Newsletter#4 Japanese - Science & Technology Office Tokyo

スイス連邦工科大学ローザンヌ校
EPFL
Dean of International Relations
Stephane Morgenthaler
CH-1015 Lausanne
Fax
E-mail :
Web:
+4121 693 58 65
[email protected]
http://www.epfl.ch
EPFL News
EPFL 率いるヒューマンブレインプロジェクトが史上最高額の科学研究助成金を獲得
このたび、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)と Henry Markram 氏率いるヒューマンブレインプロジェクト(Human Brain Project:
HBP)が、未来科学技術(FET: Future and Emerging Technologies Initiative)フラッグシップ・プロジェクトを獲得しました。これにより、欧
州で最大かつ最も意欲的と言える脳に関するプロジェクトが、今後 10 年間で史上最高額の科学研究助成金 11.9 億ユーロを受けることに
なります。今回のプロジェクトでは、高度な能力を備えるスーパーコンピューターを用いて、ヒトの脳および脳回路全体のモデル化、シミュレ
ーション等を行う予定であり、私たちの神経系への理解を深めてくれるものと期待しています。また、このプロジェクトにより、神経学の研究
や神経疾患へのアプローチに革命がもたらされることが期待されるだけでなく、プロジェクトの多くの部分でコンピューターを用いた研究が展
開されるため、今後、コンピューター科学、神経情報学、神経ロボット工学等にもその成果が期待されています。
ヒトの脳は、その重さが一般的な砂糖一袋と同じくらいで、わずか 15 ワットの電球と同等のエ
ネルギーで驚くほど効率的に稼動します。また、ヒトの脳はこの世界で最も複雑な情報処理装
置であることが知られています。Markram 氏のチームが最初に掲げる目標はヒト脳を再構築
することにありますが、その膨大なサイズを考えると、脳のマッピングは不可能に近いタスクか
もしれません。同氏はこう説明します-「脳のほんの一部分、点ほどの大きさの領域に 3000
もの経路が存在します。これは、3000 本の道がある街のようなものです。こういった 22 の経
路をマッピングするのに、これまで 20 年もの歳月が費やされています。」そこで同氏のたどり
着いた解決法が、「モデル化」なのです。その実現にあたり、この巨大なパズルを再構築する
重要なツールとして、ヒト脳のシミュレーションが行われようとしています。
Henry Markram 氏
欧州では毎年数千億ユーロが自閉症やアルツハイマー病といった疾患に対し費やされていますが、このような医学分野においてもヒューマ
ンブレインプロジェクトの取り組みや成果は非常に有効であり、今後これら疾患に対する理解を深め治療法を開発していくにあたって一歩踏
み込んだ研究を可能にしてくれるものと考えられます。その一環として、本プロジェクトでは今後世界中から臨床データを収集し、それらを用
いて“疾患を示唆する生物学的なサイン”を検出することにより、健康な脳と疾患を持つ脳の違いの見極めを可能としていくために役立てて
行きます。また、このプロジェクトで得られた膨大なデータをもとに疾患の治療法に関するシミュレーションおよびテストが実施され、それによ
り新しい治療法の模索が可能になるだけでなく、研究プロセス全体が革新され、当該分野の発展を大きく加速してくれるものと期待されてい
ます。
コンピューター処理に関しては、ヒューマンブレインプロジェクトでは新規のコンピューターシステムの開発
を目指しています。現在、コンピューターによる演算は「電力の壁」と「信頼性の壁」に直面しており、従来
型にはない膨大な処理ユニット数を備えたコンピューターを構築しようとした場合、たちまち電力消費量が
上昇してコンポーネントの故障率を上げ、結果的に管理不能なレベルに達してしまう可能性があります。
そのため、新世代のコンピューターパラダイム、特に脳の構造から着想を得たコンピューターパラダイムが
強く求められています。新しいシステムでは、エネルギーの効率性・信頼性や、非常に複雑なコンピュータ
ーシステムのプログラミングに伴う様々な困難等、今後のコンピューター技術が直面するであろう重要な
問題に取り組むため、脳に関する詳細な知識を利用して行くことになります。
ヒューマンブレインプロジェクトは、脳疾患に対するより高い次元の診断・理解・治療を可能にしてくれると
ともに、今後、脳に着想を得た新たな情報・通信技術、脳の構造・機能に対する多次元にわたる理解の飛
躍的な発展をも可能にすると期待されます。また、このプロジェクトが与える世界の科学・産業・経済・社会
へのインパクトも非常に大きいと考えられ、EPFL 率いるこの革新的なプロジェクトが大きな成功につなが
ることが期待されます。
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卖一ニューロン © Blue Brain/HBP
EPFL News
バイオニックハンド(生体工学義手)により上肢切断者が触覚をリアルタイムに実感
Dennis Aabo Sørensen 氏は、上腕神経に接続した義手で「リアルタイ
ム」に豊富な感覚情報を感じることを経験した世界で初めての四肢切断
者となりました。この義手により Sørensen 氏は直接モノを握ることがで
き、目隠しをした状態でも何に触れているかを特定することができました。
9 年前に事故で左腕を失ったデンマークの Dennis Aabo Sørensen 氏。
彼は、上腕神経に外科的に接続した感覚増強義手で感覚情報を「リア
ルタイム」に感じることに成功した、世界初の四肢切断者です。
Sørensen 氏が「手にモノを握る感覚」を再び感じることを可能にしたこ
の画期的な感覚フィードバック技術 は、Silvestro Micera 氏率いる
EPFL Center for Neuroprostetics(EPFL 神経補綴センター)のチーム
とイタリアの Scuola Superiore Sant’Anna(SSSA)により開発されまし
た。生体工学技術によって作製されたこのプロトタイプは、2013 年 2 月、
ローマの Gemelli 病院にて Paolo Maria Rossini 氏の監督のする臨床
試験においてテストが行われました。この臨床試験は「Lifehand 2」という欧州の複数の大学および病院による共同研究プロジェクトにて実
施され、その成果が『Science Translational Medicine』誌 2014 年 2 月 5 日号に掲載されました。
「この感覚フィードバックには非常に驚きました。9 年以上も感じることのできなかった感覚を感じることができたのです。」と 36 歳のデンマー
ク人の四肢切断者は述べています。研究室でのテスト環境下において、目隠しと耳栓をした状態で Sørensen 氏は自分がどの程度の力で
ものを掴んでいるかを感じることができ、また義手で掴んだ物体の形や硬さを感じ取ることもできました。「ものを掴んだとき、それが柔らかい
のか硬いのか、丸いのか四角いのかを感じ取ることができました。」
電気信号から神経インパルスへ
Micera 氏率いる研究チームは、触覚情報検出センサーを搭載することによって
人工義手を進化させました。まず、手指の動きを制御する人工腱内の張力を測定
し、その値を電流へ置換することを試みましたが、神経系への情報伝達をするに
はこの電気シグナルは粗雑すぎるものでした。そこで研究者らは、コンピューター
アルゴリズムを利用してこの電気シグナルを感覚神経が解釈できるパルスに変換
し、それによって Sørensen 氏の体内に温存されていた上腕神経に外科的に埋
め込まれた 4 つの電極にデジタル化した精密なシグナルを送信することが可能と
なり、Sørensen 氏は触覚を得ることができました。
「感覚フィードバックが修復され、それが四肢切断者におけるリアルタイムの人工
義肢制御に使用されたのは、神経補綴学の分野において初めてのことです」と、
Micera 氏は語っています。
この研究結果を発表した論文の第一著者で、EPFL および SSSA の研究者である Stanisa Raspopovic 氏は「当初は、Dennis 氏の神経の
感受性が低下していないか、とても心配でした。9 年間も使用されていなかったのですから」と、話しています。しかし、Sørensen 氏の触覚を
見事に再活性化することに成功し、この懸念は払拭されていきました。
神経への電極の接続
2013 年 1 月 26 日、Sørensen 氏はローマの Gemelli 病院で手術を受けました。Paolo Maria Rossini 氏率いる外科医や神経科医から成
る専門グループにより、Sørensen 氏の左腕の尺骨および正中神経に、いわゆるトランス神経電極が埋め込まれました。19 日間にわたる予
備テストの後、Micera 氏率いるチームは、義手を電極に―すなわち Sørensen 氏本人に―接続し、一週間の間毎日装着しました。
このような極微弱電気シグナルを神経系に直接伝達する技術は、ドイツのフライブルク大学の Thomas Stieglitz 氏の研究グループが開発
した極薄高精度電極により可能となりました。術後瘢痕組織の形成後もこの電極が正常に機能するよう、これまでに膨大な予備研究が実施
されています。今回のように電極が四肢切断者の末梢神経系に横断的に埋め込まれるのも初めての試みでした。
初めての感覚増強人工義肢
感覚を増強させる補綴物(義肢)が市場に出回るのはまだ数年先の話であり、SF 映画に登場するようなバイオニックハンドの実現もさらに
遠い未来の話ですが、今回の臨床試験は、バイオニックハンドの実現に向けた第一歩となったと言えます。
次のステップとして求められているのは、携帯補綴物の実現に向けて感覚フィードバック電子機器を小型化することです。また、触覚感度、
手指角度をはじめとして、運動に関わる認識力の向上を目指し、感覚技術を向上させるためさらなる微調整が行われる予定です。
試験開始から 1 ヶ月後、臨床試験上の安全性に関わる制約のため Sørensen 氏の腕から電極が除去されました。しかし研究者らは電極を
埋入したままでも神経系を損傷することなく何年も使用することができるとの前向きな見解を示しています。
EPFL コンピューター・コミュニケーションサイエンス学部長がスイス国立科学財団代表にノミネート
2013 年 1 月 1 日、 EPFL コンピューター・コミュニケーションサイエンス学部の学部長であり、オーディオビジ
ュアル・コミュニケーションの教授でもある Martin Vetterli 氏がスイス国立科学財団(SNSF)代表に 3 年の任
期で就任しました。Vetterli 氏は今回応募のあった数千人の中でも卓越した実績を持つ研究者であり、スイス
の研究事情に深い造詣があります。「スイスは SNSF を通じて質の高い研究の助成を行うことにより、自国の
将来に堅実に投資しているのです」と同氏は強調し、さらに「このような権威ある中枢機関を率いることに、ま
たスイスの卓越した研究の伝統を引き継いでいくことに誇りを感じています」と述べています。
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EPFL News
科学技術分野でトップクラスの高等教育を提供し続けるスイス
スイス連邦工科大学は、欧州の科学分野でのトップ大学に今年もランクインしました。上海交通大学による世界大学ランキングにおける
EPFL の総合得点はさらに上がり、ケンブリッジ大学の得点に近付いてきています。
ランキング
2012
大学
国
スコア
2011
スコア
2012
1
ケンブリッジ大学
英国
73.8
73.8
2
スイス連邦工科大学ローザンヌ校
スイス
71.8
72.8
3
インペリアルカレッジ・ロンドン
(理学部、工学部、医学部)
英国
70.3
71.9
工学&コンピューター科学分野に
おける 2012 年国際大学ランキング
4
マンチェスター大学
英国
66.9
65.6
工学/技術&コンピューター科学
分野における欧州大学ランキング
5
スイス連邦工科大学チューリッヒ校
スイス
64.4
64.5
http://www.shanghairanking.cn/
今年のタイムズ誌の高等教育国際総合ランキングではスイスの 6 大学が世界のトップ大学 150 位内にランクインしましたが、これは人口わ
ずか 800 万人の国にとって驚くべき快挙と言えます。このような評価は、スイスの教育が優れていることに加え、この優れた教育システムが
スイス経済を支える中心的な柱の役割を果たしていることを示しています。
大規模公開オンラインコース(MOOC):欧州圏内の大学では EPFL が初参加
Coursera の一流パートナー陣に、EPFL も参入しました。スタンフォード大学からのスピンオフ企業が提供している Coursera は、すでに 70
万人を超える学生が注目しているオンライン型の学習プラットフォームです。 2012 年 7 月、Coursera は設立メンバーであるスタンフォード
大学、プリンストン大学、ミシガン大学、ペンシルバニア大学の 4 大学に加え、新たにコンテンツを提供することになった 12 機関を公表しまし
た。EPFL もそれら名だたる 12 機関の 1 つとして名を連ねています。「国際的な知名度を高めるという点から、大変優れたプラットフォーム
です。我々も、たとえばアフリカ諸国のフランス語圏を対象にした基礎コースの設置など、独自の役割を果たしていけると思います。」と、
EPFL の Martin Vetterli 学部長は語っています。 EPFL の Patrick Aebischer 学長はこのプロジェクト開発に向け、2013 年 7 月から 6 か
月間サバティカルを取得しました。
EPFL 発のスピンオフ企業が Apple に対する特許訴訟で勝訴
EPFL から生まれたスピンオフ企業である Smartdata は、2000 年代始めに開発し特許を取得したシステムに関する訴訟において Apple 社
に勝訴しました。この技術を利用することにより、ユーザーはテレビに接続された機体を携帯電話から操作することが可能となります。この機
能は、iPhone と Apple TV Box システムでも活用されています。
Jean-Pierre Buttet 氏がこのシステムのプロトタイプを開発した時、その技術に関心を示した大手電気通信企業は Nokia、Sony-Ericsson
など、ごく尐数の企業に限られていました。10 年後の現在、この技術は Apple 社のベストセラー製品の中核をなしています。本訴訟は 1 月
28 日に終結し、Apple 社はこのスイス企業への補償に合意しました。
Switzerland
2013 年の「出生地に選びたい国」第 1 位はスイス
スイスがイノベーション分野で第 1 位を保持
Economist Intelligence Unit(EIU)の発表した QOL(Quality of
Life:生活の質)指標によると、2013 年の出生地に選びたい国第 1
位はスイスでした。同指標は富、犯罪、家庭生活、政府への信頼、
経済の安定性など、11 項目について実施した人口調査に基づいて
おり、2 位以降にはオーストラリア、ノルウェー、スウェーデン、デン
マークが続きました。健康、裕福さ、公共機関の信頼性によって国を
評価しているため、フランス(26)、ドイツ(16)、英国(27)など、欧州
の通貨危機のあおりを受けていると感じている欧州諸国は、順位が
低くなっています。1988 年には米国が第 1 位で、第 2 位以降にフラ
ンス、西ドイツが続いていました。
国 際 ビ ジ ネ ス ス ク ー ル INSEAD お よ び 世 界 知 的 所 有 権 機 関
(WIPO)の発表した 2012 年グローバルイノベーションインデックス
によると、スイスはイノベーション分野における総合成績で 2 年連続
第 1 位を獲得しました。
報告書では、スイスの科学教育の質の高さ、技術基盤、産学の密
接な連携、貿易の活力が強調されています。
2012 年グローバルイノベーションインデックスランキング
国
研究開発予算:スイスは第 3 位
政府予算の研究開発費への歳出は、27.70 億スイスフラン(2000
年)から 46.39 億スイスフラン(2010 年)へと増加しています。その
額は全政府予算の 2.39%を占め、国際間の予算比較でもスイスは
第 3 位となっています。スイスより政府研究開発予算の割合が高い
国は、韓国(3.02%)と米国(2.42%)のみとなっています。
3
2012
2011
スイス
1
1
スウェーデン
2
2
シンガポール
3
3
フィンランド
4
5
EPFL-Japan
日本の有力企業が EPFL に研究センターを設立
2012 年秋、日本最大級の材料メーカーである日東電工株式会社が、スイスの
ローザンヌにある EPFL イノベーションパークに研究開発センターを設立しまし
た。 「 日 東 電 工 欧 州 技 術 セ ン タ ー ( NET : Nitto Denko Europe Technical
Centre)」は日本、米国、シンガポールに既に設立されている同社の研究開発
センターのひとつで、バイオ系材料に特化した研究を推進しています。アジア
の代表的企業の初参入により、また一つイノベーションパークの国際的な魅力
が増えたことになります。
日東電工株式会社としては、スイス連邦工科大学ローザンヌ校との産学ネット
ワークを活用することにより、研究開発能力の向上を図ることが可能となります。
そのため、この特殊材料開発のリーダーである大阪の大手化学系企業は
EPFL のイノベーションパークに日東電工欧州技術センター(NET)を設立しました。日東電工はすでに欧州に研究チームを擁しており、
2005 年にはベルギーの Genk に工業用接着剤バンドを始めとするさまざまな自動車産業用の材料に特化した研究所を設立しています。同
研究所からこの研究チームが独立し、EPFL キャンパスの一角に研究開発センターとして移転してきたことになります。
2
5 人の研究者によりその活動が開始された、このローザンヌに拠点を置く 440m の面積を持つ研究開発センターは、その後の 5 年間で研
究者数を 4 倍に増加する見込みです。同センターの目標は、生命科学と環境科学分野、特にバイオ系材料の開発における可能性の模索と、
新規分野における研究機会の創出です。また、設立当初から、EPFL の Jeffrey Hubbell 教授(Institute of Bioengineering)との共同研究
がすでに始まっています。この新しい研究開発センターは「ニッチエリアのトップ」集団の一員となり、これにより日東電工は欧州における新
たなニッチ市場の創出と開発を手がけることになります。
「このような有力企業をアジアから迎えることは、我々にとって新天地を切り開く非常に貴重なチャンスです」と EPFL イノベーション・技術移
転担当副学長である、Adrienne Corboud Fumagalli 氏は語ります。「これは、あくまで最初の事例に過ぎず、さらなる企業の参入を期待し
ています。」
2010 年当初、イノベーションスクエアとして創設された現在のイノベーションパークは、大企業で働く研究者らに研究の場を提供することを
通して、産学協力を促進しています。 他にも Nestlé、Credit Suisse、Logitech、PSA Peugeot Citroën といった企業がイノベーションパーク
に研究開発チームを設置しています。
ビューファインダーに映る奇病
2013 年 11 月、EPFL の Johan Auwerx 教授が共同設立者である
Mitokyne 社が日本のアステラス製薬と 4’500 万ドルにのぼる研究契約
を締結しました。Mitokyne 社は米国マサチューセッツ州ケンブリッジの
MIT 近くに拠点を置く企業で、ミトコンドリアの機能に影響を及ぼす希尐
疾病治療のための分子開発に力を入れています。
「細胞の発電所」という異名からも分かるように、ミトコンドリアは生物の
代謝において重要な役割を果たしており、さらには老化のプロセスや筋
肉の機能にも関与しています。
EPFL の 統 合 シ ス テ ム 生 理 学 研 究 室 ( Laboratory of Integrated
Systems Physiology)は、こうした細胞小器官の研究に特化しています。
本研究室のディレクターである Johan Auwerx 教授は Mitokyne 社の共同設立者の 1 人であり、この企業が目標として掲げているのはこう
したミトコンドリアをターゲットとした治療用分子の開発です。Johan Auwerx 氏は、3 人の卓越した研究者-MIT の Bob Horwitz 氏(ノーベ
ル賞)、カルフォルニア大学バークレー校の Andrew Dillin 氏、 ソーク生物学研究所の Ron Evans 氏(ラスカー賞)と共に同社を設立しまし
た。同社はミトコンドリアの機能障害に関連する奇病を主な課題としています。
非常に稀な事例から、世界的規模の研究へ
Johan Auwerx 氏によると、「ミトコンドリアおよびミトコンドリアに関連する希尐疾患への関心は、より一般的な疾患の治療薬の開発に対して
も非常に興味深い見方をもたらすものとなります」。今やベストセラーとなっているコレステロール降下剤も、似たような経緯で開発されました。
「スタチン系薬剤は当初、症状の激しい非常に稀な高コレステロール血症の治療のために開発されたのです」と同氏は語ります。「その後、
症状の軽い同様の疾患にも処方されるようになり、この薬の売上高は現在 350 億ドルにものぼります。」
Mitokyne 社の目的はミトコンドリア関連疾患との闘いです。このような疾患は、失明、失聴、慢性的な筋力低下、神経疾患の原因となる可能
性があります。「こうした重度の疾患に対する治療のために我々が開発する分子は、より軽度な疾患、もしくは老化に伴って発症する緑内障、
聴力損失、サルコペニア、アルツハイマー病、パーキンソン病などにも有効である可能性が高いのです」と Auwerx 氏は推測します。こうした
アプローチのもうひとつの利点は、奇病を対象とした薬物開発においては規制が緩やかであるため、一般の薬物より速やかな開発が可能な
点です。
7.75 億ドルへの道
こうした新分子の迅速な開発は、大型投資家、すなわち日本のアステラス製薬からの注目を集めています。アステラス製薬との研究契約が
発表された時点では、Mitokyne 社は 2013 年 10 月はじめに正式登録を済ませたばかりでした。 Mitokyne 社は最初の 5 年間の資金として、
アステラス製薬から 4,500 万ドルの投資を受けています。
この期間内に Mitokyne 社が目標とする分子 3 種類の開発に成功した場合、同社はアステラス製薬によって最大 7.3 億ドルで完全に買収
されることが、すでに合意されています。「弊社の外部への『出力』の道を確立することで、資金調達、ひいては株式市場へ上場する時間とエ
ネルギーの浪費を避けることができます」と Auwerx 氏。「これは、ベンチャー企業への全く新しい形の資金投資の形です。最初から企業発
展の全般的な見通しを立てられるだけでなく、投資家にとっても一種の保証となるのですから、非常に魅力的なモデルです。」
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EPFL-Japan
文化とサイエンスの架け橋となる EPFL の実験的パビリオン
- 官民のパートナーシップによりサイエンスとアートを「ひとつ屋根の下」へ -
2012 年、日本の隈研吾建築都市設計事務所はチューリ
ッヒの Holzer Kobler Architekturen 社と共同で、EPFL
の Cosandey 広場を開発する建築デザインコンペティショ
ンに優勝しました。彼らのプロジェクト「Under One Roof」
により、芸術・科学の実験空間と実演パビリオンが、モント
ルー・ジャズ・ラボの石づくりの長屋根の下でひとつになり
ます。スイス連邦政府は、3000 万スイスフランにおよぶ
プロジェクト資金の半分を Gandur 芸術財団を始めとする
民間パートナーとともに提供する予定です。
「このようなインタラクティブ・ラボの創設の場に参加でき
ることを、大変嬉しく思います。これからの美術館は、展示品の数よりも、インターフェースや体験、教育にさらに投資できるようにすべきで
す。」と、2010 年に Gandur 財団を設立した Jean Claude Gandur 氏は言っています。
EPFL におけるサイエンスと文化の架け橋となるため、大学キャンパスの Cosandey 広場全体に新たな「バックボーン構造」が展開される予
定です。この屋根のデザインは、隈研吾建築都市設計事務所と Holzer Kobler Architekturen によって手がけられています。 2012 年始め、
隈研吾氏はパビリオンデザインを専門とする国際的建築家 12 人が応募した EPFL での公開コンペティションで優勝しました。同氏は、日本
と中国の数々の美術館におけるプロジェクトをはじめ、フランスのマルセイユ現代美術センター( FRAC)のデザインも手がけています。
Cosandey 広場開発のためのコンペティションにおける当初のアイディアは、異なる機能を持つ 3 つのパビリオンを Cosandey 広場に建設
するためのデザインをするというもので、パビリオンはそれぞれ EPFL のプレゼンテーション空間、美術館の未来空間を演出する開発専用
空間、そして新たなタイプのマルチメディアスペースとしてのモントルー・ジャズ・ラボとしての機能を持ちます。
「我々が提案したかったのは、この 3 種類のパビリオンをひとつ屋根の下にまとめることでした。ですから、プロジェクト名も『Under One
Roof(ひとつ屋根の下』』としたのです」と隈研吾氏は語っています。
意図のある建築 -それぞれのパビリオンに役割に応じた際立った個性-
2
• モントルー・ジャズ・ラボ(1,400m ):Cosandey 広場の单に位置し、モントルー・ジャズ・カフェとステージ付きシアター/コンサートホールが
併設。 EPFL メタメディアセンターと EPFL+ECAL Lab が共同開発した革新的な実験デバイスにより、来訪者が世界的に名高いモントル
ー・ジャズ・フェスティバルの過去 50 年分のコンサートを追体験できるようになっています。
2
• アート&サイエンスパビリオン(1,100m ):未来的な空間演出デザインの場として考案された新しい実験的ラボ。自動制御照明、拡張現実、
視標追跡装置などにより、来訪者は前例のない美術館体験を堪能することができます。このパビリオンでは年に 2 回、空間演出展示会が開
催され、Gandur 芸術財団の芸術資産やその他スイス国内外のコレクションが教育を目的として展示される予定です。またこのパビリオンで
は、各種の芸術制作を行う人々を一定期間招聘し、滞在しながら作品制作を行うプログラム「artists-in-residence」が行われる予定です。
2
• 実演パビリオン(550 m ):1969 年の設立当初からの、EPFL 発の技術・発明のプレゼンテーション空間。また、このパビリオンには年間を
通じて大学を訪れるスイス国内外からの代表団を受け入れる際に用いる会議室が併設されます。
モントルー・ジャズ・フェスティバルにルーツを持つ
モントルー・ジャズ・ラボとモントルー・ジャズ・カフェ創設の背景には共通のコラボレーティブ・スピリッツ(協同的精神)が流れており、「Under
One Roof」プロジェクトにはそれらを組み合わせたモントルー・ジャズ・フェスティバルの DNA の真髄が凝縮されています。まず、EPFL と
Montreux Sounds 社の提携の下、 Audemars Piguet 社と Ernst Göner 財団の協力を得てモントルー・ジャズ・フェスティバルの素晴らしい
アーカイブのデジタル化が行われました。次に、モントルー・ジャズ・カフェでは 2008 年に着想された「モントルー・ジャズ・フェスティバルの体
験を世界へ」というコンセプトに基づき、そのくつろいだ空間における音楽・デザイン・食事といった要素の組み合わせに成功しました。「この
新しいカフェの大きな魅力は、コンサートの音楽や映像を追体験できる雰囲気と実験環境の創出が可能となり、さらにこのような体験を世界
中のカフェに輸出することができるという点にあります」とモントルー・ジャズ・フェスティバルの創立者 Claude Nobs 氏は語っています。
坂本啓氏が EPFL 分子生命科学科 Adjunct Professor に就任
坂本啓(さかもと・けい)氏が昨年 12 月より EPFL Adjunct Professor(兼任教授)に就任しました。 坂本氏は
2012 年に EPFL キャンパス内に設立された Nestlé Institute of Health Sciences(ネスレ健康科学研究所)の
Head of Diabetes & Circadian Rhythms(糖尿病・サーカディアンリズム部門長)に就任し、2 型糖尿病などの
メタボリックシンドロームの発症遅延・治療のための基礎研究(糖や脂質などのエネルギー代謝の分子制御メカ
ニズムの解明)と食品開発を念頭においた応用研究を行っています。また坂本氏は、EPFL 分子生命科学科博
士課程コースのコミッティーメンバーとして、PhD コースの運営、学生の選抜、論文指導などにも従事し、さらに
来年度より EPFL 分子生命科学科の修士課程コースで教鞭をとる予定です。
坂本氏はこれまでに、米国ハーバード大学医学部(ジョスリン糖尿病センター)にて分子代謝制御の研究に従
事し、現職への就任前には Dundee 大学を拠点とする 英国医学評議会タンパクリン酸化ユニット(British
Medical Research Council Protein Phosphorylation Unit)において、グループリーダーとして運動やホルモン
による血糖値制御のメカニズムを分子レベルで解明するプロジェクトに従事していました。2014 年 4 月より首
都大学東京特任教授も兼任し、海外での研究・教育経験を日本に還元する活動を行っています。
http://actu.epfl.ch/news/seven-professors-nominated-at-epfl-3/
http://www.nestleinstitutehealthsciences.com/
http://phd.epfl.ch/edms/members
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EPFL-Japan
2014 年スイスと日本は国交樹立 150 周年記念を迎えました
2014 年のスイスと日本の国交樹立 150 周年を記念し、2013 年秋より両国で様々なイベントが開催されています。EPFL においても在日本
スイス大使館科学技術部、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、および日本の大学と緊密な連携を図り、下記を始めとする様々なイベントの
企画・参加を行いました。
CTI-MEXT 代表団が EPFL を訪問: Japan - Switzerland Symposium 2013
2013 年 10 月 28 日、MEXT(文部科学省、日本)と CTI(技術革新委員会、スイス)の代表団がスイスと日本の国交樹立 150 周年記念イベ
ントである日本-スイスシンポジウム 2013 の一環として EPFL を訪問しました。ロレックス・ラーニング・センターとロボットシステム研究室
(Robotic System Laboratory, Hannes Bleuler 教授)の訪問後、イノベーション・技術移転担当副学長室(VPIV: Vice-Presidency for
Innovation and Technology Transfer)および国際交流オフィスにより、EPFL のイノベーション・産学関係および国際交流関係についての
紹介が行われました。プレゼンテーション後には活発な議論が交わされ、大変有意義な時間となりました。
スイス連邦工科大学チューリッおよびチューリッヒ大学キャンパスにて Swiss-Kyoto Symposium を開催
2013 年 11 月 21・22 日、350 人を越える研究者がスイス連邦工科大学チューリッヒ校
およびチューリッヒ大学のキャンパスに集い、この大規模なイベントが開催されました。
スイスと日本の国交樹立 150 周年記念公式イベントであるこのシンポジウムは、チュー
リッヒにある 2 つの学術機関と京都大学、さらに EPFL により共同開催され、EPFL の
研究者からも活発な貢献がありました。本シンポジウムは京都大学がスイスのトップレ
ベルのパートナーとの学術的協力関係を深めることを目的としてイニシアチブを取り、
企画されました。
シンポジウムは参加 4 大学の学長・副学長による挨拶で開幕し、EPFL からは Karl
Aberer 副学長がこの役を務めました。このオープニングセッションは前田隆平駐スイス
日本国大使からのウェルカムスピーチで締めくくられ、様々なレベルにおける両国間の
密接な関係についての紹介がありました。
2 日間のシンポジウムでは、先進的なバイオ・ナノテクノロジーから植物、環境、ロボット
工学、金融とリスク、さらには実存主義に至るまで、多岐にわたる 16 分野を扱ったセッ
ションが設定され、スイスと日本それぞれの大学からの議長による進行のもと、活発な
議論が展開されました。EPFL からも Hannes Bleuler 教授(人工知能およびロボット工学セッション)、Pascale Jablonka 教授(宇宙物理学
セッション)の 2 人が議長を務めました。 EPFL からは計 10 人の研究者がシンポジウムに参加し、非常に有意義な議論を交わしました。
また、EPFL と京都大学はこの機会を利用し、大学レベルの MoU(学術交流協定)について議論を開始しました。2013 年 12 月には EPFL
国際交流オフィスが京都大学を訪問、議論を継続し、現在 EPFL 内での最終検討段階に入っています。
First Osaka University - EPFL International Symposium-日東電工と在日本スイス大使館の参加・協力を得て-
2013 年 12 月、EPFL と大阪大学は両校の学術・人的交流の強化を図るた
め、ケミカルバイオロジーおよび有機化学分野における国際シンポジウムを
大阪大学吹田キャンパスにて共同開催しました。EPFL と大阪大学の間では
2003 年より MoU が結ばれており、今回のシンポジウムに際しては 2013 年
の 1 月より準備が開始されました。前述のイベント同様、本シンポジウムもス
イスと日本の国交樹立 150 周年記念の公式イベントとして開催され、在日本
スイス大使館科学技術部と緊密な連携を図り、様々な支援を受けました。
シンポジウムには EPFL の研究者 17 人および日東電工の研究メンバー・上
級管理職 26 人を含む約 200 人の参加者があり、最先端のテーマについて
教授、シニア研究員、ポスドク研究員、博士課程の学生らの間で非常に活発
な議論が交わされました。
この 4 日間にわたるシンポジウムは、大阪大学・EPFL・日東電工それぞれ
の代表者と駐日本スイス大使である Urs Bucher 氏のウェルカム・スピーチ
により開会され、最先端のサイエンティフィック・セッション、博士課程学生によるポスターセッション、スイス-日本間での共同研究およびフェ
ローシップ向けの助成機会に関するインフォメーション・セミナー、さらに大阪大学のラボツアーや日東電工の研究開発施設訪問といった、
多彩なプログラムが展開されました。また、開催初日には在日本スイス大使館科学技術部によってスペシャル・スイス・プロモーション・セッ
ションが企画され、Urs Bucher 大使によるスイスの紹介、および科学技術部長 Matthias Frey 博士によるスイスにおける研究・教育環境に
ついての講演が行われました。
本シンポジウムは大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室(望月麻友美准教授)と EPFL 国際交流オフィスにより企画・運営がなされまし
た。またこのシンポジウムでは、産学連携の機会創出および企業も含めた参加者間の交流促進をも重要な要素と位置付けており、日東電
工株式会社の活発な参加を得られたことは EPFL・大阪大学の両校にとって非常に意義深いことでした。また、日東電工社からは様々な協
力を得ており、本シンポジウム成功への多大な貢献となりました。このシンポジウムには EPFL イノベーション・技術移転担当副学長室メン
バーも参加し、産学対話を促進する良い機会ともなりました。
本イベントは盛況のうちに終了し、参加三団体間での今後のさらなる提携関係や共同研究活動の可能性に関する活発な議論が続けられる
ことが期待されます。
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EPFL Project
EPFL スイススペースセンターによる初の「軌道掃除機」Clean Space One の打上げ
2003 年、EPFL スイススペースセンター(SSC: The Swiss Space Center)が創設されました。これは、宇
宙関連の研究開発、技術やその応用等のための機関を EPFL に設立しようという、RUAG Aerospace 社
と EPFL の共同決定に基づいて進められました。EPFL スペースセンターの使命は、スイス国内外の教育
界、学術界、産業界において、宇宙技術の育成、推進、連携を行うことにあります。
スイススペースセンターの役割は、宇宙に関する研究開発やその応用分野において国際的に認知される得意分野を確立すること、そのた
めにスイスの研究機関・産業の国内外ネットワークを確立することにあります。また、スイスの研究機関および産業が宇宙プロジェクトに着
手・実行して行くための足場となること、教育およびトレーニングの場を提供し、最終的には一般市民の宇宙への関心を高めることを目標と
しています。
地球を周回する(主に投棄ロケットや衛星部品からなる)残屑の増加は、宇宙船にとっ
てますます重大な問題となっています。この課題を克服するため、EPFL スイススペー
スセンターは CleanSpace One の打上げを発表しました。このプロジェクトでは、宇宙
ゴミの除去を行うための最初の衛星群を開発し、設置することを目的としています。
「近年、宇宙ゴミの存在とその増加に伴う危険性を認識することが、非常に重要になっ
てきています」と宇宙飛行士であり、EPFL 教授の Claude Nicollier 氏は語ります。机
上の空論を超え、軌道から宇宙ゴミを除去するために迅速なアクションを起こすため、
EPFL スイススペースセンターは「脱軌道」衛星群で初めてのプロトタイプを打ち上げ
ます。このプロジェクトによる衛星の打上げは 2015 年~2016 年の予定です。
SSC では、他国も CleanSpace One の流れに乗り、この宇宙ミッションが終了する頃には、各国が責任を持って自国の衛星やその他全て
の宇宙ゴミを管理するようになることを期待しています。 CleanSpace One の頭脳陣は、この試みが 1 回限りで終わってしまうのではなく、
宇宙空間を守り続けるための長期的なミッションの第一歩となることを期待しています。 ここまでプロジェクトの滑り出しは好調で、3 年任期
の欧州宇宙機関(ESA: European Space Agency)の代表にスイスが選ばれたことなどからプロジェクトの知名度も高くなり、他国も巻き込
んで行動を起こしていくことが期待されています。
5’000 万ユーロの助成金が決定された CHEOPS ミッションに EPFL も参入
欧州宇宙機関(ESA) は、2012 年 10 月、Cosmic Vision サイエンスプログラムの一環として、ス
イスの率いるプロジェクト、Characterizing ExoPlanets Satellite(CHEOPS:系外惑星観測衛星
プロジェクト)に 5’000 万ユーロの助成金授与を決定しました。ベルン大学物理学科の Willy Benz
教授と Christopher Broeg 博士の率いるこのミッションには、EPFL スイススペースセンターのメン
バーも参加しています。
CHEOPS は重さ約 50kg の小型宇宙望遠鏡で、2017 年に軌道上に設置される予定です。
CHEOPS の主な目的は、すでに太陽系近傍で軌道に乗っており、輝星として同定されている系外
惑星大気の容積、質量、特性を測定することにあります。これまでに測定されたことのない惑星標
本の正確な質量や半径を知ることにより、CHEOPS では惑星の構造に影響する制約条件を特定
し、さらにその惑星の質量範囲における惑星の形成および進化に関する新たな制約条件の特定
を行っていきます。
Study at EPFL
修士課程プログラム
EPFL では現在、修士課程プログラムを 23 コース提供しており、ほぼすべてのコースは英語で行われます。入学審査における競争率は非
常に高く、世界中から優れた経歴を持つ応募者たちが集まります。いずれのコースも柔軟性に富んでいるため、コース内容を高度に専門化
することも、学際的な内容にアレンジすることも可能です。修士課程の学生は専攻領域の知識を深めると同時に研究室において貴重な実務
経験を積むことができます。EPFL の科学修士の学位は国際的に高い知名度があり、本プログラムでの経験はその後の職業キャリア、また
は学術的キャリア構築において非常に有効なものとなります。(http://master.epfl.ch)
博士課程プログラム
最先端のコンピューターシステム、図書館設備、および研究施設を備えた EPFL では、多岐にわたる分野にて 18 の博士プログラムがあり
ます。現在世界が直面している複雑な問題を解決していくためには多分野にわたる学際的研究が重要であり、EPFL ではこのような学際的
研究を強く奨励しています。 学生の募集は非常に競争率の高い入学審査を通して行われ、入学を許可された学生はフェローシップや研究
助手手当を通して学費等の全額援助を受けることが可能です。
EPFL の一員になることは、世界 120 か国から集まった教員や学生と多文化環境で学ぶとことにつながります。創造的な未来を形成する場
として最適な環境だといえるでしょう。(http://phd.epfl.ch)
Important Contacts
EPFL
In Switzerland
Marius Burgat, Scientific Advisor [email protected]
Nao Takano, Scientific Advisor [email protected] (Untill Nov. 2014)
Vice Presidency for Academic Affairs, International Relations
EPFL: www.epfl.ch General Info: +41 21 693 11 11
Embassy of Switzerland
Dr. Matthias FREY
[email protected]
Head, Science & Technology Office Tokyo
Tel: +81 3 5449 8400
www.eda.admin.ch/tokyo
Twitter: twitter.com/EPFLNews
Facebook: www.facebook.com/EPFL.ch
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