3.敷地近傍の地形、地質・地質構造調査結果 188 目 次 3.敷地近傍の地形、地質・地質構造調査結果 3.1 敷地近傍(5km)の評価 190 3.2 T1リニアメント調査結果 192 3.3 T2リニアメント調査結果 201 3.4 T3リニアメント調査結果 202 189 3.1 敷地近傍(半径5km)の評価 190 敷地近傍の地形調査結果 第122回審査会合 p183再掲 高浜発電所 半径約5km T1リニアメント 高浜発電所 T2リニアメント T3リニアメント 191 3.2 T1リニアメント 192 第122回審査会合 p185再掲 T1リニアメントの地形調査結果 B C A C’ A’ Dランク B’ ※コメントを受けて C-C’断面を 追加で作成 長さ約0.1km,E-W方向のDランクのリニアメントとして判読される。 判読要素は,鞍部が1箇所のみ。 音海半島の北部と南部を分けている凹地地形として認識されるが,長さは非常に短い。 尾根線の屈曲はなく,また西方延長部の沖積面に変動地形は認められない。 T1リニアメント周辺の変動地形・リニアメント分布図 193 高浜T1 第122回審査会合 p186一部修正 B測線 A測線 C測線 航空レーザー測量結果による地形断面図 0 100m 194 高浜T1 第122回審査会合 p187一部修正 A測線 A C測線 A’ 25m 25m C リニアメント 0m 25m C’ 25m 25m リニアメント 0m 0m 0m 1:5 25m 航空レーザー測量結果による地形断面図(A・C測線の拡大図) 195 第122回審査会合 p188再掲 T1リニアメントの調査結果 内浦層群安山岩 内浦層群 礫岩・砂岩 人工改変地 沖積層 リニアメント(Dランク) 内浦層群安山岩 内浦層群 凝灰角礫岩・安山岩 内浦層群泥岩 内浦層群 凝灰角礫岩・安山岩 内浦層群泥岩 0 300m 内浦層群 礫岩・砂岩 ※地質図にT1リニアメントを転記 Dランク T1リニアメント周辺の地質は、下位より内浦層群の凝灰角礫岩と礫岩・砂岩、泥岩および安山岩 からなり、ほぼEーW方向で北へ緩く傾斜。 リニアメントの通過部には泥岩が分布し、幅広の凹地が認められる。 196 東側海岸の踏査結果(T1リニアメント) 第122回審査会合 p189再掲 リニアメント方向→EW方向 層理面の方向→EW方向低角度北傾斜 割れ目の卓越方向→NW方向高角度傾斜 NE方向高角度傾斜 干潮時に水面に露出する 泥岩の状況 (矢印はN40°W/86Sの割れ目) リニアメント延長直下 海水面下に露出する 泥岩の状況 (矢印はN40°W/75°SWの割れ目) 北側へ緩く傾斜する層理面 (矢印はN60°E/10°Nの層理面) ) 下 ・リニアメント延長線上の東側海岸の水面 下で長さ約90mの内浦層群泥岩の連続 露頭を確認した。 ・リニアメントと同走向のE-W方向の層理 面と、斜交するNWおよびNE方向の割れ 目がみられるが、断層は認められない。 海 面 は 頭 (露 海 壁 面 及 び斜 面 浜 礫 詳細露頭分布図 リニアメント延長直下 海水面下に露出する 泥岩の状況 (矢印E-W方向の割れ目) 197 第122回審査会合 p190再掲 T1リニアメントの調査結果(延長海域) 【T-103G】 ←S T1リニアメント 16 T1リニアメント延長部 17 18 19 20 21 22 →N 0.00秒 (0m) 0.05秒 (37.5m) TU 6-G 高浜発電所 0.10秒 (75m) 0.15秒 (112.5m) 約250m 【T-104G】 21 T1リニアメント延長部 20 19 18 17 16 15 T-103G T-104G ←S →N 0.00秒 (0m) 0.05秒 (37.5m) T1リニアメント延長部 0.10秒 (75m) 【TU-6G】 ←SW 1 2 T1リニアメント延長部 3 4 5 6 0.15秒 (112.5m) →NE 0.00秒 (0m) 0.05秒 (37.5m) 0.10秒 (75m) 約250m V.E.≒6 凡 例 海域延長部にも後期更新世以降に堆積した 地層に変位・変形は認められない。 B層上面 C層上面 約250m 0.15秒 (112.5m) R層上面 数字(角度)は水平・垂 直比が1:1の傾斜角度 198 第122回審査会合 p191再掲 T1リニアメントの調査結果(延長海域) 【T-103G】 ←S T1リニアメント 16 T1リニアメント延長部 17 18 19 20 21 22 →N 0.00秒 (0m) 0.05秒 (37.5m) TU 6-G 高浜発電所 0.10秒 (75m) 0.15秒 (112.5m) 約250m 【T-104G】 21 T1リニアメント延長部 20 19 18 17 16 15 T-103G T-104G ←S →N 0.00秒 (0m) 0.05秒 (37.5m) T1リニアメント延長部 0.10秒 (75m) 【TU-6G】 ←SW 1 2 T1リニアメント延長部 3 4 5 6 0.15秒 (112.5m) →NE 0.00秒 (0m) 0.05秒 (37.5m) 0.10秒 (75m) 約250m V.E.≒6 凡 例 海域延長部にも後期更新世以降に堆積した 地層に変位・変形は認められない。 B層上面 C層上面 約250m 0.15秒 (112.5m) R層上面 数字(角度)は水平・垂 直比が1:1の傾斜角度 199 第122回審査会合 p192再掲 T1リニアメントの評価 内浦層群安山岩 活動性の評価 沖積層 T1リニアメント リニアメント直下の内浦層 群泥岩に断層は認められ ない。 内浦層群 礫岩・砂岩 人工改変地 海域延長部に後期更新世 以降に堆積した地層に変 位・変形は認められない。 内浦層群泥岩 内浦層群 凝灰角礫岩 T1リニアメント直下には、少なくとも後期更新世以降 の活動を示唆する断層はない。 300m 0 ※地質図にT1リニアメントを転記 内浦層群安山岩 内浦層群 凝灰角礫岩・安山岩 内浦層群泥岩 T1リニアメントの成因は、安山岩や凝灰角礫岩に比べて軟 T1リニアメントの成因は、安山岩や凝灰角礫岩に比べて軟 質であり、E-W方向で低角度北傾斜の層理面を有する泥岩 質であり、E-W方向で低角度北傾斜の層理面を有する泥岩 が選択的に浸食されることによって生じた組織地形であり、 が選択的に浸食されることによって生じた組織地形であり、 将来活動する可能性のある断層は認められないと評価。 将来活動する可能性のある断層は認められないと評価。 内浦層群 礫岩・砂岩 200 3.3 T2リニアメント T2リニアメントについては、敷地の地質で説明。 201 3.4 T3リニアメント 202 T3リニアメントに関する文献 活断層研究会編「新編 第122回審査会合 p195再掲 日本の活断層」(1991) ① 0 10km 断層名 長さ 確実度 変位の向き ①名称なし 2km (図読) Ⅲ - 確実度Ⅰ:活断層であることが確実なもの 確実度Ⅱ:活断層であると推定されるもの 確実度Ⅲ:活断層の疑いがあるリニアメント 203 T3リニアメントの地形調査結果 B A A’ Loc.T3-1 a B’ 鞍部 Loc.T3-2 F ・長さ約1.2km、NNE-SSW方向の Dランクのリニアメントとして判読。 ・判読要素は鞍部列(a,b,c地点)。 ・その間に分布する扇状地に変動 地形は認められない。 ・c地点の鞍部は不鮮明ではあるが、 北部からの連続性を考慮して、一 連のリニアメントと評価。 F’ 扇状地面 沖積面 鞍部 C Loc.T3-4 b 第122回審査会合 p196一部修正 C’ 扇状地面 D D’ Loc.T3-3 E c 沖積面 鞍部 低位段丘面 E’ 0 100 200 鞍部や傾斜変換点などの特徴的 な地形は認められない。 300m ※コメントを受けてF-F’断面を追加で作成 204 高浜T3 第122回審査会合 p197再掲 D測線 A測線 B測線 E測線 F測線 C測線 航空レーザー測量結果による地形断面図 0 100m 205 高浜T3 第122回審査会合 p198再掲 A測線 100m A A’ 100m E測線 75m リニアメント E リニアメント F測線 100m F F’ 75m E’ 75m 50m 50m リニアメント 50m 50m 25m 25m 25m 25m 0m 25m 0m 1:5 25m 航空レーザー測量結果による地形断面図(A・E・F測線の拡大図) 206 第122回審査会合 p199再掲 T3リニアメントの調査結果 ピット調査(T3-1) 内浦層群凝灰角礫岩・安山岩 リニアメント 内浦層群安山岩 音海流紋岩 剥ぎ取り調査(T3-2) A-A’断面 内浦層群泥岩 内浦層群泥岩 音海流紋岩 大浦層頁岩 B-B’断面 Loc.T3-1 内浦層群泥岩 リニアメント 剥ぎ取り調査 (T3-4) A 音海流紋岩 内浦層群安山岩 a 内浦層群泥岩 大浦層頁岩 A’ Loc.T3-2 C-C’断面 扇状地 堆積物 青葉山安山岩類上部 沖積層 リニアメント 剥ぎ取り調査 (T3-3) 青葉山安山岩類下部 舞鶴層群頁岩 B 舞鶴層群砂岩 舞鶴層群砂岩 舞鶴層群頁岩 音海流紋岩 Loc.T3-4 b 舞鶴層群頁岩 B’ C 扇状地 堆積物 舞鶴層群砂岩 c C’ 0 1000 2000 3000m Loc.T3-3 舞鶴層群頁岩 青葉山安山岩類下部 Dランク ※地質図にT3リニアメントを転記 207 第122回審査会合 p200再掲 T3リニアメントの調査結果(Loc.T3-1) 東側 西側 Loc.T3-1 南側壁面 a Loc.T3-2 ピット南側壁面スケッチ Loc.T3-4 b c Loc.T3-3 ピット(延長37m)には大浦層 頁岩が分布し、そこには断層 破砕帯は認められない。密 に割れ目が分布しているが、 系統性は認められない。 0 2m 拡大スケッチ 壁面写真 頁岩 風化頁岩 208 T3リニアメントの調査結果(Loc.T3-2) 第122回審査会合 p201再掲 リニアメント 断層 Loc.T3-1 a Loc.T3-2 Loc.T3-4 b c Loc.T3-3 頁岩 頁岩 下流側から見た写真 大浦層頁岩中の断層は湾曲しており、破砕帯 は固結し、その幅は1~16cmと膨縮している。 露頭平面スケッチ 209 第122回審査会合 p202再掲 T3リニアメントの調査結果(Loc.T3-3) Loc.T3-1 a Loc.T3-2 風化の進んだ 基底付近の 礫質部 Loc.T3-4 b c 凝灰角礫岩 凝灰角礫岩 不整合面 b.N22E/52W Loc.T3-3 砂 岩 b.N25E/57W 砂 岩 リニアメント 露頭スケッチ 凝灰角礫岩 露頭写真 ・リニアメント周辺の38m区間には、北側(山側)に青葉山安山岩類凝灰角 砂岩 礫岩が、南側(谷側)には舞鶴層群砂岩が分布している。そこに断層は認 められない。 ・リニアメント直下には、両者の不整合面がある。 リニアメント ルートマップ 210 第122回審査会合 p203再掲 ブロックサンプリング位置(Loc.T3-3) 南東側 北西側 Loc.T3-1 ブロックサンプリング位置 a T3C-1 Loc.T3-2 T3C-2 Loc.T3-4 b c Loc.T3-3 ブロックサンプリング位置 T3C-1 N17°E/42°N T3C-2 不整合面: N22°E/52°N 不整合面: N25°E/57°N 青葉山安山岩類の凝灰角礫岩と舞鶴層群の砂岩との境界付近の粘土 を挟む凝灰角礫岩からブロックサンプリングを実施。 211 変形組織の観察(Loc.T3-3) T3C-1 研磨片 〔舞鶴層群と青葉山火山岩類の境界付近〕 第122回審査会合 p204再掲 T3C-2 研磨片 〔白灰色粘土を挟む箇所〕 拡大 正断層センス (横ずれ成分観察用) 研磨片観察結果(T3C-1) ・舞鶴層群と青葉山安山岩類の境界は せん断面や礫の定向配列が認められ ない。 不整合面と判断した。 (縦ずれ成分観察用) 研磨片観察結果(T3C-2) ・明瞭なせん断面は認められない。 ・比較的連続性のよい白灰色粘土をY面とした。 ・Y面の付近に不鮮明ながら、 P面とR1面が認められ、 それらの関係から正断層センスを示す。 正断層センスを示すことから、後期更新世以降 の活動を示唆する断層ではないと判断した。 212 第122回審査会合 p205再掲 剥ぎ取り調査結果(Loc.T3-4) リニアメント 鞍部 Loc.T3-1 a 南東側 北西側 見掛け落差約40cm (正断層センス) Loc.T3-2 青葉山安山岩類 Loc.T3-4 b 内浦層群泥岩 音海流紋岩 c 断層:N82°E/68°N 露頭スケッチ (北東壁面) Loc.T3-3 断層 断層 拡大写真 全体写真 リニアメント中央部の鞍部における剥ぎ取り調査の結果、リニアメント直下にリニアメントと斜交 する断層が確認された。この断層面は湾曲しており、傾斜方向に正断層センスの変位が認めら れ、内浦層群泥岩中で断層が殲滅していることから、古い断層であると判断した。 213 T3リニアメントの評価 第122回審査会合 p206再掲 【調査結果】 ○北端部(Loc.T3-1)でピット調査を行った結果、 密に割れ目が分布しているが、断層は認め られない。 Loc.T3-1 a 鞍部 Loc.T3-2 扇状地面 ○中央部(Loc.T3-4)で剥ぎ取り調査の結果、 リニアメント直下に、リニアメント方向と斜交 する正断層センスの断層が認められた。 沖積面 ○南端部(Loc.T3-3)でブロックサンプリングに よる変形組織の検討の結果、正断層センス を示す。 鞍部 Loc.T3-4 ○北部(Loc.T3-2)で現地踏査をした結果、破 砕帯は固結している。 b 扇状地面 固結した破砕帯や地質境界の不整合面 鞍部 を反映した組織地形であり、将来活動する 可能性のある断層は認められないと評価。 Loc.T3-3 c 低位段丘面 沖積面 0 100 200 鞍部や傾斜変換点などの特徴的 な地形は認められない。 300m 214
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