エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) 特集 NTT DATAのグローバルビジネス ∼グループコラボレーションをさらに進めるNTT DATA∼ ●インタビュー コラボレーションによる シナジーを創出しながら グローバルビジネスを 確立・拡大していきます 2014 年、中南米に拠点をもつスペイン everis 社がグループに加わり、世界 41カ国・地域、175都市へカバレッジを拡大した NTT データグルー プ(以下、NTT DATA グループ) 。グローバルブランドの確立を目指す 「Global 2nd Stage」での展開に向けて、グループコラボレーションを積 極的に推進する NTT DATA グループのビジネスの状況と方向性について、 グローバルローバルビジネスカンパニー長の山田英司代表取締役副社長執 行役員にうかがった。 世界 41 カ国・地域、175 都市へ カバレッジを拡大 グローバルビジネスカンパニー長 山田 英司氏 パニー(以下、GBC)が果たしている 「Global One Team」活動を通じて 自動車業界向け事業を拡大 役割は、どのようなことでしょうか。 山 田 GBC の 役 割 は、NTT DATA ―はじめに、NTT DATA グループの グループにおけるグローバル戦略の グローバルビジネスの状況についてお 策定と海外新規市場の開拓です。戦 聞かせください。 株式会社NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 ―グローバルビジネスにおけるグル ープコラボレーションの取組状況をお 略 の 策 定 で は、 北 米・EMEA・ 聞 か せ く だ さ い。 は じ め に、NTT DATA グループの事例をご紹介いただ 山田 M&A 戦略を中心に約 10 年前 APAC・中国・中南米などの地域の より本格的に乗り出したグローバル 事業会社やソリューショングループ ビジネスは順調に拡大し、現在では 会社を核としたグローバルビジネス 世界 41 カ国・地域、175 都市へカ の事業推進と管理を実施していま バレッジを拡大しています。特にス す。一方、海外新規市場の開拓では、 ペイン everis 社がグループに加わっ NTT データの他のカンパニーと海 たことで、中南米のカバレッジを大 外事業会社、海外事業会社相互、さ 幅に拡大することができました。そ らには NTT グループとの連携によ を 推 進 し て い ま す。具 体 的 に は、 れにより「Global 1st Stage」とし るグループコラボレーションを積極 SAP、Cloud、BI(ビジネスインテリ て掲げた、グローバルでビジネスを 的に展開してシナジーを創出し、新 展開するプレイヤーとしての地位を たな海外市場の開拓に取り組んでい 「Global One Team」を結成し、NTT 確立し、世界のほぼどこの地域であ ます。各地域の事業会社やソリュー DATAグループ各社が連携して提案 ってもお客様のリクエストに応えら ショングループ会社が最大限のシナ れるようになりました。 ジーを発揮して売上や利益を拡大し ていけるよう、様々なサポートを行 ―その中でグローバルビジネスカン 42 っています。 けますか。 山田 NTT DATAグループでは、国 内外のグループ各社がそれぞれに持 つ強みやリソースをOffering(商材) ごとに集結し、国境、会社を跨いだ事 業連携を図る「Global One Team」化 ジェンス) 、Oracle、Testing等 の 活動を展開しています。そのような 提案活動を通じて、昨年、ドイツの自 動車メーカーであるDaimler(以下、 ダイムラー)様と、グローバルにお ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.3 エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) けるERPシステムの保守運用、追加 スを提供しています。ダイムラー様 していきます。 システム開発の戦略パートナーとし の案件は、これらの成果が着実に表 その他、NTT コミュニケーショ て複数年の契約を締結しました。 れた結果といえます。 ンズとのドイツ自動車メーカー様の 本件は、これまで各国の IT ベンダ ーがそれぞれ実施していた、ダイム ラー様のグローバルにおける各種 NTTグループとのコラボレーションで 英国財務省の案件を受注 ERP システムの運用・保守業務、追 ―NTT グループとのコラボレーショ 加システムの約 75%を、ダイムラー ンによる事例もご紹介いただけます 様が新たに設置したインド(バンガ か。 ロール) 、トルコ(イスタンブール) 、 山田 NTTデータの英国子会社であ アメリカ(モントベール)のIT 関連 る NTT DATA UK Limitedが、NTTグ サポート拠点(シェアードサービス ル ー プの Dimension Data と 連携 し センター)と連携して、グローバル て、HM Treasury(英国財務省)か で NTT DATA グループが担当するも ら Core ICT 2015プログラムの一端 のです。実施体制は、NTT データが を担うITサービスを受注しました。 案 件 全 体 の リ ー ド を 行 い、NTT Core ICT 2015プログラムとは、英国 DATA EMEA がダイムラー様本社と 財務省が推進する ITインフラ、サー の リ レ ー シ ョ ン の 構 築 を 担 当 し、 ビス、アプリケーションの更改に関 NTT DATA APAC が イ ン ド 拠 点、 する取り組みで、中小の新規サプラ itelligence Turkey が ト ル コ 拠 点、 イヤーの参画を促進し、競争による NTT DATA, Inc. が米国拠点のサポー 効率的なサービス提供を目的とした トをそれぞれ担当します。 取り組みです。 本件の契約期間は 3年 で、NTT DATAグループは、英国財 ― 本件が受注に至ったポイントは、 何でしょうか。 務省の Core ICT 2015 サービスに関 する他のサプライヤーのコーディネ 山 田 NTT DATA グ ル ー プ で は、 ーションや、クラウドホスティング グローバルでのビジネスプラクティ サービス、アプリケーション管理サ スとして、NTT DATA グループの ービスなどを提供していきます。実 SAP サービス向け統合開発メソドロ 施体制は、NTT DATA UK Limitedと ジ ー「One Method」 や「Global NTT DATA, Inc. のインド拠点NTT Delivery 2.0」を推進してきました。 DATA GDS がアプリケーション開発 カーコンシェルジュに関連した案件 など、NTT グループとのコラボレ ーションにも積極的に取り組んでい ます。 グローバルブランドの確立と 海外売上比率 50%を目指す ―日本国外の事業基盤づくりを目指 した「Global 1st Stage」から、グロ ーバルブランドの確立を目指した 「Global 2nd Stage」に向けた抱負を お聞かせください。 山 田 「Global 2nd Stage」 で は、 NTT DATA グループのグローバル ブランドを確立して、海外売上比率 50%の達成を目指します。そのた めには、それぞれの地域ごとのプレ ゼンスを上げていくことと、これま で以上に、コラボレーションによる シナジーの創出に注力していきま す。NTT DATA グループや NTT グ ループとのコラボレーションを通じ て、海外のお客様の大型案件を受注 できるようになりましたが、グロー バルレベルでは、まだまだ十分認知 されていません。世界中のお客様に NTT DATA グループの得意分野を 知っていただくためにも、「Global 2nd Stage」では NTT DATA グルー 「Global Delivery 2.0」は、世界各国 を、Dimension Dataがクラウドホス でビジネスを展開するお客様を対象 ティング、リモートアクセス環境等 プならではの価値である「Clients とした NTT DATA グループのデリ を 提 供 し て い き ま す。Dimension First with Innovation & Japan バリーフレームワークで、世界共通 Data が持つマネージド ITサービスの Quality」を実践していきます。 の開発メソドロジーやガバナンス手 ケイパビリティと、NTT DATAグル 法を各拠点で活用してグループ各社 ープが持つアプリケーション開発力 の能力を最適に組み合わせたサービ などを組み合わせてシナジーを創出 ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.3 ―本日は有難うございました。 43
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