(回答)(2015年2月/PDF:167KB)

1.行財政改革・地方自治制度改革
(要望)
(1)財政健全化について
本県の歳入の約6割を占める県税収入は、着実に回復傾向にありますが、それでも社
会保障関係費などの歳出の増加に対応しきれていません。
毎 年 10月 に な る と 、 来 年 度 予 算 編 成 に 臨 む に あ た っ て 、 財 源 が 数 百 億 円 規 模 で 不 足 す
ることが発表され、歳出削減を迫られるということが恒例となっています。今年も、来
年 度 予 算 編 成 に あ た っ て 550億 円 も の 財 源 不 足 が 明 ら か に な り 、 今 後 厳 し い 予 算 編 成 を
強いられることとなります。
ま た 、 県 債 全 体 に 占 め る 臨 時 財 政 対 策 債 の 比 重 は 大 き く 、 平 成 26年 度 当 初 予 算 時 点 の
県 債 残 高 総 額 の 3 兆 6,991億 円 の う ち 、 半 分 近 く を 臨 時 財 政 対 策 債 が 占 め て い ま す 。 県
は通常の臨時財政対策債を除く一般の県債については、削減の取組を進めてきましたが、
総額でみると県債全体の発行額は増え続けており、このペースで県債が増え続ければ、
将来の県民の負担は莫大なものとなってしまいます。
介護・医療・措置に関わる社会保障関係費については、超高齢社会に直面していく本
県では着実に年々増加が見込まれており、これは抑制の措置を講じてなお、年間数百億
円規模で拡大していくものと推測されます。
県財政の健全化を図りつつ、持続可能な財政構造を構築していくためにも、一般会計
予 算 の う ち 81.7% を 占 め る 義 務 的 経 費 に 切 り 込 ん で い く 、 抜 本 的 な 改 革 を 求 め ま す 。
(回答)
県財政はこれまでに大量に発行してきた臨時財政対策債による公債費負担の増大や、急
速な高齢化などに伴う介護・医療・児童関係費の増加が見込まれるなど、未だ厳しい状況
にありますので、今後とも、手を緩めることなく、行財政改革の取組を更に強化するとと
もに、歳入・歳出の両面から財政構造の改革に取り組んでまいります。
(要望)
(2)県債発行額の抑制と、国への臨時財政対策債の廃止要請について
県税収入の見通しは、所得の伸びや税制改正による増収、法人二税についても県税収
入全体では一定増収が見込まれています。また、消費税の一部は地方消費税として県税
収入となっていますが、本年4月の消費税増税を受けて地方消費税の割合も増えるため
増収が見込まれています。
また、緊急財政対策による県有施設や補助金の見直し、人件費削減等の取組が進めら
れており、県財政はわずかながらではあるものの、着実に改善の方向へ向かっていると
考えます。
こうした状況をふまえると、これを機に、将来への負担である県債の発行を大胆に縮
小すべきであると提言します。未来を担う子ども達や孫たちの世代に、あまりにも大き
な負債を残すべきではありません。
ま た 、 国 の 地 方 財 政 対 策 で は 、 平 成 25年 度 が 期 限 で あ っ た 臨 時 財 政 対 策 債 の 扱 い が 、
議論の大きなポイントとなりましたが、結果としては、地方が強く廃止を求めていたに
も 関 わ ら ず 、 平 成 28度 ま で 3 年 間 、 延 長 さ れ る こ と と な り ま し た 。 こ の こ と は 遺 憾 で あ
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り、県として、国に対し、臨時財政対策債のすみやかな廃止を求めていくことを要望し
ます。
(回答)
県債の発行規模は、その時々の財政状況や、地方財政制度に大きく左右されることから、
県民サービスへの影響に配慮しながら、今後とも臨時財政対策債を含めた県債全体の発行
抑制に努めてまいります。
こうした取組と併せて、臨時財政対策債については速やかに廃止し、地方交付税の法定
率を引き上げ、地方交付税に復元するよう、引き続き国に働きかけてまいります。
(要望)
(3)将来における広域自治体としての神奈川県のあり方について
御 承 知 の 通 り 、 本 県 は 3 つ の 政 令 指 定 都 市 を 擁 し て い ま す 。 県 民 総 人 口 が 910万 人 に
達 し て い る 中 で 、 指 定 都 市 で あ る 横 浜 市 の 人 口 が 約 371万 人 、 川 崎 市 が 約 145万 人 、 相 模
原 市 が 約 72万 人 と 、 指 定 都 市 3 市 で 県 内 人 口 の 約 3 分 の 2 近 く 、 587万 人 を 占 め て い ま
す。
い わ ゆ る 「 県 域 」 と 呼 ば れ る 一 般 市 町 村 に お け る 人 口 は 、 320万 人 余 り に す ぎ ま せ ん 。
3つの政令指定都市を抱えている広域自治体はほかになく、本県の特徴でもありますが、
我々は、県と指定都市の間の二重行政の解消を従前より提言してきました。
明治9年に足柄県が廃止され、現在の本県の地理的原型が定まり、今日まで至ってい
るわけでありますが、広域自治体としての県の役割と今後のあり方について、今こそ大
きな変革が求められていると認識します。
基礎自治体への権限・財源の移譲の動きと合わせて、交通インフラが整備され、イン
ターネットによる通信回線が爆発的に発展してきたことも影響し、市町村に対する補完
機能、連絡調整機能、支援機能といった広域自治体としての県の役割は縮小しつつあり
ます。県の発展的解消も念頭に、地域主権型の道州制への移行について、国への働きか
けを進め、指定都市との地方自治制度改革のあるべき姿について、積極的に意見集約を
図っていくことを要望します。
(回答)
県は、将来の広域自治体としての在り方としては、地域のことは地域で全て決定し実行
する地方分権型の道州制を目指しております。
このため、毎年度、道州制導入の検討を開始するための法律の制定を国へ提案しており
ます。
ま た 、 地 方 自 治 制 度 に つ い て は 、 平 成 24年 10月 に 設 置 し た 「 地 域 主 権 に 関 す る 県 と 指 定
都市との意見交換会」の場で意見交換を行っておりますが、今後も、必要に応じ議論して
まいります。
(要望)
(4)県職員給与の見直しと総人件費の抑制について
先般、本県の人事委員会の県職員給与に関する勧告がなされ、月例給及びボーナスに
ついての7年ぶりの引き上げが発表されました。
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一 方 、 総 務 省 の 有 識 者 検 討 会 で は 、 8 月 20日 に 、 地 方 公 務 員 の 給 与 水 準 の 削 減 に 向 け
制度の総合的な見直しに関する中間報告が公表され、国に準じた給料表や地域手当の見
直しなどの取組が必要とされました。
今後、県職員の給与改定等に係る交渉も組合と開催されていくことと承知しています。
本県は緊急財政対策の一環として、県独自の取組として昨年度から、行政職給料表6
級相当職以下の職員においては給料及び地域手当の4%を、7級相当職以上の職員に関
しては6%を減額措置してきましたが、それも本年度末までの取組となっております。
県 財 政 の 厳 し い 状 況 が 続 き 、 来 年 度 も 550億 円 も の 財 源 不 足 が 指 摘 さ れ て い る 中 で 、
県職員の月例給及びボーナスを勧告通りに引き上げていくことは困難であり、一般の県
民意識からも乖離しているものと我々は認識しています。
県職員給与の来年度以降の見直しについては、本県の財政状況の推移を前提に、総人
件費の抑制に努める見地からの改正を求めます。
(回答)
職員の給与については、地方公務員法に基づき、人事委員会勧告制度の下、県内民間給
与との較差を解消するため、必要な改定を行うことを基本としております。
一 方 で 、 平 成 25年 4 月 か ら 平 成 27年 3 月 ま で の 2 年 間 、 460億 円 に も 及 ぶ 給 与 減 額 措 置
を行いました。
ま た 、 平 成 10年 度 以 降 、 国 や 他 の 都 道 府 県 に 先 駆 け て 減 額 措 置 を 実 施 し て お り 、 そ の 総
額 は 1,570億 円 を 超 え て お り ま す 。
こ う し た 状 況 の 下 、 人 事 委 員 会 か ら 、 平 成 26年 度 の 給 与 に つ い て 7 年 ぶ り の 引 き 上 げ 改
定 と 、 平 成 27年 度 に 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 し を 実 施 す る よ う 勧 告 が 行 わ れ 、 平 成 26年 第 3
回定例会において、この勧告を勘案した給与条例の改正が可決されたところです。
(要望)
(5)電子申告による納税制度について
納税者の利便性と行政改革の視点から、県内すべての市町村で安定的に電子申告が利
用 出 来 る よ う に す る と と も に 、 e-tax及 び 、 e-Ltaxの 統 一 的 な 運 用 を 要 望 し ま す 。
(回答)
平 成 24年 度 税 制 改 正 に よ り 、 一 定 規 模 以 上 の 事 業 者 に お い て は 、 平 成 26年 1 月 以 降 に 提
出する給与支払報告書等を電子申告等により提出することが義務付けられたことを踏まえ、
電子申告未導入団体に対し早期導入を働き掛けた結果、県内全ての市町村において、全対
象税目について電子申告が導入されました。
今後も、電子申告制度の周知を含め、県内市町村に電子申告される方が利用しやすい制
度となるよう指導・支援を進めてまいります。
ま た 、 e− T a x と eL T A X の 統 一 的 な 運 用 に つ い て は 、 東 京 国 税 局 を 通 じ て 国 税 庁 に
要望しており、一般社団法人地方税電子化協議会にもその旨を要望しております。
(要望)
(6)スマート県庁の推進について
ペーパーレス化はもはや日本だけでなく全世界的な流れであると考えます。紙の原料
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とは何かと考えた場合、このことは既にコストの問題だけにとどまらず環境問題である
ともいえます。その中で本県が幹部職員の会議用にタブレット端末を導入したことは評
価できますが、ペーパーレス化に関しては徹底的な対応が望まれます。今後、我々議会
も含め、紙からタブレット端末への移行を推進していくよう要望します。
スマート県庁を名実共に達成するためには、複合事務機の有効利用も必要だと考えま
す。現在、価格ベースで入札により導入されている複合機については、今後各メーカー
からのプロポーザル方式で選定を行い、県の使用状況に合わせた複合機の導入について
検討し、更なる業務の効率化とペーパーレス化に努力いただくよう要望します。
(回答)
現在、「スマート県庁」の取組として業務の効率化を進めており、ICTの利活用を通
して、ペーパーレス化も図っております。
今後も、タブレット型端末や複合機などのICTを業務改善の有効なツールとして活用
し、スマート県庁の取組を推進してまいります。
(要望)
(7)軽油引取税の免税措置について
平 成 27年 度 に 向 け た 課 題 の 一 つ と し て 、 今 年 度 末 に 適 用 期 限 が 到 来 す る 軽 油 引 取 税 の
免 税 措 置 が あ り ま す 。 こ の 措 置 は 、 平 成 20年 度 ま で 軽 油 引 取 税 が 道 路 特 定 財 源 で あ っ た
こ と か ら 講 じ ら れ て い る も の で あ り ま す 。 し た が っ て 、 一 般 財 源 化 さ れ た 平 成 21年 度 以
降は、免税措置の意義が失われているなか、農林水産業などの産業用の機械などを対象
に、特例として継続しています。
しかしながら、免税対象の船舶の中には、水産業者の経営に大きく影響する漁船もあ
れば、レジャーに使うプレジャーボートも対象となっているなど、適用期限到来後の特
例措置のあり方については、産業への影響を勘案した慎重な検討が必要と考えておりま
す。
漁船等、県内産業に影響があるものに対する免税措置についてとレジャーに使うプレ
ジャーボート等の課税については切り分けを行い、国への働きかけを進めていただくよ
う求めます。
(回答)
軽 油 引 取 税 の 課 税 免 除 措 置 に つ い て は 、 平 成 27年 1 月 14日 に 閣 議 決 定 さ れ た 「 平 成 27年
度税制改正の大綱」において、海上保安庁が設置、管理する航路標識の電源用の軽油など
一部の用途を除き、適用期限を3年延長することとされております。船舶の動力源に供す
る軽油の引取りに係る課税免除の特例措置についても、漁船など船舶の区分なく延長する
こととされております。
御要望の点につきましては、地球温暖化対策や燃料課税全体の在り方に関する議論を踏
まえ、国・地方を通じた財政事情等も勘案しつつ、総合的に検討されるべき問題であると
考えます。
(要望)
(8)県有施設、未利用県有地の売却について
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現在、本県では県有施設の見直しが進められており、今後、施設廃止による跡地が発
生することが見込まれております。
こうした跡地について、県が使用しない、いわゆる未利用地となった場合は、これま
で本県は積極的に早期売却に努めてきており、厳しい財政状況の中では、ある意味、重
要な取組であったと理解しております。県有地が公有地であることを考えますと、引き
続き公的、公共的な利活用を図ることが望ましく、本県も、地元市町村から取得要望が
あれば、優先譲渡することとしております。
しかし、財政状況の厳しさは、県も市町村も同じであり、結果的には、一般競争入札
により民間事業者へ売却する例が多数あると承知しております。
こうした市町村側の財政事情をふまえた場合、未利用となった県有地のうち、規模が
大きく、かつ地理的な特性を有する県有地については、全て売却ありきではなく、将来
の県の再利用を想定し、中長期的な観点からも定期借地制度の活用など多様な有効活用
方策を、本県自ら市町村にも提案する制度作りを求めます。
県有地を一度売却してしまうと、県が改めて取得をすることは困難であり、特に県立
高校跡地のような大規模な県有地や鉄道沿線にある利便性の高い県有地、観光地等に立
地し、将来の子ども達に様々な活用が期待できる県有地などの土地の売却は、慎重に判
断する必要があります。こうした土地について、定期借地などの貸付けを行えば、将来
の事業用地として県が再活用することも可能であり、売却による一時的な収入確保に止
まらず、当然ながら中長期的に安定した貸付料収入を確保することもできますので、市
町村だけでなく、民間に対しても売却を基本とするのではなく、定期借地を積極的に推
進する事を求めます。
また、仮に売却する場合であっても、市町村はもちろん住民の意見を広く聞き、その
方向性について決定されるよう要望します。
最後に、定期借地の推進の際は、県民からの意見を広く聞く機会の場の設置を求めま
す。
(回答)
県が自ら利用する予定のない土地については、まず、市町村における公的・公共的な活
用の意向を確認し、こうした活用が見込まれない場合は、民間売却を図ることを基本的な
考え方としております。市町村への意向確認の過程で、定期借地制度等の活用について希
望があれば、県の財源対策や将来の活用の可能性を踏まえて検討してまいります。
大規模かつ地理的な特性を有する県有地の処分は、地元に与える影響が大きいことから、
市町村を通じて地域住民の御意見も伺いながら検討してまいります。
(要望)
(9)県立藤沢高等学校跡地活用における地域経済の活性化策について
県立藤沢高等学校跡地の活用については、先般、健康寿命日本一モデル事業として、
民間事業者から提案を求める「公募型プロポーザル」で売却先を選定する計画が発表さ
れましたが、公募型及び選定にあたっては、藤沢市と連携を密に図りながら、地域経済
活性化の視点から地元企業の活用等を盛り込んだ選定方法について十分ご検討くださる
よう要望します。
- 5 -
我が会派としては、県立茅ヶ崎北陵高校の建て替え用地としての活用も視野に、検討
いただくことを要望します。
(回答)
藤沢高校跡地の利活用については、藤沢市と十分に協議しながら検討を進める中で、藤
沢市の要望を反映した公募条件を定め、公募プロポーザル方式による売却手続きを進めて
おります。
地元企業の活用等については、公募プロポーザルに参加できる事業者の要件資格として
「神奈川県内に本店又は支店、営業所を有する者であること」を定めております。
県立茅ケ崎北陵高等学校の建て替え用地としての活用については、県立藤沢高等学校跡
地 の 面 積 は 約 2.5h a で あ り 、 県 立 茅 ケ 崎 北 陵 高 等 学 校 敷 地 の 約 3.6h a に 比 べ る と 、 そ の
約 69% と 狭 小 で あ る た め 、 現 行 の 茅 ケ 崎 北 陵 高 等 学 校 の 教 育 環 境 を 維 持 で き な い と 考 え て
おります。
(要望)
( 10) 事 業 外 部 評 価 の 充 実 に つ い て
社会情勢の変化や県民の多様なニーズに的確に対応し、効率的・効果的に県行政を進
めるためには、 本県が担うべき行政サービスの範囲や実施方法を合理的に評価すると
ともに、その結果を公表していくことが必要です。本県では、県が実施する政策や施策
・事業について、事前と事後を問わず、一定の基準や指標等により評価を行っており、
その結果を、新たな政策の立案、予算や組織の編成、さらには、県と市町村・民間との
役割分担の検討等に適切に反映させるよう努めていることは理解をしているところです。
こ れ ま で 本 県 は 、 全 体 で 約 2,700の 事 業 の 中 か ら 、 約 1 割 強 に 相 当 す る 事 業 の 外 部 評 価
を実施してきました。外部評価は、事業所管課の担当者が、公募した点検チーム員に対
し、自ら事業について説明を行い、県民の意見を直接聞くことができる貴重な機会とな
っており、こうした県民意見を事業見直しに反映させていく取組は、重要なことであり
ます。今後、効率的・効果的な実施方法を検討し、より多くの事業について外部評価の
実施を求めるものです。
(回答)
外部評価では、一定の事業の見直しが進んだほか、職員のコスト意識を高めることがで
きましたが、費用対効果の面で課題があります。また、庁内には、事務事業評価以外にも、
事業の効果を評価するための様々な仕組みがあるため、現在は、事務事業評価を休止し、
総合的に検証を行っております。今後の在り方については、こうした検証結果をもとに結
論を出してまいります。
2.安全・安心・災害対策
(要望)
(1)治安対策について
県 警 察 で は 、 平 成 14年 に 刑 法 犯 認 知 件 数 が 過 去 最 多 と な っ た こ と を 受 け 、 翌 15年 よ り
犯 罪 抑 止 の た め の 各 種 対 策 を 推 進 し た 結 果 、 平 成 24年 に 7 万 件 台 ま で 減 少 さ せ た こ と は
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評価するものであります。
し か し な が ら 、 平 成 24年 11月 に 発 表 さ れ た 「 平 成 24年 度 県 民 ニ ー ズ 調 査 」 の 結 果 を 見
ましても、「生活の重要度」に対する回答では、「犯罪や交通事故がなく安全で安心し
て暮らせること」という声が第2位となっており、県民の治安に対するニーズは、いま
だ高いものであることが理解できます。
今後も県民が安心して暮らせる社会を構築するため、より一層の犯罪抑止対策を推進
するよう求めます。
(回答)
県警察では、指数治安はもとより、県民の皆様の体感治安の向上に向け、地域の犯罪情
勢に即した効果的な犯罪抑止対策を推進しております。
今後も、県民の身近なところで発生し、不安を与える犯罪について、犯罪発生情報等の
発信や被害防止に向けた広報啓発活動を推進するとともに、重要な治安インフラである防
犯カメラの設置促進に努めるなど、総合的な犯罪抑止対策を推進してまいります。
(要望)
(2)風営法について
風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の規制緩和について、
現在、国で議論がなされようとしています。この議論の推移をふまえ、東京オリンピッ
ク・パラリンピックに向けた外国人観光客誘致の視点からも、社会情勢に合わせた改訂
をされますよう、本県としても積極的に意見を集約し、国に意見を示していくことを要
望します。
(回答)
風営法の改訂につきましては、これまでも社会情勢に応じて必要な規制の見直しを国に
おいて行っており、現在、ダンス営業に係る風営法の規制緩和について、有識者会議の提
言を受け、ダンスホール営業を風俗営業から除外することやダンス飲食店営業については、
照 度 に よ り 風 俗 営 業 と 特 定 遊 興 飲 食 店 営 業 に 区 分 す る 見 直 し が 平 成 26年 10月 に 閣 議 決 定 さ
れ、社会情勢に合わせた改訂がなされようとしている状況にあることから、国に意見を示
すことについては、慎重に判断してまいります。
(要望)
(3)災害対策の推進について
緊迫している地震災害等に対しての十分な備えを行うためには、東日本大震災の発災
により生じた被害の甚大さと、いまだ復興途上である現状、また山積する課題を勘案す
ることが必要です。
さらに近年多発するゲリラ豪雨や台風、竜巻等、様々な自然災害に対しても備える必
要があります。
これら災害時に迅速に対応するため、日頃の訓練の拡充を図るとともに、海上保安庁
や自衛隊等との連携に努めるよう求めます。
加えて、災害弱者となってしまう危険性の高い、身体障がい者や定期的な治療を要す
る患者などを支援するための「災害時ネットワーク」の整備と充実を要望します。
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(回答)
県 は 、 平 成 24年 度 か ら 、 大 規 模 災 害 発 生 時 の 救 急 医 療 等 を 主 体 と し 、 消 防 、 警 察 、 海 上
保 安 庁 、 自 衛 隊 、 在 日 米 軍 、 民 間 医 療 機 関 等 、 100以 上 の 関 係 機 関 が 参 加 し た 実 践 的 訓 練
「ビッグレスキューかながわ」を実施し、関係機関の連携強化を図っております。
さ ら に 、 県 で は 、 平 成 26年 3 月 に 策 定 し た 実 働 的 な 災 害 ボ ラ ン テ ィ ア 支 援 の 仕 組 み 「 神
奈川モデル」の具現化に取り組んでおり、特定非営利活動法人神奈川災害ボランティアネ
ットワークにも参画いただき、市町村の災害ボランティア関係者や関係団体との会議の開
催により情報交換を行う等、日頃からネットワークづくりに取り組んでおります。こうし
た取組等を通じて、今後とも、災害ボランティアネットワーク活動への支援に取り組んで
まいります。
(要望)
(4)土砂災害警戒区域の指定推進について
土砂災害は、どの県でも発生する危険があり、もちろん、本県も例外ではありません。
むしろ、緑豊かで多様な地勢に恵まれた本県は、急峻な山地山脈を内包し、急傾斜地も
多く、土砂災害の危険と隣り合わせであると言えます。
大 雨 等 に よ る 土 砂 災 害 は 、 過 去 か ら 繰 り 返 さ れ 、 平 成 13年 に 土 砂 災 害 防 止 法 が 施 行 さ
れ、土砂が崩落するおそれがある急傾斜地や、土石流が発生するおそれのある渓流など
を都道府県が「土砂災害警戒区域」として指定することとなりました。また、「特別警
戒区域」では開発が規制され、県は建物移転も勧告できるようになるなど、県民のいの
ちや財産を守るための仕組みが出来ました。
本 県 で は 、 県 内 で 警 戒 区 域 の 指 定 が 必 要 な 箇 所 に つ い て 、 合 計 約 1 万 800箇 所 と 見 込
んでいるとのことでしたが、これに対して、土砂災害警戒区域に指定済みとなっている
の は 6 割 程 度 、 6,819箇 所 で あ り 、 約 4,000箇 所 の 指 定 が 未 だ 終 了 し て い な い 状 況 に あ り
ます。
県民のいのちを守るために、手順をふんだ上で可及的速やかに指定を推進されること
を求めます。
(回答)
土砂災害警戒区域の指定については、まず、現地調査を行い、地形や土地利用の状況を
確認し、指定が必要な区域の案を作成いたします。その後、地元に区域の案を提示し、住
民の理解が得られるよう丁寧に説明をしたうえで、市町村長の意見を聴取し、区域を指定
しております。
このように、区域の指定には、手続きに一定の時間を要するため、県は、県内の地形や
土地利用の状況を考慮し、優先度の高い地域から指定を行っており、具体的には、「急傾
斜地の崩壊」については、がけ地周辺に住宅密集地が多い、県の東部から、また、「土石
流」については、地形が急峻で渓流が多い、県の西部から、それぞれ指定を進めておりま
す。
こ れ ま で に 、 平 成 27年 1 月 末 時 点 で 、 7,072箇 所 を 指 定 し ま し た が 、 「 急 傾 斜 地 の 崩 壊 」
は 、 横 浜 市 、 横 須 賀 市 な ど 14市 町 、 「 土 石 流 」 は 、 箱 根 町 、 山 北 町 な ど 10市 町 で 指 定 が 完
了し、優先度の高い地域における指定は、概ね完了しております。
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今 後 、 指 定 が 必 要 な 区 域 は 約 3,800箇 所 と 見 込 ま れ ま す が 、 こ の う ち 、 約 9 割 は 既 に 調
査 に 着 手 し て お り 、 残 り 1 割 に つ い て も 、 平 成 27年 度 に は 着 手 す る 予 定 で あ り 、 で き る だ
け、早期に指定を完了するよう取り組んでまいります。
(要望)
(5)安心安全な海水浴場の環境整備について
平 成 24年 の 海 水 浴 シ ー ズ ン に お い て は 、 藤 沢 市 片 瀬 西 浜 海 岸 の 多 く の 海 の 家 が い わ ゆ
るクラブ化し、地域住民や家族連れの海水浴客が不安を感じるような状況となりました。
我が会派は、現場調査を行い、代表質問及び常任委員会等において、この問題を取り
上げてきました。
そ の 結 果 、 平 成 25年 の 片 瀬 西 浜 海 岸 の 海 水 浴 シ ー ズ ン は 静 け さ を 取 り 戻 し 、 多 く の 県
民から評価の声をいただいています。
一方で県内には他にも、国内屈指の来場者数を誇る海水浴場が点在しています。先進
例をふまえ、海水浴シーズンにおいては、近隣住民の生活環境を守り、誰もが安心して
利用できる海水浴場の運営を行うため、県内統一のルールづくりを関係機関と協議の上、
策定することを求めます。
(回答)
海 の 家 の 問 題 に 関 し て は 、 県 は 、 平 成 26年 シ ー ズ ン も 、 市 町 、 組 合 等 の 関 係 機 関 と 連 携
して、パトロールを実施し、各組合の自主ルール遵守状況の確認・指導を行いました。
また、海水浴場をはじめ海岸利用の諸課題については、横須賀三浦地域県政総合センタ
ーが事務局となって、市町等が参加する「横須賀三浦地域浜辺のマナーアップ関係機関連
絡調整会議」などの場で議論しております。
海の家やバーベキュー等の課題解決など海岸利用の在り方については、有識者等で構成
す る 「 か な が わ の 海 岸 利 用 に 関 す る あ り 方 検 討 会 」 か ら 、 平 成 26年 11月 に 提 出 さ れ た 、 平
成 27年 度 以 降 の 取 組 の 方 向 性 等 の 提 言 や 各 海 水 浴 場 の 平 成 26年 シ ー ズ ン の 状 況 を 踏 ま え 、
庁内関係部局の「かながわの海岸利用に関する検討推進会議」において、市町の参画も得
な が ら 、 今 後 の 取 組 の 方 向 性 を 平 成 27年 1 月 に 取 り ま と め ま し た 。 さ ら に 、 そ の 方 向 性 に
基 づ き 、 平 成 26年 度 内 に 、 新 た な ガ イ ド ラ イ ン の 作 成 な ど 、 具 体 的 な 取 組 を 実 施 し て ま い
ります。
(要望)
(6)暴走族・旧車會対策の強化について
県警察の取締りの結果、暴走族については以前より減っていますが、旧車會について
は微増の傾向が続いております。
市民生活に支障をきたす規模の暴走や爆音は許さないという姿勢を鮮明にし、暴走族
・旧車會ゼロに向けて更なる対策強化を求めます。
(回答)
県内の暴走族は、構成員数のピークであった平成4年時に比べグループ数、構成員数と
もに大幅に減少しているものの、依然として世代交代をしながら少人数によるゲリラ的な
暴走行為を繰り返している実態にあります。
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一方、主に暴走族風に改造した二輪車を運転する旧車會は、構成員数で暴走族を上回り、
曜日や時間帯に関わらず幹線道路を大集団での爆音走行を敢行している実態にあります。
これらの暴走族や旧車會は、地域住民に多大な迷惑と危険を与え、体感治安を低下させ
る大きな要因となっております。
県警察では、暴走族や違法行為を敢行する旧車會に対して、警察本部、管轄警察署及び
交通機動隊が連携した取締りを継続的かつ計画的に実施するとともに、道路管理者と連携
した道路環境整備や、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどの施設管理者との情
報共有をはじめ、関係機関・団体や地域住民の方々と緊密な連携を図り、官民一体となっ
た総合的な暴走族対策を強化、推進してまいります。
(要望)
(7)被害が拡大している振り込め詐欺への対策強化について
本 県 に お い て 、 昨 年 は 振 り 込 め 詐 欺 被 害 額 が 41億 円 に 達 し 、 過 去 最 悪 の 結 果 と な り ま
した。
今年も振り込め詐欺の発生件数、被害額ともに、昨年を上回るペースで推移し、7月
末 の 段 階 で 発 生 件 数 が 962件 、 被 害 総 額 は 28億 1,400万 円 に 及 ん で い ま す 。
振り込め詐欺の被害にあった人々の多くが、「振り込め詐欺の多発する状況や、巧妙
な手口でだますことを知っていた」との認識を持っていたにもかかわらず、被害は拡大
しているという現状に、手口の巧妙化を危惧しています。
これまでも本県は、様々な広報媒体を通じて、振り込め詐欺を防ぐための取組を講じ、
ま た 先 般 、 県 警 察 と し て 100人 規 模 で 振 り 込 め 詐 欺 対 策 に 関 わ る 職 員 を 増 強 し 、 犯 罪 抑
止に取り組んでいく旨発表されましたが、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証詐欺、
還付金詐欺等を含め、振り込め詐欺への導入の手口は年々複雑化してきています。
犯罪組織は本県に限って活動しているわけではないため、県境を越えての連携した取
組を進め、県民への注意喚起と被害にあわないようにする広報活動、また県警察による
取締りの強化を要望します。
(回答)
県警察では、自治体等と連携し、振り込め詐欺被害防止に向けた広報啓発活動を推進し
ているほか、振り込め詐欺等被害防止コールセンターによる注意喚起、金融機関と連携し
た声掛け等の被害防止対策を推進しております。
今後も、自治体、金融機関、防犯ボランティア団体等の関係機関・団体や県民の皆様と
の連携を一層強化し、社会全体で振り込め詐欺から県民を守る取組を推進してまいります。
また、振り込め詐欺の犯行グループ中枢被疑者の検挙及び犯行拠点の摘発を重点に取締
りを強化し、振り込め詐欺被害の減少に努めてまいります。
(要望)
(8)事業者の責務としての防災・災害対策の充実について
東日本大震災で明らかになったように地震をはじめとした自然災害は、県内事業者の
活動に甚大な影響を及ぼすばかりでなく事業活動そのものの継続が不可能になることも
予想されます。
- 10 -
ま た 、 政 府 試 算 で は 、 南 海 ト ラ フ 巨 大 地 震 が 発 生 し た 場 合 は 、 最 悪 の ケ ー ス で 32万 人
が 死 亡 す る と さ れ て お り 、 そ の 発 生 率 も こ の 30年 以 内 で 60∼ 70% と 言 わ れ て い ま す 。
本県では、このような報告を受け、災害対策の全面的な見直しに着手し、県地域防災
計画(地震災害対策計画、風水害等災害対策計画)について修正作業を行うとともに、
平 成 25年 4 月 に は 、 地 震 災 害 対 策 推 進 条 例 を 制 定 ・ 施 行 し て い ま す が 、 こ の 中 に お い て
も 事 業 者 の 責 務 と し て 、 従 業 員 、 来 所 者 等 の 安 全 確 保 及 び 地 域 住 民 の 安 全 配 慮 、 BCPの
作成、自治体等が行う地震防災活動への協力を定めております。
そこで、次のことを要望します。
①地震災害・津波に強い街づくりを推進すること
海抜の低い土地で事業を展開している製造業者の中には、より海抜の高いとこ
ろへの移転も考えている事業者もあります。そういった事業者のための工業団地
等の紹介及び移転条件の緩和、補助制度の創設等の津波対策。
②地震等災害への備えを推進すること
事 業 者 が 被 災 後 の 速 や か な 事 業 立 ち 上 げ の た め に は BCPを 策 定 し 、 被 災 対 応 に 備
えておくことは、被災した際の自社・他社に対する迷惑を最小限に止めるばかり
ではなく、企業の存続のために重要な要素でもあります。しかしながら、中小・
小 規 模 企 業 に お け る BCP へ の 認 知 度 は 決 し て 高 く な い の が 実 情 で あ り ま す の で 、
BCP( 事 業 継 続 計 画 ) の 策 定 推 進 の 実 施 。
(回答)
① 県 で は 、 東 日 本 大 震 災 の 被 害 を 踏 ま え 、 新 た な 地 震 被 害 想 定 調 査 を 平 成 25年 度 か ら 2
か年かけて実施しております。この被害想定調査は、専門的な知識、技術が必要となるた
め、学識経験者、県、市町村等で構成する「地震被害想定調査委員会」の指導、助言を受
けるとともに、委員会等での検討内容を市町村に情報提供しながら調査を進めております。
また、住民等の安全な避難のために災害情報受伝達体制の充実に努めてまいります。
さらに、東日本大震災における津波災害を踏まえて、最大クラスの津波に備えた都市づ
く り を 進 め る た め 、 「か な が わ 都 市 マ ス タ ー プ ラ ン ( 津 波 対 策 編 ) 」を 策 定 し て お り 、 最 大
クラスの津波に備えた都市づくりの方針等を示しております。
なお、企業誘致の観点から、企業の方々に県内の工業用地情報等の提供を行っておりま
す。
②県では、「BCP作成指導者」の育成やBCP作成支援ツール「BCP作成のすすめ
(かながわ版)」の作成を行うことにより、中小企業へのBCP作成支援体制を整えまし
た。また、「BCP作成指導者」を中小企業に派遣し、「BCP作成のすすめ(かながわ
版)」に基づいたBCPの作成支援を行い、中小企業へのBCP作成支援、普及啓発を行
ってまいりました。
県は、引き続き、これらの支援体制を活用し、関係機関との連携により、中小企業のB
CP作成の普及推進に努めてまいります。
(要望)
(9)社会不安を防ぐセーフティネット施策の充実について
安全・安心な社会であることは、住民や事業者にとっては、非常に大切なことであり、
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県民生活のセーフティネットの仕組みを整えることが重要となってきております。
県内の治安に関しては、犯罪認知件数は着実に減少してきていますが、未だ各地域に
よって、様々な課題を抱えており、その状況は、一様ではありません。
駅周辺での客引きやキャッチセールスについては、当局のご努力により、減少はして
きていますが、特定の駅周辺など一部においては、相変わらず悪質な客引きなどが行わ
れているなど買い物客や観光客に不安を感じさせる状況が続いています。
これらのことは、地元商店街振興に大きな影響を与えますので、ひったくり対策や駅
周辺等に重点をおいた、治安対策のさらなる充実強化を要望します。
(回答)
県警察では、指数治安はもとより、県民の皆様の体感治安の向上に向け、地域の犯罪情
勢に即した効果的な犯罪抑止対策を推進しております。
今後も、客引き等に対する取締りを強化するほか、県民の身近なところで発生し、不安
を与える犯罪について、犯罪発生情報等の発信や被害防止に向けた広報啓発活動を推進す
るとともに、重要な治安インフラである防犯カメラの設置促進に努めるなど、総合的な犯
罪抑止対策を推進してまいります。
3.子育て・県民活動・文化
(要望)
(1)子育て支援の充実・促進について
子どもの貧困が問題化しております。生まれ育った環境によって学習や、社会参加へ
のチャンスに差が出ることは避けなければならないと考えます。結果の不平等はあって
も、チャンスは全ての子どもが平等に得られるよう、あらゆる手段を講じていただくよ
う要望します。また、子どもの貧困問題を解消するためにも、各種学校の助成充実によ
る教育の多様性の確保等につきましても、ご検討されるよう要望します。
(回答)
子どもの貧困が拡大している中で、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右
されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう必要な環境整
備 と 教 育 の 機 会 均 等 を 図 る こ と は 極 め て 重 要 で す 。 そ こ で 、 本 県 で は 、 平 成 26年 1 月 に 施
行された「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を踏まえ、子どもの貧困対策を総合的
に推進するための計画を策定することといたしました。今後、全ての子どもたちが夢と希
望を持って成長していけるよう全庁的に取り組んでまいります。
また、各種学校を含め、私立学校の経常費補助金については、標準的運営費方式を基に、
私学助成制度運営協議会での議論を踏まえて、総合的に検討してまいります。
さらに、保護者の負担軽減となる就学援助制度については、要保護について補助制度の
充実を、準要保護について十分な財源措置を講ずるよう、全国都道府県教育委員長協議会
・全国都道府県教育長協議会において国に要望しております。
なお、就学援助制度については、各市町村が主体となり、就学援助の適用基準等につい
ても、制度の施行者である市町村が所要の予算措置を行い、実施要綱等に則り決定するも
のとなっております。
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(要望)
(2)虐待防止について
厚木市で起こってしまった哀しい事件を二度と起こすことがないよう、今までのよう
な再発防止策や有識者による議論だけではなく、今困っている子ども、今救える命に対
して徹底的な施策を講じる必要があります。
居住実態がないとして住民登録を抹消された子どもについても、徹底した所在確認の
調査を求めます。
ま た 、 条 例 制 定 、 人 員 の 増 強 、 OB職 員 の 登 用 な ど あ ら ゆ る 手 段 を 講 じ て 下 さ い ま す よ
う要望します。
(回答)
厚木市で発生した男児虐待死亡事件を受けて設置した検証委員会の報告書では、児童相
談所の体制の充実強化、児童が所在不明の場合の所在確認の徹底など5つの提言がありま
した。
今後、二度とこのような事件が発生しないよう、検証報告書の提言をしっかりと受け止
め、児童相談所に配置する児童福祉司を増員するなど児童相談所の体制強化を図るととも
に、児童相談所をはじめ市町村、警察、地域の関係機関が連携し、居住実態がないとして
住民登録を抹消された子どもの所在確認のための調査を行うなど、再発防止に取り組んで
まいります。
また、国への要望として、児童福祉司の配置基準の更なる見直しを行うとともに、児童
心理司や保健師などの専門職員の配置基準についても明確化し、充実するための適切な財
源措置を講ずるよう働きかけております。
さらに、自治体間での所在不明児童についての情報共有が可能となる、国が情報を一元
化する全国的な仕組みの創設と、個人情報の提供を含む統一した情報提供のルール化を働
きかけております。
(要望)
(3)拉致問題について
拉致問題の解決が先送りされており、問題を風化させないためにも、県民に対して啓
発活動を続けていく必要があります。放っておけば風化してしまうような問題は本県が
積極的に啓発活動を行う事で、問題の風化を防止し、解決への糸口につながるよう取り
組む必要があります。
拉致問題を風化させないよう、今後とも継続した啓発活動を要望します。
(回答)
拉致問題の啓発については、広く県民の方々に関心を抱いていただくため、映画「めぐ
み」の上映会や、特定失踪者の方々等の写真パネル展示、北朝鮮人権侵害問題啓発週間に
合わせた「神奈川県民のつどい」の開催など、様々な手法で実施しております。
平 成 25年 度 に は 、 映 画 「 め ぐ み 」 の 上 映 会 を 7 回 開 催 し 、 約 1,400人 の ご 参 加 を い た だ
き ま し た 。 ま た 、 特 定 失 踪 者 等 パ ネ ル 展 示 は 、 県 内 29の 市 町 村 、 50か 所 以 上 で 開 催 い た し
ました。
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平 成 26年 度 に つ い て は 、 こ う し た 取 組 に 加 え て 、 新 た な 手 法 と し て 、 拉 致 問 題 啓 発 演 劇
公 演 を 青 少 年 セ ン タ ー ホ ー ル に お い て 開 催 し 、 幅 広 い 年 齢 層 の 約 1,300人 に 観 劇 い た だ き
ました。
また、特定失踪者等パネル展示を県内全市町村で開催することとし、「オール神奈川」
でこの問題に取り組んでいるところです。
県としては、拉致問題が動いているこのような時期だからこそ、しっかりと腰を据え、
啓発活動を進めていくことが、非常に重要だと認識しており、引き続き、拉致問題の解決
に向けた県民の機運の醸成に取り組んでまいります。
(要望)
(4)本県の文化芸術振興について
本県の文化芸術振興については、予算の多くが指定管理者への委託費となっている為、
硬直化した状況であると考えます。特に、指定管理者が非公募により公益財団法人神奈
川県芸術文化財団に指定されていることで、透明性の確保について課題が浮き彫りにな
っています。指定管理制度における委託費の取り扱いについては、透明性が要求されて
いるにもかかわらず、現状その承認手順について、十分とは言えません。県の文化芸術
振興における専門職員の増員や芸術監督を県の職に位置づけるなど、県の文化行政につ
いて責任の所在を明らかにし、議会からの調査に耐えうる情報の把握に努められること
を強く求めます。
(回答)
県民ホールの運営に当たっては、数年にわたる作品の企画・制作を実施するため、専門
スタッフを確保・育成するとともに、知識経験や人的ネットワークの蓄積が重要となりま
す。そこで、県では、そのようなノウハウを有する公益財団法人神奈川芸術文化財団を非
公募で指定管理者としております。
また、指定管理業務の第三者への業務委託については、行政改革課が定める指定管理者
制度の運用に関する指針に基づいて取り扱うとともに、指定管理者への定期的なモニタリ
ングなどを通じて、県として必要な情報を把握し、責任を持って文化行政に取り組んでま
いります。
(要望)
(5)かながわ女性センター跡地の有効活用について
県 立 か な が わ 女 性 セ ン タ ー は 、 本 年 12月 に 全 館 の 利 用 を 終 了 し 、 土 地 と 建 物 は 、 施 設
の利用停止後に売却される予定であると聞いておりますが、同センターは江の島島内に
立地していることから、跡地の活用については、地域特性を考慮しつつ、地域住民の声
を広く聞きながら活用方法について検討いただくよう要望します。
(回答)
か な が わ 女 性 セ ン タ ー の 移 転 に つ い て は 、 平 成 24年 度 以 降 、 地 元 や 女 性 の 団 体 等 に 対 し
て、随時、説明会を開催し、意見交換をさせていただいております。
跡地の利活用については、藤沢市を通じて地域住民の御意見も伺いながら検討してまい
ります。
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(要望)
(6)働く環境について(子ども子育て支援の視点から)
女性が就業を継続し活躍を続けるためには、女性も男性も共に、仕事と生活の調和を
図ることが不可欠です。しかし、男性が子育てや家事に関わっていないことが女性の継
続就業を困難にし、少子化の一因となっている現状があります。
育児シェアを積極的に広げるためにも、本県としてワークライフバランスについて積
極的に民間事業者に広報することを要望します。
併せて、本県では、県立高校の教員や警察官を含む全職員を対象とする「子育てを支
え 合 う 職 員 行 動 計 画 」 に お い て 、 育 児 休 業 等 の 取 得 を 希 望 す る 職 員 が 100% 取 得 で き る
よ う な 環 境 づ く り に 努 め 、 平 成 26年 度 末 ま で の 目 標 と し て 、 男 性 職 員 の 育 児 休 業 取 得 率
を 10% と す る こ と を 掲 げ て い ま す が 、 平 成 25年 度 の 育 児 休 業 取 得 率 は 3.3% で あ り 、 今
年 度 末 に 取 得 率 10% を 突 如 達 成 で き る と は 思 わ れ ま せ ん 。
そこで、本県が率先して男性職員の育児休業取得率を向上させ、夫婦で育児を協力し
合うことを推進することにより、社会の理解を深めて行くよう、働きかけることを要望
します。
(回答)
ワーク・ライフ・バランスについては、その導入に意欲がある中小企業等に専門のアド
バイザーを派遣したり、中小企業等の経営者や人事労務担当者による交流会を開催するこ
とにより、民間企業への理解促進に引き続き努めてまいります。
また、県は、事業主の立場として、「子育てを支え合う職員行動計画」を策定し、男女
を問わず、育児休業の取得促進に努めております。
平 成 25年 度 に お け る 男 性 職 員 の 育 児 休 業 取 得 率 は 、 知 事 部 局 で は 約 14% と な り ま し た が 、
警察官等を含む全職員の取得率は目標値を下回っていることから、取得が進まない理由の
把握や、育児休業の対象となる男性職員への声かけ、休業中の代替職員の確実な配置など
の取組を通じ、多くの男性職員が育児休業を取得できるような職場環境づくりに努めてま
いります。
4.環境・農政
(要望)
(1)エネルギー政策、スマートエネルギー構想について
再生可能エネルギーの導入等については、脱原発の観点からも引き続き普及拡大を図
っていく必要があると考えますが、太陽光発電だけに特化した政策は昨今政策転換の動
きもあり、先行きの不透明感を増しています。積極的な省エネの推進や多様な再生可能
エネルギー普及拡大の取組をより充実していくことを要望します。
また、スマートエネルギー構想については、太陽光パネルの個人用住宅補助が目標値
に届かない状況が続きました。この施策の検証、反省が部局横断的に共有され、効率的
とは言えない補助施策が今後なるべく無いよう努力されることを要望いたします。ソー
ラーセンターについては、太陽光発電だけでなく、スマートハウスにも相談業務を広げ、
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この施策の効果などについて検証評価が来年度末に行われ、県民にしっかりと検証結果
が説明されることを求めます。
また、スマートハウス補助については、家を新築する場合も想定ができるため、県産
木材利用、消費についても視野に入れ、着実な体制によって取り組まれることを期待し
ます。
さらに、政府が見直しを進めようとしている「再生可能エネルギーの固定価格買取制
度」については、ビジネスモデルが成立する制度の維持を国に求めていくことを要望し
ます。
(回答)
県 で は 、 平 成 26年 4 月 に 策 定 し た 「 か な が わ ス マ ー ト エ ネ ル ギ ー 計 画 」 に 基 づ き 、 再 生
可能エネルギーの普及拡大等に努めております。例えば、「屋根貸し」方式による太陽光
発電事業の普及のため、「屋根貸し」等を希望する民間施設と「屋根借り」等を希望する
発電事業者とのマッチングを進める「土地・屋根貸しマッチング事業」や、従来の太陽光
パネルが設置できない箇所にも設置可能な薄膜太陽電池の普及拡大を図る「薄膜太陽電池
普及拡大プロジェクト」等を実施するとともに、その他の再生可能エネルギーについても、
技術開発の動向や発電事業者の採算性を見極めながら、国や市町村、関係団体、事業者等
と連携して、モデル的な導入を検討いたします。
太 陽 光 発 電 の 導 入 量 に つ い て は 、 2013年 度 実 績 が 2010年 度 ま で の 累 計 13.1万 k w の 約 5
倍 と な る 62.4万 k w に 達 す る な ど 、 順 調 に 推 移 し て お り 、 住 宅 用 太 陽 光 発 電 補 助 制 度 に つ
いては、一定の成果があがったものと認識しております。
なお、かながわソーラーセンターについては、太陽光発電の普及拡大を図るため、専門
の相談員が太陽光発電の設置等の相談業務を行っており、太陽光発電以外の業務に広げる
ことは考えておりません。
省 エ ネ の 推 進 に つ い て は 、 か な が わ 県 民 セ ン タ ー 内 の 「 ア ジ ェ ン ダ 21か な が わ 環 境 活 動
支援コーナー」に、「県民節電相談窓口」を設置しているほか、地球温暖化防止活動推進
員による地域での省エネに関する講座の開催や学校における環境教育を実施しております。
また、中小規模事業者に対して無料の省エネ診断を実施しておりますが、引き続き制度の
周知に努めてまいります。
また、一人ひとりが、環境に配慮した暮らし方を宣言し、登録して実践する「マイアジ
ェンダ登録」を推進し、今後も省エネ等に関する行動を社会全体に広げていくよう取り組
んでまいります。
また、国に対しては、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度の見直し等について」
緊急の要請活動を行ったところです。
スマートハウス補助については、「住宅用スマートエネルギー設備導入費補助」制度を
実施してまいりましたが、一定の成果をあげたことから、見直しを行なうことといたしま
した。今後は、使用するエネルギーを自ら生み出し、エネルギー消費量を正味でゼロにす
るネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及促進策を検討してまいります。
(要望)
(2)若手農業者の育成支援について
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若い農業者を、今後地域産業を担う中心的な担い手へと育成していくためには、農業
経営の発展や成長に応じた継続的な支援が必要であると考えます。
本県では、若手農業者グループに対して、講習会の開催やグループの研究会活動に対
する指導助言などを行っています。
また個人に対しては、就農後3年から5年くらいの農業後継者や新規参入者の方を対
象に、集合研修としての基礎セミナーを開催し、病害虫防除や肥料の管理等、営農に必
要な基礎的な技術等の指導及び個別に巡回等を行い、土地指導などの支援も行っていま
す。
さらに、農業後継者の育成と確保への取組としては、就農した農業後継者等が経営を
発展させ、地域の中核的な文化として活躍していただけるよう、就農直後の段階を経て、
計画的な農業経営により生産額のアップを目指す方には、経営計画に対するアドバイス
を行うとともに、新たにチャレンジする農作物やその栽培方法などの技術的な支援を行
っています。また、経営の規模拡大や加工品の開発などを目指す方々には、先進的で高
度な栽培技術や加工技術の導入支援、外部の専門家によるマーケティング、法人化等の
相談指導等、きめ細かな支援を行うことで、農業後継者等の担い手の育成確保に努めて
います。
本県では他県と同様、農業従事者の高齢化が進行している中、担い手の育成と確保は
喫緊の課題であると考えます。若い方が農業を目指しやすい取組がこれからも継続し、
活発に活動が行われるよう更なる支援を要望します。
(回答)
若手農業者への支援については、農業技術センター及び畜産技術センターの普及指導部
署が、就農初期や経営改善期などの段階に応じてセミナー(基礎・集団)や個別指導、経
営ビジョンの作成などにより、技術面、経営面で丁寧な指導を行っております。今後とも、
引き続き若手農業者に対して支援してまいります。
(要望)
(3)花粉症対策について
アレルギー症の代表的なものに花粉症があります。花粉症患者数は増加の一途をたど
り 、 ス ギ 花 粉 症 だ け で 1,500万 人 以 上 、 日 本 の 花 粉 症 総 人 口 は 2,000万 人 以 上 、 5 人 に 1
人は花粉症とも言われ、今後も増加することが予想されています。
スギ花粉による花粉症は自然のものだから仕方がないのではなく「人災」である部分
も大きいことがわかっています。国民の2割が花粉症に苦しめられ、その経済的損失は
約1兆円とも言われています。
特に本県で花粉症の原因となっているスギ林は、木材用として戦後植林され、その後
林業の衰退で多くが放置されているものです。首都圏近郊の人工スギ林を伐採し、跡地
に無花粉スギの植樹を進め、広葉樹の植林も行い、新たな自然植生を整備していくこと
が今後必要になってくると考えます。
そのため、森林を再生する方法としては、森林所有者および生産地から消費者へ木材
を流通させることであるという認識を持ち、圏央道という流通のインフラを得た今、消
費者の需要を喚起しつつ「製材⇒加工⇒流通」といった一連の流れを低コストで安定的
- 17 -
に供給できる体制を構築することも視野に入れ、森林の再構築、ひいては花粉症対策へ
とつなげていくよう要望します。
(回答)
県では、九都県市共同で、県域を越えて広範囲に飛散する、花粉を発生させるスギ林を
減少させる花粉発生源対策として、スギ林を間伐しスギと広葉樹が混ざりあう混交林への
転換や、少花粉や無花粉スギへの植え替えに取り組んでおります。
こうした中で、森林整備により発生する間伐材を中心とした県産木材を有効活用するこ
とは、花粉発生源対策の促進だけでなく、林業を再生して持続的な森林整備につながり、
森林の持つ様々な働きを維持することができると考えております。
そこで、県産木材の生産促進のため、間伐材の搬出支援等を行うとともに、品質の確か
な木材を安定的に供給するための加工施設整備への支援や、消費拡大を目指して、木造公
共施設整備への支援を行うなど、生産から消費までの総合的な対策を実施しております。
今後は、県産木材の利用がより広がるよう、生産と消費のマッチングを推進し、ひいて
は花粉症対策にもつながるよう取り組んでまいります。
(要望)
(4)磯やけについて
磯やけとは「豊かな海を育む藻場が衰退あるいは消失し、回復しないまま持続する」
という状態を指し、西日本を中心に全国的に見られ、本県でも、ここ数年の間に発生が
確認されています。
特に、三浦半島の相模湾側や西湘地域の小田原から湯河原にかけて磯やけ被害が広が
っており、アワビ、サザエ、伊勢エビといった魚介類を対象とした漁業も盛んに行われ
ている地域における磯やけの拡大や長期化は、漁業への影響も心配されています。
県として、地元漁協、民間団体と連携し、適切な磯やけ防止施策を講じられることを
要望します。
(回答)
磯焼けが発生している地域では、地元漁協と民間団体が協力して食害生物の除去等に取
り組んでおります。県ではこれらの団体と連携して、潜水調査などにより実態を把握する
とともに、磯焼けの防止策や回復策について技術的な助言を行って磯焼け対策に取り組ん
でおります。
ま た 、 平 成 26年 8 月 に 、 国 に 対 し て 、 磯 焼 け の 調 査 研 究 の 加 速 化 と 駆 除 方 法 の 検 討 を 行
うよう要望しております。
(要望)
(5)農地保全と農業担い手の確保について
今後、農業の担い手の高齢化が進み、従事者の減少が確実視されている中で、耕作放
棄地の増加は大きな課題となってくることは必定です。
本県は、農作業に興味のある中高年と、耕作されなくなった農地を結びつける制度と
して、「中高年ホームファーマー事業」を実施しています。農業公社が行う、農地中間
管理機構との連携を深め、取組をさらに進められることを求めます。
- 18 -
また、県は中高年ホームファーマーから認定農業者、さらには企業等までを裾野の広
い多様な担い手として位置づけ、関係機関と連携して育成・確保に努めるという事であ
り、本県らしい都市農業のあり方を、構築していただくよう、要望します。
(回答)
中高年ホームファーマー事業は、特定農地貸付法に基づき実施する市民農園の一つであ
るため、農地中間管理機構との連携はありませんが、販売を視野に入れてステップアップ
しようという意欲ある中高年ホームファーマー等に対して、県独自のかながわ農業サポー
ター事業において、農地中間管理機構を通じた農地の貸付けを行うこととしており、今後
一層連携を深め取組を推進してまいります。
また、企業等も含めて幅広く農地の借り手を募集する農地中間管理事業の仕組みも活用
しながら、引き続き都市農業ならではの裾野の広い多様な担い手の育成・確保に努めてま
いります。
5.医療・福祉
(要望)
(1)医療費助成制度について
「 神 奈 川 県 ・ 重 度 障 害 者 医 療 費 助 成 制 度 」 は 、 平 成 20年 10月 と 平 成 21年 10月 に 、 通 院
及び入院時の一部自己負担、年齢の制限、所得の制限の3項目の条件が付加され現在に
至っております。
中 で も 、 透 析 導 入 者 の 現 状 は 平 均 年 齢 で 67.6歳 と な っ て お り 、 糖 尿 病 か ら 透 析 者 に な
る割合が多く、食事療法、闘病生活を経て障がい者となるケースが殆どのようです。
我 が 会 派 と し て は 、 現 行 の 65歳 を 超 え て 新 た に 障 が い 者 に な っ た 方 に は 、 適 用 除 外 と
なっている年齢制限について、撤廃を求めます。
本県のこの様な条件付加は市町村にも広がっており、不公平感や生活困窮を訴える声
も聞くところであります。助成要項付加に伴い、影響を受けた対象人数、金額等の調査
を早急に実施し、格差是正を図られるよう要望します。
(回答)
重 度 障 害 者 医 療 費 助 成 制 度 に つ い て は 、 平 成 17年 度 に 全 市 町 村 か ら 、 制 度 の 将 来 に わ た
る安定的・継続的な運営を図るために、制度の抜本的な見直しを求める要望が出されたこ
とから、県では、市町と県で構成する検討会を設置して協議するとともに、全市町村から
の御意見も伺いながら検討を進め、年齢制限を行いました。
この制度の見直しは、市町村との議論をもとに行ったものですので、見直しの趣旨を御
理解くださるようお願いいたします。
また、県では、地域間のサービス水準の格差是正に向け、国の責任において、身体・知
的・精神の重度障害者等への医療費助成の統一的な公費負担制度を創設するよう要望して
いるところであり、今後も引き続き要望してまいります。
(要望)
(2)医療における災害時危機管理対策について(災害ネットワークの県内浸透と透析患
- 19 -
者救済の徹底)
平 成 24 年 9 月 神 奈 川 県 保 健 福 祉 部 保 健 予 防 課 か ら 、 東 日 本 大 震 災 の 経 験 を 反 映 し た
「災害時透析患者支援マニュアル」が発行されましたが、このマニュアルの県内の病院、
透析施設への浸透が急務です。
本マニュアルが定めるネットワークの通信訓練への参加徹底を引き続き推進されるこ
とを求めます。
また、災害時に近接する複数の透析施設で相互に助け合うためのブロックの形成、お
よびブロック内通信を可能とする簡易無線の整備を要望します。
さらに災害後の避難所にて、ともすれば健常者と見られがちな透析者の特性を考慮し
た事前の要援護者登録の県内市町村での徹底推進、および早期の透析再開を実現するた
めの透析可能地域への集団移送方法の具体化を要望いたします。
(回答)
県 で は 、 平 成 24年 9 月 に 「 災 害 時 透 析 患 者 支 援 マ ニ ュ ア ル 」 を 改 定 し 、 県 内 市 町 村 及 び
透析施設に配布するとともに、透析施設の「神奈川県救急医療情報システム」への登録を
進めてまいりました。
今後とも県内全透析施設の登録に向けて働きかけるとともに、関係機関と協力しながら、
様々な機会を活用し、マニュアルが充分に浸透するよう努めてまいります。
さらに「神奈川県救急医療情報システム」の通信訓練については、透析施設の参加率を
高めるため、今年度は早期に開催時期を確定し、県内の透析施設に対する周知を行いまし
た。
また、災害時の透析施設同士が共助できる環境づくりや、透析可能施設への患者の割り
振りなどについては、県としても課題と認識しておりますので、今後、関係機関と意見交
換をする機会を設けるなど、災害時におけるネットワークの構築について検討してまいり
ます。
(要望)
(3)訪問歯科診療用自動車の特別支援学校への巡回診療について
障がいを持つ児童・生徒の歯科保健医療に対する意識づけや精神的負担の緩和などに
加えて、歯科的教育を浸透させることは、自身の口腔の健康を維持する意識を持っても
らうことに通じ、将来的に渡り健康を維持することに有用と考えます。また、巡回診療
を望む保護者の声もあると聞いております。
本県はその実態をアンケート調査で把握し、教育的ニーズを有していると判断すれば、
特別な支援を行う必要があると思われます。
そ こ で 、 平 成 23年 度 に 神 奈 川 県 地 域 支 え 合 い 体 制 づ く り 事 業 費 補 助 金 を も っ て 導 入 し
た「訪問歯科診療用自動車」(通称:歯っぴー金太郎号)を活用して、特別支援学校等
に出動し、歯科保健指導・予防処置・初期治療が行えるよう支援が必要です。
診療の目的は、①歯科への通院が困難な者に対し、口腔清掃の自立支援等を実施し、
口腔機能を向上させるための口腔ケア推進。②口腔衛生を普及するとともに、歯科疾患
の予防に関する啓発・指導
③学童期のう蝕発生の予防措置と重症化の抑制です。
このように、教育上特別の支援という視点に立ち、特別支援学校等の児童生徒に対し、
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「訪問歯科診療用自動車」の巡回診療を実施し、特別支援教育の推進に取り組まれるよ
う要望いたします。
(回答)
歯科バスは県内の広域的障害児者歯科医療の充実に伴い廃止し、以後、県としては、児
童・生徒が治療も含め地域医療との関わりの中でいわゆる「かかりつけ医」の関係を築い
ていけるよう、一次医療の情報提供に努めるとともに、学校現場では「診療」から「予防
・啓発」に重点を置いた取組を推進するため、特別支援学校に歯科衛生士を派遣し、歯科
保健指導の充実を図っております。
このため、御要望の巡回診療については、実施は考えておりません。
(要望)
(4)介護保険制度大幅制度改正を受けての保険料負担の適正化について
介護保険制度は、原則として3年を1期とするサイクルで、定期的に制度の見直しが
され、実施に関する計画が定められてきました。本年の見直しでは制度開始以降最も大
きな制度改正が行われ、来年の4月以降施行していく予定です。
介護保険利用料を利用者の支払い能力に応じて最大2割負担にまで引き上げることや、
重い要介護度の方への重点化、特別養護老人ホームの入所基準の厳格化等が決定されま
した。
介 護 保 険 制 度 施 行 以 降 、 こ れ ま で 介 護 保 険 の 保 険 料 を 負 担 す る 、 65歳 以 上 の 第 一 号 被
保 険 者 お よ び 、 40歳 以 上 65歳 未 満 の 医 療 保 険 加 入 者 が 対 象 と な る 第 二 号 被 保 険 者 の 保 険
料は、見直しの度に上昇を続けてきました。
特に近年、県内の介護関係者の間で問題視されていることに、本県内の被保険者の居
住する地域によって、保険料負担の差が大きくなってきていることがあげられます。
介護サービスの料金は、介護報酬により定められていることから、同一内容同一料金
となり、保険者である市町村が事業者に支払う料金に地域差はなく均一となるにもかか
わらず、保険料の負担が居住する市町村によって大きな差が出てきてしまうことは、一
部に不公平感も生じています。
制度の保険者は、基礎自治体である市町村であることは言うまでもありませんし、そ
の保険料基準額の算定は保険者が行うことは当然のことではありますが、広域行政を担
う県としても、県内市町村のあまりに大きな保険料負担の差については、一定の調整能
力を働かせていただくよう要望します。
(回答)
介護保険料の設定は、市町村が策定する介護保険事業計画におけるサービス見込量等を
基本に定められますが、このことについて、県は、適切なサービス見込量等が設定される
よう、市町村に対するヒアリングや情報提供等により、市町村を支援しているところです。
また、介護給付費財政調整交付金について、全国平均(5%相当)の交付率を下回る場
合、不足分が第1号被保険者の保険料に転嫁され、保険料負担の増加につながるなど、保
険料基準額の格差是正に向けた財政調整機能が十分に発揮されていないという課題につい
ては、これを制度上別枠措置するよう国へ要望しております。
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(要望)
(5)県職員への歯科検診受診率向上について
「神奈川県歯及び口腔の健康づくり推進条例」を掲げる本県において、県民の歯科検
診受診率を向上させることが、最大の課題と考えます。しかし、この条例を推奨する本
県 職 員 の 受 診 率 は 、 平 成 25年 度 で 21.3% と 決 し て 高 い 受 診 率 と は 言 え ま せ ん 。
歯科検診受診率向上のためにも、まずは本県職員に受診を勧奨していただくよう要望
します。
(回答)
歯科検診を実施することは、虫歯や歯周病を早期に発見し、重症化する前に早期治療が
行えることから、有用であると認識しております。
現在、職員に対する歯科検診は、常勤職員及び非常勤職員の中から希望者に対し、職場
等で実施する巡回型健康診断で実施しておりますが、健診スペース自体の確保が難しいこ
となどから、受診できない場合もあります。
そこで、より多くの会場で歯科検診が実施できるよう、検診スペースの確保及び健診実
施機関との連携強化を図りながら、今後も職員へ積極的に受診するよう勧奨してまいりま
す。
(要望)
(6)最先端医療への取組について
平 成 25年 11月 に 開 設 さ れ た 新 が ん セ ン タ ー に 導 入 さ れ る 、 重 粒 子 線 治 療 設 備 ( 平 成 27
年 12月 稼 働 予 定 ) と い っ た 先 進 医 療 へ の 保 険 適 用 が な さ れ な け れ ば 、 金 銭 面 か ら 患 者 は
満足な治療が受けられない可能性があります。
がん治療対策推進のために、こうした先進医療についても、保険適応がなされるよう、
国への働きかけを引き続き求めます。
一方、保険適用が早期になされない可能性も考え、民間保険会社の先進医療特約への
加入を促す等の取組も併せて要望します。
(回答)
重粒子線治療費の患者負担軽減については、治療費の保険適用について、国へ要望して
いるところですが、県としても、保険適用となるまでの間の負担軽減について、様々な視
点から検討を進めております。
(要望)
(7)出産について
不妊治療については、大変デリケートな問題ですが、「いのち輝くマグネット神奈川」
を提唱する本県だからこそ、正面からとらえるべき問題であると考えます。現在、県内
10の 市 町 が 県 の 助 成 に 上 乗 せ し て い る 状 況 が あ り ま す が 、 子 ど も を 持 ち た い と 思 う 夫 婦
がその希望を実現するためにも、こうした支援は重要な少子化対策であると考えます。
国でも様々な議論がなされておりますが、国まかせにするのでなく、本県独自の施策を
展開するなど、他に先駆けた取り組みを求めます。
また、年齢とともに高まるリスクについて、女性だけでなく男性にも正しい知識の普
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及啓発が行えるよう、さらなる働きかけを求めます。
さ ら に 、 周 産 期 医 療 の 充 実 の た め 、 NICU( 未 熟 児 集 中 治 療 室 ) や MFICU( 母 体 胎 児 集
中治療室)などの整備並びに専門医の増員等を充実させ、難病対策を含め安心して子ど
もを産める医療環境の整備を求めます。
(回答)
県では高額な治療費がかかる体外受精など特定不妊治療について、その経済的負担を軽
減 す る た め 、 平 成 16年 10月 か ら 治 療 に 要 す る 費 用 の 助 成 を 行 っ て い る と こ ろ で す 。
県としては、まずは国庫補助制度を活用して、しっかり財源を確保し支援を行うととも
に、国全体の少子化対策として、不妊治療に対する経済的支援を継続していくことは重要
であることから、現在保険適用となっていない特定不妊治療についても医療保険の適用対
象とされるよう、国に対して要望してまいります。
現在、男女を問わず妊娠や不妊の正しい知識を習得してもらうため、保健福祉事務所の
保健師が大学や企業等に出向いて出前講座の開催などに取り組んでおります。
今後、ホームページや動画作成等により、情報を必要とする若い世代の男女を中心に、
効果的に普及啓発できるよう取り組んでまいります。
また、県では国庫補助制度等を活用し、NICU等周産期医療施設の整備を図るととも
に、総合及び地域周産期母子医療センターの運営体制の強化にも取り組んでおり、今後も
引き続き周産期医療体制の整備、充実を進めてまいります。
(要望)
(8)高齢者福祉について
「自助・共助・公助」は介護にも当てはまるものと考えます。利用者のニーズにあっ
た自助・共助の大切さを啓発するとともに、「健康寿命日本一」を目指す本県であるか
らこそ、これからの「介護のあり方」を含む「地域包括ケアシステム」の実現に向けた
高齢者施設の整備推進と、介護人材の労働環境の改善に積極的に取り組むよう求めます。
(回答)
高齢者施設の整備推進については、「かながわ高齢者保健福祉計画」に基づき、特別養
護老人ホームなどの介護サービス基盤の整備を着実に進めるとともに、地域密着型サービ
スの基盤整備を推進するため、財政的な支援の継続を国へ要望しております。
また、介護従事者の処遇については、業務内容に見合った適切な給与水準が確保され、
キャリアパスの取組が促進されるよう、介護報酬の充実を図ることを国に要望しておりま
す。
(要望)
(9)健康団地の取り組みについて
県 営 住 宅 で 高 齢 者 支 え 合 い を 進 め る 、 「 健 康 団 地 」 の 取 組 は 、 2025年 以 降 に 到 来 す る
と予測される、超少子高齢化社会に向け、将来の県営住宅のあり方を考える上でも、部
局横断なクロスファンクションの取り組みを推進することを求めます。
地域ぐるみで支えあい、孤立化を防ぐ取り組みを支援し、特に一人暮らしの高齢者に
対しては、優先度合いを高めた、特段の配慮を願います。
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県は、広域自治体の役割として、この「健康団地」の取組成果や課題などを、積極的
に市町村への情報提供を行うことに努め、調整役となり、十分な役割を果たして行くこ
とを要望します。
(回答)
入居者の高齢化が著しい県営団地を、健康で安心して住み続けられる団地とするため、
団地の空き住戸や施設、余剰地を活用して、高齢者の支え合い活動や保健・医療・福祉サ
ービスの拠点を整備していく、「健康団地」への再生に取り組んでまいります。
また、この取組については、すでに市町村等で構成される「公共住宅推進協議会」等で
周 知 を 図 っ て お り ま す が 、 平 成 26 年 度 中 に は 「 神 奈 川 県 県 営 団 地 再 生 計 画 」 を 策 定 し 、
様々な機会をとらえて市町村等に情報提供し、広く展開していくこととしております。
(要望)
( 10) 障 が い 者 福 祉 の 充 実 に つ い て
障がい者の高齢化、重度化が加速する中、多様な障がい者のニーズに対応した政策を
推し進めることが求められていきます。
現 状 、 身 体 障 害 者 手 帳 1 級 と 2 級 及 び 知 的 障 害 者 療 育 手 帳 A -1 級 と A -2 級 の み に 適
用している「神奈川県重度障害者医療費助成制度」を、精神障がい者保健福祉手帳1級
と2級保持者にも同じく適用していただけるよう、要望いたします。
(回答)
重 度 障 害 者 医 療 費 助 成 制 度 に つ い て は 、 平 成 24年 度 か ら 、 精 神 障 害 1 級 の 方 の 通 院 を 対
象としておりますが、身体・知的の重度障害者に相当するのは精神障害1級であり、身体
・知的障害者との均衡を図る意味から、精神障害1級の方を制度の対象としております。
入院を対象とするためには、市町村の財政的負担の問題や精神障害者入院医療援護金制度
との関係を整理する必要があると認識しております。
(要望)
( 11) 福 祉 ・ 介 護 人 材 の 確 保 と 定 着 に つ い て
急速な少子高齢化の進行により、我が国全体の労働力人口が減少し、全産業的に労働
力の確保が困難となっています。中でも、今後さらなる需要が見込まれる福祉・介護分
野 で の 人 材 不 足 が 懸 念 さ れ て お り 、 2025年 に は 今 よ り も 100万 人 程 度 の 介 護 人 材 の 確 保
の必要性が叫ばれています。
事業者にとっては、若い人からベテランまでバランスのとれた人員配置を行うととも
に、人材育成を図ることが、質の高い福祉サービスを提供する上で不可欠です。
我が会派では、この福祉・介護の業界は成長産業と考えており、是非、多くの若い人
材が参入し、業界を盛り上げていっていただきたいと考えます。
誰もが経験したことのない超高齢社会を乗り切るには、福祉・介護分野の人材の確保
と定着が必要ですが、特に若い方が、この業界は成長産業で将来の夢を持てる仕事だと
いうことを強く認識し、積極的に参入してもらうことを期待します。
今後とも、福祉人材センターには、事業者と求職者の橋渡し役として、その機能をフ
ルに発揮していただくとともに、若い人が希望をもって働けるよう、キャリアパスの整
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備に努めていただくよう要望します。
(回答)
県では、介護職員に対して、資質の向上を図るため、研修事業を行うとともに、「かな
がわ感動介護大賞表彰事業」を通じ、介護職員のモチベーションアップや社会的評価の向
上を図る取組を行っているところです。
また、介護人材の安定的な確保のためには、一層の処遇改善が必要であるとの認識のも
と、業務内容に見合った適切な給与水準が確保されるよう、また、キャリアパスの取組が
促進されるよう、介護報酬の充実を図ることについて国に要望しております。
福祉人材センターでは、福祉・介護分野への就労を促進するためのセミナーやガイダン
スを実施するほか、キャリア支援専門員によるきめ細やかな指導・助言を行うなど、福祉
・介護人材の確保に向けた取組を積極的に進めております。
(要望)
( 12) 地 域 見 守 り 活 動 の 充 実 に つ い て
4人に1人が高齢者という超高齢社会を迎え、単身あるいは高齢者のみの世帯が、ま
すます増加していく中で、地域見守り活動の需要は、今後さらに高まってくるものと考
えます。
孤立死・孤独死等の恐れのある世帯をいち早く発見し、行政の適切な支援につなげる
という目的を果たすため、協定を締結した事業者や団体とは、より活動効果を高められ
るよう、定期的な意見や情報交換をしていただくよう、求めます。
また、実際に見守り活動を行うのは事業所の従業員の方々であり、どういう場合に通
報したらよいのか、判断に迷う場合もあると考えます。基準を簡潔にした上で簡単なマ
ニュアルを作成し、通報しやすい工夫をしていただき、関係者へ周知してください。
最初の協定締結から1年が過ぎ、これまでの活動を振り返って、事業者から聞いた課
題を解決し、事業者が活動しやすい環境づくりに向けた工夫や改善を行っていくことを
求めます。
この活動は、市町村や自治会だけではカバーできない世帯も、民間事業者の協力を得
ながら、行政の適切な支援につなげていこうというものであり、県民が住みなれた地域
で安心して暮らしていく上で、大変意義深い取組です。
今後とも、協定締結先をさらに拡大し、より充実した県民の暮らしを見守る体制を構
築していただくよう要望します。
また、特に一人暮らし高齢者の、うつ、認知症の発症や、虐待などの早期発見や、早
期支援につながるような取組も合わせて要望します。
(回答)
県では、協定を締結した事業者・団体の活動がより効果的に進められるよう、連絡会議
を開催するなど、情報や課題の共有を図っており、マニュアルについても適宜見直しを行
うなど、活動しやすい環境の整備に努めているところです。
こ れ ま で 、 協 定 も 現 在 48事 業 者 ・ 団 体 と 協 定 を 締 結 し 、 地 域 見 守 り 活 動 を お 願 い し て い
るところですが、高齢化の急速な進展等を踏まえ、今後とも順次拡大を図ってまいります。
また、認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、早期発
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見・早期診断に向けた取組として、これまで、かかりつけ医への認知症対応力向上研修の
実施、認知症サポート医の養成に取り組んできたところです。
平 成 27年 度 か ら は 、 地 域 支 援 事 業 の 包 括 的 支 援 事 業 と し て 、 認 知 症 施 策 の 推 進 が 追 加 さ
れ 、 平 成 30年 4 月 ま で に 順 次 実 施 さ れ る こ と に な り 、 地 域 の 実 情 を 踏 ま え た 事 業 展 開 が 今
後期待されるところですが、このことについて、県は今後も認知症に対する啓発を図ると
ともに、市町村の取組を支援してまいります。
6.産業・経済・商工
(要望)
(1)特区制度のさらなる推進について
本県内において取組が進められている3つの特区、「ライフイノベーション国際戦略
特区」「さがみロボット産業特区」「国家戦略特区」の取組の方向性については、県内
経済の振興と民間活力の増進は、新たな雇用の確保や産業の創出につながるものである
と評価をしています。
資源の乏しい我が国にとっては人材こそが宝であり、これまで日本経済の屋台骨を支
えてきた高いモノづくりの技術を支援し、民間企業や大学、研究所などにとって、世界
を相手に戦える「環境整備」につとめていくことは行政の責務であると考えます。
本県の取組として、特区における、財政・税制・金融上の支援、国への規制緩和の要
請、地場産業とのマッチング、そして県民への啓発広報活動をさらに力強く進めていた
だきたく、未来への投資につながる取組を求めます。
(回答)
まず、「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」では、「個別化・予防医
療時代に対応したグローバル企業による革新的医薬品・医療機器の開発・製造と健康関連
産業の創出」のため、様々なプロジェクトを推進しており、これらの取組を加速させるた
め、財政上、税制上、金融支援、規制の特例措置などについて国に提案しております。
また、医工連携の取組として、医療機器産業参入セミナー・交流会等を開催し、高い技
術力を持つ県内ものづくり企業による医療機器やその周辺産業等への新規参入を促してお
ります。
さらに、バイオジャパンや各種セミナーにより、特区事業をPRすることにより、広く
周知を図っております。
次に、「さがみロボット産業特区」では、国の補助金や総合特区推進調整費の活用、金
融面の優遇措置など、総合特区における様々な支援措置により、生活支援ロボットの開発
を推進しております。また、財政面での国の支援の拡大について、国への働きかけを行っ
ているところです。
また、企業や大学等の持つ資源を最適に組み合わせ、生活支援ロボットを最短期間で開
発・商品化していくことを目指す「神奈川版オープンイノベーション」に取り組み、ロボ
ット関連技術に精通した外部専門家によるコーディネーターを活用し、企業同士の連携を
進めるなど、地元企業も含めた中小企業の新分野参入を促すための取組を進めております。
これらの取組については、ホームページにて特区の取組みを紹介するとともに、商工会、
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市町等が主催するイベントにおいてPRなどを実施しております。
さらに、「国家戦略特区」においては、健康・未病産業、最先端医療産業、ロボット産
業等の創出に向け、必要な規制改革を実現し、イノベーションを生み出す基盤構築を図り、
健康・医療市場のビジネス環境を整備するため、現在、本県提案の規制改革事項等につい
て、内閣官房や関係省庁などと協議・調整を重ねているところであり、今後も引き続き特
定事業として「区域計画」に盛り込まれるよう、しっかりと取組を進めてまいります。
(要望)
(2)中小企業の環境活動への支援について
低炭素社会を指向する中にあって、中小企業においても環境問題への意識は高まりつ
つありますが、多くの中小企業は、厳しい経営環境により対応が遅れています。そこで、
省エネ対策事業や、環境に配慮したものづくり・サービス等に対する支援を図るととも
に 、 環 境 経 営 シ ス テ ム の 中 で も 、 中 小 企 業 が 取 り 組 み や す い エ コ ア ク シ ョ ン 21の 認 証 取
得への支援や、認証事業者への優遇の強化などを行い、環境活動の意欲の向上をさらに
図られますよう要望します。
最先端の産業の誘致や技術の開発を進めながら、中小企業との共同の取組も進めてい
く必要があります。多様な産業が活きる神奈川を目指し、日本の成長エンジンとしての
役割を担えるような施策の推進を要望します。
(回答)
県では、これまで、中小規模事業者の省エネ対策支援として、無料の省エネ診断を実施
するとともに、省エネ対策の優良事例や国等の助成制度などの情報提供の他、エコアクシ
ョ ン 21を は じ め と し た 中 小 企 業 向 け の 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム の 制 度 説 明 会 を 実 施 し て
まいりました。
今後は、県の中小企業支援施策と連携して省エネ診断の利用を促したり、省エネ診断の
際に、省エネ対策の一つとして中小企業向けの環境マネジメントシステムの活用を提案す
るなど、よりきめ細やかな対応をすることで、中小企業の更なる環境活動の意欲向上を図
ってまいります。
また、「神奈川県中小企業制度融資」等において、中小企業の省エネ設備の導入や、太
陽光による再生エネルギーの活用等を金融面から支援してまいります。
さらに、企業誘致施策「インベスト神奈川2ndステップ」により、ロボット関連産業
や新エネルギー関連産業など、最先端の産業の企業誘致に努めてまいります。
(要望)
(3)中小事業者に対する消費税転嫁対策の実施について
消 費 税 率 に 関 し て は 、 平 成 26年 4 月 か ら 8 % に 引 き 上 げ ら れ 、 さ ら に 平 成 27年 10月 か
ら は 10% に 引 き 上 げ ら れ る 予 定 で す が 、 県 内 の 中 小 ・ 中 堅 企 業 に お い て は 、 過 去 の 消 費
税の引き上げ時における経験から、十分な価格転嫁は不可能との声が多く上がっており
ます。
つきましては、特定供給事業者(消費税を転嫁する側)による減額、買いたたき、強
制購入や消費者の誤解を招く行為など、消費税転嫁対策特別措置法に違反する行為の監
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視・防止及び是正の徹底、そして、県内企業の価格転嫁等が円滑に推進されるための県
民 へ の 徹 底 し た 周 知 ・ PRな ど に つ い て 、 本 県 と し て も 引 き 続 き 行 う と と も に 、 商 工 会 議
所が行う価格転嫁対策事業への支援強化を要望します。
(回答)
消費税率(地方消費税を含む。)の引き上げに際し、消費税の転嫁を阻害する行為を是
正 し 消 費 税 の 円 滑 か つ 適 正 な 転 嫁 を 確 保 す る た め 、 平 成 25年 10月 1 日 に 「 消 費 税 の 円 滑 か
つ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」
が施行されました。
また、消費税の転嫁に対する問い合わせや相談を受け付けるための窓口として、「消費
税価格転嫁等総合相談センター」が設けられ、専用ダイヤルが設置されております。
県でも、消費税転嫁対策特別措置法に関する一般的な法令の解釈のほか、転嫁拒否や転
嫁阻害表示など、法律違反が疑われる個別事案について相談を受け付けております。
なお、県は、転嫁拒否等の行為に対する調査・指導権限を有していません(※)ので、
違反被疑情報は、権限を有する国の機関(公正取引委員会、中小企業庁、消費者庁など)
に通知するなどして対処をいたします。
(※ 建設業、宅地建物取引業、不動産鑑定業、浄化槽工事業、解体工事業を除く。)
また、これまでも親事業者に対し、下請取引の適正化及び県内下請中小企業への優先発
注 の 文 書 に よ る 依 頼 を 、 年 2 回 行 っ て お り ま す 。 平 成 26年 度 は 、 こ れ と 併 せ て 、 消 費 税 転
嫁対策特別措置法等を遵守し、適正な価格設定がなされるよう、転嫁拒否等の行為の是正
について依頼を行いました。今後も引き続き、下請取引の適正化等についての周知及び法
令遵守等の要請に努めてまいります。
また、現在、商工会議所が行っている経営相談や各種セミナーなどの事業に支援してお
り、今後も必要な支援を行ってまいります。
(要望)
(4)産業系表彰制度の充実について
本県の産業系の表彰は、工業技術開発、優良工場(小売店舗・組合)、優良産業人
(技能者)が対象であり、頑張っている中小企業、特に小規模企業を元気付けるために、
顕彰する表彰がありません。年々減少する小規模企業数に見られるように、小規模企業
の経営を持続することは非常に困難な状況です。
そこで、頑張っている小規模企業(者)を元気付ける表彰制度の創設を要望します。
(回答)
県では、神奈川県中小企業活性化推進条例に、「小規模企業への配慮」を基本理念とし
て位置付け、中小企業の規模の違いを念頭に置いた上で、中小企業の振興に関する施策を、
総合的かつ計画的に推進しております。
こうした中で、国は、小規模企業に焦点を当てた新たな施策体系を構築するため、平成
25年 度 以 降 、 中 小 企 業 基 本 法 を 改 正 し 、 順 次 関 係 法 令 の 整 備 を 行 い ま し た 。
今後、県としても、国の施策との整合性を図りながら、更なる小規模企業施策の推進を
図るとともに、そうした取組を進める中で、特徴的な経営に取り組んでいる小規模企業を
積極的に表彰できるような、新たな表彰制度について検討してまいります。
- 28 -
(要望)
(5)国内観光戦略の実現について
本県は、地域固有の資源を活かした個性あふれる観光地づくりや、観光による交流人
口の増加により経済効果を高める滞在型観光の促進などに積極的に取組んでおります。
しかし、神奈川県の観光地は、新たな他県や首都部の観光スポットへの観光交流人口
の流失や、地域間競争の激化等により、厳しい状況であることから、今後の観光振興策
の充実がより一層求められます。
観光振興は、観光関連産業に携わるものだけでなく、地域住民、事業者などが一体と
なって推進して行くべきものであり、地域ごとの魅力発掘も考慮に入れながら、意識を
向上させていく必要があります。また、地域間の連携や競争力強化もますます重要とな
ってきており、「地域力」が問われています。
よって、賑わいの起爆剤とするために以下の点について推進を求めます。
①観光戦略の総合化
県内の観光業界(旅行業者・ホテル・運輸業者)では、個別の企業・業界がそれぞ
れ の 立 場 で 観 光 PRを 展 開 し て い る た め 、 企 業 ・ 業 界 に よ っ て 売 り た い 観 光 資 源 の ポ イ
ントが異なるなど、他地域からみた神奈川のイメージが確立されていないことが指摘
されておりますので、個々に展開されている観光戦略の取り組みをとりまとめ、本県
と し て よ り 一 層 総 合 化 ・ 一 元 化 し た 観 光 PRを 実 施 す る こ と 。
(回答)
県 で は 、 オ ー ル 神 奈 川 に よ る 観 光 P R と し て 、 平 成 16年 度 か ら 神 奈 川 集 中 観 光 キ ャ ン ペ
ーンを実施し、観光ガイドブックの作成・配布や民間企業によるタイアップ商品販売協力
などを実施しております。
また、観光事業者や観光関係団体等で構成する「観光立県かながわ推進連絡会議」など
により、各者の取組の共有に努めております。
今後も多くの観光客に訪問していただけるよう、オール神奈川で一体となった取組を進
めてまいります。
(要望)
②新たな観光資源の発掘及び再生
県内には、未だ観光資源化していない個性あふれ魅力ある観光資源が多く埋もれて
おります。一方、往時は多くの観光客を集めたが社会状勢や個人志向の変化により、
かつての隆盛を見ることがない観光資源があります。
このような中、本県では、「かながわグランドデザイン」のプロジェクト「地域資
源を活用したにぎわい拠点づくり」に基づき新たな観光の核づくりの構想を公募方式
により3件を採択し、重点的に支援していくこととしていますが、この新たな拠点づ
くりには、既存の観光資源とのネットワークを図ることが重要でありますので、広域
観光ネットワークをさらに強化すること。
併せて、採択された構想の実現には、しっかりとした推進主体の確立と財政的支援
が必要と思われますので、検討を行うこと。
- 29 -
(回答)
新たな観光の核づくり構想では、構想認定された3地域を中心に、その周辺地域と連携
して広域の観光ネットワークを図り、周遊型の新たな観光ルートが構築されることによっ
て、その経済効果を広域エリアへ波及することを企図しており、例えば、城ケ島・三崎地
域構想では三浦市を中心に三浦半島全域、大山地域では伊勢原市を中心に秦野市・厚木市、
さらには大山地域全体における周遊性を高めていくことを目指しているところです。
今後とも、周辺地域と連携した広域の観光ネットワークが図られるよう、新たな観光の
核づくりに取り組んでまいります。
また、現在、3地域では地元の推進組織が中心となり、県も推進組織に参加して地元と
連携しながら取組を進めておりますので、今後もこの推進体制のもと、早期に構想が実現
で き る よ う 、 県 で は 「 新 た な 観 光 の 核 づ く り 等 促 進 交 付 金 」 に よ る 支 援 を 平 成 27年 度 も 継
続してまいります。
(要望)
③受入体制の整備・充実
県のリーダーシップのもと、観光客を歓迎する地域ホスピタリティの向上や観光振
興を担う人材の育成、観光案内体制など受入体制の充実にさらに努めること。
(回答)
大学との連携による「かながわ移動観光大学」や観光ボランティアガイドの支援を通じ
て、県では観光人材の育成や地域ホスピタリティの向上に取り組んでおります。
また、インターネットを使った観光情報提供を強化し、観光案内の充実を図ってまいり
ます。
今後とも、こうした取組を通じ、受入体制の整備・充実に努めてまいります。
(要望)
④効果的な観光魅力の発信
神奈川の観光魅力の多様性を最大限に活かした個性あふれる観光地づくり形成のた
め、外国を含めた戦略的な広報活動による効果的な観光魅力を発進すること。
(回答)
県では、県内外で開催される観光関連イベントへの参加や物産展と連携した観光キャラ
バンなどを行うとともに、海外に対しても国や近隣県等と連携した観光展への出展、旅行
会社や旅行関連雑誌などの関係者を対象とした招聘事業のほか、インターネットを活用し
た多言語のホームページ、多言語によるパンフレットや地図の作成・配布を通じて、神奈
川の魅力を発信しております。
今後も、他自治体や民間事業者等と連携し、神奈川の魅力の発信に努めてまいります。
(要望)
⑤ PR活 動 へ の 新 ソ ー シ ャ ル ・ メ デ ィ ア の 活 用
イ ン ド ネ シ ア な ど 東 南 ア ジ ア 諸 国 は 、 我 が 国 よ り も ツ イ ッ タ ー や FaceBookの 普 及 率
は高く、これら進化する情報技術を活用することで、従来型の広告よりも大幅にコス
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ト削減が図られるばかりか、瞬時にして大量の顧客の心をつかむことが可能となりま
す。
県においても、こうしたソーシャル・メディアを積極的に観光誘致活動に活用すべ
きであると考えますので、インターネット広告に成功している民間企業との積極的な
連携を推進すること。
(回答)
ソーシャルメディアの活用については、フェイスブックなどのSNSを積極的に活用し、
観光情報の発信に努めてまいります。
(要望)
(6)エネルギー施策の推進について
社会経済活動を支え持続発展させていくためには、日々の安定的な電力が必要不可欠
であります。このような中、東日本大震災に起因する原子力発電の休止や円安に伴う原
材料費の高騰によって電力コストの上昇が生じており、このことが日本経済を牽引して
きた製造業の生産コストの上昇をもたらしており、海外への投資を促し雇用や生産拠点
の流出に歯止めがかからない一因ともなっています。
本県では、再生可能エネルギー等の導入を進め、電力供給量の拡大を図る「創エネ」、
電力のピークカットを図る「省エネ」、電力のピークシフトを図る「蓄エネ」の3つの
取組を総合的に進め、効率的なエネルギー需給を地域において実現することを目指す
「かながわスマートエネルギー構想」を打ち出されています。
そこで、次のことを要望します。
①再生エネルギー施策の推進
この構想を実現するためには、今後、中長期的に再生エネルギーの活用と省エネを
推進するため、発電・蓄電・送電等に関連する新たな技術開発や産業の育成・支援等
が不可決でありますので、県においても普及事業のみならず、新たな技術開発や産業
の育成支援に結びつくような施策を早急かつ強力に推進すること。
(回答)
県 で は 、 平 成 26年 4 月 に 策 定 し た 「 か な が わ ス マ ー ト エ ネ ル ギ ー 計 画 」 に 基 づ き 、 エ ネ
ルギー産業の育成と振興に努めております。
また、エネルギー関連ベンチャーへの支援や、「神奈川R&D推進協議会」と連携した
スマート・エネルギー・システムの構築に必要な技術についての実証試験や性能評価を行
っているところであり、今後もこうした取組により、成長産業の育成・支援を図ってまい
ります。
(要望)
( 7 ) 2020年 東 京 五 輪 等 を 見 据 え た 県 産 業 振 興 に つ な が る 施 策 の 推 進
本 県 で は 、 2020 年 の 東 京 オ リ ン ピ ッ ク ・ パ ラ リ ン ピ ッ ク 競 技 大 会 の 決 定 を 受 け て 、
「 五 輪 の た め の 神 奈 川 ビ ジ ョ ン 2020推 進 本 部 」 を 設 置 し 、 神 奈 川 か ら 大 会 を 盛 り 上 げ る
ため「観光戦略・魅力発信」などに取り組もうとしています。
Wi-Fi環 境 の 整 備 や ハ ラ ー ル な ど 様 々 な 文 化 、 慣 習 を 持 つ 国 の 観 光 客 へ の ア プ ロ ー チ
- 31 -
や再び訪れたくなるような「おもてなし」に力を入れていただくよう要望します。
経済面では、経済活動の活発化、雇用や観光客の増加などが見込まれますので、五輪
の開催が神奈川の持続的な経済成長の契機となるよう関係方面への働きかけをお願いす
るため、次のことを要望します。
①戦略的な観光振興施策の策定をすること
都 な ど に よ る 推 計 で は 、 開 催 期 間 中 に 国 内 外 か ら 約 850万 人 の 観 光 客 が あ る と さ れ
ています。隣接県として本県には有力なホテル等が立地するとともに、県内には、多
くの魅力的観光地を有していますので、神奈川の魅力を発信するまたとないチャンス
と捉え、県全域への戦略的な観光振興施策を策定すること。
(回答)
県では、外国人観光客の受入環境整備の充実に向けて、Wi−Fi環境の整備促進やム
スリムの方々の習慣等を理解していただくためのセミナーの開催等に取り組んでおります。
また、羽田空港に設置した「観光情報センター」において、観光情報を提供することによ
り、海外からの観光客の方々の快適な旅行のサポートを行っております。今後も、外国人
を引きつける魅力あふれる神奈川の実現に向けて、取り組んでまいります。
ま た 、 2020年 に 向 け て 県 が 取 り 組 も う と す る 様 々 な 施 策 の 設 計 図 で あ る 「 オ リ ン ピ ッ ク
・パラリンピックのための神奈川ビジョン2020」において、神奈川からオリンピック
・パラリンピックを盛り上げていく取組の一つに「観光戦略・魅力発信」を掲げ、「神奈
川ならではの観光魅力の創出」や「ニーズや好みに応じたプロモーション」などに取り組
んでいくこととしております。
(要望)
②デスティネーションキャンペーンの誘致
JRグ ル ー プ 旅 客 6 社 と 指 定 さ れ た 自 治 体 、 地 元 の 観 光 事 業 者 等 が 協 働 で 実 施 す る 大
型 観 光 キ ャ ン ペ ー ン 「 デ ス テ ィ ネ ー シ ョ ン キ ャ ン ペ ー ン 」 に つ い て は 、 昭 和 53年 に 和
歌 山 県 か ら 始 ま り 、 平 成 21年 度 に 横 浜 市 地 域 で 実 施 さ れ ま し た が 、 都 道 府 県 単 位 と し
ては、神奈川県全域での展開はされていません。
つ き ま し て は 、 2020年 に 向 け て 、 県 全 域 へ の 観 光 キ ャ ン ペ ー ン の 実 施 に つ い て JRと
協議し誘致実現を図ること。
(回答)
デスティネーションキャンペーンを誘致し、成功させるには、これまで以上の地域の盛
り上がりと、観光資源の掘り起こしや、より一層の磨き上げが必要と考えておりますので、
引き続き本県の観光地の魅力アップに取り組んでまいります。
(要望)
③競技種目の開催地の見直しに伴う競技会場の誘致及び事前練習キャンプなどの誘致
東 京 都 は 、 現 在 、 実 施 会 場 の 見 直 し を 行 っ て い ま す が 、 1964年 東 京 五 輪 で 神 奈 川 県
内での実績のあるヨット、カヌー、サッカー競技などの誘致の働きかけと支援金など
誘致の仕組みづくりを行うこと。
五輪メダル獲得に着実に成果を上げ、スポーツ振興に寄与するナショナルトレーニ
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ン グ セ ン タ ー ( NTC ) に つ い て は 、 県 内 に 誘 致 委 員 会 も 設 置 さ れ て い る の で 、 こ の 動
きに呼応し、誘致実現に向け関係方面への働き掛けを行うこと。
(回答)
競技会場の誘致については、競技会場としての活用が期待される県内施設について、東
京都に対して説明を行っております。東京都から相談があった場合は、積極的に最大限の
協力を行ってまいります。
事前キャンプの誘致については、県及び県内の全市町村で構成する「神奈川2020事
前 キ ャ ン プ 誘 致 等 委 員 会 」 を 平 成 26年 7 月 30日 に 設 置 い た し ま し た 。 こ の 委 員 会 で 、 平 成
26年 11月 に 82の 競 技 施 設 を 英 語 で 紹 介 し た パ ン フ レ ッ ト と 、 施 設 の 詳 細 が わ か る ホ ー ム ペ
ージを作成し、本格的な誘致活動を始めております。今後も市町村との連携を密にして、
県内市町村の姉妹都市や、各国の大使館、競技団体などへの誘致活動を積極的に行ってま
いります。
また、ナショナルトレーニングセンター拡充施設の誘致について、県では、「オリンピ
ック・パラリンピックのための神奈川ビジョン2020」において、ナショナルトレーニ
ングセンター拡充施設の誘致に向けて、横須賀市とともに関係機関への働きかけを行う旨、
明記しております。このビジョンに基づき、今後も「ナショナルトレーニングセンター拡
充施設・横須賀誘致委員会」の一員として、国や関係機関への働きかけを行ってまいりま
す。
(要望)
④観光戦略に資するハードインフラの目標年次化した整備
社会的にも経済的にも「首都圏を変える道路」である圏央道などの幹線道路整備の
オリンピック開会までの完成を目標年次化して整備促進を図ること。
また、東海道新幹線や長野新幹線は、いずれもオリンピックを目標年次化して整備
されています。リニア中央新幹線の品川駅と山梨県駅間の部分開業を促進すること。
(回答)
圏 央 道 や 新 東 名 高 速 道 路 な ど に つ い て は 、 2020年 東 京 オ リ ン ピ ッ ク ・ パ ラ リ ン ピ ッ ク の
開 催 を 受 け 整 備 促 進 を 図 る よ う 、 平 成 26年 7 月 に 県 内 関 係 市 町 や 経 済 団 体 と 連 携 し て 、 国
や高速道路会社に要望しており、今後も様々な機会を捉え、引き続き、国等の関係機関に
強く働きかけてまいります。
また、県は、総合計画である「かながわグランドデザイン」において、リニア中央新幹
線の建設促進をプロジェクトに位置付けるとともに、県及び県内の全市町村等で組織され
る「リニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会」を通じて、事業者である東海旅客鉄
道株式会社や、国の関係機関等に対して、リニア中央新幹線の早期整備を要望していると
ころです。
リニア中央新幹線の品川駅・山梨県駅間の部分開業については、用地取得や、地下駅の
工事などに相当の期間を要することから、事業者である東海旅客鉄道株式会社からは、物
理的に不可能と聞いております。
県としては、引き続き、リニア中央新幹線が早期に実現できるよう、関係者へ要望して
まいります。
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(要望)
(8)燃料電池自動車(FCV)および水素ステーションの普及支援について
本年度中に、トヨタ自動車が水素ステーションの整備を予定している地域及びその周
辺 地 域 を 中 心 に 、 燃 料 電 池 自 動 車 ( FCV) の 販 売 を 開 始 す る と 発 表 し ま し た 。 ホ ン ダ や
日産などのメーカーも相次いで燃料電池自動車の開発販売に名乗りを上げています。
水素を燃料とし、走行中に二酸化炭素や大気汚染有害物質を排出しない燃料電池自動
車は、「究極のエコカー」と呼ばれ、本県としてもその普及促進に積極的に取り組んで
いくと、従前より繰り返し表明されてきましたが、支援事業の具体については明らかに
なっていません。
国では経済産業省が普及促進の旗振り役となり、消費者が燃料電池自動車を購入する
際 に 、 約 700万 円 と 想 定 さ れ る 車 1 台 の 価 格 当 た り 、 200万 円 以 上 を 補 助 す る と い う 具 体
の補助が示されました。
本県としても、購入費補助や、自動車税の課税免除制度等、燃料電池自動車の普及に
つながる支援策を講じていただくよう提言します。
一方で、燃料電池自動車の普及には、自動車購入価格の消費者負担軽減が重要である
一方で、燃料である水素の供給源である、水素ステーションの設置も大事であると考え
ます。本県では日本初となるガソリンスタンド一体型の水素ステーションが海老名に建
設 さ れ 、 平 成 25年 4 月 よ り オ ー プ ン し て い ま す が 、 設 置 に 多 額 の 費 用 を 要 す る 水 素 ス テ
ー シ ョ ン の 整 備 状 況 は 十 分 な も の と は 言 え ま せ ん 。 首 都 圏 に お け る 整 備 目 標 40の 内 、 10
か所を県内にという目標が達成できるよう、取組を進めていただくよう求めます。
(回答)
燃料電池自動車は、水素社会の実現に向けた先導役として大きな期待が寄せられている
ことから、県としても初期の段階で普及を図るため、購入費用の負担軽減について補助制
度を創設することといたしました。また、水素ステーションの整備を促進するため、政令
市等と連携して水素ステーションに利用できる土地の情報等を事業者に提供していくほか、
課題となっている設置コストや運営コストの低減などについて「かながわ次世代自動車普
及推進協議会」を通じて、関係民間企業等とともに取組の方向性について検討してまいり
ます。
7.県土整備
(要望)
(1)入札について
「 か な が わ 方 式 」 の 新 た な 入 札 制 度 の 施 行 で 、 平 成 26年 か ら 「 い の ち 貢 献 度 指 名 競 争
入札」を導入し選定基準に社会貢献企業等を取り入れたことは一定の評価をいたします。
「神奈川県公共建築物に係る地震時の点検等の協力に関する協定」については、今回の
選定基準とはしないとの事ですが、地震発生時に県の施設に自動出動する体制が整って
いることもあり、今後はインセンティブ施策の検討についても善処いただきたい。
また、現在の試行段階においては、県土整備局発注工事に限定されていますが、他部
- 34 -
局発注に関しても同様に、発注ベースでの「いのち貢献度指名競争入札」の割合を一定
程度確保していただくよう、要望します。
(回答)
平 成 26年 4 月 か ら 県 土 整 備 局 で 試 行 し て い る 「 い の ち 貢 献 度 指 名 競 争 入 札 」 で は 、 各 土
木事務所長と災害協定を締結している団体への加入者等や、過去の工事で優秀な評価点を
取った業者を対象にできることとしております。
災害協定を締結していない事務所等にあっては、「神奈川県公共建築物に係る地震時の
点検等の協力に関する協定」による出動や県の震災対策訓練に参加した業者等について、
「いのち貢献度指名競争入札」の指名対象業者としております。
「いのち貢献度指名競争入札」制度の全庁的な展開については、他の局においても同制
度の導入に向けた検討が進められるよう、具体的な運用の在り方等を県土整備局が中心と
なって庁内で検討しております。
今後も、経営力と技術力に優れた建設業者や、災害応急対応等で県に協力する建設業者
の活動などを評価し、その取組の一層の拡大を図るため、同制度の周知徹底と積極的な活
用を図ってまいります。
(要望)
(2)建設業へのインターンシップについて
雇用情勢が若干改善してきている中にあっても建設業への就業者の数は依然として増
えてきていない厳しい現状があります。雇用環境を懸念する若者の建設業に対する意識
が大きな原因と考えられ、この点の意識を変えるために、高校生等を対象としたインタ
ーンシップを実施し、建設業に対するイメージチェンジを図ることが改善策であると考
えます。
そこで高等学校におけるインターンシップ制度を拡充し建設業にも学生が携われるよ
うになることを求めます。
(回答)
現在、全ての県立高校において、「キャリア教育」の一環としてインターンシップに取
り組んでおり、建設業についても就業体験を実施しております。
その主な体験内容として、「空調設備の保守点検」や「水道管設置」の現場監督・施工
管理、「エアコンの設置」や「電線加工配電」の作業等があります。引き続き、建設業を
含め、インターンシップの拡充に取り組んでまいります。
(要望)
(3)中古住宅への規制緩和について
中古住宅や長期優良住宅など耐震基準を満たし、住宅履歴情報が整備されている中古
住宅の取引に際し、税や融資についての規制緩和を要望します。
(回答)
新耐震基準に適合している一定の中古住宅及びその敷地の取得については、従前から不
動 産 取 得 税 の 軽 減 措 置 が 講 じ ら れ て い る と こ ろ で す 。 ま た 、 平 成 26年 度 税 制 改 正 に よ り 、
新耐震基準に適合しない中古住宅を取得した後、耐震改修を行い、新耐震基準に適合して
- 35 -
いることが証明された一定の住宅の取得についても軽減措置が講じられました。さらなる
軽減制度については、国において総合的に検討されるべき問題であると考えます。
不動産取得税は、不動産の所有権の取得という行為自体に着目して課税する流通税の性
格を有しており、取得の原因や形式にかかわらず、不動産の所有権の取得があった場合に
課税されます。御要望の点については、こうした課税の趣旨を踏まえた上で、国において
総合的に検討されるべき問題であると考えます。
また、国土交通省において、個人が中古住宅を購入する場合、購入費に加えて、改修費
も 長 期 固 定 金 利 型 の 住 宅 ロ ー ン 「 フ ラ ッ ト 35」 で 一 括 し て 借 り 入 れ が で き る よ う 検 討 し て
いるところです。
(要望)
(4)境川をはじめとする県内河川の不法係留対策について
我が会派としても、境川をはじめとする県内河川の不法係留船の全面撤去に向けて、
全力で取り組んで来ております。
東日本大震災での津波の被害を目の当たりにし、私達が住む地域にも、いつ大地震が
起こるか分からない状況であり、津波が来れば不法係留船は流され、地域を火の海にす
るかもしれないことが危惧されます。不法係留船が護岸を乗り越えるような事があれば、
家屋に甚大な被害を与え二次災害にもつながると考えます。
台風等による豪雨により河川の増水で、不法係留船が流失する危険性についても以前
から指摘して参りました。
平 成 26年 2 月 18日 の 本 会 議 に お い て 、 我 が 会 派 の 塩 坂 源 一 郎 議 員 が 行 い ま し た 代 表 質
問で、黒岩知事は『27年度中の不法船ゼロを目指す』との趣旨のご答弁をされました。
こ の 質 問 を 契 機 に 、 目 に 見 え る 形 で 対 策 が 進 ん で 来 ま し た が 、 今 年 10月 6 日 に 県 内 に 接
近 し た 台 風 18号 の 影 響 で 、 多 数 不 法 係 留 船 が 流 さ れ た 結 果 、 片 瀬 海 岸 、 鵠 沼 海 岸 、 辻 堂
海岸、茅ヶ崎海岸等広範囲に漂着し、海岸美化・観光・漁業等にも多大な影響を与えて
います。
先 般 、 開 催 さ れ た 第 14回 境 川 不 法 係 留 船 対 策 協 議 会 で の 報 告 で の 実 態 調 査 で は 8 月 末
日 現 在 、 不 法 係 留 船 は 92隻 と の 事 で し た 。 今 年 度 中 に 、 3 分 の 1の 30隻 以 上 の 不 法 係 留
船 を 無 く さ な け れ ば 、 27年 度 中 の 不 法 係 留 ゼ ロ に は な り ま せ ん 。 地 域 住 民 を 不 安 に さ せ 、
自然破壊にもつながると危惧しますので、不法係留船ゼロの取組のスピードアップを求
めます。
河 川 法 施 行 令 の 一 部 改 正 に よ り 、 放 置 艇 対 策 の 強 化 (禁 止 ・ 罰 則 規 定 の 追 加 )も 、 平 成
26年 4 月 1 日 か ら 施 行 さ れ て お り 、 本 県 で は 早 期 に 罰 則 適 用 を 行 う 予 定 で あ る と も 聞 い
ております。適用にあたっては、警察との協力体制づくりを更に進め効果的な対策を推
進 す る よ う 求 め ま す 。 境 川 の 不 法 係 留 船 対 策 費 と し て は 、 27年 度 中 に 、 全 て の 不 法 係 留
船の撤去が実行できる予算を計上し、県民に安心・安全な河川にするという決意を示す
よう求めます。
(回答)
境川における不法係留船対策については、上流から順次強制撤去を進めてきており、平
成 26年 度 も 河 川 法 に 基 づ く 撤 去 命 令 な ど の 法 的 手 続 を 順 次 行 い 、 平 成 26年 11月 25日 に 、 江
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ノ 島 電 鉄 橋 梁 の 下 流 か ら 、 約 500m の 区 間 に 係 留 し 移 動 し な か っ た 船 舶 3 隻 に 対 し て 、 行
政代執行法に基づく強制撤去を実施いたしました。
御 要 望 の と お り 、 8 月 末 日 の 時 点 の 不 法 係 留 船 は 92隻 で し た が 、 最 新 の 調 査 の 結 果 、 12
月 11日 時 点 で の 不 法 係 留 船 の 数 は 、 47隻 ま で 減 少 し て お り ま す 。
ま た 、 河 川 法 施 行 令 の 改 正 に よ る 罰 則 規 定 に つ い て も 、 県 で は 、 11月 10日 か ら 、 境 川 を
は じ め 、 不 法 係 留 船 対 策 に 取 り 組 ん で き た 県 管 理 の 10河 川 に お い て 、 罰 則 の 適 用 を 開 始 す
ることといたしました。
今後も、不法係留船が存在する区間について、自主的な移動を促しつつ、引き続き行政
代執行による強制撤去を進めていくとともに、悪質な船舶所有者については、新たに設け
られた罰則適用の制度を活用して、警察に刑事告発を行うといった取組も併用しながら、
対策を進め、境川の不法係留の解消に向けて、しっかり取り組んでまいります。
(要望)
(5)東名高速道路綾瀬スマートインターチェンジ事業推進について
綾瀬インターチェンジの設置により、時間的ロスは大幅に改善され、物流コストの削
減と全国的な視野に立った経営戦略が可能となるなど、地域産業の活性化と新たな産業
立地を含めた藤沢市北部地域、さらには藤沢市全体のまちづくりが大きく進展すること
が考えられますので、一日でも早い供用開始に向けご尽力くださいますよう要望します。
(回答)
綾瀬スマートインターチェンジ(仮称)については、「かながわのみちづくり計画」の
整 備 推 進 箇 所 に 位 置 付 け て お り ま す 。 平 成 25年 度 に 事 業 化 後 、 県 、 中 日 本 高 速 道 路 株 式 会
社及び綾瀬市の3者で協定を締結し、測量や設計、さらには建物調査等を進めております。
引 き 続 き 、 平 成 29年 度 末 ま で の 供 用 を 目 指 し て 、 地 元 の 御 理 解 、 御 協 力 を 得 な が ら 取 り 組
んでまいります。
(要望)
(6)相鉄いずみ野線延伸計画の早期実現について
相鉄いずみ野線延伸計画は、新幹線新駅誘致を進める「ツインシティ計画」の寒川町
倉見地区へのアクセス手段として重要なものであります。特に、先行整備が予定されて
い る 湘 南 台 駅 と 慶 応 大 学 湘 南 藤 沢 キ ャ ン パ ス ( SFC) を 結 ぶ 第 1 期 区 間 の SFC周 辺 の 新 駅
候補地区には、医療系の研究開発企業の誘致のほか住宅開発も誘導する構想が示され、
藤沢市西北部地域の街づくりと活性化の起爆剤になると思われますので、早期整備の実
現に向け、引き続きご検討くださるよう要望します。
(回答)
相 鉄 い ず み 野 線 の 延 伸 に つ い て は 、 平 成 24年 10月 に 設 立 し た 「 い ず み 野 線 延 伸 連 絡 協 議
会」の下に、県、藤沢市、相模鉄道株式会社をメンバーとする「鉄道延伸部会」を設けて、
事業スキームや概略ルートなどの検討を行っております。
引き続き、この部会の中で、事業採算性を確保するための手法や費用負担の在り方など
の課題解決に向けた検討を進めてまいります。
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8.教育
(要望)
(1)教育費負担の公私格差の解消について
本県は、私立学校への運営費の助成(経常費助成)については、全国最低レベルとな
っている現状があります。
私立教育に関わる保護者や学校関係者からは、教育費の公立と私立の学校間における
格差是正と負担の軽減について、長年に渡り要望がされてきた経緯があり、県の対応が
求められています。
平 成 22年 度 よ り 施 行 さ れ た 「 高 等 学 校 等 就 学 支 援 金 制 度 」 と 合 わ せ て 、 本 県 の 施 策 に
よる授業料・学費の減免制度によって、従前と比較して私立高校生の学費負担が一定程
度軽減されていることは承知をしておりますが、現状においても私立高校に通う生徒の
学費負担は重いものと認識しています。
教育費負担の公私間の格差是正についての取組を講じるとともに、「子ども達がそれ
ぞれの希望や能力に応じて、適切な学習環境で学ぶことが出来る」環境整備実現のため、
私立中学校および高等学校の経常費補助率二分の一の継続と、補助単価の充実・増額に
ついても要望します。
(回答)
学 費 補 助 に つ い て は 、 国 の 就 学 支 援 金 と 県 の 学 費 補 助 金 を あ わ せ て 、 平 成 22年 度 か ら 特
に経済的課題を抱える生活保護世帯に対して県平均授業料相当額を助成してまいりました。
平 成 23年 度 か ら は 非 課 税 世 帯 に つ い て 県 平 均 授 業 料 相 当 額 を 助 成 し 、 平 成 24年 度 は 年 収
約 250万 円 以 上 350万 円 未 満 の 世 帯 、 平 成 25年 度 は 年 収 約 250万 円 以 上 500万 円 未 満 の 世 帯 、
国 の 就 学 支 援 金 の 制 度 変 更 に 合 わ せ て 、 平 成 26年 度 は 新 1 年 生 に お け る 年 収 約 250万 円 以
上 350万 円 未 満 の 世 帯 、 平 成 27年 度 は 新 1 ・ 2 年 生 に お け る 年 収 約 250万 円 以 上 590万 円 未
満の世帯について補助単価を増額するなど、支援の充実を図っております。
今後とも、国の高等学校等就学支援金制度や県の財政状況等を勘案し検討してまいりま
す。
経常費補助金については、標準的運営費方式を基に、私学助成制度運営協議会での議論
を踏まえて、総合的に検討してまいります。
(要望)
(2)全日制公立高校の定員計画の充実について
本 県 で は 、 こ の 数 年 、 公 立 中 学 校 卒 業 生 の 全 日 制 高 校 へ の 進 学 率 が 88% 台 で 推 移 し て
お り 、 平 成 25年 度 の 全 日 制 進 学 率 は 88.8% と な っ て い ま す 。 こ の 数 字 は 、 残 念 な が ら 47
都道府県で最下位であり、神奈川は最も進学率が低い県ということになっています。
これは、通信制や多部制など、多様な学習環境が普及してきた影響もあるかと推察さ
れますが、私立を第一希望とできる家庭がある一方で、保護者の経済的な理由から私立
高校を選択できない生徒が依然として多いという実態も多分に影響しているものと考え
ます。
「神奈川の教育を考える調査会」の最終まとめにおいては、「公私の役割の明確化を
- 38 -
ふまえた、公私協調による全日制高校進学率の向上」が提言されています。高等学校の
生徒入学定員については、これまでも公私間協議に基づき、公立、私立の定員を定めて
きたところでありますが、今後、県内高等学校生徒入学定員計画については、より柔軟
な定員決定のしくみを検討していただきたく、要望します。
(回答)
高 等 学 校 生 徒 入 学 定 員 計 画 に つ き ま し て は 、 平 成 25年 度 か ら 公 立 、 私 立 そ れ ぞ れ が 、 こ
れまでの実績や施設規模などを勘案し、責任をもって受け入れる生徒数を定員目標とする
方 式 で 策 定 し て お り ま す 。 平 成 25年 度 以 降 、 こ の 方 式 に よ り 、 公 立 中 学 校 卒 業 者 の 動 向 に
対応して、全日制公立高校の入学定員の確保を図ってきたところです。公立中学校卒業予
定 者 数 は 、 平 成 41年 3 月 に は 6 万 2 千 人 ま で 減 少 す る こ と が 見 込 ま れ て お り ま す 。 こ う し
た中にあっても、県では、引き続き公私間協議を通じて、全日制を希望する意欲と適性の
ある子どもたちを積極的に受け入れることのできる定員計画の策定に取り組んでまいりま
す。
(要望)
(3)県費負担教職員制度のねじれ解消に伴う円滑な事務移譲について
本県が主導的な役割を果たし、長年の懸案であった県費負担教職員の給与負担等の問
題、教員給与は県が負担するが、人事は指定都市が担うという、いわゆる「ねじれ」の
問 題 に 大 き な 道 筋 を つ け る こ と が で き 、 県 と 指 定 都 市 は 、 平 成 29年 度 の 権 限 移 譲 を 目 指
すこととなります。
合意に基づき事務が移譲されると、財政的な影響として、現在の県費負担教職員数の
約 63% に あ た る 約 2 万 7 千 人 分 の 人 件 費 、 2,265億 円 を 指 定 都 市 で 負 担 す る 見 込 み と な
っ て い ま す 。 ま た 、 こ れ に 伴 い 、 本 県 か ら は 1,437億 円 の 税 源 が 移 譲 さ れ る 見 込 み と な
っています。
また、今回の移譲により、1クラス当たりの児童生徒数、いわゆる学級編制人数の基
準や、教職員定数の権限も指定都市に移譲され、まさに教育行政が指定都市に一元化さ
れることとなります。
指定都市と緊密に連携し、事務や権限の円滑な移譲をいかに着実に行っていくかが最
も重要な課題であり、今後、事務を担う指定都市の人材育成支援を含め、権限移譲に伴
う事務のノウハウの継承に着実に取り組まれることを求めます。
(回答)
事 務 の 移 譲 を 確 実 に 実 現 す る た め 、 平 成 25年 11月 末 に 、 県 及 び 指 定 都 市 の 所 管 の 課 長 等
を構成メンバーとする「指定都市への県費負担教職員事務の移管に関する協議会」を立ち
上げ、情報提供などの円滑な事務移譲に向けた取組を進めているところです。今後も、こ
うした取組を通して指定都市と密接に連携し、円滑な事務移譲に取り組んでまいります。
教職員定数等に関する事務については、今後とも、必要な情報の提供に努めてまいりま
す。
(要望)
(4)障がい児への教育環境の整備
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県立養護学校で行う校外学習に看護師が同行すること、または医療的ケアの行える教
員が校外でのケアを実施することを認め、親の付き添いがなくても医療的ケアの必要な
生徒が校外学習に参加できるよう、地域格差解消を行い、校外指導体制の統一を図るよ
う要望します。
また、日々の通学に利用するスクールバスについても、看護師の同行または医療的ケ
アを行うことが出来る教員の同乗が必要とされる生徒がいる場合は、同行が実現できる
ように体制整備に努められることを求めます。
(回答)
県では、看護師の同行をサポートするために、県教育委員会に所属する看護師を学校へ
派遣する体制を整えており、校外学習、遠足、修学旅行等の宿泊学習において、医療ケア
等を必要とする児童・生徒に対して学校ごと参加方法等を個別具体的に検討し、看護師と
教員が連携して安全に医療ケア等を実施しております。
しかしながら、児童・生徒の状況によっては、安全に校外学習等を実施するためにに、
保護者の付き添いが必要となることもあります。
こうしたことから、学校ごとに児童・生徒の状況に合わせて柔軟に対応するために、看
護師の定数措置や教員が校外でも医療ケアができるよう国へ要望してまいります。
なお、日々のスクールバスにおける運行中の医療ケア等については、衛生上・安全上の
観点から、現状では困難であります。
(要望)
(5)いじめ・不登校・引きこもり等への対策
教育現場におけるスクールカウンセラーの適正配置、教育機関とフリースクールやフ
リースペースとの連携強化、電話やメールでの相談窓口の整備と、それらの機関をいざ
という時に利用していくことを促す普及啓発活動等、いじめや不登校に悩む児童や生徒
たちが救いの手を求めることが出来る環境整備に有効な手段を推進するよう要望します。
(回答)
スクールカウンセラーは心理の専門家として生徒や保護者、教員の相談に対応するため、
文 部 科 学 省 の 補 助 事 業 と し て 、 平 成 26年 度 は 全 中 学 校 175校 ( 政 令 市 を 除 く 。 う ち 23校 は
重 点 配 置 校 と し て 他 の 2 倍 を 配 置 ) 及 び 県 立 中 等 教 育 学 校 2 校 に 配 置 を し て お り 、 平 成 27
年度も同様に配置できるよう図ってまいります。また、小学校については近隣の中学校に
配置しているスクールカウンセラーを活用することで対応しております。県立高校におい
て は 、 平 成 26年 度 は 57校 を 拠 点 校 と し て 全 校 に 対 応 す る 体 制 を と っ て お り 、 平 成 27年 度 は
一層体制の充実を図ってまいります。
(要望)
(6)中学校における給食実施率向上への市町村支援について
第二次神奈川県食育計画においては、学校給食が食育を進める上での重点項目とされ
て い ま す 。 し か し な が ら 、 本 県 の 中 学 校 の 給 食 の 実 施 率 は 2010年 5 月 時 点 で 16.4% と 、
大 阪 府 に 次 ぐ 低 さ と な っ て い ま す 。 大 阪 は 4 年 後 を 目 途 に 90% 以 上 の 実 施 率 を 目 指 し て
おり、本県は近い将来、中学校における給食の実施率では全国最下位となってしまうこ
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とが濃厚です。
人が元気で長生きするためには、育ち盛りの子ども時代に栄養のバランスを保つこと
と、規則正しい食生活が必須と言われています。
中学校での給食実施の促進を、県として市町に対して何らかの支援策を講じられるこ
とを求めます。
また、教育委員会とも十分な擦り合わせを行い、学校教育に於ける食育の推進に務め
ていただくよう要望します。
(回答)
中学校給食の実施については、学校の設置者である市町村が、諸事情を考慮し判断する
ものですが、県教育委員会としては、財政負担を抑えて給食を実施している県外の取組事
例なども広く収集し、市町村主管課長会議などできめ細かく情報を提供するなどその実施
を促してまいります。
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