奈良線第2 期複線化事業(JR 藤森~宇治・新田~城陽・山城

奈良線第 2 期複線化事業
(JR 藤森~宇治・新田~城陽・山城多賀~玉水間複線化)
環境影響評価 準備書(あらまし)
1.環境影響評価の目的及び実施手順等
環境影響評価は、規模が大きく環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業について環境アセスメントの手
続を定め、環境アセスメントの結果を事業内容に関する決定(事業の免許など)に反映させることにより、事
業が環境の保全に十分に配慮して行われるようにすることを目的としています。
今回作成した環境影響評価準備書(以下、「準備書」といいます)とは、環境アセスメントにおいて、方法
書に基づいて実施した調査・予測・評価・環境保全措置の検討の結果を示し、環境の保全に関する事業者自ら
の考え方を取りまとめたものです。このたび、準備書を作成しましたので、内容について公表し、JR西日本
のウェブサイトや関係自治体の庁舎などで1ヶ月間縦覧しています。また、準備書の内容について、住民の方
に理解を深めていただくために、説明会を開催します。
今後は、地域の住民の方々からのご意見や関係自治体等からのご意見等を踏まえ、環境影響評価の手続きを
進めます。(図-1参照)
報告書の手続
公告・縦覧・説明会
評価書の手続
準備書の手続
環境影響評価(調査・予測・評価)
方法書の手続
配慮書の手続
準備書の作成
アセスメントの結果案の作成
地域住民からの意見
関係自治体からの意見
アセスメント結果の修正(評価書)
図-1 環境影響評価の実施手順
2.事業の名称及び事業者の氏名等
(1)事業の名称(種類)
奈良線第 2 期複線化事業(普通鉄道の改良)
(JR 藤森~宇治・新田~城陽・山城多賀~玉水間複線化)
(2)事業者の氏名及び住所 事業者の名称
西日本旅客鉄道株式会社
代表者の氏名
代表取締役社長 真鍋 精志
主たる事務所の所在地
大阪市淀川区西中島 5 丁目4-20 中央ビル 4 階
3.事業目的及び内容
(1) 事業の目的
国際観光文化都市である京都~奈良間を結ぶ奈良線は、平成 13 年 3 月完成の第1期複線化事業により、
京都~JR 藤森・宇治~新田間(約 8.2km)の部分複線化等の整備を行ってきており、旅客の利用が着実に
増加しています。一方で、単線区間が介在することによって、ダイヤが乱れた時の影響が複線化されている他
の路線に比べて長時間に及ぶことや行違い待ち時間の発生等、
快適に利用していただく上での課題も残ってい
ます。
本事業の目的は、単線区間の一部を複線化することにより、異常時のダイヤの回復性を向上させること及び
列車の行違い待ち時間を解消することで、線区全体における輸送品質の向上を目的としています。
(2) 事業の内容
①事業実施区域の位置
奈良線(京都~木津間)34.7km のうち、今回複線化を行う区間は、JR 藤森~宇治間:9.9km、新田~
城陽間:2.1km、山城多賀~玉水間:2.0km の合計 14.0km です。これにより、既存の複線化区間と合わ
せ、京都~城陽間 22.2km の完全複線化が実現します。また、複線化率は 23.6%から 64.0%に増加します。
1
②事業実施区域の考え方
■複線化区間の考え方
奈良線の各駅の乗車人員は、京都~城陽間の利
用者数が特に多く、その増加率も大きいため、列
車本数は京都~城陽間と城陽~木津間で輸送力に
段差を設けています。列車本数が多い京都~城陽
間を完全複線化することで、1 つの列車の遅延が
他の列車の定時制に及ぼす影響を効果的に改善す
ることができるため、本事業ではこの区間に介在
している単線区間(JR 藤森~宇治間、新田~城
陽間)を複線化する計画としています。
加えて、城陽~木津間の単線区間の概ね中央に
位置する山城多賀~玉水間については、複線化に
あたっての用地取得や地形上の大きな課題がない
ことから合わせて複線化します。
■事業化までの検討経緯
奈良線の第2 期複線化計画に向けた基礎調査の
一環として、
平成 24 年 5 月から平成 25 年 2 月
にかけて、沿線自治体と共同して測量調査・路盤
構造検討・配線検討及び橋梁基本計画等を行って
きました。その中では一部区間の高架化について
検討してきましたが、施工ヤード(仮線敷)の確保
も含め工事規模が大きくなるため、事業費や環境
への影響が大きくなることが想定され、事業実施
の可能性が低いと判断しました。
■線路の配置の検討方法
線路の配置の検討にあたっては、本事業により
改変される区域をできる限り小さくし、工事や鉄
道施設の存在・列車の走行による環境影響面はも
ちろん、沿線地域に及ぼす社会的・経済的な影響
まで含めた総合的な影響を回避・低減することに
図-2 事業実施区域図
配慮しています。
そのため、本事業におい
ては、既存の奈良線に沿っ
た当社用地を極力活用しな
がら複線化することとして
います。
まず既設線を移設せずに
当社用地を活用して複線化
し(図-3)、この方法が困
難な場合は、既設線を移設
の上で可能な限り当社用地
を活用することで複線化し
ます(図-4)
。
2
(3) 工事計画の概要
■計画概要
図-5 に計画概要図を示します。
凡例
:新設線路
:撤去線路
図-5 計画概要図
■標準的な路線の構造
複線化する標準的な路線の構造は、橋梁部、架道橋部を除くと、地平構造、盛土構造、掘割構造の 3 つの
構造があります。それらの標準的なイメージを図-6 に示します。
図-6 標準的な路線の構造イメージ
3
■工事工程
平成 28 年度に工事着手し、平成 35 年春完成を目指します。工区の区割りなどについては、現時点では
未定ですが、駅間の標準的な工事のイメージは図-7に示すとおりであり、同一駅間であっても場所によって
施工時期が異なります。
STEP1・STEP2:線路を新設
土木(路盤構築)→軌道(線路新設)→電気(電車線・信号線等)→線路切換 約 1.5 年間
STEP3・STEP4:反対側に線路を新設
既設線路の撤去→土木(路盤構築)→軌道(線路新設)→電気(電車線・信号線等)
→線路切換 約 2.0 年間
このように、同一箇所の工事期間は約 1.5 年間+約 2.0 年間=約 3.5 年間を想定していますが、現地の施
工条件等により異なる場合があります。
図-7 駅間の工事イメージ図
4
■複線化の施工手順
一般的な地平構造における複線化の施工手順イメージを図-8 に示します。
1
2
・路盤を構築します
・線路、電気設備を新設します
・線路を切換えます
・既存の設備を撤去します
3
4
・路盤を構築します
・線路、電気設備を新設します
・線路を切換えます
図-8 複線化の施工手順イメージ(地平構造)
■宇治川を渡河する橋梁の検討
宇治川を渡河する橋梁は、景観の重要な要素となることから、詳細な内容決定までの検討にあたっては、
専門家や地元住民などからの多様な意見を参考にできる態勢を整えることとしています。構造の検討にあた
っては、宇治市において専門家、学識経験者で構成された「宇治市まちづくり審議会部会」において、数回
にわたって議論が行われました。検討・評価された経緯や複数の構造案については、環境影響評価準備書に
記載しました。
なお、現在の橋梁はそのまま残るため、新設する橋梁には桁下高及び橋脚位置についての河川条件があり
ます。そのため、現在の橋梁構造および景観に配慮しながら施工が可能と考えられる複数の構造(案)につ
いて検討を行っています。
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4.事業実施区域及び周囲の概況
(1)自然的状況
●動 物
事業実施区域周辺は主に市街地であり、重要な種の分布や生息環境はほとんど見られません。ただし、山
城多賀-玉水間では、オオムラサキ、オオウラギンヒョウモンの重要種が生息していたという既存資料によ
る情報がありました。
●景 観
事業実施区域周辺の眺望点として、事業実施区域に近接して桃山御陵周辺、東に約 1.5km 離れた場所に
万灯呂山公園があります。また、宇治川周辺が文化的景観として選定されています。
(2)社会的状況
奈良線沿線には、住居が密集した市街地の存在や、事業実施区域の一部で学校、病院などの環境保全施設が
近接している箇所が確認されました。
5.対象事業に係る環境影響評価の項目
■環境影響評価の項目の選定
環境影響評価の項目は、改正主務省令注 1)に示す参考項目を参考に、影響要因及び影響を受けるおそれがある
環境要素に対して、法令等による規制又は目標の有無及び環境への影響の重大性を考慮し選定しました。
その結果、選定した環境影響評価の項目は、
「大気質(粉じん等)
」
、
「騒音」
、
「振動」
、
「水質(水の濁り)
」
、
「動物」
、
「景観」
、
「廃棄物等(建設工事に伴う副産物)
」
、
「温室効果ガス」の 8 項目です。
表-3 環境影響評価項目として選定した項目
環境要因の区分
環境要素の区分
大気質 粉じん等
大気環境
騒 音 騒 音
振 動 振 動
水環境
水 質 水の濁り
土 壌 に 係 る 環 境 地 形 及 重要な
その他の環境
び地質 地形
重要な種及び注目
動 物
すべき生息地
植 物
重要な種及び群落
地域を特徴づける
生態系
生態系
主要な眺望点及び
景 観
景観資源並びに主
要な眺望景観
人と自然との触 主要な人と自然と
れ合いの活動の の触れ合いの活動
場
の場
建設工事に伴う副
廃棄物等
産物
温室効果ガス
温室効果ガス
工事の実施
資材及び機械
建設機械の
の運搬に用い
稼働
る車両の運行
◎
-
◎
-
◎
-
切土工等
土地又は工作物の存在
及び供用
鉄道施設(地
橋梁の設置 表式又は掘割 列車の走行
式)の存在
◎
◎
○
-
◎
-
-
◎
-
◎
○
この表において、
「◎」は改正主務省令における参考項目で選定した項目を示します。
「○」は参考項目以外に事業者により追加し選定した項目を示します。
「-」は改正主務省令における参考項目で選定しない項目を示します。
------------------------------------------------------------------------------------------------注 1)
:改正主務省令とは、
「鉄道の建設及び改良の事業に係る環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理
的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令(平成十年六月十二日運
輸省令第三十五号、最終改正:平成二五年四月一日国土交通省令第二八号)
」のことをいいます
6
6.環境影響評価の結果
(1)大気質
●予測結果
工事中の建設機械の稼働により生じる粉じん等(降下ばいじん)について、事業実施区域沿線の 21 地点
で予測を行った結果、降下ばいじん量の最大量は 9.8t/km2/月と算定され、工事に係るばいじん量の参考値
である 10t/km2/月以下を満足しました。
●環境保全措置
・工事規模に合わせた建設機械の選定
・仮囲いの設置
・工事の平準化
・工事現場の清掃及び散水
・工事に伴う改変区域をできる限り小さくする
●評価結果
本事業は、予測の前提条件に用いた工事よりも規模が小さいため、工事中の粉じん等(降下ばいじん)は算
定した予測結果よりも小さくなると考えられます。さらに予測計算では勘案していない環境保全措置を確実
に実施するため、降下ばいじん量はさらに低減されるものと考えられます。このことから、事業者により実
行可能な範囲内で工事中の粉じん等の低減が図られていると評価します。
また、降下ばいじん量は全ての予測地点で参考値を下回るため、工事中の粉じん等は基準又は目標との整
合が図られていると評価します。
(2)騒 音
●予測結果
事業実施区域沿線の 21 地点で予測を行なった結果、工事中の建設機械の稼働に係る騒音については、騒
音レベルの最大は 84dB と算定され、騒音規制法の特定建設作業に係る規制基準である 85dB 以下を満足
しました。列車の走行に係る騒音については、防音壁の設置等の環境保全措置を実施することで、全地点で
騒音レベルは現況よりも低くなると算定され、
「騒音レベルの状況を改良前より改善すること」と定めた環境
省の指針「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策指針について」を満足します。
●環境保全措置
<建設機械の稼働に係る騒音>
・低騒音型建設機械の採用
・工事規模に合わせた建設機械の選定
・建設機械の点検及び整備による性能維持
・工事の平準化
<列車の走行に係る騒音>
・防音壁の設置
・新品の軌道材料の使用
・仮囲い・防音シート等の設置による遮音対策
・建設機械の使用時における配慮
・工事に伴う改変区域をできる限り小さくする
・レールの継目解消
・吸音材の設置
●評価結果
本事業は、予測の前提条件に用いた工事よりも規模が小さいため、工事中の騒音レベルは算定した予測結
果よりも小さくなると考えられます。さらに予測計算では勘案していない環境保全措置を確実に実施するた
め、予測結果はさらに低減されるものと考えられます。このことから、建設機械の稼働に係る騒音は事業者
により実行可能な範囲内で低減が図られていると評価します。
列車の走行に係る騒音については、予測の前提条件とした環境保全措置を確実に実施することに加え、予
測計算では勘案していない「新品の軌道材料の使用」の環境保全措置も実施することで鉄道騒音はさらに低
減されるものと考えられます。このことから、事業者による実行可能な範囲内で鉄道騒音の低減が図られて
いると評価します。また、全ての予測地点で、騒音の予測結果は現況の調査結果を下回り、環境省の指針を
満足するため、鉄道の走行による騒音は、基準又は目標との整合が図られていると評価します。
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(3)振 動
●予測結果
事業実施区域沿線の 21 地点で予測を行なった結果、工事中の建設機械の稼働に係る振動については、振
動レベルの最大は 63dB と算定され、振動規制法の特定建設作業に係る規制基準である 75dB 以下を満足
します。列車の走行に係る振動については、ピークレベルの上位半数の平均値が 49~63dB と算定され、
環境省が定めた「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について」の参考値である 70dB 以下を満足
します。
●環境保全措置
<建設機械の稼働に係る振動>
・低振動型建設機械の採用
・建設機械の使用時における配慮
・工事に伴う改変区域をできる限り小さくする
<列車の走行に係る振動>
・新品の軌道材料の使用
・工事規模に合わせた建設機械の選定
・建設機械の点検及び整備による性能維持
・工事の平準化
●評価結果
本事業は、予測の前提条件に用いた工事よりも規模が小さいため、工事中の振動レベルは、算定した予測
結果よりも小さくなると考えられます。さらに予測計算では勘案していない環境保全措置を確実に実施する
ため、予測結果はさらに低減されるものと考えられます。このことから、建設機械の稼働に係る振動は事業
者により実行可能な範囲内で低減が図られていると評価します。また、用地境界における振動レベルは規制
基準を下回り、建設機械の稼働による振動は、基準又は目標との整合が図られていると評価します。
列車の走行に係る振動については、予測計算では勘案していない「新品の軌道材料の使用」の環境保全措
置を確実に実施することで鉄道振動はさらに低減されるものと考えられます。このことから、事業者による
実行可能な範囲内で鉄道振動の低減が図られていると評価します。また、全予測地点で、振動の予測結果は
環境省の指針を満足するため、鉄道の走行による振動は、基準又は目標との整合が図られていると評価しま
す。
(4)水環境
●予測結果
宇治川の宇治橋下流において、橋梁の設置に係る浮遊物質量(SS)による影響を予測しました。
水の濁りを発生させる主な工種としては、仮桟橋架設のための杭打設作業、橋脚杭打設作業に伴うものが
あげられます。仮桟橋架設のための杭打設作業については、杭打ち込み時において若干の水底土砂の攪拌が
予想されますが、宇治川の宇治橋付近の表層地質は礫質堆積物であり、粒径が大きいため、濁りの発生の可
能性はありますが、一時的なものであり滞留はないものと予測します。
橋脚杭打設作業については、ケーソン基礎の掘削に伴う泥水の発生が見込まれるものの、沈砂設備等で適
切に処理して排水することで水質が変化することはないと予測します。
降雨時の濁水の影響については、工事箇所が線的で狭小な範囲であること、必要に応じて濁水処理等の対
策を講じることを考慮に入れれば、その影響は少なく、周辺公共用水域への影響はほとんどないと予測しま
す。
●環境保全措置
・工事排水の適切な処理
・仮締切工の実施
・工事に伴う改変区域をできる限り小さくする
●評価結果
本事業では、橋梁の設置に係る水の濁りの影響を低減させるため、環境保全措置を実施することから、事業
者により実行可能な範囲内で回避又は低減が図られていると評価します。これらの工事中に発生する濁水に
対する環境保全措置は、宇治川橋梁下流域の水の濁りの影響を低減させるとともに、宇治川橋梁下流域の底
質、生態系などへの影響の防止にも効果が見込めるものと考えられます。
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(5)動 物
●予測結果
オオムラサキについては、事業実施区域において幼虫の食樹であるエノキは確認されたものの、いずれも
幼樹で幼虫の生息環境としては適さず、また成虫の生息環境となるまとまった雑木林も確認されなかったた
め、本種が生息する可能性はないと予測します。
オオウラギンヒョウモンについては、事業実施区域周辺においてオオウラギンヒョウモンの食草であるス
ミレ科の植物は確認されたものの、
まとまった個体数が群生する本種の生息に適した環境ではなかったため、
本種が生息する可能性はないと予測します。
以上より、現状で重要な種が生息する可能性がないため、鉄道施設の存在による重要な種及び注目すべき
生息地への影響はないと予測します。
●環境保全措置
本事業による重要な動物種への影響がないと予測されたため、オオムラサキ、オオウラギンヒョ
ウモンに対する環境保全措置は実施しませんが、事業計画の検討に当たっては、沿線の景観生態学
的な重要性に配慮し、可能な限り事業用地内の緑地の保全に努めます。
●評価結果
事業計画の検討に当たっては、沿線の景観生態学的な重要性に配慮し、可能な限り事業用地内の緑地の保
全に努めることから、事業者により実行可能な範囲内で環境保全措置が図られていると評価します。
(6)景 観
●予測結果
事業実施区域及び周辺の主要な眺望景観としては桃山御陵周辺、宇治橋周辺(上流側、下流側)
、万灯呂山
公園展望台があげられます。これらの眺望点から見た鉄道施設の存在に係る景観等への影響をフォトモンタ
ージュ法により予測しました。
桃山御陵周辺では新たにコンクリート擁壁が出現し、身近な眺望点からの景観は変化するものの、桃山御
陵に対する景観の影響の程度は小さいものと予測されます。
宇治橋周辺では橋梁が新設されることにより、下流側で景観が変化すると予測されます。この橋梁は、景
観の重要な要素となることから、現在の橋梁構造および景観に配慮しながら施工が可能と考えられる複数の
構造(案)について、
「宇治市まちづくり審議会部会」の中で詳細な内容決定までの検討を行っています。
万灯呂山公園展望台では事業施行区域は遠望されるため、眺望景観の変化は小さいと予測されます。
●環境保全措置
・工事に伴う改変区域をできる限り小さくすること
・構造物の形状の配慮
●評価結果
本事業における景観への変化は景観の価値を大きく損なうものではなく、環境保全措置を実施することに
より、事業者の実行可能な範囲で環境影響を回避又は低減が図られていると評価します。
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現 況
完成後のイメージ
トラス構造(案)
ポニートラス構造(案)
プレートガーター構造(案)
PC 桁構造(案)
図-9 主要な眺望景観(宇治橋下流側)の変化の予測結果
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(7)廃棄物等
●予測結果
切土工等に係る建設工事に伴う廃棄物等の発生量を予測した結果、建設発生土約 41,500 ㎥、コンクリー
ト塊が 2,700 ㎥、マクラギ約 9,200 本発生すると見込まれます。これらの廃棄物等の処理、処分は、関係
法令、要綱及び指針等に基づき適正に処理します。
●環境保全措置
・建設発生土の再利用
・廃棄物の分別、再資源化
●評価結果
事業の実施にあたっては、事業者により実行可能な範囲内で、再利用及び再資源化を図ることで、環境影
響を回避又は低減が図られていると評価します。
また、基準不適合土壌が発見された場合には、土壌汚染対策法や京都府土砂等による土地の埋立て等の規
制に関する条例ほか、関係法令等を遵守し適正に処理、処分します。
なお、本事業においては、既存の鉄道用地と鉄道施設を最大限活用することで工事中ならびに完成後の環
境への影響を可能な範囲で小さくするように配慮する必要があることから、全ての廃棄物等の再利用は困難
であるものの、実行可能な範囲で再利用に努めることとします。
(8)温室効果ガス
●予測結果
建設機械の稼働に伴う温室効果ガス排出量を抑制するための対策を検討することにより、温室効果ガス排
出量の削減にむけて取り組みます。
●環境保全措置
・高効率の建設機械の選定
・高負荷運転の抑制
・工事規模に合わせた建設機械の選定
・建設機械の点検・整備による性能維持
・資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持
・低燃費車種の選定、積載の効率化、運搬計画の合理化による運搬距離の最適化
●評価結果
本事業では、工事の実施(建設機械の稼働)に伴う温室効果ガスの排出による環境負荷を低減させるため、
環境保全措置を実施することから、事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減が図られていると評価し
ます。
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【準備書の縦覧及びご意見の募集について】
【
奈良線第 2 期複線化事業の準備書は次のとおり縦覧しています。
また、準備書について、環境保全の見地からのご意見を募集しています。
■縦覧場所・時間
縦 覧 場 所
時
間
西日本旅客鉄道株式会社 京都建築工事所
(京都市下京区塩小路通烏丸西入東塩小路 614 番地
新京都センタービル 4 階)
京都府 文化環境部環境・エネルギー局環境管理課
(京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町)
京都府 山城北保健所環境室
(宇治市宇治若森 7-6)
京都市 環境政策局環境企画部環境管理課
土、日曜日、休日を除く
(京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町 488 番地
午前 9 時 00 分から午前 12 時 00 分
北庁舎 8F)
午後 1 時 00 分から午後 5 時 00 分
宇治市 市民環境部環境企画課
(宇治市宇治琵琶 33 番地)
城陽市 市民経済環境部環境課・まちづくり推進部
まちづくり推進課
(城陽市寺田東ノ口 16・17)
井手町 産業環境課
(綴喜郡井手町大字井手小字南玉水 67)
■縦覧期間 平成 27 年 3 月 2 日(月)から平成 27 年 4 月 1 日(水)まで
■提出方法
氏名および住所(法人又はその他の団体の場合は、名称・代表者の氏名および主たる事務所の所在地)を明
記のうえ、日本語にて提出してください。なお、下記以外での受付は致しかねますので、ご了承願います。
①インターネットの場合
意見提出様式は、専用入力フォームをマウスで右クリックし「対象をファイルに保存」を選び、任意の場
所に保存してご使用ください。
(http://www.westjr.co.jp/railroad/project/file/naraline-opinion.doc)
ご記入頂いた意見提出様式は、右記あて先に送付してください。
([email protected])
(注 1)上記の指定ファイル以外は、セキュリティー上開封致しかねますのでご了承願います。
(注 2)パソコンの設定によっては、ダウンロードできない場合やファイルを開けない場合がありますので、
その際は郵送で提出をお願いいたします。
②郵送の場合
意見提出様式にご記入の上、下記のあて先に送付して下さい。
あて先 『〒532-0003 大阪市淀川区宮原 4-2-1 メルパルク大阪郵便局留
JR 西日本 奈良線第 2 期複線化事業 環境影響評価準備書 ご意見受付係』
■募集期間 平成 27 年 3 月 2 日(月)から平成 27 年 4 月 16 日(木)まで (必着)
■連絡先
西日本旅客鉄道株式会社 大阪工事事務所 大規模PJ担当課
電話:06-6100-0048
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