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那須都市計画
都市計画区域の
整備、開発及び保全の方針
平成 23 年 7 月
栃
木
県
−
目
次 −
1. 都市計画の目標..........................................1
1−1 目標年次及び都市計画区域の範囲・規模 ................................ 1
(1) 目標年次 ........................................................... 1
(2) 都市計画区域の範囲・規模 ........................................... 1
1−2 本区域の現状及び課題 ................................................ 1
(1) 区域の位置・地勢 ................................................... 1
(2) 区域の特性等 ....................................................... 2
(3) 都市の動向 ......................................................... 2
(4) 本都市計画区域の広域的位置付け ..................................... 4
(5) 本都市計画区域の課題 ............................................... 6
1−3 都市づくりの基本理念 ................................................ 7
(1) 地域特性を生かした集約型都市づくり ................................. 7
(2) 広域公共交通を生かした交通ネットワークの構築 ....................... 7
(3) 環境に配慮した都市づくり ........................................... 7
(4) 歴史・文化等を生かした魅力ある国際観光都市づくり ................... 7
1−4 本区域の将来都市構造 ................................................ 8
1−5 地域ごとの市街地像 .................................................. 8
(1) 都市機能 ........................................................... 8
(2) 基盤構造 ........................................................... 9
2. 区域区分の決定の有無及び区域区分を定める際の方針 .......11
3. 主要な都市計画の決定の方針 .............................12
3−1 土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針 ......................... 12
(1) 本区域における土地利用の考え方 .................................... 12
(2) 主要用途の配置の方針 .............................................. 12
(3) 土地利用の方針 .................................................... 14
3−2 都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針 ................... 17
(1) 交通施設の都市計画の決定の方針 .................................... 17
(2) 下水道及び河川の都市計画の決定の方針 .............................. 19
(3) その他の都市施設の都市計画の決定の方針 ............................ 20
3−3 市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針 ................... 20
3−4 自然的環境の整備又は保全に関する主要な都市計画の決定の方針 ......... 21
(1) 基本方針 .......................................................... 21
(2) 主要な緑地の配置の方針 ............................................ 21
(3) 実現のための具体の都市計画制度の方針 .............................. 22
(4) 主要な緑地の確保の方針 ............................................ 22
4. 本区域における都市づくりの実現に向けて .................24
4−1 実現に向けての基本方針 ............................................. 24
4−2 都市づくりの実現化方策 ............................................. 24
(1) 都市規模に応じた適切な土地利用のコントロール ...................... 24
(2) 総合的な交通体系の構築・活用 ...................................... 25
(3) 産業政策や環境政策等と連動した都市政策の展開 ...................... 25
(4) 多様な主体が連携した体制づくりの構築 .............................. 26
(5) 実行計画の策定 .................................................... 26
那須都市計画
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の決定
(栃木県決定)
都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を次のように決定します。
1.
都市計画の目標
1−1 目標年次及び都市計画区域の範囲・規模
(1) 目標年次
都市づくりの基本理念、将来の市街地像については平成 37 年を想定し、土地利
用、都市施設等の決定の方針については、平成 27 年を目標年次として作成します。
(2) 都市計画区域の範囲・規模
本区域の範囲及び規模は次のとおりです。
区
域
那
須
都市計画区域
市
町
名
那
須
町
範
囲
行政区域の一部
1−2 本区域の現状及び課題
(1) 区域の位置・地勢
本区域は、栃木県の北部に位置し、県
都宇都宮から北に約 60km、首都東京か
ら約 170km の距離にあります。区域の北
は福島県白河市、西郷村、南は那須塩原
市、大田原市、東は那須町の芦野地区、
伊王野地区、西は那須塩原市に接してい
ます。
また、北西部に標高 1,915mの茶臼岳
を主峰とする那須連山などの山々、市街
地近郊の丘陵地の森林、那珂川、余笹川、
黒川などの良好な河川景観を有する自
然豊かな都市です。
1
規
模
約 26,044 ha
(2) 区域の特性等
本区域は、茶臼岳の南斜面に千年以上の歴史を有する那須温泉郷をはじめ、良好
な自然環境を生かした別荘分譲地やテーマパークが立地するなど、県内でも有数の
歴史・観光資源を有するリゾート観光地として発展している区域です。
また、農業は水稲や酪農が中心となっており、首都圏への食糧供給基地としての
役割を担っています。
産業別就業者数は、第1次産業、第2次産業は大幅な減少傾向にありますが、第
3次産業は増加しています。
【産業別就業者数】
行 政 区 域
平成7年産業別就業者数(人)
総数
第1次 第2次 第3次
栃 木 県
1,040,793
那 須 町
14,304
平成17年産業別就業者数(人)
総数
第1次 第2次 第3次
87,278 389,283 561,762 1,017,139
2,782
4,177
7,331
13,611
69,344 331,774 605,280
2,069
3,323
7,747
総数
H7-H17増加割合
第1次 第2次
第3次
△2.3% △20.5% △14.8%
7.7%
△4.8% △25.6% △20.4%
5.7%
(国勢調査)
注)総数には「不詳」を含むため、内訳を合計しても総数に一致しない。
【産業別構成比】
行 政 区 域
平成7年産業構成率
第1次 第2次 第3次
平成17年産業構成率
第1次
第2次
第3次
構成割合の推移(H17-H7)
第1次
第2次
第3次
栃
木
県
8.4%
37.4%
54.0%
6.8%
32.6%
59.5%
△1.6%
△4.8%
5.5%
那
須
町
19.4%
29.2%
51.3%
15.2%
24.4%
56.9%
△4.2%
△4.8%
5.6%
(国勢調査)
注)総数には「不詳」を含む場合があり、また四捨五入のため、合計しても 100%にならない場合がある。
(3) 都市の動向
本区域では、昭和9年に那須町の一部、昭和 50 年に芦野及び伊王野地区などの
東部地域を除く町の行政区域を都市計画区域に指定しました。
人口は、約 21,000 人(平成 18 年都市計画基礎調査)となっています。5年
前に比べ約 60 人(約 0.3%)増加するなど、長期的に増加傾向にあります。
また、人口集中地区(DID地区)については、該当する地区はありません。
市街地は、JR東北本線のJR黒田原駅周辺に発達しており、平成6年に用途地
域が定められました。平成 22 年4月1日現在では、約 313ha が用途地域として定
められています。
2
【区域の主な変遷】
都市計画区域
年次
範
囲
都市計画の内容
昭 和 9年 那 須 地 区
都市計画区域に指定
那須町のほぼ全域(芦
昭 和 50年 野 及 び 伊 王 野 地 区 な ど 都 市 計 画 区 域 に 指 定
の東部地域を除く)
JR東 北 本 線 の 黒 田 原 駅
平 成 6年
用途地域に指定
周辺
那
須
都市計画区域
【都市計画区域人口】
那須町
平成7年
都市計画区域
人 口 ( 人 )
20,368
20,982
増加割合
増加数
平成17年
平成12年
H12-H7
21,037
H17-H12
614
H12/H7
55
(人)
H17/H12
3.0%
都市計画区域人口
22,000
0.3%
(H18年都市計画基礎調査)
21,037
20,982
21,000
20,368
20,000
平成7年
平成12年
平成17年
【農業産出額】
行 政 区 域
平成15年
平成16年
平成18年
栃
木
県
278,680
276,910
260,920
那
須
町
13,780
13,790
13,990
農業産出額
那須
(10億円)
那須町
50
(百万円・生産所得統計)
栃木県
(10億円)
栃木県
300
261
279
40
277
250
200
30
150
20
100
14
14
14
平成15年
平成16年
平成18年
10
50
0
0
【製造品出荷額等】
行 政 区 域
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
平成19年
栃
木
県
7,659,208
7,704,456
8,041,184
8,352,186
8,727,911
9,213,656
那
須
町
36,528
41,057
39,574
35,830
36,351
39,804
製造品出荷額等
那須
(10億円)
那須町
60
(百万円・工業統計)
50
7,659
7,704
8,041
栃木県
(10億円)
栃木県
8,352
8,728
9,214
9,000
8,000
7,000
40
注)製造品出荷額等の平成 19 年値は平成 18 年以前の定義で再計算したもので
ある。
41
30
10,000
37
40
40
36
36
6,000
5,000
4,000
20
3,000
2,000
10
1,000
0
0
平成14年
3
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
平成19年
【商品販売額(卸売・小売)
】
行 政 区 域
平成11年
平成14年
平成16年
平成19年
栃
木
県
6,055,821
5,646,460
5,472,396
5,650,308
那
須
町
29,226
28,183
26,539
28,783
商品販売額(卸売・小売)
那須
(10億円)
栃木県
(10億円)
栃木県
40
7,000
6,056
5,646
35
(百万円・商業統計)
那須町
5,472
5,650
30
25
6,000
5,000
29
28
29
27
4,000
20
3,000
15
2,000
10
5
1,000
0
0
平成11年
平成14年
平成16年
平成19年
(4) 本都市計画区域の広域的位置付け
本区域と他都市とのつながりを見ると、通勤・通学による人口動態や購買動向に
よる商圏においては、隣接する那須塩原市との流入・流出が最も多く、次いで大田
原市、福島県との結びつきが強い状況にあります。
このことから、本区域は、3つの市街地(黒田原・高久・新高久)や観光レクリ
エーション拠点が多数分布する地域の特性を十分に踏まえ、道路や鉄道等の既存ス
トックを生かしながら、隣接する那須塩原都市計画区域や大田原都市計画区域との
広域的な連携が図られている区域と位置付けられます。また、国際色豊かな観光拠
点として東京圏や東北圏、日光圏域との広域的な連携機能の強化が必要な区域と位
置付けられます。
4
【通勤・通学及び購買動向】
通勤・通学(流出)
通勤・通学(流入)
購買動向(流出)
購買動向(吸収)
出典)平成 17 年度国勢調査
平成 16 年度地域購買動向調査(栃木県)
注)都市計画区域外がある市町は都市計画区域外も含んだ流動状況である。
( )内は自市町での通勤・通学者、購買者の流出全体、流入(吸収)全体に占める割合を示す。
ただし、購買動向(吸収)については、県外のデータを含んでいないため、栃木県内移動のみで 100%となる。
また、購買動向(流出)の栃木県外データは、県外一括で計上されている。
5
(5) 本都市計画区域の課題
本都市計画区域の課題は次のとおりです。
① 人口減少・超高齢社会に対応した都市づくり
本区域の人口は、これまで増加傾向にありましたが、目標年次である平成 27 年
には約 2.0 万人と今後は減少することが予測されています。また、高齢者の割合も
平成 17 年の約 25%から平成 27 年には約 33%に増加することが予測されており、
本格的な人口減少・超高齢社会を迎えます。
これらの社会構造に対応するとともに、効率的な行政投資を可能にするコンパク
トで持続可能な都市の構築が課題です。
【年齢階層別人口】
行政区域
人口
総数
栃 木 県
1,984,390
那
須
町
26,748
平成7年
年齢区分
15歳未満 15∼64歳 65歳以上
339,253 1,350,635
4,741
16,895
人口
総数
292,947 2,016,631
5,112
平成17年
年齢区分
15歳未満 15∼64歳 65歳以上
285,245 1,336,513
26,693
3,513
16,468
65歳以上構成比
平成7年 平成17年 増加割合
390,896
14.8%
19.4%
4.6%
6,684
19.1%
25.0%
5.9%
(国勢調査)
注)総数には「不詳」を含むため、内訳を合計しても総数に一致しない。
② 魅力ある中心市街地の形成
中心市街地では、空き店舗の増加などにより、都市の空洞化や活力低下が生じて
います。また、用途地域を定めていない地域(白地地域)では、幹線道路沿いへの
観光レジャー施設、商業施設等の立地に伴い都市の拡散が進むとともに、開発によ
る平地林、農地の減少により自然環境悪化の懸念が生じています。
このため、適切な土地利用の規制、誘導により、人口の維持、定着を促進させ、
誰もが安全・安心に暮らせる魅力ある中心市街地の形成を図ることが課題です。
③ 広域連携を図るための都市機能の充実
本区域は国内有数の観光地として地域資源を多数有し、JR東北新幹線、JR東
北本線、東北縦貫自動車道、一般国道4号などの交通網が充実していることから、
県都宇都宮や東京圏、東北圏とのつながりがあります。
本区域の発展のためには県都宇都宮や東京圏、東北圏及び日光圏域との広域的な
連携を強化し国際色豊かな観光拠点を目指す必要があります。
また、鉄道や道路の既存の交通機能のさらなる充実により、豊かな自然環境や観
光資源を生かした観光ネットワークの形成が求められます。特に、休日・観光シー
ズン等においては、那須高原周辺を中心として交通渋滞が発生しており、周辺住民
の良好な生活を図る上でも大きな課題です。
6
④ 自然環境と共生した都市づくり
那須岳に代表される雄大な山々、広大な那須高原や那珂川、余笹川などの緑・水
といった自然環境や那須温泉郷などの地域資源を生かし、
人と自然環境が共生した
都市づくりが課題です。
1−3 都市づくりの基本理念
「とちぎの都市ビジョン」に掲げる「とちぎの集約型都市づくり」の実現のため、
以下の基本理念のもと都市づくりを進めて行きます。
(1) 地域特性を生かした集約型都市づくり
3つの市街地(黒田原・高久・新高久)や観光レクリエーション拠点が多数分布
する本区域の特性を十分に踏まえ、持続可能で暮らしやすい都市環境の形成を図る
ため、拡散型の都市構造から既存ストックを生かしたコンパクトな都市構造への転
換を目指します。
(2) 広域公共交通を生かした交通ネットワークの構築
本区域では、東京圏等との広域的な交流や連携の強化に必要なJR東北新幹線、
JR東北本線、東北縦貫自動車道、一般国道4号などの広域連携軸を中心とした骨
格的な交通網の形成を図ります。
また、都市間・都市内連携軸の充実により県都宇都宮及び周辺市町との連携や本
区域の一体性の強化を図るとともに、本区域全域の都市機能を高めるために自動車、
公共交通、徒歩・自転車交通などにより形成される総合的な交通ネットワークづく
りを目指します。
さらに、交通利便性の向上を図るため、交通結節点であるJR黒田原駅の機能を
維持しながら、既設のバス路線など身近な公共交通ネットワークの充実により、誰
もが安心して移動可能な環境の形成を目指します。
(3) 環境に配慮した都市づくり
日光国立公園、那須岳、那須高原などの豊かな自然環境や恵まれた地域資源を生
かした魅力ある自然景観の形成を図るなど、地域の特性にあった美しい景観づくり
により環境と共生した都市づくりを目指します。
(4) 歴史・文化等を生かした魅力ある国際観光都市づくり
茶臼岳や那須高原、那須温泉郷をはじめ、地域の有する歴史・文化などの貴重な
資源を活用しながら、個性的で魅力的な国際観光都市づくりを目指します。
7
1−4 本区域の将来都市構造
今後の都市構造は、都市を取り巻く社会情勢の変化を背景に、これまでの都市づ
くりから転換を図る必要があります。
公共公益施設等の都市構造に重大な影響を及ぼす施設は、郊外立地を規制すると
ともに、3つの市街地(黒田原・高久・新高久)や観光レクリエーション拠点が多
数分布する特性を十分に生かした都市構造の構築が求められます。
このため、3つの市街地と観光拠点に各都市規模で必要とされる居住、商業、産
業、行政、教育、文化などの都市機能のバランスの取れた集積を図ります。同時に
それらを道路や鉄道、バス等の交通や情報通信網でネットワークすることにより3
つの市街地や観光拠点の連携強化を図ることが必要です。
また、本区域の恵まれた自然環境などの観光資源について保全・活用を図ること
が必要です。
これにより、本区域の全域で都市機能の効果的な利活用を図り、将来とも都市的
コミュニティの一体性の維持、強化が図られ、環境や都市経営コストの観点からも
持続可能となる「集約型都市構造(コンパクトシティ)」が本区域の将来都市構造
です。
1−5 地域ごとの市街地像
(1) 都市機能
全国でも有数の観光地として、茶臼岳や那須高原などの豊かな自然環境や地域
資源と共生した国際観光地にふさわしい市街地を形成するとともに、周辺市町と
の連携により、活気ある市街地構造を構築します。
① 中心拠点
鉄道駅周辺などの中心市街地で、居住、商業、工業、行政などの多機能な日常
利便機能の向上及び観光機能の拡充を図る拠点として次の箇所を位置付けます。
○JR黒田原駅周辺の黒田原地区
② 生活拠点
まちなか居住を促進して、コンパクトな住宅市街地の形成や地域資源、自然環
境との調和を図り良好な居住環境の維持、向上に努める拠点として次の箇所を位
置付けます。
○中心拠点周辺の黒田原地区、JR高久駅周辺地区、新高久地区
8
③ 産業拠点
周辺の農林業との調和を図るとともに、産業の集積を図る拠点として次の箇所
を位置付けます。
○菱喰内工業団地
④ 観光レクリエーション拠点
自然環境や歴史的な町並みを生かして、広域的に観光の集客を促進するための
魅力の向上を図る拠点として次の箇所を位置付けます。
○湯本地区、湯本地区周辺に広がる那須高原地区、広谷地地区
(2) 基盤構造
本区域の均衡ある発展、東京圏、東北圏、宇都宮市及び周辺市町との連携を図
った都市構造を構築します。
① 広域連携軸
広域交通機関であるJR東北本線のほか、広域的な連携を図る軸として、次の
路線を位置付けます。
○東北縦貫自動車道、一般国道4号
② 都市間連携軸
周辺市町との連携を図る軸として、次の路線を位置付けます。
○主要地方道那須高原線、主要地方道矢板那須線、主要地方道那須西郷線、主要
地方道西那須野那須線、一般県道黒磯高久線、一般県道那須甲子線
③ 都市内連携軸
本区域内において連携を図る軸として、次の路線を位置付けます。
○主要地方道大子那須線、主要地方道湯本漆塚線、一般県道寄居豊原停車場線、
一般県道豊原停車場線、一般県道豊原高久線、一般県道豊原大島線、一般県道
湯本大島線、一般県道中塩原板室那須線、一般県道稲沢高久線、町道(りんど
うライン)等
※その他、都市内連携軸となる主要な町道等については、町が策定する「都市計
画マスタープラン」等で位置付けます。
9
【将来市街地像図】
10
2.
区域区分の決定の有無及び区域区分を定める際の方針
本都市計画においては、区域区分を定めないことにします。
「現状の分析」のとおり、一部地域では、自然的環境の整備又は保全の観点から
土地利用の規制が必要と考えられますが、次の理由から区域区分は定めないことに
します。
□人口については長期的にみると、今後は減少傾向が予測されること
□農地法、農業振興地域の整備に関する法律や国土利用計画法、森林法及び「那須
町土地利用調整基本計画」などの他法令により土地利用の適切な規制、誘導が可
能であること
□必要に応じて都市計画法に基づく特定用途制限地域の活用により、建築物の用途
に関する規制、誘導を図り、自然環境や営農環境の保全に努めることが可能であ
ること
【現状の分析】
□市街地拡大の可能性の観点
これまで本区域の人口は、継続して増加傾向にありましたが、目標年次である
平成 27 年には平成 17 年の人口より減少が予測されていることから、「市街地拡
大の可能性は低い」と判断されます。
□自然的環境の整備又は保全への配慮の観点
市街地周辺部や郊外部に存する平地林面積について過去 10 年間の増減を見る
と、平成3年に比べて約5%の減少が見られることから、「自然的環境の整備又
は保全の観点から土地利用の規制が必要である」と判断されます。
11
3.
主要な都市計画の決定の方針
3−1 土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針
(1) 本区域における土地利用の考え方
□既存ストックの有効活用を図りながら、都市の骨格となる社会基盤の維持、継承
に配慮した土地利用を図ります。
□集約型都市構造(コンパクトシティ)の実現に向けた事業手法を選択し、計画的
な市街地の形成を図り、無秩序な開発の抑制を図ります。
□企業進出への対応や道路交通ネットワークの計画と整合の図られた土地利用の
推進を図ります。
□定住、就業の場にふさわしい都市的土地利用と丘陵地、農地等の自然的土地利用
との調和を図ります。
(2) 主要用途の配置の方針
① 住宅地
中心拠点のJR黒田原駅周辺の中心市街地では、生活の場と商業、業務などの産
業、経済活動、文化の集積の場が良好な関係で共生する住宅地の形成を目指す地区
とし、既存の施設や環境を生かしつつ良好な居住環境の維持、形成に努めます。
また、生活拠点の中心市街地周辺の黒田原地区では、今後とも生活環境、自然景
観等の向上を図りながら、利便性を生かした住宅地の形成を図ります。
湯本地区では、都市計画道路や下水道の整備による生活環境の向上を図りながら、
観光産業と居住機能が共存する複合住宅地の形成を図ります。
JR高久駅周辺地区では、地区計画や緑地協定等の活用により生活環境の向上を
図りながら、利便性を生かした低層住宅地の形成を図ります。
新高久地区では、那須塩原市への近接性や東北縦貫自動車道那須インターチェン
ジ、一般国道4号などの広域交通網へのアクセス利便性を生かした良好な居住環境
を有する住宅地の形成を図ります。
自然環境と調和した土地利用が図られている那須高原地区を中心とする別荘地
では、道路等の整備により、良好でゆとりのある林間低層住宅地の形成を図ります。
12
② 商業地、業務地
中心拠点であるJR黒田原駅周辺では、既存の商業機能を向上させるため都市基
盤整備や地区計画などの活用により、景観等に配慮した商業空間を集積させ住民ニ
ーズに応えられる魅力ある日常的商業地を配置します。
観光レクリエーション拠点である湯本地区及び那須街道沿道地区では、都市計画
道路の整備や地区計画などの活用により周辺の自然環境や景観と調和した宿泊施
設や土産、飲食施設などの観光商業地を配置します。
③ 工業地
産業拠点である菱喰内工業団地では、今後も工業の利便性の維持、向上を図る地
区として、東北縦貫自動車道那須インターチェンジや一般国道4号などへのアクセ
ス利便性を生かした、良好な操業環境の維持、充実を図る工業地を配置します。
黒田原地区の工業地については、菱喰内工業団地と連携した企業の誘致や住宅地
に立地している工場等の移転先とする工業地を配置します。
④ 流通業務地
流通業務地は、物資の流通活動の円滑化を図るため、流通業務施設の集積度及び
広域的な連携機能を高める交通網等の都市施設の整備状況等を考慮しながら配置
します。
⑤ 公園・緑地ゾーン
公園・緑地ゾーンは、将来の都市化動向やレクリエーション活動に対する需要に
適合し、都市の環境向上、景観の保全、災害の防止等の機能を総合的に発揮できる
よう適正な規模で整備、保全を図るゾーンとして位置付けます。
⑥ 田園集落ゾーン
自然空間である丘陵地や田園地帯の自然環境に恵まれた既存集落、田園等におい
て、ふるさとの原風景などの維持・保全を図るゾーンとして位置付けます。
⑦ 自然環境保全ゾーン
日光国立公園、茶臼岳周辺、那須御用邸用地の北側地区などの自然環境を有する
地域について、将来にわたって保全を図るゾーンとして位置付けます。
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(3) 土地利用の方針
① 用途転換、用途純化又は用途の複合化に関する方針
既成市街地の用途の混在が見られる地区については、良好な都市環境の形成を図
るため、必要に応じて適正な用途地域への変更を検討します。
② 居住環境の改善又は維持に関する方針
中心市街地については、必要な生活道路や公園・緑地の確保、下水道の整備によ
り、商業、業務、行政、文化施設等の利便性の高い居住空間の再生を図ります。
黒田原地区、JR高久駅周辺地区、新高久地区、湯本地区では、道路、公園・緑
地等の整備により良好な居住環境の維持、向上に努めます。
③ 都市内の緑地又は都市の風致の維持に関する方針
本区域は、日光国立公園や茶臼岳、那須高原など緑豊かな区域です。これら都市
内の緑は、人に安らぎを与える貴重な資源であり、これらの保全を図るとともに、
都市の活性化を促す重要な資源でもあることから有効な整備、活用を図ります。
また、新高久地区の主要地方道那須高原線のアカマツ林の保全に努めます。
さらに、市街地内の樹林、屋敷林、社寺林など良好な環境を有している身近な緑
地の保全に努めます。
④ 優良な農地との健全な調和に関する方針
本区域は、那珂川、余笹川などの恵まれた水資源により農業が発達しています。
特に豊原丙・高久丙・高久甲・寺子丙・寺子乙・豊原・大島地区等に広がる優良農
地は首都圏近郊の食糧基地の役割を担っており、これら農地の保全に努めます。
⑤ 災害防止の観点から必要な市街化の抑制に関する方針
急傾斜地、土石流危険渓流及び河川沿いの低地部で溢水・湛水等の災害の発生す
る恐れがある区域については、今後とも市街化を抑制するとともに、緑化の促進や
緑の保全に努め、災害の防止を図ります。
⑥ 自然環境形成の観点から必要な保全に関する方針
本地域の景観特性である、茶臼岳をはじめとする那須連山や那珂川をはじめとす
る大小様々な河川などの良好な自然環境を、日常の身近な空間として、さらには観
光客への憩いの空間として保全を図ります。
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⑦ 計画的な都市的土地利用の実現に関する方針
良好な生活環境の維持と産業の振興を促進するため、周辺地域の農林業等との健
全な調和を図りながら、計画的な都市的土地利用の形成を図ります。
用途地域内であるJR黒田原駅を中心とする商業地については、地区計画や都市
基盤の整備などを検討します。
広谷地地区や那須高原スマートインターチェンジ周辺、県北産業技術専門校周辺
など良好な生活環境の整備や産業の振興を促進する地区では、地区計画や特定用途
制限地域等の活用により周辺地域の自然環境や農林業等との健全な調和を図りな
がら、計画的な都市的土地利用を目指します。
用途地域を定めていない地域(白地地域)では、必要に応じて用途地域や地区計
画、特定用途制限地域等の活用により、適切な土地利用への誘導を図るとともに、
地域の実情にあった建築物の形態規制(建ペい率、容積率)を行います。
さらに、木造建築物が多い中心市街地においては、不燃化による防災性の向上を
図るために、準防火地域の指定を検討します。
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【土地利用構想図】
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3−2 都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針
(1) 交通施設の都市計画の決定の方針
① 基本方針
【交通体系の整備の方針】
東京圏、東北圏、県都宇都宮との連携・交流を強化する広域連携軸の形成を図り
ます。
本区域発展のためには、隣接する那須塩原市、大田原市などの周辺市町との広域
的な連携が必要であり、これらを結ぶ都市間連携軸の整備を図ります。
また、行政、生活の拠点である黒田原地区と区域内各地を連携する道路網の強化
を図るため、町民の生活を支える身近な都市内連携軸の形成を図ります。併せて、
JR東北本線、東北縦貫自動車道の那須高原スマートインターチェンジの有効活用
や観光周遊を支援する道路の機能向上など、既存の交通基盤を最大限に活用すると
ともに、バスなどの公共交通機関や大規模駐車場の設置及びパーク・アンド・バス
ライドの導入などにより観光交通ネットワークの形成を図ります。
さらに、観光交流、環境負荷の低減や人口減少・超高齢社会に対応するため、高
齢者から子供までの誰もが円滑で快適に移動できるよう、ユニバーサルデザインの
視点から道路等の交通施設を計画し整備を推進します。特に、ゆとりある歩行者空
間の創出及び路線バス等の運行の円滑化や利便性の向上を図るとともに、鉄道駅へ
のアクセスの強化を図る施設については、バリアフリー化を推進するなど、優先的
に計画し整備を推進します。
以上のように、自動車、公共交通、徒歩・自転車交通などの総合的な交通ネット
ワークの構築を図るものとします。
② 主要な施設の配置の方針
【道路】
本区域の道路網としては、区域中央部を縦貫する東北縦貫自動車道及び一般国道
4号を骨格として、主要地方道湯本漆塚線、主要地方道那須高原線、主要地方道大
子那須線などが配置され、これらが東北縦貫自動車道の那須高原スマートインター
チェンジに接続していることにより、東京圏、東北圏、県内各市町との連携を担っ
ています。
市街地を南北に縦断する一般国道4号は、隣接する那須塩原市、大田原市、福島
県白河市に連絡する広域連携軸であるとともに日常生活にも利用されている道路
であることから、交通機能の拡充を図ります。
さらに、高速交通機能の向上を図るため、東北縦貫自動車道の6車線化の実現に
向け取り組みます。
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周辺市町や区域内、観光地とのネットワーク強化を図る道路として、各拠点間を
連携する道路やJR高久駅、JR黒田原駅、JR豊原駅へのアクセス道路の強化を
図ります。
【鉄道】
JR高久駅、JR黒田原駅、JR豊原駅については、乗降客と交通を機能的かつ
円滑に処理できる駅前広場、駐車場、駐輪場等の維持を図ります。
また、歩行者、特に高齢者の東西の往来を円滑にするため、各駅への歩行者・自
転車、路線バスのアクセスの強化を図る道路の計画、整備にあたっては、バリアフ
リー化の促進に努めることにより、交通結節点としての利用環境の充実を図ります。
【その他の施設】
今後の人口減少・超高齢社会に対応し、既存集落や郊外部から中心市街地にある
生活利便施設を使い易くするため、新たな公共交通ネットワークのあり方を踏まえ
ながら、路線バス等の運行円滑化や利便性向上、鉄道駅へのアクセスの強化を図る
施設を優先的に計画し整備を推進します。
観光シーズン時の交通渋滞を緩和するため、大規模駐車場の設置やパークアンド
ライドなど総合的な渋滞緩和対策を検討します。
③ 主要な施設の整備目標
概ね 10 年以内に実施することを予定する主要な事業は、次のとおりです。
【都市間・都市内連携軸】
都市間・都市内連携軸として、以下に挙げる道路の整備を進めます。
○主要地方道西那須野那須線、主要地方道大子那須線、主要地方道那須西郷線、一
般県道豊原高久線、一般県道稲沢高久線等
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(2) 下水道及び河川の都市計画の決定の方針
① 基本方針
【下水道及び河川の整備方針】
下水道については、市街地等における生活排水等の汚水を効率的に処理し、生活
環境の改善、河川等公共用水域の水質保全を図るため、整備を促進します。また、
区域内の緑地、空地の減少等に伴う雨水流出量の増加による市街地の浸水を防除す
るため、河川計画と整合のとれた効率的な整備を促進します。
河川については、流域内の開発等に伴う自然の保水及び遊水機能の減少等による
雨水の流出増に対応するため、河川改修など適切な治水対策を推進するとともに、
自然環境等に配慮し、良好な水辺空間の整備を図ります。
【整備水準の目標】
下水道については、都市計画区域全域の効率的・効果的な汚水処理を行うため、
新栃木県生活排水処理構想に位置付けられた下水道事業、浄化槽整備事業等の適正
な役割分担のもと、下水道の全体計画に基づき整備を促進します。
河川については、河川の特性や地域の風土・文化・住民の意見等を反映させた河
川整備計画に基づき、効率性、経済性を踏まえながら、個性を生かした魅力ある河
川の整備を図ります。
② 主要な施設の配置の方針
【下水道】
市街地については、生活排水等の汚水を適切に処理し、雨水による浸水を防ぐ等
快適な都市生活環境の充実を図り、将来的な土地利用と整合した下水道等の整備を
促進します。公共下水道については、効率的な施設整備を進め、用途地域を優先的
に整備します。
【河川】
余笹川は、本区域のシンボルともいえる河川であり、景観に優れた自然豊かな川
として、良好な水辺環境の保全に努めます。
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③ 主要な施設の整備目標
【下水道】
概ね 10 年以内に実施することを予定する公共下水道については、以下に挙げる
地区において整備を促進します。
○黒田原地区等
本区域における平成 27 年度末までの公共下水道処理人口普及率の目標を概ね
12%とします。
(3) その他の都市施設の都市計画の決定の方針
① 基本方針
少子高齢社会への移行や産業構造の変革、さらには循環型社会への対応などによ
り生活行動の多様化が進行することが予想されます。
このため、これらに対応して、健康で文化的な都市生活や機能的な都市活動を確
保するために必要な都市施設を都市計画に位置付け、整備を進めるものとします。
② 主要な施設の配置の方針
廃棄物処理施設については、循環型社会の実現に向け「栃木県廃棄物処理計画」
や町の一般廃棄物処理計画に基づき、必要な施設の確保を図ります。
③ 主要な施設の整備目標
概ね 10 年以内に実施することを予定する主要な事業は、次のとおりです。
○廃棄物処理施設については、効率的な運営の確保と再生利用の促進を図るため、
広域的な観点での整備を進めます。
3−3 市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針
本区域については、土地区画整理事業などの市街地開発事業が都市計画決定され
ていませんが、今後は良好な市街地環境の形成を目指し、必要に応じ地域住民の合
意形成を図りながら、地域の特性を生かした土地区画整理事業等について検討しま
す。
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3−4 自然的環境の整備又は保全に関する主要な都市計画の決定の方針
(1) 基本方針
本区域は、日光国立公園、那須連山などの森林や那珂川をはじめとした多くの河
川などの河川空間を有しており、これらの水と緑が一体となって良好な自然環境、
自然景観を形成しています。
これら本区域の各地に残された貴重な自然環境、自然景観を今後も積極的に保全
し、次代の子供たちに引き継いでいくとともに、これら水と緑の資源を有効に活用
した都市づくりを推進します。
(2) 主要な緑地の配置の方針
① 環境保全系統
□那珂川、余笹川、黒川などの河川緑地の保全を図ります。
□茶臼岳をはじめとする那須連山に分布する森林などの自然環境の保全を図りま
す。
□那須御用邸用地の北側地区について、那須の豊かな自然との体験・学習の場とし
て「那須平成の森」の整備、保全を図ります。
② レクリエーション系統
□那須高原については、保養・観光地としての多様な魅力を持つグリーンツーリズ
ム(農村と都市の交流)を目指し、自然とふれあえる憩いの場として保全・活用
を図ります。
☐観光都市の魅力を高める空間や観光客の憩いの場として活用を図るため、街角広
場や小規模なオープンスペースの整備を図ります。
③ 防災系統
□地震、火災等災害時の避難場所として地区公園等の適正な配置を図るとともに、
これらの公園や学校等へ接続する道路(緑道)については、適切に配置し、避難
路のネットワーク化を図ります。
□本区域は山間部が多く、一部では急峻な地形を有していることから、斜面林の保
全を図るとともに、急傾斜地等の安全を確保しつつ緑地保全等を促進します。
④ 景観構成系統
□本区域を代表する景観軸である主要地方道那須高原線のアカマツ林は、とちぎふ
るさと街道景観条例(那須・塩原街道景観形成地区)等によりアカマツや低木類
などを保全し、良好な街道景観の維持・向上を図ります。
21
□那須町景観条例や屋外広告物条例に基づき、豊かな自然と調和した施設や建築物
の色彩、意匠等の誘導に努めるとともに、緑化を促進し、恵まれた歴史・文化や
自然景観を生かした良好な都市景観の形成、保全を図ります。
□栃木県景観条例により、建築物等の良好な意匠等の誘導に努めるとともに、緑化
の促進により、緑を生かした良好な都市景観の形成、保全を図ります。
(3) 実現のための具体の都市計画制度の方針
① 公園緑地等の整備目標及び配置方針
日常生活圏や地理的条件、市街化の動向等を考慮し、身近な運動及び休養の場や
地震及び火災時の避難地として、街区公園等の適正な配置を図ります。
また、休養、休息、運動、教養、自然、文化とのふれあいを通じて、住民の健康
の維持・増進、文化活動の普及のため、有機的連携を図りながら、運動公園等を適
切に配置します。
【公園緑地等】
公 園 緑 地
の 種 別
街
区
公
園
近
隣
公
園
地
区
公
園
運
動
公
園
そ の 他 の
公 園 緑 地 等
配
置
の
方
針
安全で潤いのある日常生活圏の形成を図るため、市街地規模、住区構成、分析要
素等を踏まえ、適切に配置します。
那須友愛の森と旧那須高原センター跡地を近隣公園に位置付けます。
那須町中央運動公園と余笹川ふれあい公園、筒地河川公園を地区公園に位置付け
ます。
那須町総合運動公園の整備を促進します。
既存公園等について都市公園への位置付けを検討するとともに、地域の歴史・資
源を生かした公園・緑地の整備(効率的な整備、地域に密着した公園・緑地の形
成)を図ります。
② 風致地区等の指定目標及び指定方針
優れた自然環境を保全すべき緑地については風致地区を、また、市街地及びその
周辺部の重要な緑地については適切な開発計画のもと緑地保全を図り、良好な都市
環境の形成を図ります。
(4) 主要な緑地の確保の方針
概ね 10 年以内に実施することを予定する主要な事業は、次のとおりです。
□那須町総合運動公園の整備
□「那須平成の森」の整備、保全
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【都市施設構想図・市街地開発事業構想図・自然環境整備・保全構想図】
23
4.
本区域における都市づくりの実現に向けて
4−1 実現に向けての基本方針
「1−4に示した将来都市構造」の実現を図るため、本区域における都市づくり
では、これまでのまちづくりで築いてきた資源等の質を高め、既存ストックの有効
活用を図ります。また、拡散型の都市構造を助長する開発の抑制に努め、持続可能
で暮らしやすい都市環境の形成を図るため、コンパクトな都市構造への転換を目指
します。
4−2 都市づくりの実現化方策
(1) 都市規模に応じた適切な土地利用のコントロール
都市機能を中心拠点である黒田原地区や生活拠点である高久地区や新高久地区
の各拠点に必要とされる都市機能の集積を目指します。このため、大規模商業施設
の郊外立地に対する規制強化や用途地域を定めていない地域(白地地域)への無秩
序な市街地の拡散を抑制し、農林業との土地利用調整を図り、用途地域や地区計画、
特定用途制限地域等の計画的な土地利用コントロールを適切に行います。
また、中心市街地においては、まちなか居住の促進や安全で良好な都市環境を創
出するため、都市基盤の整備や都市機能の更新を図ります。
さらに、本区域における都市規模に応じて、適切な土地利用の誘導による農工商
の振興や、自然・都市・農村などの地域特性に配慮した景観の保全・創造、自然環
境に配慮した土地利用の推進を図ります。
【具体的な取り組み事業】
地区名
中心市街地
実施計画及び
事業手法等
目
的 等
歩いて暮らせるまちづくりの推
進(都市基盤整備、バリアフ まちなか居住の促進
リー化)
広谷地地区や那須高原
スマートインターチェ
地区計画、特定用途制限地域等 周辺環境と調和した計画的な都市的土地利用の促進
ンジ周辺、県北産業技
術専門校周辺
用途地域を定めていな
公共公益施設、大規模集客施設の立地抑制、郊外にお
地区計画、特定用途制限地域等
い地域(白地地域)
ける宅地化の抑制
沿道地区
(主要地方道那須高原
線、矢板那須線、一般 町景観条例、屋外広告物条例、 地域固有の自然環境、歴史や文化に配慮した建築物の
誘導、良好な沿道景観の形成
県道湯本漆塚線、主要 県ふるさと街道景観条例
地方道那須西郷線、一
般県道豊原大島線)
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(2) 総合的な交通体系の構築・活用
都市の交通の基盤になるとともに、良好な都市空間を形成するうえで骨格となる
都市計画道路や幹線道路網を整備し、円滑な交通の確保を図ります。また、既存道
路の有効活用や土地利用を勘案し、都市計画道路の適正な配置について再検証を行
います。
さらに、これらの都市計画道路や幹線道路網の重点整備を図ることにより、公共
交通機関の利便性や快適性を高め、徒歩や自転車を含めた各交通機関が連携する総
合的な交通体系を構築します。
これらの交通ネットワークを活用することで、本区域内外における人・物・情報・
技術・産業・文化の活発な交流と振興を図ります。
【具体的な整備路線等】
地区名
地区全域
市街地間、拠点間
整備路線等
目
的
等
主要地方道西那須野那須線、主要地
方道大子那須線、主要地方道那須西 都市間連携軸の強化
郷線
路線バスの有効活用の検討(運行路
線・本数の見直し等)地域コミュニ 町民の身近な足となる生活交通の維持・充実
ティバスの検討
パーク&バス(サイクル)ライド、
観光拠点の駐車場対策(那須高原渋 那須高原における休日・観光シーズン等の交
滞対策社会実験等)渋滞情報、駐車 通渋滞緩和、円滑な交通の確保
場等適切な情報提供
(3) 産業政策や環境政策等と連動した都市政策の展開
多くの人々が暮らす都市は、工業、商業、農林業、医療、福祉、文化等の都市機
能が集積し、多様で広範囲な都市活動が展開されます。そのため、従来から都市計
画は都市を一体的かつ総合的に整備、開発及び保全するための政策として位置付け
られていることから、今後は一層、商工業・農林業等の産業政策や環境政策、交通
政策、文化政策などと連動し、産業振興や企業誘致、都市と農村の交流の活性化、
地球環境の保全、都市景観の形成等を進めるなど、総合的かつ戦略的な政策展開を
図ります。
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(4) 多様な主体が連携した体制づくりの構築
地域のニーズに応じた都市環境の整備や公共サービスの提供を将来にわたって
行うために、積極的な住民参加と適正な情報の提供を行い、町民、NPO、企業、
大学、行政などの多様な主体と連携・協働した体制づくりを構築します。
さらに、それぞれの役割と責任を明確化しながら、一体的に事業を推進していく
仕組みや人材育成に取り組んで行きます。
【具体的な取り組み施策】
施策及び団体名
活動目的等
県民や事業者の発意によるまちづくりが都市計画に生
かされる仕組みを策定します。
都市計画提案制度、地区計画の案申出制度等
インターネット(ホームページ)の活用
〃
広報・広聴活動の充実
〃
那須町地域づくり委員会
那須町まちの知恵袋制度
那須町ふるさと道普請事業
那須町屋外公告物適正化推進協議会
那須町住民参加型違反広告物除却推進団体
県民参加によるまちづくり
(5) 実行計画の策定
“とちぎの集約型都市づくり”を効率的に進めていくために、具体性のある目標
を設定し、実行計画を立案します。
また、適切な事業計画を行うために、客観的な評価指標を用いて、PDCAサイ
クルによりフィードバックを繰り返しながら、実行計画の推進や見直しを進めて行
きます。
26
【都市機能集約地域の考え方】
とちぎの集約型都市構造の実現を図るため、徒歩や自転車、公共交通機関等の利
便性に優れ、人が生活する上で必要な都市機能を集積・誘導すべき地域を「都市機
能集約地域」と定義し、地域の設定について検討します。
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