株式会社ローソン クラウド時代に向けてストレージ基盤を仮想化 データセンターの継続的な可用性とデータ移動の柔軟性を実現 クラウド化の推進で アジリティとフレキシビリティの向上へ サーバー環 境については仮 想化を進め、プラ イベート クラウドを含めたフレキシビリティを 実現できたが、ストレージ環境やネットワーク ■ お客様プロフィール 社名:株式会社ローソン http://www.lawson.co.jp/index.html ■ 導入製品 プライベート・クラウド環境とパブリック・クラウド環境 をシームレスに連携するストレージ統合基盤に「EMC VPLEX Local」「VNX5800 / 5200」「Data Domain コンビニエンスストア業 界大手のローソン 環 境については課題になっていた。現在同社 では、国内の小売店舗数が減少傾向にある一 では、今後のローソンを支えるITインフラのビ 方で、少子高齢化、核家族化、女性の社会進出 ジョンとして、パブリック クラウドと連携した といった社会環境の変化により、今後は仕事帰 柔軟なシステム基盤の構築を目標に掲げてお りや短時間で利用できる近距離の小売店を必 り、実際問題として技術レベルの課題は数多く 要とする消費者の増加が期待されることから、 あるとしながらも、こうした世界観を具現化す “小型・ネイバーフッドストア”を軸に事業を展 るための方 策をベンダー各社と協議しながら 開する方針を打ち出している。 進めていくという。 ローソンではそうした社会環境や消費者動 向の変化に柔軟に対応するため、2008 年から システム基盤の大 規模刷新を開始し、店舗で 使用するPOS(販売時点情報管理)レジやスト DD2500/160」を採用 アコンピュータ、店頭情報端末「L oppi(ロッ ■ 課題 ピー)」などを順次新型に切り替えるなど、シス 2008 年からシステム構造のシンプル化と全体最適化 テム基盤の全体最適化を進めてきた。 を図るとともに、適正なコストで新たなIT システム・サ ービスを展開できるシステム基盤の刷新を進めてきた。 システム基盤のうちサーバ環境については仮想化を進 今回のストレージ システムの刷新について、 ローソンで I T システムのプラットフォームを担 め、プライベート・クラウドを含めたフレキシビリティを 当する業務統括本部システム基盤部・部長、髙 実現できたが、ストレージ環境やネットワーク環境につ 原理彦氏は、 「この数年は全体最適ということ いては課題になっていた。このほど、従来より利用して で、データセンターやサーバー、ストレージな きたストレージ製品の更改を機に、 次世代ストレージ環 境の仮想化に着手することになった。 ■導入製品のメリット どのプラットフォーム環境については、技術ト レンドも踏まえてオープン化したり、脱ホスト化 仮想ストレージ統合基盤に採用された製品は、 してダウンサイジングしたり、仮想化基盤を導 以下の点が評価された。 入してスピード化や柔軟性を実現するなど、さ • EMC VPLEX Local:物理デバイスの制約を受けずに、 まざまにチャレンジしてきました」とその背景 データセンター全体の継続的な可用性と データ移動を実現する • VNX5800 / 5200:仮想クラウド環境に 最適化されている • Data Domain DD2500/160:重複排除技術により バックアップ・データを容易に統合できる また、これらのソリューションにより、 以下のような 効果が期待できる • ストレージ全体を仮想化し、業務と分離できるので、 機器の入れ替えが容易になる • 機器の保守サービス終了に伴うデータ移動や 停止時間の発生など、IT サービス運用上のリスクを 回避できるようになる 株式会社ローソン 業務統括本部 システム基盤部 部長 髙原 理彦 氏 を説明する。こうした取り組みによって同社で は、プライベート クラウドによるリソース プー ル化を実現したが、このほど2008 年の刷新で 導入したストレージ製品に付随するサポート/ ストレージ基盤の仮想化でハードと ソフトを分離 ミッドレンジから始めてハイエンドに展開 サービス提供が終了することから、 「これまで 数年にわたって活用してきた基盤なので、さら 今回、ローソンが新たに導入したのは、物理 にもう一歩踏み出して新しいストレージ環境に デバイスの制約を受けずにデータセンター全 チャレンジしてみようと考えました」 (髙原氏) 体の継続的な可用性とデータ移動を提供する と言う。 「EMC VPLE X Local」が2 台、仮想クラウド環 髙 原 氏 によると、ローソン が 次のマイルス 境に最 適化されたユニファイド ストレージ トーンとして位置づけているのがパブリック ク 「VNX5800」および「VNX5200」、さらにVNX ラウド の 活 用だ。これまで同 社はプライベー の二次バックアップ ストレージとして、重複 向き合うことに多くの時間を割けるようになり、 ト クラウド環境を構築してきたが、今後はパブ 排除技術によりバックアップ データを容易に 会社に変化をもたらすようなシステム基盤の リック クラウドを有効に活用することで、新し 提供に注力できる 統合できるストレージ アプライアンス「Data い技術の導入によってコストを削減しつつ、ア Domain DD2500/160」で、導入はEMCジャパ ジリティとフレキシビリティを向上し、システム ンのプロフェッショナル サービス部門が担当 基 盤 の競 争力を高めていく計画だ。ローソン した。髙原氏はEMCのプロフェッショナル サー はこれまでの取り組みで、システム基盤のうち ビスについて、 「柔軟に対応してくれますし、さ • ストレージ・システムが安定稼働することで、 本部の情報システム部門として経営陣と CaseStudy 事例 まざまな確認事 項も含めてしっかりと迅 速に 発生することなく、安定稼働していたことも評 今後の展開について髙原氏は「コスト削減を 応答していただきました」と評価している。新 価された。「やはりデータが止まると会社も止 含め、俊敏性と柔軟性を追求することは永遠の ストレージの検討は2013 年11月に開始され、 まってしまうので、確実性を求める領域と挑戦 テーマ」とし、それらを実現するには、IT システ その後約 3カ月の導入プロジェクト期間を経て 的に展開する領域を区 別しながらシステム環 ムが新しい技術や業 界 標準、I T 世界の急速な 2014 年10月に実稼働に入った。 境を構築していきます。業 界動向や 各社のビ 変化に追従できる構造になっていることが重 これまでローソンでは、ストレージ環境につ ジョンなど、さまざまな側面からも評価して、 要で、新技術のメリットを享受しつつベンダー いては性能を重視し、物理的に統合することを (髙原氏)。 総合的にEMCを選択しました」 ロックインを排除し、多様な選択肢をもたらす 進めてきたが、今回の新ストレージ製品の導入 さらに、実際のストレージ システムの更改時 オープンなプラットフォームの採用を追求する で仮想的に統合できるようになった。 は、予想以上にスムーズに新旧のストレージを 必要があると語っている。 また、製品の保守サービス終了(EOSL:End Of 切り替えられた。髙原氏によると、ストレージ 髙原氏によると、ローソンでは常ににチャレ Ser vice Life)に伴うデータの移動や停止時間 の切り替えとそれに伴うアプリケーションの処 ンジする風土がある。ここ数年の目標では、シ の発生など、IT サービス運用上のリスクも回避 理を含めて、システムを2時間ほど2回停止させ ステム基盤をすべてクラウド上で展開してみよ できるようになった。 るだけで済んだという。髙原氏は「今回はハイ うといった考え方がそうだ。その一環としてア 髙原氏は「それまではストレージ全体を仮想化 エンド システムが含まれていないこともありま マゾンとの提携も発表している。そうした目標 できていなかったため、製品を簡単に入れ替え すが、システム停止時間は予想していたよりも は、実際にアプリケーションやシステムのレベ ることができませんでした。また、特にエンター はるかに短く、業務への影響もほとんどありま ルに落とし込まれたときには実現できない要 プライズ分野では、いわゆる製品の 保守切れ せんでした」と語っている。 素も出てくるが、最初の目標に向けて試行錯誤 (EOSL )対応と呼ばれている作業が発生する 今回ローソンが更改したストレージ システム しながら落としどころを考え、実際には24時間 と、規模が大きいため多大な手間と時間を費や はミッドレンジに位置づけられるが、同社では 365日、安定して稼働するシステムが構築され すことになります」とし、本部の情報システム まず、VPLE X によるストレージ仮想化の実績を るといった具合だ。。 部門として、経営陣と向き合うことに多くの時 ミッドレンジ層で作り、その技術を見極めて次 今後の計画については、 「2017 年から2018 間を割き、会社に変化をもたらすようなシステ のハイエンド ストレージの更改時にその導入を 年あたりに向けて、システム基盤でさまざまな ム基盤を提供するためにも、サーバ層に加え、 判断するという。 技 術を活用し、次のローソンを支 える仕 組み ストレージ全体を仮想化し、業務と分離するソ をしっかり見極めてチャレンジしたい」として リューションが必要だったと説明している。 いる。「システム基盤についても、24 時間 365 製 品の 選 定にあたっては、複 数の 大手シス テムベンダーにローソンの IT システムについて のビジョンや世界観、戦略を踏まえたシステム 理想はクラウド環境への完全移行 ローソンを支える次世代の仕組みに チャレンジ 日の安定稼 働が求められる仕組み のため、新 しい技 術を導入する際にもリスクが 高いと反 対 されると思われが ちですが、チャレンジ す ることについては果敢に挑めという姿勢です。 提案を依頼し、ストレージの専門技術や実績・ 知見、エンタープライズ領域での導入事例、将 ローソンでは、今回のストレージ システムの 経営 陣にそういう理 解が あるので、新しい 技 来ビジョン、IT システムや利用環境に対する世 更改で約 25 %のストレージコスト削減を実現 術 やオープ ン環 境にチャレンジ することが で 界 観 、長 期 的 な パートナーとしての 協働可能 するとともに、システム基盤のなかに、データ きています」。 性、事業戦略などを総合的に評価した。また、 センター内とデータセンター全体にわたる継続 ローソンが 2008 年の刷新で導入し利用してき 的な可用性、データ移動を実現するストレージ た EMC のストレージ システムに大きな障害が の仮想化機構を組み込んだ。 システム構成図 EMCジャパン株式会社 東京都渋谷区代々木 2-1-1 新宿マインズタワー 〒151-0053 http://japan.emc.com お問い合わせは http://japan.emc.com/contact/ ©Copyright 2015 EMC Corporation. All rights reserved. EMC、EMC2、EMCのロゴ、Data Domain、VNXおよびVPLEXは、EMC Corporationの登録商標、または商標です。これらの商標は、日本または諸外国で商標登録等により、 適用法令で守られている場合があります。他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。 UC1095-1 2/15 2015年2月版
© Copyright 2024