モバイル牛温恵 分娩監視サポートガイド(PDF・779KB)

分娩監視サポートガイド
モバイル牛温恵システムのご利用をお申込みいただき、ありがとうございます。
本書では、モバイル牛温恵システムを使って、牛の分娩監視を効果的に行うため
の方法について説明しています。
『スタートガイド』とあわせてよくお読みいただき、有効にご活用ください。
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モバイル牛温恵のしくみ�����������������������������������������������������������������������������������������3
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お使いになる前にお読みください
■■ 使用上の注意
•本システムは、正常な分娩の成功を保証するものではありません。また、牛以外には
ご利用いただけません。
•本システムのご利用中に生じた事故や損害については、いかなる場合も責任を負いか
ねますので、ご了承ください。
•ご利用環境によっては測温データに欠落が生じる場合があります。
•有効な測温データを得るために、牛の飼育環境や生活パターンを一定にする必要があ
ります。
•体温センサー、ストッパーはすべての牛に使用できるとは限りません。体温センサー
を牛の膣内にとどめることがむずかしい場合は使用できません。
•体温センサーの挿入期間は 15 日以内とし、それ以上は挿入しないでください。
•体温センサーの挿入中は生体の変化に留意し、異常と思われる場合はご使用を中止し
て獣医師の指示に従ってください。
•一日に 4 回は測温データをチェックしてください。データを確認せずに通報メール
を待っていると、通信や牛体に異常があったときに対応が遅れる場合があります。
■■ システムおよび機器について
•親機・子機の設置、体温センサーの挿入、およびシステムの運用は、お客様自身で行っ
てください。
•親機・子機および体温センサーの開閉、分解、改造はしないでください。
•停電、機器の故障、インターネット回線の異常等で通信が切断されると、測温データ
の記録やメールの受信はできません。
•体温センサーのチューブ内はアンテナとなっています。無理に曲げたり、引っ張った
りすると破損の原因となります。
•汚れを落とすときは、中性洗剤をご使用ください。ベンジン、シンナー、超音波によ
る洗浄はしないでください。
•直射日光のあたる場所や、振動や衝撃の生じる場所、化学薬品の近く、腐食性ガス等
が発生する場所には保管しないでください。
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モバイル牛温恵のしくみ
より効果的にご利用いただくために、モバイル牛温恵がどのようなしくみで動作している
かをご説明します。
■ 牛の体温を監視するしくみ
牛の膣内に挿入した体温センサーが牛の体温を連続的に計測し、監視サーバーに情報
を送信します。
•体温センサーは 5 分に 1 回の間隔で、0.1℃単位で測定した牛の体温データを子機
に送信します。
•親機は、子機から送られたデータを NTT ドコモのネットワークを介して、監視サー
バーに送信します。
•パソコン、携帯電話などから監視サーバーにアクセスすることで牛の体温を 24 時間
監視することができます。
基地局
FOMA
子機
親機
微弱電波
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インターネット
監視サーバー
■■ メールが送信されるしくみ
分娩兆候特有の体温変化を発見した場合に、お客様へ自動的に次のような通報メール
を送信します。
•段取り通報:
現在の 4 時間移動平均値と、前日および二日前の同時刻の移動平均値とを常に比較
しています。現在の値が過去 2 日の値より、0.4℃以上低下した場合に段取り通報を
送信します。一般的には本通報から平均 24 時間後に一次破水が始まります。
※分娩兆候特有の体温低下があらわれない牛もいます。その際は段取り通報が送信されません。ご了承
ください。
•駆けつけ通報:
37℃以下の測温を検知した場合に送信されます。一次破水などで体温センサーが体
外に排出されたことをお知らせします。
※段取り通報が送信されたかどうかに関わらず、上記の条件を満たした場合は必ず送信されます。
段取り通報
分娩兆候特有の体温低下を検知すると
段取り通報を送信します。
駆けつけ通報
センサーが排出された状態です。
駆けつけ通報を送信します。
•SOS 通報:
段取り通報送信後に一定以上の体温上昇を検知した場合に送信されます。内部破水の
可能性があることをお知らせします。
※黒毛和牛:39.3℃以上、乳牛:39.5℃以上の体温を検知したとき。
その他何らかの理由で体温が上昇した場合にも送信されることがあります。
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困ったときには
よくある質問や使い方のポイントをまとめています。お困りのときにお読みください。そ
れでも解決しない場合は、モバイル牛温恵カスタマーセンターにご連絡ください。
■■ 体温センサー挿入時の注意
Q.6 爪ストッパーと 3 爪ストッパーを使っていても、体温センサーが抜けてしまいます。
A.体温センサーが膣内深部に挿入されているか、確認してください。挿入が浅いと抜
けやすくなります。
どうしても抜けてしまうときは使用できません。6 爪ストッパーを二つ組み合わせ
るなど、スタートガイドに記載のない組み合わせでは使用しないでください。牛の
体への負担が大きくなります。
メモ
次のようなときに、体温センサーが抜けやすくなります。
•牛が横になったとき
腹圧がかかるため、膣がゆるい牛は抜けてしまうことがあります。
•膣のサイズが大きいとき
体が大きい牛は膣のサイズも大きい傾向です。体温センサーのサイズが合わない
と抜けてしまいます。
•膣がゆるすぎるとき
Q.産道がせまいので、体温センサーが挿入しにくいです。
A.体温センサーを挿入するときは、牛の外陰部および使用する器具に必ず産道潤滑剤
を塗布してください。
挿入棒を使わずに手で挿入する場合は、ストッパーのうしろのセンサー部分を持っ
て挿入してください。また、回転させるようにすると挿入しやすくなります。この
とき、ストッパー部分を握らないでください。ストッパー部分を握って挿入すると、
挿入時の抵抗が大きくなります。
メモ
一般的に初産牛は経産牛よりも、産道がせまくなっています。
直検用長手袋をはめ潤滑剤を塗布した腕を、膣に繰り返し挿入出しなじませておく
と、体温センサーがスムーズに挿入できる場合があります。
また、膣鏡をお持ちの場合は、膣鏡で開いてから体温センサーを挿入する事をおす
すめします。
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■■ 体温センサー挿入後の注意
Q.体温センサーを挿入したあと、牛が尻尾を下げません。
A.挿入直後は異物感を感じて尻尾を上げていることがあります。いつも通りエサを食
べているなど、牛の様子におかしなところがなければ、8 時間ほど様子をみてくだ
さい。
8 時間ほど経っても尻尾を下げなければ、挿入位置が浅いかもしれません。膣内の
深部に挿入してください。
異常と思われる場合は使用を中止して、獣医師の指示に従ってください。
Q.体温センサーを挿入したあと、外陰部から白濁した粘液が出てきました。
A.体温センサーを挿入する前に、器具や外陰部を消毒しましたか?また、消毒に塩素
系消毒剤は使用していませんか?消毒には逆性石鹸液やヨード剤、消毒用アルコー
ルを使用してください。
牛の体が体温センサーを異物と認識して、白濁した粘液が出ることがあります。
薄い白濁であれば問題ありませんが、異常と思われる場合は使用を中止して、獣医
師の指示に従ってください。
Q.体温センサーのチューブが切れてしまいました。
A.挿入した体温センサーが大きな力で引っ張られると、チューブが切れることがあり
ます。チューブは尻尾に固定せずにご使用ください。
チューブが切れてしまった場合は、モバイル牛温恵カスタマーセンターにご連絡く
ださい。
体温センサーの落下・紛失を防止したい場合はチューブ先端のリングに糸を付け、
糸を尻尾の根元にテープで留めてください。
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■■ 通報に関する注意
Q.段取り通報の誤報が多いのですが。
A.段取り通報は、分娩兆候特有の体温の低下を検知したときのお知らせです。
初期設定では、現在の 4 時間移動平均値が過去 2 日の値より 0.4℃以上低下した場
合に段取り通報を送信します。
そのため、牛の体温パターン(曲線)が一定でないと、体温差が誤報として表れや
すくなります。
有効な体温データを得るためには、飼育環境や牛の生活パターンを一定にする必要
があります。
メモ
次のようなときに、誤報が多くなります。
•エサをやる時間が遅れた
エサを食べると体温が上昇します。エサをやる時刻を決め、1 時間以上ずれない
ようにしてください。
•一度にたくさんの水を飲んだ
水が飲めない環境に長時間置かれていた後で、一度にたくさんの水を飲むと、体
温が急激に低下します。
Q.段取り通報が来ませんでした。
A.分娩兆候を示す体温の低下が初期設定(0.4℃)よりも小さいと、段取り通報が送
信されません。携帯電話やパソコンで体温グラフを確認してください。
初期設定は変更することができます。パソコンまたはスマートフォンから設定して
ください。
メモ
次のようなときに、段取り通報が来ないことがあります。
•体温変化が小さい
前日および二日前との体温差が設定した値よりも小さいと、段取り通報が送信さ
れません。
•平熱が低い
平時の体温が低い(低体温牛)と通報が来ないことがあります。
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Q.段取り通報が誤報だったときは、どうすればいいですか?
A.誤報だった場合は、4時間以上あけてから体温センサーが正常に動作していること
を確認し、もう一度段取りメール通報の配信設定をしてください。
Q.SOS 通報を受けたときは、どうすればいいですか?
A.体温センサーを抜いて、分娩の状況を確認してください。
内部破水などの要因で産道が開かず、体温センサーが膣内にとどまり、陣痛による
体温上昇を検知しています。体温が上昇することは異常ではありませんが、場合に
よっては子牛の体位を確認することが必要です。
異常と思われる場合は獣医師の指示に従ってください。
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