2015年3⽉2⽇ ⽇本株ファンドマネージャーの視点 『円⾼でも⽇本株が上がる⽇』 ※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。 幾度となくチャレンジしても抜くことの出来なかったTOPIX(⽶ドルベース)の12.5ポイント⽔準を先週よ うやく抜けてきました。これにはどの様な意味があるのかを考えてみます。私が以前書いた“CLOSEUP REP ORT〜外から⾒れば世界が変わる!〜”においても指摘したように、単に円安によるメリットで直接恩恵を受ける輸 出企業だけが評価されたわけではなく、内需・外需企業問わず多くの⽇本企業がROEを意識し始め、それが株主還 元へつながり、指数の底上げに⼤きく寄与している事が背景にあると考えられます。つまり本当の意味で⽇本株が評 価され始めていると⾔えるのではないでしょうか。 では今後どこまで指数は上昇するのでしょうか?まず、TOPIX(⽶ドルベース・短期)のチャートから⼆段上げ をイメージすると(12.5-9)+11=14.5ポイントの⽔準が予想できます。私はよく相場の⽅向性と上昇 幅を考える時に短期と⻑期の両⽅のチャートを眺めてイメージするようにしていますが、更に⻑期のTOPIX(⽶ ドルベース)チャートを眺めると20ポイントを⾼値として、だんだんと上値の⽔準が切り下がっている事がわかり ます。今回も同様に少し切り下がると考えると、15ポイントの⼿前の14.5ポイントが⻑期のチャートからも読 み取ることが出来ます。そして、この⻑短チャートからイメージ出来る14.5ポイントがどの様な時に達成できる のかを考えてみます。⼀つの組み合わせとしては、円ベースのTOPIX=1650ポイントと1⽶ドル=113. 80円の時に達成できる計算になります。この円ベースのTOPIX=1650ポイントは今後のTOPIXの予想 EPS=110円に15倍を掛けた⽔準になります。予想EPS=110円は今の円安、原油安、法⼈税減税、企業 のROE意識の⾼まりによるEPSの向上などから⼗分実現の可能性は⾼いと思います。 また、今後のTOPIXは先週末が1523.85ポイントですので約8%のアップサイドということになりますが、 ⽶ドルベースのTOPIXでは先週末が12.75ポイントですので、14.5ポイントまで上昇すると約14%の 上昇となります。若⼲の円⾼により円ベースのリターンと為替のリターンをダブルで享受できることになります。外 国⼈投資家にとってTOPIXへの投資は魅⼒ある投資先になると思います。 最後に、本当に今後円⾼に向かうのでしょうか、そして円⾼に向かったときにはたしてTOPIXは上昇するのかを 考えてみます。まず、円⾼の可能性ですが今後はいくつもの円⾼要因が出てくることが予想できます。 ①貿易収⽀の⿊字転換、②⽶国企業の⽶ドル⾼による業績への悪影響の顕在化、③円安⽔準定着による⽇本の輸出企 業の⼀部国内回帰、④⽇⽶共に慎重な⾦融政策、などが挙げられます。では円⾼時に⽇本株は上昇するのでしょう か?私は輸出業種以外の業種により⼗分指数を上昇させる⼒はあると思います。たとえ⼩幅な円⾼になっても⽇本企 業がROEを意識し始め、それが株主還元へつながるという⼤きな流れは変わりません。変わらないどころか今後さ らに加速することが予想されます。今まさに円⾼でも⽇本株が上がる⽇が近づいていると思います。 TOPIX(⽶ドルベース・短期) 14 (2011年3⽉4⽇~2015年2⽉27⽇) (1971年3⽉末~2015年2⽉末) 25 20 12 15 10 10 5 8 11年3⽉ TOPIX(⽶ドルベース・⻑期) 0 12年3⽉ 13年3⽉ 14年3⽉ 71年 81年 91年 01年 11年 出所:Bloomberg 株式運⽤部 ⼩出 修 ■当資料は情報提供を⽬的として⼤和住銀投信投資顧問が作成したものであ り、特定の投資信託・⽣命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するもの ではありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成 しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当 資料に記載されている今後の⾒通し・コメントは、作成⽇現在のものであり、 事前の予告なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運⽤実績等 に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運⽤成果等を約束する ものではありません。■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動 等を保証するものではありません。 大和住銀投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号 加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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