水稲生育診断・予測事業における水稲の生育経過の図表化と活用 1.調査のねらい 県内の早植rコシヒカリ」及び普=通植「星の光」の咋付地帯で、広範囲に定期的な生育調査を 行ない、迅速に集約・解析して生育診断及び予測することによって、良質米の安定生産に寄与す る。 2 調査方法 (1)栃木県における「水稲生育診断予測事業」は昭和62年度から発足(予備調査:昭和61年 ∼)。現在、早植コシヒカリ23カ所、普通植星の光8カ所、計31カ所(胞に早植初星2カ 所、星の光1カ所)で、14目間隔で調査を実施Lている。調査項目は草丈、茎数、葉数、葉 色、葉身長、幼穂長、出穂期、収量及び構成要素、倒伏程度、病害などである。胞に農…試を中 心に6カ所で稲体及び土壌中の窒素濃度の推移を測定している。それらのデータは調査当目∼ 翌日に7アックスで県庁に送られ直ちに農試にファックスで送付される。農試で図表化・解析 し県庁に返送する。県庁で技術対策等をつけ、各普及所に調査後3∼4日中に返送される。ま た、農…試では各年次の気象変動に対応した対策技術を確立するため、生育診断対応技術の圃場 試験を実施している。 31カ所、14日間隔調査、N分析 普及所・農試 現場指導への活用 調査データ ↓ ↑ F AX 生育図・気象・技術対策 一 ・ ● ・ ■ ■ ● ● ■ ●.■レ ォンラィソ データ取りまとめ 県庁 普及教育課 技術対策の検討 調査データ ↓ ↑ F AX 生育経過図・比較解析 気象データ データの蓄積 農…業試験場 生育経過図1乍成・比較解析 気象変動に応じた対策試験 図一1 栃木県における水稲生育診断・予測事業の流れ (2)現地の調査要領 ①早植「コシヒカリ」調査地点:早植地帯の普及所各2カ所十農試2カ所計23カ所 基準移植日:5月4目 栽培法:各地の標準俸系(穂肥十実肥体系) 調査:14目間隔(萬調査、移植後21,35,49.63,77、出穂期、出穂後25目、成熟期) 定期調査:草丈、茎数、葉色、葉数、葉身長 成熟期:収量及ぴ構成要素、倒伏, ②普=通植「星の光」調査地点:普通植地帯の普及所各2カ所十農試1カ所許8カ所 一23一 基準移植目:6月22日 栽培法:各地の標準俸系(穂肥体系) 調査:14目間隔(苗調査、移植後14,28,42,56、出穂期、出穂後25日、成熟期) 定期調査:草丈、茎数、葉色、葉数、葉身長 成熟期:収量及び構成要素、倒伏 (3)生育経過及び診断指標の図表化と活用 14目ごとにF AXで送信されてきたデータは、パソコン(PC−9801VX21)で集積・解 析・図表化し、現地に返送した。使用したソフト及び機器は、データ集積及び計算に「Lo tu s −123」及びハードディスク、図表化には「MS−Char t」及びプロヅター(DXlr−885)であ る。現在図表化している内容は次のとおりである。(いずれもコシヒカリと星の光の別に、本 年と平年とを比較して図表化した。) ①生育経過図:各普及所ごと。草丈、茎数、葉数、葉色、葉色X茎数値、葉身長、各形質の 比率のチャート図 ②生育経過の栃木県平均 ③ 全普及所の生育経遇比較図及び平年比率 ④’r北部」r中部」r東部」r中南部」別の生育経過比較図(コシヒカリ) ⑤ 幼穂長、出穂期、出穂後25目の登熟歩合、成熟期の全普及所比較図 ⑥程長、穂長、穂数二出穂後25目の倒伏の全普及所比較図 ⑦収量及び収量構成要素全普及所ごと及び全普及所の比較図 ⑧収量及び収量構成要素の平年比率(普及所ごと及び全普及所) ⑨コシヒカリ及び星の光の最適総籾数に基づく、生育診断指標値の経過図 以上の生育解析、図表化によって全県の水稲の生育状況の把握が的確になり、地域別の問題 点も把握できるようになった。■それらの生育情報とともに出穂期の予測、生育診断指標との比 較にょる総籾数の予測、倒伏の診断を行い「栃木県水稲生育診断速報」として情報をいち早く 提供し、技術指針の策定、現場指導のために活用できるようにしている。 (4)昭和63年の経遇と反省点 ①早植「コシヒカリ」:茎数は少なめに経過し、特に県の中北部、東部がかなり少なく、穂 数も少なかった。葉色はやや濃かった。穂数が少なかったため総籾数が不足した。葉色X茎 数瞳の診断では標準の時期に穂肥が必要と判断されたが、現地では穂肥の時期が遅れ、それ が総籾数の不足にもつたがった。 ②普通植「星の光」:初期め茎数はやや少なかったが最高分げつ期にはほぽ平年並に達した。 草丈は低く経過した。葉色X茎数値1は最高分げつ期以降やや高かった。しかし穂数は平年並 になったが1穂籾数が少なく総籾数では平年を下回った。普通植星の光の場合葉色X茎数腫 ではなく、草丈X茎数瞳のほうが診断指標として有効であると考えられる。 (担当者 作部物 山口正篤 協カ分担土壌肥料部・黒磯分場・佐野農場・ 普及教育課・各農業改良普=及所) 一24一 900 1‘N, 軍丈及ぴ茎数の推移 0 ㎝ 700 尊 80 600茎 。ρ 、X.’.’ 7o 葉色氷叢数の雌移 500 .養 〆 60’ 50 丈 栃木県平均 コシヒカリ 8㎝, X・......X 400 .o草丈乎宰 5000 300 十草丈*隼 葉 色{000 刎 ・X・’茎数平年 ★ .ρ’ 40 1oo敏’ 、β 茎 数3㎜ 触 →←茎数本年 ’・=:=I 0 30 20 10 ・o葉色オ累敏平年 ■、 . ・ ● ’. ’ →←葉色オ茎敏本隼 ’ →oo ㎜ 利 1000 一==: ^}’= ,・“’ ・鶉oo 0 }1oo 5■4 5/25 6■8 6■22 鯛 査 7■6 7■20 !u秘』切 十25 5/4 5■25 6■8 6■22 7■6 目 錦 1 20 葉身畏 葉数及ぴ葉廼の縫’移 5 棄15 7■20 出穂期 →・巧 簡 並 日 x 13 12 葉11 葉 ..・・O’.....’O ・o葉数平牢 章丈 ・…...1欄…... Io 十葉数水牟 ..o‘.’ 1−1 ・x・葉色平牟 致 →←棄色水年 泣7 6 幻‘ 葉色 畏 5■4 5■25 6■8 6■22 調 査 7■6 日 葉身長末隼 7■20 幽穂棚 一ト25 さ 葉身畏平年 葉敏 栃水県水稲坐蒋診断情報 葉数 120 口三;■三一「 97 他2・ 11o 平 1oo 年。o 比80 1989年7月201] ミ N、 w 60 40 N 、 、. ミ 1§ 一 70 .q5、.. .一go..睨’. 1“. 、N § .“ \ 、 ミミミ \ \ 燃磯 黒磯大㎜原今南 欠駁 氏家 鳥山 市貝 真岡字都宮農試.鹿沼 小山 金県 分蝪 水場 平均 桑色 草丈 120 ,20 ■.・.■■●●’●■■■●■■■‘ 110 一m 平100 1 平・。 100 ・・q2・・ ..箏go ∼ 年80 ① ..比H0 60 60 、 70 1 比η 二二§ 、 40 4o ..a5、.. ..8.4 、 \ 心 50 ‘’ミ 50 一8・千… 、 冊2… ミ 、 心 .“ \ 心 心 .“ 黒融 燃磯 大H1漂 今市 矢板 氏家 鮎」」 柵貝 真岡宇都富康試 鹿沼 小山 全県 坦鮒帆醐一^・H1鰯合市任断庄家鼠1H淋目首蘭宰都宵康試 腫沼’ト山企県 魚磯 黒儘犬固原今市 矢板 民家 烏山 布貝 頁岡宇都冨農試 鹿沼 小山 企県 分場 本場 平均 分場 衣楊 平均 棄色永蓋致 茎敬 一30 1刎 一10 平 一〇〇 年 90 ’比80 .03・ § .404.. .‘9−9’‘’“’... 二§ ・一g2・ ミ l1巨Z 、 ..ZZ、.. ぎ 、 50 40 ( 、 ミ N べ \ 年100 此go § § § 割〕 §§ ミ 萎萎 ?0 60 120 [’00. 100. 平1Io 二=§ 二: 50 ミ 、 哀脳.・黒薗 大凹原 今市 欠板 氏家 鳥山 市貝 真岡字榔宮慶試 鹿沼 小山 全県 熟傲 黒薗 大凹原 今市 欠板 氏家 鳥山 ホ貝 真岡字榔宮慶試 鹿沼 小山 全県 分場 一 本場 平均 I 40 107 ....、.コ.04.....、、. 蛸1二、 ……蘭““… .、74.、1 ’ ミ “ ミ §1:§ ll§ ll“ ll§ …萎… ミ lla61二 ・・8・2…一 ・・腱 ミ 心 §■.‘■‘. \ § w .92.・ 心. ..ミ \ 黒麟黒磯大㎜原 今命 欠板 瓦家 鳥山 布貝 真岡 字郡富 農誠 麗沼 小山 全県 分幼 本場 平均
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