こ と が あ る 。
∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛 = 𝑎1 + 𝑎2 + 𝑎3 + ・ ・ ・ ・ ・ ・ + 𝑎𝑛 + ・ ・ ・ ・ ・
すなわち
・ 無 限 級 数 ∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛 に つ い て , 数 列 {𝑎𝑛 }の 初 項 か ら 第 n 項 ま で の 和
𝑆𝑛 = 𝑎1 + 𝑎2 + 𝑎3 + ・ ・ ・ ・ ・ ・ + 𝑎𝑛
を 無 限 級 数 ∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛 の 第 n 項 ま で の 部 分
和という。
・ 部 分 和 の つ く る 数 列 { 𝑆𝑛 }が あ る 値 S に 収 束 す る ( lim 𝑆𝑛 = 𝑆) と き ,
𝑛→∞
無限級数
∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛
は収束するといい, S =
21
∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛
と書いて, S を無限
級 数 ∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛 の 和 と い う 。
・ 数 列 { 𝑆𝑛 }が 発 散 す る と き , 無 限 級 数 ∑∞
𝑛=1 𝑎𝑛 は 発 散 す る と い う 。
<無限等比級数の収束・発散>
・ 初 項 𝑎、 公 比 𝑟 の 無 限 等 比 数 列 { 𝑎𝑟 𝑛−1 }か ら 作 ら れ る 無 限 級 数
𝑛−1
∑∞
= 𝑎 + 𝑎𝑟 + 𝑎𝑟 2 + ・ ・ ・ ・ + 𝑎𝑟 𝑛−1 + ・ ・ ・ ・
𝑛=1 𝑎𝑟
を 初 項 𝑎 ,公 比 𝑟 の 無 限
等比級数という。
𝑛−1
・ 無 限 等 比 級 数 ∑∞
の 第 n 項 ま で の 部 分 和 𝑆𝑛 =
𝑛=1 𝑎𝑟
𝑛−1
・ 無 限 等 比 級 数 ∑∞
について 𝑎≠0 とき
𝑛=1 𝑎𝑟
①
|𝑟 | < 1 な ら ば
𝑛−1
∑∞
は収束して, その和は
𝑛=1 𝑎𝑟
②
|𝑟 | ≥ 1 な ら ば
𝑛−1
∑∞
は発散する。
𝑛=1 𝑎𝑟
𝑎(1−𝑟𝑛 )
1−𝑟
𝑎
1−𝑟
<関数の極限値>
・ 関 数 f ( 𝑥) に お い て , 変 数 𝑥 が a と 異 な る 値 を 取 り な が ら 限 り な く a
に 近 づ く と き , f ( 𝑥) の 値 が 一 定 の 値 𝛼 に 限 り な く 近 づ く な ら ば , f ( 𝑥)
は 𝛼に 収 束 す る と い い 、 lim 𝑓(𝑥 ) = 𝛼 ま た は
𝑥 → 𝑎 の と き f ( 𝑥) → 𝛼
𝑥→𝑎
と 記 す 。 𝛼 を 𝑥 → 𝑎 の と き の f ( 𝑥) の 極 限 値 ( ま た は 極 限 ) と い う 。
<極限値の性質>
lim 𝑓(𝑥 ) = 𝛼 , lim 𝑔(𝑥 ) = 𝛽 と き , 次 の 性 質 が 成 り 立 つ 。
𝑥→𝑎
𝑥→𝑎
lim 𝑘 𝑓 (𝑥 ) = 𝑘𝛼
①
𝑥→𝑎
( 𝑘は 定 数 )
lim {𝑓(𝑥 ) + 𝑔(𝑥 )} = α + β
②
、
𝑥→𝑎
lim {𝑓(𝑥 )𝑔(𝑥 )} = αβ
③
lim {𝑓 (𝑥 ) − 𝑔(𝑥 )} = α − β
𝑥→𝑎
𝑥→𝑎
β≠0のとき
④
lim
𝑓(𝑥)
𝑥→𝑎 𝑔(𝑥)
=
𝛼
𝛽
<無限大に発散>
・関 数 f ( 𝑥) に お い て , 𝑥 が a と 異 な る 値 を 取 り な が ら 限 り な く a に 近
づ く と き , f ( 𝑥) の 値 が 限 り な く 大 き く な る な ら ば , 「 𝑥 → 𝑎 の と き
f ( 𝑥) は 正 の 無 限 大 に 発 散 す る 」 , ま た は 「 𝑥 → 𝑎 の と き f ( 𝑥) の 極 限 は
∞
で あ る 」と い い , lim 𝑓(𝑥 ) = ∞
𝑥→𝑎
または
𝑥 → 𝑎 の と き f ( 𝑥) → ∞ と 記 す 。
・関 数 f ( 𝑥) に お い て , 𝑥 が a と 異 な る 値 を 取 り な が ら 限 り な く a に 近
づ く と き , f ( 𝑥) の 値 が 負 で そ の 絶 対 値 が 限 り な く 大 き く な る な ら ば ,
「 𝑥 → 𝑎 の と き f ( 𝑥) は 負 の 無 限 大 に 発 散 す る 」 , ま た は 「 𝑥 → 𝑎 の と
22
き f ( 𝑥) の 極 限 は - ∞ で あ る 」 と い い , lim 𝑓(𝑥 ) = −∞
𝑥→𝑎
の と き f ( 𝑥) → −∞
または 𝑥→𝑎
と記す。
<右側極限と左側極限>
・ 関 数 f ( 𝑥) に お い て , 𝑥 が a よ り 大 き い 値 を と り な が ら 限 り な く a
に 近 づ く と き , f ( 𝑥) の 値 が 一 定 の 値 𝛼 に 限 り な く 近 づ く な ら ば ,
𝛼 を 「 𝑥 が a に 近 づ く と き の f ( 𝑥) の 右 側 極 限 」 と い い ,
lim 𝑓(𝑥 ) = 𝛼 と 記 す 。
𝑥→𝑎+0
・ 関 数 f ( 𝑥) に お い て , 𝑥 が a よ り 小 さ い 値 を と り な が ら 限 り な く a
に 近 づ く と き , f ( 𝑥) の 値 が 一 定 の 値 𝛼 に 限 り な く 近 づ く な ら ば ,
𝛼 を 「 𝑥 が a に 近 づ く と き の f ( 𝑥) の 左 側 極 限 」 と い い ,
lim 𝑓(𝑥 ) = 𝛼 と 記 す 。
𝑥→𝑎−0
・ a = 0 の と き , 𝑥 → 0 + 0 を 𝑥 → +0
, 𝑥 → 0 − 0 を 𝑥 → −0
と記す。
< 𝑥 → ∞ , 𝑥 → −∞ の と き の 極 限 >
・変数𝑥 が限りなく大きくなることを𝑥→∞ と記し、𝑥 が負でその
絶 対 値 が 限 り な く 大 き く な る こ と を 𝑥 → −∞ と 記 す 。
・ 𝑥 → ∞ の と き , f ( 𝑥) の 値 が 一 定 の 値 𝛼 に 限 り な く 近 づ く な ら ば , f ( 𝑥)
は 𝛼 に 収 束 す る と い い , 値 𝛼 を 「 𝑥 → ∞ の と き の 関 数 f ( 𝑥) の 極 限 値
( ま た は 極 限 )」 と い う 。 こ の こ と を
lim 𝑓(𝑥 ) = 𝛼 と 記 す 。
𝑥→∞
・ 𝑥 → −∞ の と き , f ( 𝑥) の 値 が 一 定 の 値 𝛼 に 限 り な く 近 づ く な ら ば , f ( 𝑥)
は 𝛼 に 収 束 す る と い い , 値 𝛼 を 「 𝑥 → −∞ の と き の 関 数 f ( 𝑥) の 極 限
値 ( ま た は 極 限 )」 と い う 。 こ の こ と を
lim 𝑓(𝑥 ) = 𝛼 と 記 す 。
𝑥→−∞
・上記の<極限の性質>はこちらの場合にも成立する。
<指数関数・対数関数の極限>
lim 𝑎𝑥 = ∞
① a> 1 の と き
② 0< 𝑎 < 1 の と き
③ a> 1 の と き
lim 𝑎𝑥 = 0
𝑥→∞
𝑥→−∞
lim 𝑎𝑥 = 0
lim 𝑎𝑥 = ∞
𝑥→∞
𝑥→−∞
𝑥→∞
𝑥→+0
lim log 𝑎 𝑥 = ∞
④ 0<𝑎<1 のとき
lim log 𝑎 𝑥 = −∞
lim log 𝑎 𝑥 = −∞
𝑥→∞
lim log 𝑎 𝑥 = ∞
𝑥→+0
<関数の極限と大小関係>
関数の極限値について, 次の性質がある。
① 𝑥 が a の 近 く で 不 等 式 f ( 𝑥) ≤ 𝑔( 𝑥) が 成 り 立 ち , か つ lim 𝑓 (𝑥 ) = 𝛼 ,
lim 𝑔(𝑥 ) = 𝛽
𝑥→𝑎
ならば
𝑥→𝑎
α≤β
② 𝑥 が a の 近 く で 不 等 式 f ( 𝑥) ≤ 𝑔( 𝑥) ≤ ℎ(𝑥) が 成 り 立 ち , か つ
23
lim 𝑓(𝑥 ) = 𝛼 ,
𝑥→𝑎
lim ℎ(𝑥 ) = α
𝑥→𝑎
ならば
lim 𝑔(𝑥 ) = α
𝑥→𝑎
<三角関数の極限>
・ lim
𝑥→0
sin 𝑥
𝑥
=1 が成り立つ。
<関数の連続性>
・関 数 𝑓 (𝑥 )が そ の 定 義 域 内 の 値 a に 対 し て , lim 𝑓(𝑥 )が 存 在 し て lim 𝑓(𝑥 ) =
𝑥→𝑎
𝑥→𝑎
𝑓(𝑎)が 成 り 立 つ と き , 関 数 f ( 𝑥) は 𝑥 = a で 連 続 で あ る と い う 。
・ a が 定 義 域 の 左 端 の と き は , lim 𝑓 (𝑥 ) = 𝑓(𝑎)が 成 り 立 つ な ら ば ,
𝑥→𝑎+0
f ( 𝑥) は 𝑥 = a で 連 続 で あ る と い う 。
・ a が 定 義 域 の 右 端 の と き は , lim 𝑓 (𝑥 ) = 𝑓(𝑎)が 成 り 立 つ な ら ば ,
𝑥→𝑎−0
f ( 𝑥) は 𝑥 = a で 連 続 で あ る と い う 。
・ 関 数 𝑓 (𝑥 )が そ の 定 義 域 内 の 𝑥= a で 連 続 で な い と き , 𝑓( 𝑥) は 𝑥 = a で 不
連続であるという。
𝑥 2 −4
例
𝑓 (𝑥 ) = {
𝑥−2
0
(𝑥 ≠ 2)
y
(𝑥 = 2)
4
で 定 義 さ れ た 関 数 f ( 𝑥) は
f(2)=0
,
lim
𝑥 2 −4
𝑥→2 𝑥−2
で あ る か ら , lim
2
= lim (𝑥 + 2) = 4
𝑥 2 −4
x→2 𝑥−2
𝑥→2
o
≠ 𝑓(2)
𝑥
2
し た が っ て , 𝑥 =2 で 不 連 続
<区間における連続>
・ 𝑥 に つ い て , a< 𝑥 < 𝑏 ,
a< 𝑥 ≤ 𝑏 ,
a≤ 𝑥 < 𝑏 ,
a≤ 𝑥 ≤ 𝑏 を 満 た す 𝑥
の 集 合 を 区 間 と い い , そ れ ぞ れ (𝑎 , 𝑏) , (𝑎 , 𝑏] , [𝑎 , 𝑏) , [𝑎 , 𝑏] と 記 す 。
( 𝑎 , 𝑏 ) を 開 区 間 , [𝑎 , 𝑏 ] を 閉 区 間 と い う 。
・ 関 数 f ( 𝑥) が あ る 区 間 I に 属 す る す べ て の 𝑥 に お い て 連 続 で あ る と
き , 「 f ( 𝑥) は 区 間 I に お い て 連 続 で あ る 」 と い う 。
・ 関 数 f ( 𝑥) が 定 義 域 内 の す べ て の 𝑥 の 値 で 連 続 で あ る と き , f ( 𝑥) を 連
続関数という。
24
要約
微分法について
<扱う関数>
高 校 数 学 の 微 分 法 と 積 分 法 で 扱 う 関 数 f ( 𝑥) は 以 下 の 通 り 。
・多項式関数
例
f ( 𝑥) = 𝑥 2 − 2𝑥 + 3
・分数関数
例
f ( 𝑥) = 𝑥2 +𝑥+3
・無理関数
・指数関数
例
例
f ( 𝑥) = 𝑥 3 = √𝑥
f ( 𝑥) = 2𝑥
・対数関数
例
f ( 𝑥) = log 2 𝑥
・三角関数
例
f ( 𝑥) = sin 𝑥
𝑥+2
1
・これらを組み合わせた関数
・これらの合成関数
例
3
例
2𝑥
f ( 𝑥) = 𝑥−2 sin 𝑥
f ( 𝑥) = sin(√𝑥 2 − 2𝑥 + 3)
y
<微分係数>
関 数 f ( 𝑥) に つ い て , 極 限 値 lim
ℎ→0
𝑓(𝑎+ℎ)−𝑓(𝑎)
ℎ
f(a+h)
が 存 在 す る と き , こ の 値 を f ( 𝑥) の 𝑥= a
f(a)
に お け る 微 分 係 数 と い い , 𝑓 ′( a ) と 記 す 。
こ の と き , f ( 𝑥) は 𝑥= a で 微 分 可 能 で あ る
o
a
a+h
𝑥
という。
y
関 数 y = f ( 𝑥) の グ ラ フ を 描 い た と き , 𝑓 ′( a ) は
傾 き 𝑓′( a )
グ ラ フ 上 の 点 (a, f(a))の 接 線 の 傾 き を 表 す 。
f(a)
関 数 f ( 𝑥) が あ る 区 間 の 各 点 で 微 分 可 能 の
と き , f ( 𝑥) は そ の 区 間 で 微 分 可 能 で あ る と い う 。
o
a
𝑥
<導関数>
関 数 f ( 𝑥) が あ る 区 間 で 微 分 可 能 で あ る と き , そ の 区 間 の x の 値 a に 微
分 係 数 𝑓 ′ ( a ) を 対 応 さ せ る 関 数 を f ( 𝑥) の 導 関 数 と い い , 𝑓 ′ ( 𝑥) と 記 す 。
f ( 𝑥) か ら 𝑓 ′( 𝑥) を 求 め る こ と を f ( 𝑥) を 微 分 す る と い う 。
𝑓 ′( x ) は lim
ℎ→0
𝑓(𝑥+ℎ)−𝑓(𝑥)
ℎ
で求められる。
25
𝑑𝑦
( 記 号 ) 𝑓 ′( 𝑥) の 代 わ り に y ' ,
𝑑
,
𝑑𝑥
𝑑𝑥
𝑓(𝑥) ,
𝑑𝑓(𝑥)
𝑑𝑥
などの記号も用いる。
<関数の定数倍・和・差・積・商の導関数>(k , l は定数)
① y = k f ( 𝑥)
ならば
② y = f ( 𝑥) + 𝑔(𝑥 )
ならば
y = f ( 𝑥) - 𝑔(𝑥 )
④ y = f ( 𝑥) 𝑔(𝑥 )
1
y ' = 𝑓 ′ ( 𝑥) + ' ( 𝑥)
y ' = 𝑓 ′( 𝑥) - 𝑔' ( 𝑥)
ならば
③ y = k f ( 𝑥) + l 𝑔(𝑥 )
⑤ y = 𝑔(𝑥)
y ' = k 𝑓 ′( 𝑥)
y ' = k 𝑓 ′( 𝑥) + l 𝑔' ( 𝑥)
ならば
ならば
ならば
y ' = 𝑓 ′( 𝑥) 𝑔(𝑥 )+ f ( 𝑥) 𝑔' ( 𝑥)
𝑔′(𝑥)
y ' = − {𝑔(𝑥)}2
𝑓(𝑥)
(商の導関数)
1
特 に y = 𝑔(𝑥) な ら ば y ' = {𝑓(𝑥) 𝑔(𝑥)}' = 𝑓 ′(𝑥)
= 𝑓 ′( 𝑥)
(積 の 導 関 数 )
1
1
1
+ 𝑓(𝑥) {𝑔(𝑥)} ′
𝑔(𝑥)
𝑔′(𝑥)
+ f ( 𝑥) {− {𝑔(𝑥)}2} =
𝑔(𝑥)
𝑓′ (𝑥)𝑔(𝑥)−𝑓(𝑥)𝑔′(𝑥)
{𝑔(𝑥)}2
<合成関数の微分法>
2 つ の 関 数 y = f ( 𝑢) と u = 𝑔(𝑥 )が 微 分 可 能 で あ る と き , 合 成 関 数
y = f ( 𝑔(𝑥 )) は 𝑥 の 関 数 と し て 微 分 可 能 で ,
𝑑𝑦
𝑑𝑥
𝑑𝑦 𝑑𝑢
= 𝑑𝑢 𝑑𝑥
が成り立つ。
<逆関数の微分法>
関 数 f ( 𝑥) が 逆 関 数 𝑓 −1 (𝑥)を も つ と き , y = 𝑓 −1 (𝑥)と お く と 𝑥= f ( y ) で あ る か
ら , 両 辺 を 𝑥で 微 分 す る と ,
ここで, 左辺=
𝑑
𝑑𝑥
であることから,
したがって,
例題
𝑑𝑦
𝑑𝑥
𝑑
𝑑𝑥
𝑥= 1 , 右 辺 =
𝑑𝑥 𝑑𝑦
𝑑𝑦 𝑑𝑥
1
= 𝑑𝑥
𝑥 =
𝑑
𝑑𝑥
𝑑
𝑑𝑥
𝑓(𝑦)=
𝑓(𝑦)
𝑑𝑓(𝑦) 𝑑𝑦
𝑑𝑦 𝑑𝑥
=1
が成り立つ。
𝑑𝑦
4
関 数 y = √𝑥 の 導 関 数 を 求 め な さ い 。
解
4
y = √𝑥 と お く と , 𝑥 = 𝑦 4 に よ り ,
𝑑𝑥
𝑑𝑦
26
= 4 𝑦3
=
𝑑𝑥 𝑑𝑦
𝑑𝑦 𝑑𝑥
したがって,
𝑑𝑦
=
𝑑𝑥
1
𝑑𝑥
𝑑𝑦
1
=
4𝑦3
1
=
4
4 ( √𝑥)
3
=
1
3
1
= 4 𝑥 −4
4
4 √ 𝑥3
<自然対数の底>
1
lim (1 + ℎ)ℎ = 2 . 7 1 8 2 8 1 ・ ・ ・ ・ ( 定 数 ) が 成 り 立 つ こ と が 知 ら れ て い る 。
ℎ→0
この極限値を「自然対数の底」といい, e と記す。
e を 底 と す る 対 数 log 𝑒 |𝑥 |で は e を 省 略 し て , 単 に log|𝑥 |と 書 く こ と が 多
い。
<いろいろな関数の導関数>
(𝑥 α )' = α𝑥 α−1
・ 𝑥 > 0, αが 実 数 の と き
・a が 1 でない正の定数のとき
と く に a=e の と き
(log|𝑥 |)' =
・ (sin 𝑥 )' = cos 𝑥
,
1
𝑥 log 𝑎
1
𝑥
・a が 1 でない正の定数のとき
と く に a=e の と き
(log 𝑎 |𝑥 |)' =
(𝑎𝑥 )' = 𝑎𝑥 log 𝑎
(𝑒 𝑥 )' = 𝑒 𝑥
(cos 𝑥 )' = - sin 𝑥
,
(tan 𝑥 )' =
1
cos2 𝑥
合 成 関 数 の 微 分 法 に よ り ( 𝑓(𝑥 )は 微 分 可 能 , 定 数 𝑎 > 0 , 𝑎 ≠ 1の と き )
・αが実数のとき
{( 𝑓(𝑥))α }′ = α 𝑓 ′(𝑥)( 𝑓(𝑥))α−1
𝑓′ (𝑥)
・ (log 𝑎 |𝑓(𝑥)|)' = 𝑓(𝑥)log 𝑎
と く に a=e の と き
・ (𝑎 𝑓(𝑥) )' = 𝑓′(𝑥)𝑎 𝑓(𝑥) log 𝑎
と く に a=e の と き
(log|𝑓(𝑥)|)' =
𝑓′ (𝑥)
𝑓(𝑥)
(𝑒 𝑓(𝑥) )' = 𝑓 ′ (𝑥)𝑒 𝑓(𝑥)
・ {sin 𝑓(𝑥)}′= 𝑓 ′(𝑥) cos 𝑓(𝑥)
・ {cos 𝑓(𝑥)}′= − 𝑓 ′(𝑥) sin 𝑓(𝑥)
・ {tan 𝑓(𝑥)}′=
𝑓′ (𝑥)
cos2 𝑓(𝑥)
y
<接線と法線>
曲 線 y = f ( 𝑥) の 上 の 点 A ( a , f ( 𝑎) ) に お け る
接 線 の 傾 き は , 微 分 係 数 𝑓 ′( a ) で 与 え ら れ
法 線
接 線
る。この曲線上の点 A において接線と垂
直に交わる直線を, この曲線の点Aにおけ
る 法 線 と い う 。 𝑓 ′( a ) ≠ 0の と き 点 A に お け
o
27
𝑥
1
る 法 線 の 傾 き は − 𝑓′ (𝑎) だ か ら ,
・ 曲 線 y = f ( 𝑥) の 上 の 点 A ( a , f ( 𝑎) ) に お け る 接 線 の 方 程 式 は
y - f ( 𝑎) = 𝑓 ′( a ) ( 𝑥 - a )
・ 曲 線 y = f ( 𝑥) の 上 の 点 A ( a , f ( 𝑎) ) に お け る 法 線 の 方 程 式 は
1
y - f ( 𝑎) = − 𝑓′ (𝑎) ( 𝑥 - a )
<関数の増減>
関 数 f ( 𝑥) が 閉 区 間 [𝑎, 𝑏]で 連 続 , 開 区 間 (𝑎, 𝑏)で 微 分 可 能 で あ る と き ,
次の性質が成り立つ。
① 区 間 (𝑎 , 𝑏)で つ ね に 𝑓 ′( 𝑥) > 0な ら ば ,
f ( 𝑥) は 区 間 [𝑎, 𝑏]で 増 加 す る 。
② 区 間 (𝑎 , 𝑏)で つ ね に 𝑓 ′( 𝑥) < 0な ら ば ,
f ( 𝑥) は 区 間 [𝑎, 𝑏]で 減 少 す る 。
③ 区 間 (𝑎 , 𝑏)で つ ね に 𝑓 ′( 𝑥) = 0な ら ば ,
f ( 𝑥) は 区 間 [𝑎, 𝑏]で 定 数 で あ る 。
y
y
f'(x)< 0
f ( 𝑥2 )
f'(x)> 0
f ( 𝑥1 )
f ( 𝑥1 )
f ( 𝑥2 )
O
𝑥1
𝑥2
x
𝑥1
O
関 数 f ( 𝑥) は 増 加
𝑥2
x
関 数 f ( 𝑥) は 減 少
関数
<関数の極大・極小>
・ 連 続 な 関 数 f ( 𝑥) が 𝑥 = a の 前 後 で 増 加 か ら 減 少 に 変 わ る と き ,
f ( 𝑥) は 𝑥 = a で 極 大 で あ る と い い , f ( 𝑎) を 極 大 値 と い う 。
・ 連 続 な 関 数 f ( 𝑥) が 𝑥= a の 前 後 で 減 少 か ら 増 加 に 変 わ る と き ,
f ( 𝑥) は 𝑥= a で 極 小 で あ る と い い , f ( 𝑎) を 極 小 値 と い う 。
・極大値と極小値を合わせて極値という。
y
関 数 f ( 𝑥) が 𝑥 = a , 𝑏 を 含 む 区 間 で
極 大
微分可能であるとき, 上記①, ②
𝑓 ′ ( 𝑥) > 0
𝑓 ′ (𝑥) < 0
により次の性質が成り立つ。
𝑓 ′ ( 𝑥) > 0
28
極 小
𝑥
④ a の近くで {
ならば,
𝑥 < 𝑎 の と き 𝑓 ′(𝑥) > 0
f ( 𝑥) は 𝑥 = a で 極 大 で あ る 。
⑤ 𝑏 の近くで {
ならば,
𝑥 > 𝑎 の と き 𝑓 ′(𝑥) < 0
𝑥 < 𝑏 の と き 𝑓 ′ (𝑥) < 0
𝑥 > 𝑏 の と き 𝑓 ′(𝑥) > 0
f ( 𝑥) は 𝑥 = b で 極 小 で あ る 。
⑥ f ( 𝑥) が 𝑥 = c で 極 値 を と る な ら ば 𝑓 ′( 𝑐) = 0で あ る 。
し か し , 𝑓 ′( 𝑐) = 0で あ っ て も 𝑥 = c で 極 値 を と る と は 限 ら な い 。
<曲線の凹凸と関数のグラフ>
・ 関 数 y = f ( 𝑥) の 導 関 数 y ' = 𝑓 ′( 𝑥) が 微 分 可 能 で あ る と き , こ れ を も う
一 度 微 分 し た 関 数 を f ( 𝑥) の 第 2 次 導 関 数 と い い ,
y ' ' , 𝑓 ′ ′( 𝑥) ,
𝑑2 𝑦
𝑑𝑥 2
,
𝑑2
𝑑𝑥 2
f ( 𝑥) な ど と 記 す 。 y ' = 𝑓 ′( 𝑥) を 第 1 次 導 関 数 と い
y
うことがある。
下 に凸
・ あ る 区 間 で 第 2 次 導 関 数 𝑓 ′′( 𝑥) >0 で
あ る と き , 第 1 次 導 関 数 y ' = 𝑓 ′ ( 𝑥)
(接線の傾き)は増加するから,
𝑓 ′ ′( 𝑥) >0 で あ る 区 間 で は y = f ( 𝑥) の
グラフは右の図のようになる。
𝑥
こ の よ う な と き , 曲 線 y = f ( 𝑥) は
o
𝑓 ′′( 𝑥) >0
その区間で下に凸であるという。
・ あ る 区 間 で 第 2 次 導 関 数 f ' ' ( 𝑥) <0 で
y
で ある 区間
上 に凸
′
あ る と き , 第 1 次 導 関 数 y ' = 𝑓 ( 𝑥)
(接線の傾き)は減少するから,
f ' ' ( 𝑥) <0 で あ る 区 間 で は y = f ( 𝑥)
のグラフは右の図のようになる。
こ の よ う な と き , 曲 線 y = f ( 𝑥) は
その区間で上に凸であるという。
𝑥
o
𝑓 ′′( 𝑥)
・グラフの凹凸が入れかわる点を
変曲点という。
<0 で あ る 区 間
y
上 に凸
・ 関 数 f ( 𝑥) が 𝑓 ′ ′( 𝑎) = 0 で あ る と
変 曲 点
29
下 に凸
き , 𝑥 = a の 前 後 で 𝑓 ′ ′( 𝑎) の 符 号
が 変 わ れ ば 曲 線 y = f ( 𝑥) 上 の 点
(a, f (a))は 変 曲 点 で あ る 。
要約
積分法について
<扱う関数>
以 下 の 説 明 の 中 で 扱 う 関 数 は ,微 分 法 の と き と 同 じ く , 多 項 式 関 数 ,
分数関数, 無理関数, 指数関数 , 対数関数 , 三角関数, これらを組
み合わせた関数及びこれらの合成関数である。したがって, 以下で
f ( 𝑥) , 𝑔(𝑥 ) , F ( 𝑥) , G ( 𝑥) な ど の 記 号 で 用 い る 関 数 と そ の 導 関 数 は , 微
分 可 能 性 ,連 続 性 な ど 必 要 な 条 件 が 仮 定 さ れ て い る も の と す る 。
1
不定積分
<不定積分の定義>
・ 関 数 f ( 𝑥) に 対 し て , F ' ( 𝑥) = f ( 𝑥) を 満 た す 関 数 F ( 𝑥) を f ( 𝑥) の 原 始
関数という。
・ f ( 𝑥) の 原 始 関 数 の 一 つ を F ( 𝑥) と す る と , f ( 𝑥) の 任 意 の 原 始 関 数 は
定 数 𝐶 を 用 い て F ( 𝑥) + 𝐶 と 表 わ さ れ る 。 こ れ を f ( 𝑥) の 不 定 積 分 と
い い , ∫ 𝑓(𝑥) 𝑑𝑥 で 表 す 。 す な わ ち , ∫ 𝑓(𝑥) 𝑑𝑥 = F ( 𝑥) + 𝐶
こ こ で , f ( 𝑥) を 被 積 分 関 数 , 𝑥 を 積 分 変 数 , 𝐶 を 積 分 定 数 と い う 。
f ( 𝑥) の 不 定 積 分 を 求 め る こ と を , f ( 𝑥) を 積 分 す る と い う 。
<不定積分の基本的な性質>
不 定 積 分 は 次 の 性 質 を も つ 。( 𝑘 , 𝑙 は 定 数 )
①
∫ 𝑘𝑓(𝑥)𝑑𝑥 = 𝑘 ∫ 𝑓(𝑥)𝑑𝑥
②
∫{𝑓(𝑥) + 𝑔(𝑥 )} 𝑑𝑥 = ∫ 𝑓(𝑥)𝑑𝑥 + ∫ 𝑔(𝑥 )𝑑𝑥
∫{𝑓(𝑥) − 𝑔(𝑥 )} 𝑑𝑥 = ∫ 𝑓(𝑥)𝑑𝑥 - ∫ 𝑔(𝑥 )𝑑𝑥
③
∫{𝑘𝑓(𝑥) + 𝑙𝑔(𝑥 )}𝑑𝑥= 𝑘 ∫ 𝑓(𝑥)𝑑𝑥 + 𝑙 ∫ 𝑔(𝑥 )𝑑𝑥
<基本的な関数の不定積分>
次 の 式 が 成 り 立 つ 。( 𝐶 は 積 分 定 数 )
①
∫ 0 𝑑𝑥 = 𝐶
②
∫ 𝑥 α 𝑑𝑥 =
𝑥 α+1
α+1
+ 𝐶
( α は 定 数 で α ≠ −1 )
30
1
③
∫ 𝑥 𝑑𝑥 = log|𝑥 | + 𝐶
④
∫ 𝑎𝑥 𝑑𝑥 =
⑤
∫ 𝑒 𝑥 𝑑𝑥 = 𝑒 𝑥 + 𝐶
⑥
∫ sin 𝑥 𝑑𝑥 = − cos 𝑥 + 𝐶
⑦
∫ cos 𝑥 𝑑𝑥 = sin 𝑥 + 𝐶
⑧
∫ cos2 𝑥 𝑑𝑥 = tan 𝑥 + 𝐶
⑨
∫ sin2 𝑥 𝑑𝑥 = -
𝑎𝑥
+ 𝐶
log 𝑎
(a は定数で a >0 , a ≠1 )
1
1
1
tan 𝑥
+𝐶
<置換積分法>
・ F ( 𝑥) = ∫ 𝑓(𝑥) 𝑑𝑥に お い て , 𝑥 が 𝑡 の 微 分 可 能 な 関 数 𝑔(𝑡)に よ っ て
𝑥= 𝑔(𝑡)と 表 わ さ れ る と き , 合 成 関 数 F ( 𝑥) = F ( 𝑔(𝑡)) は 𝑡 の 関 数 で , 𝑡
で微分可能である。合成関数の微分法により,
𝑑
𝑑𝑡
F ( 𝑥) =
𝑑
𝑑𝑥
F(𝑥 )・
𝑑𝑥
𝑑𝑡
= f ( 𝑥) 𝑔' ( 𝑡) = f ( 𝑔(𝑡)) 𝑔' ( 𝑡)
したがって, 両辺を𝑡 で積分すると,
ゆえに,
∫ 𝑓(𝑥) 𝑑𝑥 = ∫ 𝑓((𝑡))𝑔′(𝑡)𝑑𝑡
F ( 𝑥) = ∫ 𝑓(𝑔(𝑡)) 𝑔′(𝑡) 𝑑𝑥
が成り立つ。
・( 簡 便 法 ) 置 換 積 分 法 に お い て , 𝑥 = 𝑔( t ) の と き
𝑑𝑥
𝑑𝑡
= 𝑔′(𝑡) で あ
る が , こ れ を 𝑑𝑥 = 𝑔' ( 𝑡) 𝑑𝑡 と 書 く こ と に す る と , ∫ 𝑓(𝑥) 𝑑𝑥 に お い
て , 𝑥 = 𝑔(𝑥 ) , 𝑑𝑥 = 𝑔' ( 𝑡) 𝑑𝑡 を 代 入 し た も の が , ∫ 𝑓(𝑔(𝑡)𝑔′(𝑡) 𝑑𝑡
なっている。今後はこの書き方を使う。
・ ∫ 𝑓(𝑥) 𝑑𝑥 = ∫ 𝑓((𝑡))𝑔′(𝑡)𝑑𝑡
∫ 𝑓(𝑔(𝑥 ))𝑔′(𝑥)𝑑𝑥 = ∫ 𝑓(𝑡) 𝑑𝑡
に おい て 𝑥と𝑡を入れ 替 えると ,
が得られる。
<部分積分法>
・関数の積の導関数
{𝑓 (𝑥 )𝑔(𝑥 )}' = 𝑓 ′( 𝑥) 𝑔(𝑥 )+ 𝑓(𝑥 ) 𝑔' ( 𝑥)
に よ り 𝑓 (𝑥 ) 𝑔' ( 𝑥) = {𝑓 (𝑥 )𝑔(𝑥 )}' - 𝑓 ′( 𝑥) 𝑔(𝑥 )
両 辺 を 𝑥で 積 分 す る と ,
∫ 𝑓 (𝑥 )𝑔′(𝑥)𝑑𝑥 = 𝑓 (𝑥 )𝑔(𝑥 ) − ∫ 𝑓 ′(𝑥 )𝑔(𝑥 )𝑑𝑥
<分数関数>
31
が成り立つ。
に
・整式の商
𝐴(𝑥)
𝐵(𝑥)
の形の関数を分数関数または有理関数という。
・分数関数を変形して, 整式+簡単な分数関数の形に変形すること
を部分分数分解という。
例
2
𝑥3
𝑥2 −4
=𝑥 +
4𝑥
𝑥2 −4
=𝑥 +
2
𝑥+2
+
2
𝑥−2
定積分
<定積分の定義>
・ あ る 区 間 で 連 続 な 関 数 𝑓 (𝑥 )の 原 始 関 数 の 一 つ を F ( 𝑥) と す る と き ,
区 間 内 の 2 つ の 実 数 a , b に 対 し て , F ( b ) - F ( a ) を 関 数 𝑓 (𝑥 )の a か ら
𝑏
b ま で の 定 積 分 と い い , ∫𝑎 𝑓(𝑥 )𝑑𝑥 で 表 す 。
・ こ の 定 積 分 を 求 め る こ と を 「 𝑓 (𝑥 ) を a か ら b ま で 積 分 す る 」 と い
い, a , b をそれぞれこの定積分の下端, 上端という。
ま た , F ( b ) - F ( a ) を [F(𝑥 )]𝑏𝑎 と 書 く 。
𝑏
す な わ ち , F ' ( 𝑥) = 𝑓(𝑥 ) の と き ∫𝑎 𝑓 (𝑥 )𝑑𝑥 = [F(𝑥 )]𝑏𝑎 = F ( b ) - F ( a )
・ 関 数 𝑓 (𝑥 )の 原 始 関 数 の 一 つ を F ( 𝑥) と す る と , 𝑓 (𝑥 )の 任 意 の 原 始 関 数
G ( 𝑥) は , あ る 定 数 𝐶を 用 い て , G ( 𝑥) = F ( 𝑥) + 𝐶
と表わされる。した
がって, 区間内の2つの実数 a , b に対して
G ( b ) - G ( a ) = {F(𝑏) + 𝐶 } - {F(𝑎) + 𝐶 } = F ( b ) - F ( a )
が 成 り 立 つ 。 す な わ ち , 積 分 定 数 𝐶 と は 関 係 な く , 関 数 𝑓 (𝑥 )と 実 数
a , b の み に よ っ て 1 つ の 値 F(b)- F(a) が 定 ま る 。
<定積分の基本的な性質>
・ 定 積 分 は 次 の 性 質 を も つ 。 (𝑘 ,𝑙 は 定 数 )
𝑏
𝑏
①
∫𝑎 𝑘𝑓(𝑥)𝑑𝑥 = 𝑘 ∫𝑎 𝑓(𝑥)𝑑𝑥
②
∫𝑎 {𝑓 (𝑥) + 𝑔(𝑥)}𝑑𝑥 = ∫𝑎 𝑓 (𝑥)𝑑𝑥 + ∫𝑎 𝑔(𝑥)𝑑𝑥
𝑏
𝑏
𝑏
𝑏
𝑏
𝑏
∫𝑎 {𝑓 (𝑥) − 𝑔(𝑥)}𝑑𝑥 = ∫𝑎 𝑓 (𝑥)𝑑𝑥 − ∫𝑎 𝑔(𝑥)𝑑𝑥
𝑏
𝑏
𝑏
③
∫𝑎 {𝑘𝑓(𝑥) + 𝑙𝑔(𝑥)}𝑑𝑥 = 𝑘 ∫𝑎 𝑓(𝑥)𝑑𝑥 + 𝑙 ∫𝑎 𝑔(𝑥)𝑑𝑥
④
∫𝑎 𝑓 (𝑥)𝑑𝑥 = 0
𝑎
32
𝑏
𝑎
⑤
∫𝑎 𝑓(𝑥)𝑑𝑥 = − ∫𝑏 𝑓(𝑥)𝑑𝑥
⑥
∫𝑎 𝑓(𝑥)𝑑𝑥 = ∫𝑎 𝑓(𝑥)𝑑𝑥 + ∫𝑐 𝑓 (𝑥)𝑑𝑥
𝑏
𝑐
𝑏
<定積分の置換積分法>
F ( 𝑥) = ∫ 𝑓(𝑥) 𝑑𝑥 に お い て , 𝑥 = 𝑔(𝑡) の と き , 不 定 積 分 の 置 換 積 分 法
により
F ( 𝑥) = F ( 𝑔(𝑡)) = ∫ 𝑓(𝑔(𝑡))𝑔′(𝑡) 𝑑𝑡で あ る 。
し た が っ て 、変 数 𝑥 が a か ら b ま で 変 化 す る と き , 変 数 𝑡 が α か ら
βま で 変 化 す る な ら ば
𝛽
𝛽
∫𝛼 𝑓(𝑔(𝑡))𝑔′(𝑡) 𝑑𝑡 = [F(𝑔(𝑡))]𝛼 = F ( 𝑔(𝛽)) - F ( 𝑔(𝛼 ))
𝑏
= F ( b ) - F ( a ) = ∫𝑎 𝑓(𝑥 )𝑑𝑥
が成り立つ。
す な わ ち , 𝑥 = 𝑔 (𝑡 ) の と き , 変 数 𝑥 が a か ら b ま で 変 化 す る と き , 変
数 𝑡が α か ら βま で 変 化 す る な ら ば
𝑏
𝛽
∫𝑎 𝑓(𝑥 )𝑑𝑥 = ∫𝛼 𝑓(𝑔(𝑡))𝑔′(𝑡) 𝑑𝑡
<定積分の部分積分法>
不定積分の部分積分法
により,
∫ 𝑓 (𝑥 ) 𝑔′(𝑥 )𝑑𝑥 = 𝑓 (𝑥 )𝑔(𝑥 ) − ∫ 𝑓 ′ (𝑥 )𝑔(𝑥 )𝑑𝑥
𝑏
𝑏
∫𝑎 𝑓 (𝑥 )𝑔′(𝑥 )𝑑𝑥 = [𝑓(𝑥 )𝑔(𝑥)]𝑏𝑎 − ∫𝑎 𝑓 ′(𝑥 )𝑔(𝑥 )𝑑𝑥
が成り立つ。
<定積分の図形的意味>
関 数 𝑓( 𝑥) が 区 間 a ≤ 𝑥 ≤ 𝑏で 𝑓( 𝑥) ≥ 0 の と き , 曲 線 𝑦 = 𝑓( 𝑥) と 𝑥 軸 お
よ び 2 直 線 𝑥= a , 𝑥= b で 囲 ま れ た 図 形 の 面 積 S は
である。 (第2回課題のヒント
𝑏
S = ∫𝑎 𝑓 (𝑥 ) 𝑑𝑥
28ページ参照)
<定積分と区分求積法>
y
・区分求積法・・・図形の面積や体積
を簡単な図形の面積や体積の和の極
限として求める方法
・ 関 数 𝑓 ( 𝑥 ) が 区 間 [ 𝑎 , 𝑏 ]で 連 続 で
𝑓 (𝑥 ) ≥ 0 で あ る と き ,
曲 線 y = 𝑓 (𝑥 ) ,
𝑥 軸 , 直 線 𝑥 =a と 𝑥 =b で 囲 ま れ た
図形の面積 S は<定積分の図形的
意 味 > に よ り S=
𝑏
∫𝑎 𝑓 (𝑥 ) 𝑑𝑥
である。
・次に面積 S を区分求積法で求める。
33
O
a
𝑘
𝑛
𝑥
b
い ま 区 間 [𝑎 , 𝑏 ] を 𝑛 等 分 し て a か ら b ま で の 分 点 を 順 に
a = 𝑥0 , 𝑥1 , 𝑥2 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , 𝑥𝑛−1 , 𝑥𝑛 = b
とする。
⊿x=
𝑏−𝑎
𝑛
と お く と 𝑥𝑘 = a + k ⊿ x で あ る 。
小 区 間 の 幅 を 底 辺 と し , そ の 小 区 間 の 右 端 の 𝑥座 標 に 対 す る 𝑓(𝑥 )の
値を高さとする短冊(長方形)の面積を考える。
例 え ば [𝑥𝑘−1 , 𝑥𝑘 ] に つ い て は , 区 間 の 幅
⊿x=
𝑏−𝑎
, 右 端 の 座 標 は 𝑥𝑘
𝑛
だ か ら , 短 冊 の 面 積 は 𝑓 (𝑥𝑘 )⊿ x で あ る 。 𝑛個 の 短 冊 の 面 積 の 和 を S𝑛
とすると
S𝑛 = 𝑓( 𝑥1 ) ⊿ 𝑥 + 𝑓( 𝑥2 ) ⊿ 𝑥 + ・ ・ ・ ・ + 𝑓( 𝑥𝑛 ) ⊿ 𝑥 = ∑𝑛𝑘=1 𝑓(𝑥𝑘 ) ⊿ 𝑥
こ こ で n → ∞ の と き S𝑛 → S で あ る か ら ,
𝑏
lim ∑𝑛𝑘=1 𝑓 (𝑥𝑘 )⊿ 𝑥 = ∫𝑎 𝑓(𝑥)𝑑𝑥
が成り立つ。
𝑛→0
y
<面積>
①
区 間 [𝑎, 𝑏] に お い て
𝑓 (𝑥 ) ≥ 0
で あ る と き , 曲 線 y = 𝑓 (𝑥 ) , 𝑥 軸
と2直線 𝑥 = a ,
y = b とで囲ま
𝑥
o
a
b
れた図形の面積 S は
S =
②
𝑏
∫𝑎 𝑓(𝑥 )𝑑𝑥 で あ る 。
区 間 [𝑎, 𝑏] に お い て
y
y = 𝑓 (𝑥 )
𝑓 (𝑥 ) ≥ 𝑔 (𝑥 )
で あ る と き , 2 曲 線 y = 𝑓 (𝑥 ) ,
y = 𝑔 (𝑥 ) と 2 直 線 𝑥 = a , y = b と で
囲まれた図形の面積 S は
S =
o
𝑏
a
∫𝑎 { 𝑓 (𝑥 ) − 𝑔(𝑥 ) }𝑑𝑥 で あ る 。
𝑥
b
y = 𝑔 (𝑥 )
y
③
区 間 [𝑎, 𝑏] に お い て
𝑓 (𝑥 ) ≤ 0
で あ る と き , 曲 線 y = 𝑓 (𝑥 ) , 𝑥 軸 と
2直線 𝑥 = a ,
y =b と で 囲 ま れ
a
b
o
た 図 形 の 面 積 S は , 𝑥軸 の 方 程 式 が
y =0 で あ る こ と か ら , (2)に よ り
𝑏
𝑏
S = ∫𝑎 {0 − 𝑓(𝑥)}𝑑𝑥 = - ∫𝑎 𝑓(𝑥)𝑑𝑥
である。
𝑆(𝑥)
<体積>
・ あ る 立 体 の ,平 行 な 2 平 面 α , β で
34
𝑥
挟まれた部分の体積を求めたい。
α , β に垂直な直線を𝑥軸にとり、
𝑥軸とα , β との交点の座標をそれ
ぞ れ a ,b と す る 。
さ ら に 座 標 が 𝑥 で あ る 点 で 𝑥軸 に 垂 直 に 交 わ る 平 面 を γ と し , γ に
よ る 立 体 の 切 り 口 の 面 積 を 𝑆(𝑥)と す る と , 立 体 の 2 平 面 α , βで 挟
V=
まれた部分の体積は
𝑏
∫𝑎 𝑆(𝑥)𝑑𝑥
である。
<回転体の体積>
・ 平 面 上 の 曲 線 y = 𝑓 (𝑥 ) と 2 直 線 𝑥 = a , 𝑥 = b お よ び 𝑥軸 で 囲 ま
れ た 図 形 を 𝑥軸 の 周 り に 1 回 転 し て で き る 回 転 体 の 体 積 V は
𝑏
𝑏
V = π ∫𝑎 𝑦 2 𝑑𝑥 = π ∫𝑎 {𝑓(𝑥)}2 𝑑𝑥
である。( ただし, a < b )
説明
こ の 回 転 体 を 𝑥軸 上 の 座 標 𝑥の 点 を 通 り , 𝑥軸 に 垂 直 な 平 面 で 切 っ た
時 の 切 り 口 は 半 径 |𝑦| の 円 だ か ら , そ の 面 積 S ( 𝑥) は
S ( 𝑥) = π𝑦 2 = π{ 𝑓(𝑥 ) }2
𝑏
𝑏
V = ∫𝑎 π {𝑓(𝑥)}2 𝑑𝑥= π ∫𝑎 {𝑓(𝑥)}2 𝑑𝑥
したがって,
曲 線 y = sin 𝑥 ( 0 ≤ 𝑥 ≤ π ) と 𝑥軸 と で 囲 ま れ た 図 形 を 𝑥軸
例題
の周りに1回転してできる回転体の体積Vを求めなさい。
解
V
𝜋
𝜋
𝜋
= π ∫0 𝑦 2 𝑑𝑥 = π ∫0 (sin 𝑥 )2 𝑑𝑥 = π ∫0 sin2 𝑥 𝑑𝑥
𝜋 1−cos 2𝑥
= π ∫0
2
𝑑𝑥 =
𝜋
2
1
[ 𝑥 − sin 2𝑥 ]
2
35
𝜋
0
=
𝜋2
2