日本初等理科教育研究会 実践発表提案資料 自然の事物・現象についての理解を図るモデル実験 ‐第5学年「流水の働き」において‐ 山口大学教育学部附属山口小学校 萱 野 誠 山口大学教育学部理科教育講座 佐 伯 英 人 要約 第5学年「流水の働き」で「石の形の変化を調べるモデル実験」と「人工の流れをつくったモデ ル実験」について教材研究を行い、得られたデータもとに議論する。 石の形の変化を調べるモデル実験は、上流から下流へ石が運搬される水の中のようすを想定した 実験である。容器に1個の小石と水を入れて容器を振る実験、また、容器に5個の小石と水を入れ て容器を振る実験を行い、容器を振った回数を同じ回数で比較した。両者を比較すると、容器に1 個の小石を入れて実験した方よりも、容器に5個の小石を入れて実験した方が、小石の角がとれて 丸くなり、また、実験直後、水の透明度が低く、濁った状態になっていることが分かる。2つの容 器の水が透明になるまで静置すると沈殿物の量の違いも確かめられる。そのため、モデル実験を通 して、児童が「上流の石が下流に運搬される途中で、石が相互にぶつかって小さくなり、角がけず られ、丸みのある石になる」というイメージをもてることが考えられた。 人工の流れをつくったモデル実験は、大雨、長雨を想定した実験である。モデル実験では異なる 量の水を流し、運搬される土の量を比較するようにした。具体的には、2つのなだらかな斜面に 500 mL と 1000 mL の水を流し、水を受ける容器に落ちた土を集め、メスシリンダーを使って土の体積 を測定した。土の体積を測定することで、水の量が大きくなると運搬される土の量が大きくなるこ とをある程度、定量的に調べることができることが分かった。そのため、モデル実験を通して、児 童が「大雨、長雨で流れる水の量が大きくなること」と「運搬される土の量が大きくなること」を 関係付けてとらえられることが考えられた。 Ⅰ.石の形の変化を調べるモデル実験 Ⅰ‐1.小学校学習指導要領,教科書等の記述 Ⅰ‐1‐1.「上流に大きな角張った石があり、下流に小さな丸みのある石があること」について 文部科学省(2008)の『小学校学習指導要領』で、取り扱う内容として「川の上流と下流によっ て、川原の石の大きさや形に違いがあること」が示されている。文部科学省(2008)の『小学校学 習指導要領解説理科編』には「実際の川の観察では、上流に大きな角張った石が見られることや、 下流には小さな丸みのある石が見られることなどから、上流と下流の石の大きさや形の違いをとら えるようにする」と示されている。 2011 年度版の各教科書会社(学校図書,教育出版,啓林館,信州教育出版社,大日本図書,東京 書籍)の教科書には川の上流~下流の川原の石の写真が掲載されている。掲載されている写真を見 ると、上流には大きな角張った石があり、下流には小さな丸みのある石があることが分かる。この 「上流に大きな角張った石があり、下流に小さな丸みのある石があること」に関する教科書と教師 用指導書の説明を表1に示す。2社(学校図書,大日本図書)の教科書・教師用指導書、また、1 社(信州教育出版社)の教科書では、石の角がとれ、丸く小さくなる主な理由を石と石がぶつかる こととしている(川底にぶつかったり、砂でこすられたりするといったことも含む)。 表1 「上流に大きな角張った石があり、下流に小さな丸みのある石があること」に関する説明 教科書 教師用指導書 山から落ちた石は、大水のときに 上流から中流、中流から下流へと たがいにぶつかり合いながら小さ 流されてくる間に、互いにぶつかり 学校図書 く丸くなり、長い年月の間に平野の 合ったり、川底にこすられたりし 川原まで流れてきたのです。 て、だんだん丸みをもつ小さな石に 変化する。 川の石は、運ばれるうちに、ぶつ 川原の石は、上流から下流に流さ かって角がとれたり、けずられたり れる間に、ぶつかって角がとれた 教育出版 してしだいに丸く、小さくなりま り、転がって丸くなったりするの す。 で、川の下流では、小さく丸い石が 多くみられるのである。 流れていく間にくずれ、角が取れ 啓林館 ‐ る。 上流から流されてきた石は、流さ れていく間に石どうしがぶつかり 信州教育出 合ったり、川底にぶつかったりして ‐ 版社 いきます。そのときにわれたり、角 がとれたりして、丸く小さくなって いきます。 上流の石と下流の石のようすが 上流の石は角張った大きな礫で ちがうのは、流れる水のはたらきに ある。この礫も流されることによっ よって、石が流されていくうちに、 て、ぶつかり合って割れたり、削ら われたりけずられたりして、形を変 れたりして小さくなり、角がとれて えたからである。 いく。 大日本図書 石と石がぶつかり合い小さくな る。石やすなでこすれて角が丸くな ってくる。流されているうちにさら に小さく、角が丸くなっていく。流 されてさらに小さくなる。すなやど ろのように小さくなるものもある。 川原に見られる石、小石、砂など について、上流から運ばれてくる間 にぶつかったり転がったりして、割 東京書籍 ‐ れたりけずられたりしながら、だん だん小さくなってまるみを帯びて きたのではないかと考えられるよ うにする。 ‐:説明なし 啓林館の教師用指導書では「流れていく間にくずれ、角が取れる」と記されているが、流れてい く間にくずれ、角が取れる理由(石の角がとれ、丸く小さくなる理由)は示されていない。啓林館 「わくわく理科」編集委員会(私信)によると「大水のときには砂が水に混じった状態で流れてお り、この砂によって石の角がとれ、丸く小さくなっている可能性があるので理由については示して いない」とのことであった。また、教育出版の教科書・教師用指導書、東京書籍の教師用指導書で は、運搬されている石がぶつかることは記されているが、石が何とぶつかっているのかは示されて いない。教育出版「地球となかよし 小学理科」編集委員会(私信)によると「運搬されている石が、 ぶつかっているものを特定することはできないので示していない」とのことであった。また、東京 書籍「新しい理科」編集委員会(私信)によると「ぶつかる対象が、運搬されている石同士だけでな く、川底の岩や川岸の崖なども考えられ、特定することができないため、記述していない 」とのことで あった。 Ⅰ‐1‐2.「石の形の変化を調べるモデル実験」について 学校図書の教師用指導書には「私の工夫(石が丸くなることを短時間に確かめる実験‐①)」と「私 の工夫 (石が丸くなることを短時間に確かめる実験‐②)」が掲載されている。前者の実験‐①では、 石こうを使って人工石を作り、ふた付き密閉容器(容器の材質は不明)に容器の3分の1程度まで 人工石を入れ、人工石が浸るくらい水を入れて 300 回を目安に容器を振る実験が紹介されている。 後者の実験‐②では、防犯防草の軽石状のジャリ(リサイクルガラス製)を 500~1000 mL の容器 (ガラス製)に6~7個入れ、水を入れて容器を振る実験が紹介されている。振る時間は不明であ る。また、 「水を入れずに容器を振る実験も行った」という記述もみられる。この実験は、容器に水 を入れず、防犯防草の軽石状のジャリのみを入れて振る実験である。 信州教育出版社の教師用指導書には「川の流れで石の角が削られるモデル実験」が掲載されてい る。ペットボトルに水を3~5分目くらい入れ、小さく砕いた石を数個入れ5分間振る実験が紹介 されている。このとき、5分間という時間ではなく、 「回数を決めてもよい」という記述がみられる。 また、 「身の回りの石でもわずかな変化は見られるが、軽石・凝灰岩などの石や硫酸カルシウムなど の鉱物を使用するとよい」とも記されている。 Ⅰ‐2.実験方法,実験結果 石の形の変化を調べるモデル実験では、上流から下流へ石が 運搬される水の中のようすを想定した。モデル実験器を図1に 示す。実験器具はガラス製の容器(内容量:460 mL)、防犯防 草の軽石状のジャリ(材質:発砲石, アイリスオーヤマ製)で ある。防犯防草の軽石状のジャリを以下、小石と称する。 実験方法は容器に小石(1個,5個)と 400 mL(容器の9 分目程度)の水を入れ、容器を振る方法である。この実験では 容器を振る回数を0回、100 回、200 回、300 回、400 回、500 回とした。1個の小石と水を入れて実験した結果を表2に示す。 また、5個の小石と水を入れて実験した結果を表3に示す。 図1 石の形の変化を調べるモ デル実験器 容器を振った回数を同じ回数で小石の形状を比較すると、容 器に1個の小石を入れて実験した方よりも、容器に5個の小石を入れて実験した方が、小石の角がと れて丸くなっていることが分かる(表2,表3)。また、実験直後の水の状態を比較すると1個の小石 を入れて実験した方よりも、5個の小石を入れて実験した方が、水の透明度が低く、濁った状態にな っていることが分かる(表2,表3)。2つの容器の水が透明になるまで静置すると小石を1個入れて 実験した方よりも、小石を5個入れて実験した方が、沈殿物の量が大きいことが確かめられる。 表2 振った回数 [回] 石の形の変化を調べるモデル実験(容器に入れた石の数:1個) 0 100 200 300 400 500 容器の ようす 石の形状 容器の内容量:460 mL 表3 振った回数 [回] 容器に入れた水の量:400 mL 目盛:10 mm 石の形の変化を調べるモデル実験(容器に入れた石の数:5個) 0 100 200 300 400 500 容器の ようす 石の形状 容器の内容量:460 mL 容器に入れた水の量:400 mL 目盛:10 mm Ⅰ‐3.授業実践の事例 石の形の変化を調べるモデル実験を導入した授業実践については山根ほか(2010)で報告している。 山根ほか(2010)では、川の上流と下流の写真や採取してきた石を児童に提示し、比較させて、「ど うして上流の石と下流の石の大きさや形が違うのだろうか」という学習課題をつくった。このとき、 児童がたてた仮説は次の2つであった。1つの仮説は「上流から下流に石が運ばれる途中で、水が石 にはげしくぶつかり、石が割れて小さくなり、また、石の角が削られて丸い形になったのだろう」で あり、また、もう1つの仮説は「上流から下流に石が運ばれる途中で、石と石がはげしくぶつかり、 石が割れて小さくなり、また、石の角が削られて丸い形になったのだろう」である。上流の石よりも 下流の石の方が、大きさが小さく、また、形が丸いのは、上流から下流に石が運ばれる途中で、水が 石にぶつかったからなのか、それとも、石と石がぶつかったからなのかを石の形の変化を調べるモデ ル実験を行い、調べさせた。山根ほか(2010)では、プラスチックの容器に1個の小石と水を入れた もの、また、5個の小石と水を入れたものを同じ回数、振って比較する実験を行った。また、ビニル 袋に1個の小石と水を入れたもの、また、5個の小石と水を入れたものを同じ回数、振って比較する 実験も行った。この授業では、この他、水槽を使った実験も行った。児童は、実験の結果をもとに考 察し、 「上流から下流に石が運ばれる間に石と石がぶつかり合って割れ、小さくなり、角がけずられて 丸みのある石になる。水の力だけでも少しは石がけずられる」と結論付けている。 Ⅰ‐4.考察 石の形の変化を調べるモデル実験において、容器を振った回数を同じ回数で小石の形状を比較する と、容器に1個の小石を入れて実験した方よりも、容器に5個の小石を入れて実験した方が、小石の 角がとれて丸くなり、また、実験直後、水の透明度が低く、濁った状態になっていることが分かる。 2つの容器の水が透明になるまで静置すると沈殿物の量の違いも確かめられる。そのため、モデル実 験を通して、児童が「上流の石が下流に運搬される途中で、石が相互にぶつかって小さくなり、角が けずられ、丸みのある石になる」というイメージをもてることが考えられた。別の言い方をすると、 モデル実験を通して、上流に大きな角張った石があり、下流に小さな丸みのある石がある理由につい て、理解の充実を図ることができるといえる。 ただし、この実験で使用した小石は、リサイクルガラスを高温で溶解し、発泡させた軽石状のジャ リであり、人工石である。そのため、実際には、このような短時間で石が小さくなったり、角がとれ て丸みのある石になったりするわけではない。石の形の変化を調べるモデル実験をする際、この点に ついては児童に説明する必要があると思われる。 Ⅱ.人工の流れをつくったモデル実験 Ⅱ‐1.小学校学習指導要領,教科書等の記述 文部科学省(2008)の『小学校学習指導要領』で、取り扱う内容として「流れる水には、土地を 侵食注】したり、石や土などを運搬したり堆積させたりする働きがあること」が示されている。文部 科学省(2008)の『小学校学習指導要領解説理科編』には「流れる水には、地面を侵食したり、石 や土、泥などを運搬したり堆積させたりする働きがあることをとらえるようにする。このことにつ いては、人工の流れをつくって、実験により確かめることが考えられる」と示されている。また、 「雨が短時間に多量に降ったり、長時間降り続いたりしたときの雨水の流れや川の流れの様子を観 察し、水の速さや量が増し、地面を大きく侵食したり、石や土を多量に運搬したり堆積させたりし て、土地の様子を大きく変化させていることをとらえるようにする。このことについて、人工の流 れをつくり、流れる水の速さや量を変え、地面の変化の様子を調べることで確かめることもできる」 と示されている。 人工の流れをつくったモデル実験は、2011 年度版の各教科書会社(学校図書,教育出版,啓林館, 信州教育出版社,大日本図書,東京書籍)の教科書に示されている。各教科書会社の教科書では、 人工の流れをつくったモデル実験を行い、流れる水の働き(地面を侵食したり、石や土、泥などを 運搬したり堆積させたりする働き)を調べている。このとき、流れる水の速さにも着目して調べて いる。5社(学校図書,教育出版,啓林館,大日本図書,東京書籍)の教科書では、その後、流す 水の量を増やして実験を行い、先の実験と比較して調べている。1社(信州教育出版社)の教科書 では、先の実験とは別に、2つの板を準備し、それぞれに土をもって、なだらかな斜面をつくり、 流す水の量を変えて実験を行い、両者を比較して調べている。 Ⅱ‐2.実験方法,実験結果 人工の流れをつくったモデル実験では、大雨、 長雨を想定した。モデル実験では、水の量が大 きくなることで、運搬される土の量が大きくな ることをある程度、定量的に調べることができ るように工夫改善を行った。また、前述した信 州教育出版社の教科書の実験のように、2つの なだらかな斜面をつくり、流す水の量を変えて 実験を行い、両者を比較して調べるようにした。 人工の流れをつくったモデル実験器を図2に 示す。モデル実験器の材料は、重ね収納バスケ ット、プラスチックの板、水を受ける容器、鉄 製スタンド、ペットボトル(内容量:500 mL, 1000 mL)、ペットボトルのキャップに内径 4.0 図2 人工の流れをつくったモデル実験器 mm のチューブを付けたもの、目玉クリップ、 土(テラダの「まさ王」 [主原料:まさ土,セメ ント含有率:15.2 %] )である。 まず、なだらかな斜面のつくり方について説 明する。重ね収納バスケットの底(ペットボト ルから水を流し入れる場所付近)にプラスチッ クの板を敷いた後、重ね収納バスケット上に土 をのせる。割り箸を使って土の上をなぞり、川 に見立てた水路をつくる。水路をつくり始める 場所は、プラスチックの板を敷いた場所の地面 からである。この水路の深さは 10 mm 程度、 水路の幅は割り箸の幅(幅の大きい方:14 mm) である。この器具を器具Aと称する。この器具 Aに鉄製スタンドを使い、なだらかな斜面にな 図3 実験後のようす るように傾斜をつける。このモデル実験では傾斜の角度は 5 °とした。この器具Aの下に水を受け る容器を置く。次に、水を流す装置と水の流し方について説明する。ペットボトル(内容量:500 mL, 1000 mL)に 500 mL と 1000 mL の水を入れ、チューブ(内径:4.0 mm)付きのキャップを取り 付ける。チューブの先端を目玉クリップで挟み(水を入れたときに水が出ないようにする)、鉄製ス タンドを使ってチューブが下部になるようにペットボトルを固定する。このとき、水路の上にチュ ーブの先端がくるように設置する。ペットボトルの底から、チューブを挟んでいる目玉クリップを 同時にはずして水を流す(図3) 。最後に、土の体積の測定の仕方につい て説明する。水が流れた後、水を受ける容器に落ちた土を集める。集め た土を、メスシリンダーに入れて、その体積を測定する(図4)。モデル 実験は5回実施した。 土の体積の平均値と標準偏差を算出し、対応のない t検定を行った。 t検定において、まず、Levene 検定を行った。その結果、等分散が仮 定された。そのため、自由度の値の修正は行わなかった。分析の結果を 表4に示す。t検定の結果、水を受ける容器に落ちた土の体積には有意 な差がみられた。 分析の結果(平均値,標準偏差, t検定の結果) t検定の結果 土の体積の平均値(標準偏差) 流した水の量 [mL] df t値 p 500 mL 37.60(9.99) 8 2.38 * 1000 mL 55.80(13.88) 実験回数:5 回 * p<0.05 ** p<0.01 *** p<0.001 表4 図4 水を受ける容器 に落ちた土の体積の測 定(流した水の量:左は 500 mL,右は 1000 mL) Ⅱ‐3.考察 水を受ける容器に落ちた土を集めて、 メスシリンダーを使い、土の体積を測定する方法で調べた。 500 mL と 1000 mL の水を流して実験し、得られた結果についてt検定を行ったところ、水を受け る容器に落ちた土の体積には有意な差がみられた。このことは、500 mL の水が流れるよりも、1000 mL の水が流れる方が、水を受ける容器に落ちた土の体積が明瞭に大きいことを示している。水を 受ける容器に落ちた土の体積を測定する方法を用いると、水の量が大きくなると運搬される土の量 が大きくなることを、ある程度、定量的に調べられる。そのため、モデル実験を通して、児童が「大 雨、長雨で流れる水の量が大きくなること」と「運搬される土の量が大きくなること」を関係付け てとらえられることが考えられた。 Ⅲ.おわりに 石の形の変化を調べるモデル実験(容器に1個の小石と水を入れて容器を振る実験,容器に5個 の小石と水を入れて容器を振る実験)は、上流から下流へ石が運搬される水の中のようすを想定し た実験である。モデル実験を通して、児童が「上流の石が下流に運搬される途中で、石が相互にぶ つかって小さくなり、角がけずられ、丸みのある石になる」というイメージをもてることが考えら れた。 人工の流れをつくったモデル実験(2つのゆるやかな斜面に 500 mL と 1000 mL の水を流し、 水を受ける容器に落ちた土の体積を測定する実験)は、大雨、長雨を想定した実験である。モデル 実験を通して、児童が「大雨、長雨で流れる水の量が大きくなること」と「運搬される土の量が大 きくなること」を関係付けてとらえられることが考えられた。 児童が、石の形の変化を調べるモデル実験を通して、上流から下流へ石が運搬される水の中のよ うすをイメージできたり、また、人工の流れをつくったモデル実験を通して、流れる水の量と運搬 される土の量を関係付けてとらえられたりすることは、自然の事物・現象についての理解の充実を 図ることになると考えられる。 (注釈) 文部科学省(2008)の『小学校学習指導要領』では、流れる水が地面を削ることを「侵食」と表 記している。本稿では『小学校学習指導要領』に従い、「浸食」ではなく、「侵食」を用いた。 (文献) 【論文等】 ○ 山根雅章・潮田篤・飯田暁・佐伯英人(2010)「児童の思考を大切にした授業実践‐第5学年 『流れる水のはたらき』において‐」 ,日本初等理科教育研究会研究紀要,第 85 号,pp.41‐49. 【学習指導要領】 ○ 文部科学省(2008)『小学校学習指導要領』,文部科学省. ○ 文部科学省(2008)『小学校学習指導要領解説理科編』,大日本図書. 【教科書・教師用指導書】 ○ 日高敏隆ほか(2011) 『みんなと学ぶ 小学校理科 5年』,学校図書. ○ 学校図書(2011) 『みんなと学ぶ 小学校理科 教師用指導書 5年 朱書編』,学校図書. ○ 学校図書(2011) 『みんなと学ぶ 小学校理科 教師用指導書 5年 詳説編』,学校図書. ○ 養老孟司・角谷重樹ほか(2011) 『地球となかよし 小学 理科 5』,教育出版. ○ 教育出版編集局(2011) 『地球となかよし 小学 理科 5 教師用指導書 授業編』,教育出版. ○ 教育出版編集局(2011) 『地球となかよし 小学 理科 5 教師用指導書 研究編』,教育出版. ○ 大隅良典・石浦章一・鎌田正裕ほか(2011)『わくわく理科 5』,啓林館. ○ 大隅良典(2011) 『わくわく理科 5 指導書 第二部 詳説 要点編』,啓林館. ○ 大隅良典(2011) 『わくわく理科 5 指導書 第二部 詳説 研究編』,啓林館. ○ 癸生川武次(2011)『新編 楽しい理科 5年』,信州教育出版社. ○ 信濃教育会(2011)『新編 楽しい理科 教師用指導書 5年 朱書編』,信州教育出版社. ○ 信濃教育会(2011)『新編 楽しい理科 教師用指導書 5年 指導編』,信州教育出版社. ○ 信濃教育会(2011)『新編 楽しい理科 教師用指導書 5年 解説編』,信州教育出版社. ○ 有馬朗人ほか(2011) 『たのしい理科 5年‐2』,大日本図書. ○ 星野昌治ほか(2011) 『たのしい理科 5年‐2 教師用指導書 朱書編』,大日本図書. ○ 星野昌治ほか(2011) 『たのしい理科 5年‐2 教師用指導書 研究編』,大日本図書. ○ 毛利衛・黒田玲子ほか(2011) 『新しい理科 5』,東京書籍. ○ 東京書籍(2011) 『新しい理科 5 教師用指導書 指導編(朱書)』 ,東京書籍. ○ 東京書籍(2011) 『新しい理科 5 教師用指導書 資料編』,東京書籍.
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