56号 2015 年(平成 27 年) 60 賃 金 を 増 や す こ と で て「生産性三原則」が となり、国民所得も増 員同様、パートタイマ ーにも教育訓練を実施 労働組合の使命 果たそう 産性に見合った賃上げ ー」では景気回復には 価が上がり家計を苦し 働組合の役割です。生 つながりません。現在 めています。 んでいく。 改善に積極的に取り組 ともにさまざまな処遇 し、時給の引き上げと 社員の要求と同様と し、高められた能力は は、実質経済成長に賃 「職場で仲間達がどれ を 追 求 し て い く こ と 処遇に反映されなけれ 生産性の向上に協力 金が追い付いていない だ け 頑 張 っ て い る か 」、 が、労働組合に課せら だけ求め、賃上げは 「ノ 状況です。さらに、物 経営側に伝えるのが労 れた使命といえます。 ばなりません。 2015賃金闘争 底力を発揮し要求貫徹を 大しました。生産性運 生産性運動は、第二 す。さらに、生産品の できました。 第一の原則は、「雇 動の成功例といわれま 次大戦後、戦災で打ち 価格も下がり、消費者 ひ し が れ た 西 欧 諸 国 にも利益となります。 用の維持拡大」です。 すが、労働組合の果た 国民運動として 始まる (第三種郵便物認可) 本でも1955(昭和 ることになります。 げる気持ちにはなれま 力を合わせて粘 短時間組合員等の処 向 け 、 統一賃上げ闘争(統 賃上げ闘争の交渉日程 末までに要求書を提出 し、ヤマ場へ向けて本 一闘争)では、Aグル も統一賃上げ闘争の日 遇改善についても、正 り強く交渉していこう。 生産性向上の進め方に 2000年以降、長 格 的 な 交 渉 が 始 ま っ ープが 日を解決目標 ついて、経営者が一方 期デフレやグローバル た。2015賃金闘争 (ヤマ場)とし、鋭意 産業の発展や国民所 せん。第二に、「労使 )年に日本生産性本 部が設置され、政府、 得、生活水準の向上を の協力と協議」です。 生「産性三原則」 を厳守 経営者、労働者のすべ 目ざした運動です。 てを含めた国民運動と してスタートしまし た。私は、日本生産性 的 に 決 め る の で は な 化、非正規雇用の増大 には、すべての加盟組 交渉を進める。とりわ く、労働者(労働組合) など、社会の変化のな 合が、①統一賃上げ闘 け、スト権の事前確立 本部の理事を務めてい 生産性運動には労使 も参加して、納得して かで、生産性を上げて 争(統一闘争)、②賃 組合は翌 日午前 時 の 協 力 が 不 可 欠 で す 進めることで、より効 も賃金に反映されない 上げ闘争、③①、②以 からのストライキを視 ① 雇用の維持拡大 という状況が続いてき 外の賃金闘争、④不参 野 に 入 れ て 交 渉 に 臨 さん 日、Cグループが カネボウ労働組合 福知山支部 山本 綾 香 ダイエーユニオン 三宮駅前店支部 日の第 は ました。しかし、働く 加組合のいずれかに登 む。また、Bグループ 仲間が、 つねに職場で、 録する(3月 生産性向上に励んでき たことに変わりはあり ません。 貢献しています。昨年 また、付加価値生産 の政労使会議では、私 性を上げるためには、 と八野正一副会長が出 「ここでしか得られな 流通・サービスの現 席し、「日本のサービ いサービス」を提供す 場では、パートタイマ ス生産性は外国と比べ るための人材育成が不 ーの方が仕事の根幹を て決して低くない」こ 可 欠 だ と 提 言 し ま し 担い、生産性の向上に とを訴えてきました。 た。そのためには正社 賃上げで 実感できる 景気の回復 10 ます。 産業の発展と 所得増大 ② 労使の協力と協議 ③ 成果の公正な分配 10 実質賃金の維持・向上を 生産性運動の目的を ひと言でいえば、労使 で生産性を向上させる サービス業の 生産性 労働組合が果たす役割大きい 生産性三原則 19 さん 「組合員の幸せの い。本当にメリット っているのか」と▼ ためにどんなことで があるのか」と怒り 専従になって 年。 ま で 加 入 し た く な 合員の幸せにつなが た。組合費を払って 「すべての活動が組 なくても困らなかっ と活動を振り返る。 ※上記のA、B、C、Dグループは統一賃上 げ闘争(統一闘争)登録組合。 で「いままで組合が 認をするなかで、ふ エーユニオン) 新井 美穂(UA ている。加入のメリ く環境の改善など言 ットを説明するなか 葉を尽くして同意確 ゼンセン中執・ダイ マーの組織化を進め 条件の維持向上、働 もらえるように。 併に伴いパートタイ 応はさまざま▼労働 て良かったと言って 在、子会社の吸収合 た」という人など反 年後、組合に加入し 話 す 言 葉 で す ▼ 現 と早く加入したかっ 践していきたい。1 育などの機会に必ず れて良かった。もっ が原点」の活動を実 す」。これは私が教 や、逆に「組合に入 りの声を聞き「職場 も す る の が 組 合 で を あ ら わ に す る 人 この機会に一人ひと 11 会長 3月10日 2015賃金闘争・統一地 方選挙“必勝”総決起集会 3月18日 Aグループ解決目標 3月19日 Aグループストライキ(ス ト権事前確立組合) 3月25日 Bグループ解決目標 3月26日 Bグループストライキ(ス ト権事前確立組合) Aグループストライキ(ス ト権事後確立組合) 3月31日 Cグループ解決目標 4月1日 Cグループストライキ(ス ト権事前確立組合) 5月31日 Dグループ解決目標 18 30 ( ) 3 2015年(平成27年)3月5日(木) 2854 56号 要求実現 強い絆で 一致団結 25 堀江 秀 和 2015賃金闘争日程 社会の変化の なかで 組合員の総意にもと で、経済再建のために 消費が増えれば生産量 雇 用 の 不 安 が あ っ た した役割は大きいとい 日を解決目標に交渉 程に準ずることとして づ く 要 求 を 大 切 に 、実 起こった運動です。日 も増加し、景気を上げ ら、一生懸命生産を上 えます。 2 0 1 5 賃 金 闘 争 2回中央闘争委員会で 質 賃 金 の 維 持・向 上 へ を進める(表参照)。 いる。 は、各組合が原則2月 確認)。 31 ( ) 4 (第三種郵便物認可) 2015年(平成27年)3月5日(木) 2854 56号 UAゼンセン 逢見 直人 (第三種郵便物認可) ( ) 2 生産性向上には働く者の協力が不可欠 公正な分配(賃上げ)を獲得しよう 2015年(平成27年)3月5日(木) 2854 56号 益を増大し、労働者の 運動の先輩達が提起し かで、日本は経済大国 が、当初、労働組合は 果が得られます。そし 賃金闘争がヤマ場を迎えるなか、各組合では、「生産性向上」に 慎重でした。頑張って て、三番目が「成果の 対する「公正な分配」を求めて、果敢な交渉が続いています。日本 少ない人数で生産を増 公正な分配(賃上げ)」 で「生産性運動」が始まって、ことしで 周年を迎えます。そこで、 やした結果、人員を減 です。 生産性運動の目的や意義について逢見直人会長に聞きました。 三原則を厳守し、健 らされたのではたまり ことにより、企業の利 ません。そこで、労働 全な労使関係を築くな 逢見直人会長に聞く 生産性運動60周年 2015 賃闘標語 優秀作品 2015 賃闘標語 優秀作品 (木) 5 3 発行人 松浦昭彦 編集人 石黒生子 繊維産業の安定と健全な発展に向け英知を結集 産業用 35% 日本の繊維製品は、非衣料用の産業分野において用途が拡大。 出典:日本化学繊維協会 UAゼンセン常駐 や納得を目ざして誠意 を持って団体交渉をし なければならず、会社 の回答や主張の根拠を 具体的に説明したり、 初任給の問題が義務的 など、誠実な対応をつ ていない新規採用者の 必要な資料を提示する 松﨑弁護士の労働法講座 団体交渉 (団交) の留意点 回 ①団交の法的地位 日 本 国 憲 法 条 は 分可能なもの」でなけ 必ずしも義務的団交事 るような態度はもちろ 「勤労者の団結する権 ればなりません。これ 項になりませんが、労 ん、十分な説明なく不 を解説します。 そのため、会社が合 交渉(団交)の留意点 遇または団体的労使関 らです。 係の運営に関する事項 また、会社の経営・ 意達成意思のないこと であって、使用者に処 生産に関する事項は、 を最初から明らかにす います。今回は、団体 の労働条件その他の待 重要な影響を与えるか する義務があります。 2015労働条件闘 働 組 合 の 要 求 事 項 が 団交事項になるのは、 うじて労働組合との合 争の交渉が本格化して 「組合員である労働者 それが組合員の賃金に 意達成の可能性を模索 第 4 利及び団体交渉その他 を、会社が団体交渉に 働者の職場変更を伴う 合理な回答に固執した 用)③海外展開の3点 永平寺サイジング株式 と定め、団体交渉を憲 務的団交事項」といい には、その影響の範囲 うな態度は、不誠実団 新規分野開拓(非衣料 と同じく福井県にある は、これを保障する」 事項という意味で、「義 条件に影響がある場合 質的検討に入らないよ て、①高付加価値化② 会長兼最高経営責任者 の団体行動をする権利 応じなければならない 経営事項のように労働 り、一般論ばかりで実 産業用 32% 新規分野を 開 拓 非衣料用に活路を見いだす UAゼンセン製造産業部門は2月 日、「2015年度繊維産業シンポジウム」を大阪 ガーデンパレス(大阪市淀川区)で開催し、加盟組合労使の関係者、政府・業界団体の関 思想が生かされ日本で 抜くための情報交換の 動車、電機、環境、航 JAPANし、繊維産業の安定と 使われる高機能な産業 つくられた製品である 場として、課題を共有 空宇宙などの各分野で ことを表す「 セン同盟時代に3回、 の周知とその発展に向 ることを願う」と、本 UAゼンセン製造産業 けて取り組みを進めて シンポジウムの趣旨を 用途別化学繊維ミル消費量の推移 らのことをふまえて団 交に臨みましょう。 者代表あいさつのなか のものづくりを支える 製品に対する海外バイ 金制度や各種支援制度 体制の構築などについ を正当な理由なしに拒 ルづくりなどが義務的 きます。 ≪プロフィール≫ 松㟢基憲(もとの り) 。 1998年、北海 オーミケンシOB 鈴木 正治 ◎団交の当事者が任意にテーマとして取り上げ る事項(団交の義務付けなし)…任意的団交事項 員の労働条 ど、会社が不誠実な態 などを経験後、弁護士 える場合に は、義務的 団交事項に 合に加入し 県支部にご連絡くださ ます。 ご利用ください。 例えば、 合は、タテ組合は部門 大・強化教育局で一括 まだ労働組 に、ヨコ組合は都道府 して受け付け、対応し なることが 法律に関する労働相 い。部門、都道府県支 あります。 談を希望される加盟組 部 を つ う じ て 組 織 拡 松﨑弁護士への労働相談について な影響を与 社は、労働組合の理解 ン常駐顧問弁護士。 条件に重要 禁止)。すなわち、会 年6月からUAゼンセ 合員の労働 います(不誠実団交の 了、司法試験合格。昨 関連し、組 とも法律で禁止されて 広島大学法科大学院修 2012年、 件と密接に 度で団体交渉に臨むこ を目ざす。 会社組織、管理者の人事、設備などの経営・生産に 関する事項などが該当。 ( ただし、労働条件その他の 待遇に重要な影響がある場合は、義務的団交事項と することができる) も抱えている。このよ 業政策のポイントとし の川田逹男代表取締役 決意を新たにした。 うに、UAゼンセンの ルーツでもある繊維産 業は構造不況産業と言 われて久しいが、これ までグローバル競争や 需要急減に伴う困難に 直面しながらも、事業 再編や多角化、M&A (企業の合併・買収)、 技術開発をつうじて粘 り強く生き残ってき た。その過程で従来の 衣料用途中心から、自 <団体交渉の対象となる事項> ◎使用者が必ず団体交渉に応じなければならな い事項…義務的団交事項 賃金、労働時間、 休日、休暇、解雇、懲戒、 配置転換等 の労働条件関連や、団体交渉のルールなどが該当。 し、企業数が減少、高 弱い) と言われている」 ある加盟組合企業でも に、参加者一同、繊維 団体交渉が法的に保 ません。しかし、非組 の、納得のいく説明を 道函館中部高校卒業。 齢化や事業継承の問題 と語り、今後の繊維産 あるセーレン株式会社 産業の活性化へ向けて 護されるためには、労 合員の労働条件が組合 し な い よ う な 場 合 な パート勤務や営業マン で「日本の繊維産業が 中間加工会社である産 ヤーの品質評価は非常 などの政策を打ち出し てその経験を学んだ。 むことを「不当労働行 団交事項です。 ③不誠実団交の禁止 一方、非組合員の労 本シンポジウムをつ 為」として禁止してい グローバル競争を勝ち 地の中小零細企業は、 に高い。一方、商品の ている。 団体交渉の拒否だけ 働条件は、原則として でなく、会社が団体交 企業経営者による基 うじて政・労・使が知 ます。 海外からの輸入品の急 企画提案力が弱い(コ 義務的団交事項になり 渉の場に出席したもの 増に伴って受注が減少 ミュニケーション力が 調講演では、福井県に 恵 を 結 集 す る と と も ②義務的団交事項 沖田政憲部門長は主催 続いている。繊維産業 課長は、「日本の繊維 海外展開の促進、補助 委託事業から独自販売 と団体交渉をすること 労使協議に関するルー 体交渉を行うことがで 団交となります。これ 来」。製造産業部門の により、厳しい状況が 産業局の寺村英信繊維 ション(購買促進)、 料分野への事業転換、 用する労働者の代表者 ニオンショップ協定や に応じる限りでは、団 としないことも不誠実 沖田製造産業部門長 政策」では日本の設計 値の創造を!産業資材 小、海外からの輸入品 ポジウムで基調講演を ち抜くために、国も日 企業の変革を起こした また、労働組合法7 懲戒、配置転換などの 団交事項でない事項で かわらず、協定書(労 用 途 が 拓 く 繊 維 の 未 の増加、低価格化など 行った経済産業省製造 本ブランドのプロモー のか、衣料用から非衣 条2号は、使用者が雇 組合員の個別問題やユ あっても、会社が任意 働協約)に調印しよう また、 催となる。2010年 ウムのテーマは「豊か 日本の繊維産業は、 繊維産業を巡る現状 をあげた。日本の繊維 会社の河合国昭代表取 法上の権利として保障 ます。労働の内容、環 で義務的団交事項にな 交に当たります。 境、賃金、また解雇、 ります。なお、義務的 合意を達成したにもか に策定した「繊維産業 な感性による新たな価 国 内 マ ー ケ ッ ト の 縮 と課題について、シン 産業が一丸となって勝 締役より、いかにして しています。 良質な日本製を志向 国内外の消費者は ら開催し、旧UIゼン つくり、繊維産業政策 らに進展する機会とな 生み出してきた。 この繊維産業シンポ 」という繊維産 健全な発展のために労 資材に使途を拡大し、 m.a.d.e ジウムは2011年か 業振興のための造語も 使共同の取り組みがさ 高い付加価値の製品を 繊維の未来テーマに 産業資材用途が拓く 性や繊維が秘める可能性などについて情報交換と課題共有を行った。 に着目するとともに、日本の繊維産業がグローバル競争を勝ち抜くために目ざすべき方向 率が拡大している「産業資材用途(カーシート、エアバッグ、フィルター、土木用など)」 係者など188名が参加した。今回の繊維産業シンポジウムは、繊維製品全体のなかで比 13 部門として2回目の開 きた。今回のシンポジ 説明した。 28 衣料用 21% 家庭・ インテリア 44% 衣料用 27% 家庭・ インテリア 41% 2012年 2005年 ( ) 4 (第三種郵便物認可) 2015年(平成27年)3月5日(木) 2854 56号 製造産業部門 2015繊維産業 シンポジウム ※ミル消費とは、化合繊メーカーの糸・わたの国内生産(出荷)から輸 出量を除き、海外からの糸・わたの輸入量を加えたものです。 防災は日ごろの備えから (第三種郵便物認可) ( ) 3 2015年(平成27年)3月5日(木) 2854 56号 パネルディスカッションでは、製造産業部門の林憲治事務局長 がコーディネーターを務め、櫻井明広繊維加工業種委員長と基 調講演者が企業の新事業開拓などについて意見交換を行った ( ) 2 (第三種郵便物認可) 2015年(平成27年)3月5日(木) 2854 56号
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