第1章 高岡市の公共交通と地域公共交通網形成計画 第 1 章 高岡市の公共交通と地域公共交通網形成計画 ㅹ蕯薄絶 ㆞ㅳ㆖ㆉㅙ 高岡市の公共交通の現状をみると、高岡駅を中心に JR 北陸本線、JR 城端線、JR 氷見線、万葉線と いった鉄軌道が東西南北に運行し、基幹的な交通軸として機能するほか、高岡駅を起点に放射状に運 行する路線バス、地域の実情に応じて運行するコミュニティバスや公営バス等が、市民の生活の足と して利用されている。 公共交通をとりまく社会環境をみると、近年急速に進む人口減少、モータリゼーションの進展や市 街地の拡散による自動車依存の高まりなどにより、公共交通の利用者は減少傾向にあるなど、厳しい ものとなっている。 一方で、少子高齢社会の進行により、自動車を運転できない交通弱者の増加が予想され、公共交通 による移動手段の確保が必要であるほか、過度な自動車利用による環境負荷の増大への対応など、公 共交通の果たす役割はますます重要なものとなっている。 觘 ㅶ缽ㅐ魂觕 平成 27 年 3 月には北陸新幹線が開業し、県西部地域や飛騨・能登地域の新たな玄関口となる新高岡 駅が供用開始となるほか、東海北陸自動車道や能越自動車道の整備も進展し、飛越能地域の広域交通 の要衝としての本市の役割は、今後ますます高まるものと期待される。 北陸新幹線開業に伴い、JR北陸本線の富山県内区間は、富山県や市町村、民間企業が出資する第 三セクターのあいの風とやま鉄道へと経営が移管する。他県との広域交流を担ってきた特急列車の廃 止や沿線人口の減少に伴い、厳しい収支が見込まれている。しかしながら、あいの風とやま鉄道は、 将来にわたる多くの地域住民の通勤、通学等の移動手段であり、日常生活を支える基幹交通として今 後も重要な役割が期待されており、安全で持続可能な運行が求められる。 さらに、JR城端線の新高岡駅整備や、市内バス路線の再編及び新高岡駅と高岡駅を高頻度で結ぶ バス路線整備の検討、あいの風とやま鉄道高岡駅−西高岡駅間の新駅設置計画など、北陸新幹線の開 業効果と地域を結びつける公共交通網の形成が見込まれている。 閃 觘 ㅹ𦙾 1-1 ㆮㇼ㈗㇇ 第1章 高岡市の公共交通と地域公共交通網形成計画 貪絶 ㅶㅔㅛ㆗ ㅣㆄㅗ絶 羃 ㅹ 高岡市では、コンパクトな集約型都市構造への再編や、歩行者、自転車、公共交通との適正分担を 図り、安心・安全で利便性の高い交通を実現するため、まちづくりと一体的に構想する高岡市総合交 通戦略を平成 26 年 3 月に策定した。 高岡市総合交通戦略においては、 「都市の成長を高める広域交通体系の構築」、 「市内を円滑に移動で きる交通体系の構築」、 「安全・安心な交通環境とサービス水準の向上」、「公共交通を利活用するライ フスタイルへの転換」を基本方針とし、交通とまちづくりが連携した実効性のある具体的施策をとり まとめている。 施策パッケージのなかでは、広域交通軸、市内交通軸の構築と強化に関する施策を位置付け、市内 の交通ネットワークについて整理している。 また、市内交通軸の中では、新高岡駅・高岡駅・中心市街地の都心エリアを結ぶものを都心交通軸、 市外縁部の市街地エリアと都心地区を結ぶものを都市交通軸とし、市街地の結びつきに資する交通シ ステムを示している。 鞹絶 鞹 ㅹ羃 ㅵ 阷鞹ㅳㅹ絶 𧮳 阷鞹ㅳㅹ 褜ㅹ駾袘ㅖ ㆞ ㆉ㆘㆗籯ㄉ ㅾㅯㅗ㆞ 觕ㅣ㆗ㅝㅳㅲㄉ跛 ㆞籯 ㅶㄉ 阷鞹ㅳㅳㆍㅶ 觕ㅣ㆗羃 閃 鞹絶 1-2 ㅹ羃 ㄉ ㅡㄉㅨㅹ ㄉ籯綉ㅹ鮫 ㆞谹㆖ 闆㆐ㄉ ㆟ㅲㅎㅙㅪㆌㅶ貢 第1章 薩絶 ㅹ羃 ㈖ 絶 ㅹ 觕ㄉ蕯薄絶 簯肜㈖ 阷鞹ㅹ 邈 ㅶ㆔㆖ㄉㆬㆹ㇕ㆭㇱㅶ ㆐ 絶 ㅹ蝝肜 綯ㄍㅵㅴㄉ ㆍㅖ ㅖ署ㅎ 褜ㅣ㆗ 薩㆞薪 ㄉ ㅶ ㅣ㆗ 褜ㅲㅗ㆗絶 羃 絶 ㈖ ㈖籯 阷㆞ ㆁ絶 絶 ㆲ㈅ㆬㅳ 觘 阷ㆲ㈅ㆬ㆞ ㅺㄉ 豙ㅳㅵ㆗ 鞹 ㆁ絶 ㅵ ㅖ 絶 ㅳ蜋 ㆗ㅪㆌㄉ 絶 ㅳ 絶 ㅺ ㅵ 蠔㆞ ㅐㄊ ㅹ ㅡ ㅹ ㅟ㆘ ㅳㅵ㆗ 閃 薩絶 1-3 ㅹ羃 高岡市の公共交通と地域公共交通網形成計画 第1章 高岡市の公共交通と地域公共交通網形成計画 ㅶㅔㅛ㆗蕯薄絶 ㅹ罰 緥ㅛ ╠ 觘 広域交通軸を担う公共交通である。 東京を起点として、富山、高岡、金沢を結ぶ北陸新幹線開業により、首都圏との所要時間の大幅 な短縮による交流人口の拡大や地域への経済波及効果、新高岡駅設置による飛越能地域の玄関口と して人・モノ・情報の交流が活性化し、圏域全体の魅力や都市の強みを高めることが期待される。 ╡ ㅌㅎㅹ ㅳ㆐ㆉ これまでは広域交通軸と都市交通軸を担っていたが、今後は主に都市交通軸を担い、広域交通軸、 都心交通軸と結節する公共交通である。 あいの風とやま鉄道は、県内を東西に走る幹線鉄道であり、JR城端線・氷見線、万葉線、路線 バスの他、他市ではJR高山本線や富山地方鉄道線、富山ライトレールなどと接続する公共交通網 の結節拠点として、また多くの市民の日常生活を支える交通機関として、重要な役割を担う。 北陸新幹線開業に伴うJR西日本からの経営分離により、金沢駅での関西・中京方面特急との乗 継ぎ等で一定の広域交通軸としての役割は担うものの、今後は地域に根ざした基幹交通路線として 広域交通と地域公共交通網を結びつけ、地域を支える背骨となることが求められる。 ╢ 鞋 ㈖ 主に都市交通軸を担い、広域交通軸としての役割も持つ公共交通である。また、これまでは高岡 駅において広域交通軸と結節していたが、今後は城端線新高岡駅での結節となる。 高岡駅を中心に県西部地域を南北に結ぶJR城端線・氷見線は、通勤通学をはじめとする地域の 生活路線であり、地域の豊富な観光資源の活用や、新幹線との接続強化に資する持続的な運行が引 き続き求められる。 ╣ 簦 都心交通軸、都市交通軸を担う公共交通である。高岡市と射水市を結ぶ万葉線は、誰もが安全・ 安心して移動できる安定した交通手段であり、通勤・通学など沿線住民の大切な交通手段であるこ とに加え、進展する高齢社会への福祉対策、都市の個性の象徴、高岡市と射水市を結ぶ都市の絆等、 様々な側面を持っている。環境意識の高まりを受け、自動車に過度に依存しない、環境負荷の軽減 に寄与する新しい生活様式を実現する上でも、大きな役割が期待されている。 ╤ ㇟㇈ㄉ ㇟㇈ 路線や目的地に応じて役割は異なるが、路線バスは都心交通軸、都市交通軸を担う公共交通で有 り、高速バスは主に広域交通軸を担う公共交通である。 路線バスは、通勤・通学など市民生活の身近な足であるほか、交通渋滞の緩和や高齢化、環境問 題への対応など、市民生活にとって重要な役割が期待される。 高速バスは、地域間交流の拡大を支える役割を担っており、今後も様々な利用目的に応じた多方 面への運行が期待される。 ╥ ㇂ㇺ㈀㇚㇕ㆭ㇟㇈ㄉ蕯鄩㇟㇈ 都市交通軸や都心交通軸を補助する公共交通である。 地域の実情に応じて運行されるコミュニティバスや公営バス等のコミュニティ交通は、公共交通 を利用しにくい地域の住民や、車を利用できない高齢者等の買い物や通院の足としての役割を担っ ている。 1-4 第1章 薩蕯薄絶 鞹絶 ㅖ ㅐ粔ㅵ 絶 高岡市の公共交通と地域公共交通網形成計画 蠔 絶 苤 觘 鞹絶 ㈖ 絶 ㅹ ㆞ ㅐ ㅌㅎㅹ ㅳ㆐ㆉ 鞋 ㈖ 鞹 ㅳㅹ ㆞ ㅳ ㅐ 簦 ㇟㇈ ㇟㇈ ㅶ㆔㆖ ㅵ㆗ ㇂ㇺ㈀㇚㇕ㆭ絶 絶 ㆞ 袮 苤ㅹ 既存の公共交通ストックを活用しつつ、新たな交通体系への対応、交通結節点との接続、公共交 通不便地・空白地域の解消、沿線地域におけるまちづくりとの連動を行うため、新駅の整備は有効 な方策である。 ╠ 鞋 ㅹ 苤 北陸新幹線新高岡駅の設置に伴い、JR城端線と交差する高岡駅−二塚駅間に新駅を整備する。 公共交通による新高岡駅へのアクセス性の向上、高岡駅や沿線地域との結節強化、JR城端線か らの乗換利便性向上などを目指し、北陸新幹線と同時に開業する。 駅の周辺は高岡市総合交通戦略で整理した公共交通不便・空白地域となっており、まちづくりの 進展と一体となった公共交通の利用促進が見込まれる。 ╡ ㅌㅎㅹ ㅳ㆐ㆉ ㅹ 苤 あいの風とやま鉄道の高岡駅−西高岡駅間に、利用者の増加、鉄道収支の改善や、地域のまちづ くりの観点より、駅周辺の公共交通不便・空白地域の解消に大きく寄与する、新駅を整備する。 予定地周辺では、木津土地区画整理事業が事業中であり、今後、周辺に宅地の集積が進むことに よる人口増が期待されている。また、駅の周辺は高岡市総合交通戦略で整理した公共交通不便・空 白地域となっており、まちづくりの進展と一体となった公共交通の利用促進が見込まれる。 ㅌㅎㅹ ㅳ㆐ㆉ ㆞籯 ㅳㅡㅪ阷鞹蕯薄絶 𧏾ㅹ 本市において、あいの風とやま鉄道が担う役割は、北陸新幹線開業に伴い大きく変化する。 新たな広域交通軸の結節点となる新高岡駅と、市内の都市交通軸及び都心交通軸を結びつけ、新 幹線開業効果を最大化し、また地域全体の振興を図るためには、新高岡駅と最も重要なアクセスポ イントとなる高岡駅と市内の人口集積度が高い地域を沿線に有するあいの風とやま鉄道が、地域を 支える骨格路線としての役割を担い、将来に渡って持続するための環境の整備が必要となる。 このため、あいの風とやま鉄道及びその沿線を対象とし、持続的な経営と安全で身近な生活路線 としての利便性の確保、地域の骨格路線としての役割を強化する施策を検討するとともに、あいの 風とやま鉄道から接続する市内公共交通の利便性向上等を通じて、市内全域の公共交通ネットワー クの充実を図るため、地域公共交通網形成計画の策定が必要となる。 1-5 第1章 高岡市の公共交通と地域公共交通網形成計画 ㅹ徽 阷鞹 地域公共交通網形成計画の策定にあたり、本市の背骨路線を担うあいの風とやま鉄道の沿線を中 心とし、あわせて、そのネットワークが形成されている高岡市全域を対象として施策を検討する。 紺𧏾阷 ㅌㅎㅹ ㅳ㆐ㆉ 觘 閃 ㅹ徽 1-6 阷鞹
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