網膜静脈閉塞症 - バイエル薬品

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News Release
本資料は 2 月 26 日にバイエル ヘルスケア社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各
位へ参考資料として提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については
英語を優先します。原文は www.bayerhealthcare.com をご参照ください。
網膜静脈閉塞症(網膜静脈分枝閉塞症または網膜中心静脈閉塞症)に伴う黄斑浮腫:
バイエルのアイリーア®が網膜静脈閉塞症の適応で EU より承認を取得
ベルリン、2015 年 2 月 26 日 ―バイエル ヘルスケア社は本日、アイリーア®(アフリベルセプト硝子体内
注射液)が、網膜静脈閉塞症(RVO: retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫による視力障害の治療薬とし
て欧州委員会より承認を取得したことを発表しました。この新たな適応症には、すでに承認されている網
膜中心静脈閉塞症(CRVO: central retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫という適応症に加えて、網膜静
脈分枝閉塞症(BRVO: branch retinal vein occlusion)が含まれます。推奨される投与法は、最高視力が
得られるまで、または疾患活動の兆候がなくなるまでは 1 カ月に 1 回の投与を行い、その後は「treat and
extend」と呼ばれるレジメン(徐々に投与間隔を延長しながら安定した視力、もしくは安定した形態学的状
態を維持するレジメン)を継続するものです。
バイエル ヘルスケア社の経営委員会メンバーでグローバル開発責任者のヨルグ・メラーは次のように述べ
ています。「RVO は、最良の視力を得るためには早期かつ継続的な管理が必要とされる慢性疾患です。
多くの患者さんが労働年齢にあるため、このことは非常に重要です。この新たな治療法により、医師は投
与間隔を最大限に延長することが可能になり、各患者さんの治療を個別化することができます。これにより、
視力予後に悪影響を及ぼすことなく、患者さん、医師、医療施設の治療負担を減らすことができるのです」
今回の承認は、BRVO に伴う黄斑浮腫による視力障害を有する患者さんを対象とした二重遮蔽、無作為
化、比較対照第Ⅲ相臨床試験である VIBRANT 試験の良好な結果に基づいています。主要評価項目は、
24 週目においてベースラインから最高矯正視力(BCVA)で 15 文字以上の視力改善がみられた患者さん
の割合であり、臨床試験で視力を測定する際に標準的に用いられている ETDRS 視力表で測定されまし
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た。アフリベルセプト硝子体内注射液の投与を受けた群の半数以上で 15 文字以上の視力改善がみられ
ました。
網膜静脈閉塞症(RVO: retinal vein occlusion)について
網膜静脈閉塞症(RVO)には、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)と網膜中心静脈閉塞症(CRVO)が含まれ
ます。RVO は慢性の眼疾患で、急激な視力低下に至ることがあります。網膜の血管が障害される疾患に
よる視力喪失の原因としては糖尿病網膜症に次いで 2 番目の疾患となります。RVO の病状は患者さんに
よって異なりますが、日々の社会活動に影響を及ぼす重度の視力低下の危険性をすべての患者さんが
有しており、このことは患者さんやその家族、ひいては社会にとって大きな経済的負担になりかねません。
RVO は世界的にも多く、患者数は世界全体で 1,640 万人(BRVO が 1,390 万人、CRVO が 250 万人)と
推定されています。
光を感じる網膜において、血流が阻害された結果生じる疾患が RVO です。CRVO では網膜視神経乳頭
内の中心静脈に閉塞が起きるのに対して、BRVO では中心静脈から枝分かれした静脈分枝に閉塞が起
きます。網膜静脈(中心静脈または静脈分枝)の閉塞が解消しない限り、さまざまな随伴症状が生じる恐
れがあります。RVO 患者さんにおける視力障害の最大の原因は(随伴症状の1つである)黄斑浮腫であり、
黄斑浮腫では微細なものを見る上で重要な役割を果たす網膜の中心域にある黄斑部に腫れやむくみが
生じます。
血管内皮増殖因子(VEGF)とアフリベルセプト硝子体内注射液について
血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)は、生体内に存在する天然のタンパク質で、
通常の役割は組織や器官の成長を支える新しい血管の形成(血管新生)を促すことです。しかし一方で、
眼内における異常な血管新生にも関与しており、血管透過性が異常に亢進し、浮腫を誘発します。
アフリベルセプトは、ヒト VEGF 受容体 1 と受容体 2 の細胞外ドメインの一部をヒト IgG1 の Fc ドメインと融
合させた遺伝子組換え融合タンパク質で、アフリベルセプト硝子体内注射液は硝子体内への投与が可能
となるよう等張化された注射液として開発されました。アフリベルセプトは、可溶性のデコイ(おとりの)受容
体として VEGF の一種である VEGF-A と胎盤成長因子(PlGF:placental growth factor)に結合することによ
り、本来の VEGF 受容体への結合および活性化を阻害することができます。
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本剤は、滲出型加齢黄斑変性(wet AMD:wet age-related macular degeneration)の適応に対して 80 カ国
以上で、CRVO に伴う黄斑浮腫の適応に対して約 40 カ国で承認を取得し、EYLEA®(アイリーア®)という
ブランド名で販売されています。また、糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)の適応に対しても
40 カ国以上で承認されています。本剤は販売開始以来、世界で 300 万回以上投与されています。日本
では病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV:myopic choroidal neovascularization)の治療薬としても
承認されており、BRVO に伴う黄斑浮腫の患者さんを対象とした第 III 相 VIBRANT 試験の成績に基づき、
承認を申請しています。本剤は、米国ではすでに RVO の治療薬としても承認されています。
バイエル ヘルスケア社とリジェネロン社は、アイリーアの国際共同開発を行っています。リジェネロン社は
アイリーアの米国内での独占販売権を保有しています。バイエル ヘルスケア社は米国以外での独占販売
権を有し、その利益は両社で均等分配されます。日本は例外で、リジェネロン社は日本での売上に応じて
一定割合を受け取ります。
バイエル薬品株式会社
2015 年 2 月 27 日
Bayer Yakuhin, Ltd./Communications
リジェネロン ファーマシューティカル社について
リジェネロン社は、ニューヨーク州タリータウンを本拠とする、科学に基づくリーディング・バイオ製薬企業です。重篤疾患治療薬の創製・発明、開
発、製造、販売を行っています。リジェネロン社は、眼疾患、結腸直腸癌、および希少な炎症性疾患を対象とした医薬品を販売しており、高コレス
テロール血症、がん、関節リウマチ、喘息、アトピー性皮膚炎といったアンメット・メディカル・ニーズの高い領域に開発品があります。リジェネロン社
に関する詳細な情報については、同社のサイトでご覧になれます。
www.regeneron.com
バイエル ヘルスケア社について
バイエルは、ヘルスケア、農業関連、先端素材の領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエル社の一事業グループであるバイエル ヘル
スケア社は、ドイツ・レバクーゼンを本拠とし、200億ユーロ(2014年)の売上高を持つヘルスケアと医薬品業界の革新的なリーディングカンパニー
です。同社の世界的な事業活動は、動物用薬品、一般用医薬品、メディカルケア(画像診断関連製品、血糖自己測定器等)、医療用医薬品の分
野に及びます。バイエル ヘルスケア社の目標は、人々と動物の健康を促進する製品を開発、製造、販売することです。バイエル ヘルスケア社は
世界100カ国以上で60,700人(2014年12月31日現在)の従業員が働くグローバル企業です。
www.bayerhealthcare.com
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループもしくは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述
(Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業
の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社の Web サイト上
(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来
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