社会福祉法人 緑の風後援会 第 42 号 麦の会 会報 2015 年 1 月 毎年4回発行 ◆ 2015 年が始まりました 麦の会 会長 滝鼻 卓雄 「麦の会」の会員のみなさま、明けましておめでとうございます。 「麦の会」は、みなさまのご支援、ご理解をいただきながら、ことしの 6 月で 12 年目を迎えます。会の活動は、 ご存知の通り、社会福祉法人「緑の風」の背中を、「よいしょ、よいしょ」と後押しする運動です。 会員数は 660 人を超え、法人会員も 19社を数えています。みなさまからご支援いただいた会費やいろいろな収 益金を「緑の風」に拠出することができました。ありがとうございました。 「緑の風」の生き生きとしたスタッフたちは、熱い行動と創意によって、就労支援、生活介護、自立訓練を進め てきました。その結果、例えば、昨年の夏には、38 歳の女性がリゾート・ホテルの事務補助職に就労することが できました。彼女は、自宅から電車、バスを乗り継ぎ、ホテルまで通い、社会参加を果たしました。 「麦の会」の みなさまの「よいしょ」の声があったからこそ、スタッフが熱く起動し、この成果が生まれました。 いま「緑の風」には41 名の利用者さんが、みなさまの「よいしょ」を待っています。障碍者の就業や生活を支 援するためには、本来は公的な資金が期待されるところです。しかし、地方財政の貧困、障碍者を積極的に社会 に送り出すという考え方が今一つ浸透していないなどの事情によって、みなさまの貴重なご支援で「緑の風」の 運営の一部を負担しているのが、現実です。ご理解をたまわれば幸いです。 さて「麦の会」の大切な事業として、今年もチャリティーコンサートを開きます。若手アーティストシリーズの 第 3 弾として、 「天才メンデルスゾーン 若さと情熱の八重奏曲」公演を開催します。3 月 1 日(日)、会場は津 田ホールです。今年のコンサートにつきましても、ご協力をお願い申し上げます。 「麦の会」はみなさまと一緒に歩みます。 ♪ チャリティーコンサートへのお誘い 今年度のチャリティーコンサートは、前号でご案内しましたように、3 月 1 日(日)に 例年と同じく、津田ホールで開催されます。「世界にはばたくヤングアーティストシリーズ」 も第 3 回目を迎えます。麦の会評議員の岡山潔さんによるプロデュースで、今回は”天才 メンデルスゾーン 若さと情熱の八重奏曲 ”と題してのコンサートです。 今回は、期待の若手チェリスト加藤陽子さんをソリストに迎えてのハイドンの「チェロ協奏曲 第1番 ハ長 調」に、いつものように若々しい演奏家が集う、緑の風チェンバーオーケストラによる 2 曲、モーツァルトの「デ ィヴェルティメント 二長調」とメンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲 変ホ長調」というメニューです。 期待が膨らみますね。 是非みなさまお誘いあわせてのご来場をお待ちしています。 (麦の会 水野 明) = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = 曲目・演奏者等の詳細は、同封のチラシをご覧ください。 チケットご希望の方は下記までご連絡ください。 麦の会事務局 担当:五十嵐 Tel : 03-3556-3056 FAX : 03-3556-3057 (月~金: 10:00~16:00) 緑 の風 ・麦 の会 から ◆ 長坂センターより ◆ 緑の風ホームページ http://www.midorinokaze.jp ◆ 千代田センターより ◆ 新年ご挨拶 ≪働き続けるための支援事業≫ U さん ① U さんは地元の支援学校を卒業後、緑の風で 2 年半 支援をして H23 年 9 月に地元大手飲料メーカー内の企 業に就職をしました。3年3カ月ほとんど休むことな く、自宅から市民バスに乗って通勤しています。彼のこ だわりは通勤路に落ちているゴミや空き缶を拾うこと。 毎日、自宅から持ってきたビニール袋を片手に下車した 停留所から職場まで、ペットボトルや空き缶等のゴミを 拾いながら通勤します。集めたゴミは職場で分別をして 捨てるそうです。U さんの行動は一見すると困った行動 とも取られがちですが、彼の行動によって職場の雰囲気 が変わり、職員の美化に対する意識向上にも繋がってい ると好評価をいただきました。U さんらしいエピソード です。 日頃の U さんはとてもおしゃべ りが好きです。といっても同僚と世 間話しをするわけではなく、自分の 好きな競馬中継や漫才の一説を大き な声で本物そっくりに話します。し かし大好きなおしゃべりが OK なの は「昼休み」だけ。仕事の時間は N G となっています。昼休みは職場の 同僚と休憩室で取ります。職場の皆 さんは U さんの声を BGM 替わり に、昼寝をしたり、雑誌を読んだり・・・ U さんのリフレッシュタイムを理 解してくださっているようでした。 今年の春には入社3年目にして初めて職場の飲み会に 参加。本人によると「やっと決心がついた」とのこと(笑) 当日は緊張しながらも、お酒を飲んで、同僚と楽しく過ご せた様子。 「次も行くよ」が何よりの成果です。U さんも 少しずつ「社会で暮らす大人」になっていると嬉しくな りました。仕事を覚えることも大切ですが、仕事を続け るためには周囲の理解や環境の設定も重要な要素となり ます。家族・職場・様々な人に支えられながら、U さんが U さんらしい暮らしを続けていかれるよう、緑の風も継 続的に応援をしていきたいと思います。 (長坂センター 木田 友紀子) 昨年、アメリカ精神医学会による「精神障害の診断と 統計マニュアル(略称 DSM)」の第 5 版(日本語版)が発 行されました。DSM 自体に、日本の公的な障害判定と 直接の関係はありませんが、同学会は国際的な権威でも あり、内容は国際的な潮流と呼んでも差し支えないでし ょう。 さてその第 5 版ですが、13 年ぶりの改訂とあって大 幅な変更がなされました。個人的には①別々に位置づけ られていた広汎性発達障害(含自閉症)と知的障害が、注 意欠陥や多動性障害なども含めた「神経発達障害」とい う同じ大きなグループに分類されたこと、②知的障害の 判定基準から知能指数が削除されたことの 2 点が印象 的です。 近年の発達障害(自閉症)研究の進展により、従来は 別の障碍や症候群と診断されてきたケースの背景に、実 は脳神経の発達障害がある例が相当数あると指摘され 始めています。①はそうした流れを受けたものです。ま た DSM は知能指数・検査そのものの否定はしていませ んが、障害判定には知能では無く、環境に対する適応状 況を重視すべきだという考えが②の根底にあります。 「知的障害と自閉症が同じグループ」「知的障害の判 定に IQ を使わない」などと改めて結論のみ記すと、常 識が一気に覆された印象すら受けられるのではないで しょうか。しかし実際は、関係各位による不断の努力が 一つひとつ成果となり、現時点でのマイルストーンとし て DSM にまとめられた、と考えるのがふさわしいかも しれません。 新年明けましておめでとうございます。しかし 2015 年も、昨年やそれ以前の年と同様、目に見えないような 小さな前進を積み重ね、振り返ってまとめてみると大き な変化であった、という継続の一年に出来ればと思って おります。旧年に引き続き暖かいご支援のほど、よろし くお願い申し上げます。 (千代田センター長 藤岡康) 麦の会総会のお知らせ 2015 年度麦の会総会は、 4 月 18 日(土) かわいいイラストの カレンダー販売中です! 午後 3 時から、 緑の風・長坂センター会議室にて開催予定です。 当日は午前 10 時から、緑の風のサンクスデーが 始まりますので、併せてご来場ください。 編集後記 新年明けましておめでとうございます。 これまで同様これからも、末永く緑の風を応援してくださいますよう、改めてよろしくお願い申し上げます。今回のチ ャリティーコンサートは、室内楽の聖地とまで言われ今年 3 月に閉館する津田ホールでの最後のコンサートとなります。 皆様の心に残る素晴らしいコンサートになることでしょう。是非、千駄ヶ谷の津田ホールに足を運んでください。 務 局 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町 3-7-1 ニュー九段ビル 5F ㈱緑風舎 気付 TEL:03-3556-3056 FAX:03-3556-3057 会費等の振込先 郵便振込 00160‐1-613953 「麦の会」 銀行振込 三菱東京 UFJ 銀行 神保町支店 (普)2224536 「麦の会」 発行元: 麦の会 事
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