別添資料② SceneⅣ COOL JAPAN DESIGN GALLERY 伝統と革新がもたらす“クールジャパンダイニング” 佐藤オオキのデザイン × 匠の技 四季折々の食材や料理を際立たせて、食卓を彩る和食器は、日本の奥深い食文化を支える大切 な要素の一つです。例えば、日本料理店では季節の食材と相まって、その時期に合わせた食器を 使いながら食を演出します。青竹やガラスといった涼やかな器は夏に、温もりのある厚手の土も のは冬に。漆器や陶磁器は、梅、桜、菊、紅葉、雪といった季節を象徴するモチーフが描かれま す。日本人にとって、料理とは食べ物であると同時に、四季を美しく表現する手立てでもあり、 目で見て楽しみ、味わって楽しむという演出を通じて日本の食文化を表現します。こうした食文 化を支える和食器に活かされている匠の伝統の技は、その土地その土地によってオリジナリティ 溢れる発展を遂げており、世界に類を見ない多様性を有しています。これらの和食器一つ一つに はこれらの多様性を大切にし、職人たちの精神を受け継ぎながら、他方で新しい感性で常に進化 し続ける若きクリエーターたちの挑戦やモダナイゼーションによって発展していく、温故知新の 精神を“クールジャパンダイニング”として表現しました。 この展示ゾーンは、空間から食器に至るまで、米 Newsweek 誌「世界が尊敬する日本人 100 人」 に選出された日本のトップデザイナー佐藤オオキ氏によって、トータルにデザインプロデュース されたギャラリー空間です。その中で、日本各地の伝統的工芸品の匠たちが生み出した様々な和 食器を、伝統の技を継承し発展させる“クールジャパンダイニング”として世界に発信していき ます。現在、作品は鋭意制作中で、2015 年 3 月末に東京で作品発表を行う予定です。 【COOL JAPAN DESIGN GALLERY デザイナー】 佐藤 オオキ デザインオフィス nendo 代表 1977 年カナダ生まれ。2002 年早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻終了後、デ ザインオフィス nendo を設立。建築、インテリア、プロダクト、グラフィック、エ キシビション等、幅広い領域で活躍する日本のトップデザイナー。エルメス、ルイ ヴィトン、バカラなど海外クライアントも多く、ミラノサローネには 2003 年より参 画。Wallpaper*誌をはじめとする世界的なデザイン賞を数々受賞。MoMA(米)や V&A 博物館(英)など世界の主要美術館に多数の作品が収蔵される。 【デザインコンセプト】 定の伝統的工芸品の 技術を したプロダクトを新たにデザインし、その全てを「黒」 で統一しました。空間もまた黒一色にすることで「陰翳礼賛(谷崎潤一郎著)」の中で「 あいも、あれを り物の としお 器に れて、 の色が うじて見 けられる がり 的になる。」と べられているように、色彩 性や職人の い技術 を に か の色 めると、 を り くことで、 感の多様 がらせます。陰影の中でこそ研ぎ澄まされる感覚世界が 生み出す、日本文化特有の美意識が感じられる展示を目 します。 1 【展示イメージ】 「食卓」をモチーフに、大きく傾斜した展示台に列品。来場者が全体を俯瞰して見る事がで きます。 【展示品】 展示品の産地及 工房を選定するにあたっては、経済産業大臣に「伝統的工芸品」として 定 を受けた産地、およ 定伝統的工芸品の 技術・技法が使われた工房に限定いたしました。 工芸品は「 の美」ともいわれ、長い時間多くの人の目や手に触れることで、使いやすさや完成 度が向 します。大きさや形も とつ とつが人の手に触れることになるので、人間工学的にも 妥当な寸法や形状になり、安定性も備えます。 「伝統的」とはおよそ 100 年以 の継続を意味し、 長い間吟味された、人と自然にやさしい材料が使われ、一定の地域である程度以 の規模の 者があり、地域産業として成立していることが求められます。今回佐藤氏が挑戦したのは、その 中の 12 産地 16 品目。世界を股にかけるデザイナーの感性と伝統の技が響き合い、かつてないギ ャラリー展示となります。 品目 伝統的工芸品 産地 ぐい吞み 伊万里・有田焼 佐賀県 碗、小鉢 薩摩焼 鹿児島県 大州和紙 愛媛県 五十崎社中㈱ 常滑焼 愛知県 とこなめ焼協同組合 東京都 山田嘉丙 皿 コースター 調味料 れ 江戸 物 工房 ㈱源右衛門窯 お茶碗屋つきの虫 ロックグラス 江戸切 東京都 鉄瓶・マグカップ 山形鋳物 山形県 木本硝 田島硝 根本硝 ㈱雅山 大館曲げわっぱ 秋田県 ㈱大館工芸社 西陣織 京都府 ㈱細尾 山中漆器 石川県 ㈱大島東太郎商店 岡銅器 富山県 ㈱ 福井県 ㈱マツ勘 箸立・楊枝立・箸置 ランチョンマット 椀 カトラリー 箸 若狭 2 田 ㈱ 作所
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