〒252-0321 相模原市 南区 相模台 7-7-1 TEL 042-742-3674 FAX 042-741-7991 学校長 http://www.sagamihara-sakuradai-e.ed.jp/ 渡 平成27年 部 強 2月27日 ◆全体に即して個に生きる 今でも多くの人に読まれている『次郎物語』は、佐賀県の生まれの下村湖人(小説家、 教育家)の作品です。 この物語は、今までに何回も映画化され,テレビ番組にもなりました。『次郎物語』 に出てくる主人公の次郎は、湖人自身のことで、物語の中でのいたずらは、湖人が幼い ころにしたことなのだそうです。 その湖人は、次のような言葉を残しています。 並んで歩くがいい。 手を引き合って歩くがいい。 手を組んで歩くのもおもしろかろう。 だが、足だけはもつれないように ただ、歩調だけを合わせて めいめいの力で めいめいの地面を踏むがいい。 たとえ、どんな親しい友だちの仲であろうとも。 また、たとえ恋人同士の仲であろうとも。 満員電車に押し合いで乗り込むとき、人に譲ってばかりいては乗れません。だからと いって、人を押しのけるのは、不道徳です。行列に身を任せて、押されながら乗ること です。しかし、足だけは、しっかりついていなければなりません。 ……わかりやすく言えば、こんなふうに言えるのではないでしょうか。 全体に即して個に生きることは、難しいことですが、それはまた、全体の中で個を失 ってはならないということを考えさせられるお言葉だと思います。 ◆したいことをするな。いやなことをしろ 戦国時代の武将・武田信玄は、暇があるとよく部下を集めて話をしたり、 聞いたりしたそうです。ある時、 「人間というのは、身分が高かろうと低かろうと、自分の身を保っていく ために大切なことが一つある。何だと思うか?」 と聞きました。部下たちは誰も答えることができません。そこで信玄は答えました。 「私が自分を戒めているのは、自分の好きなことはなるべくしないこと。むしろ嫌だな と思うことをするように努めている。これがいま、身を保っている理由だ」 と。そして 「自分の好きなことばかりしていたのでは人間は強くならないし、人のためにもならぬ」 と。
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