大会PDの記録2

都市計画部門――パネルディスカッション
地方都市の「駅」を中心とした市街地再生手法
本 PD は 9 月 13 日(土)9:00~12:00 に開催さ
③駅舎と市街地再開発事業による再生 -岐阜市
入の仕方、③駅の周辺における再開発の進め方、
れた。司会は浅野純一郎(豊橋技術科学大学)、
の事例-|山本和彦(森ビル都市企画株式会社)
合意形成の重要性について討論が展開された。
副司会は長聡子(新潟工科大学)が担当した。
岐阜駅ナカ、駅ソバにおけるアクティブ G、シ
---まとめ
---主旨説明
ティタワー43 の整備事例とそのマネージメント
鵤心治(山口大学)
駅整備は、地方大都市で
地方都市における駅を中心とした市街地再生
手法を以下のとおり、4 つの視点から提言した。
に関する取り組みが紹介された。
は概ね完了し、地方中核都市や地方中小都市に
④駅舎と駅前広場整備による再生
-姫路市の
計画論的視点:都市毎に駅の役割を見極める。
波及して議論が活発化している。都市再生特別
事例-|小林正美(明治大学) 姫路駅駅舎と駅
駅のコンセプトが交通結節点から賑わい創出拠
措置法が改正され、様々なメニューが整備され
前整備を例に、公開型で議論を進める専門家組
点へとシフトする中、市街地の回遊性を担保す
る中、自治体の議論も本格化している。駅をま
織の取り組みと、市民参加によるデザイン手法
る為には、駅に機能を集中することは避ける。
ちづくりのデザインに活用することが求められ
が紹介された。
デザイン論的視点:都市の顔、玄関として駅に
ており、本 PD では地方都市の駅と市街地再生に
⑤駅周辺の連鎖型公共施設整備事業による再生
は象徴性が求められる。加えて、地方小都市で
焦点を当てて議論を進めたい。
-敦賀市の事例-|野嶋慎二(福井大学) 敦賀駅
は、居場所のデザインが求められている。駅に
---主題解説
駅前整備におけるデザインガイドラインによる
関わる多数の主体と様々な思惑に対して、強い
①駅と市役所整備による再生 -長岡市の事例-
一体的な景観形成と市民の居場所を創造するデ
デザインメッセージを主張する事が重要である。
|樋口秀(長岡技術科学大学)
ザイン手法が紹介された。
事業手法的視点:再開発事業は、当初事業では
長岡駅周辺地
区での市街地整備、市役所機能を有し、市民の
⑥駅を中心とした市街地再生施策の概要|鈴木
身の丈を踏まえて必ず成功させる。一方で、身
ハレの場として整備されたアオーレ長岡の事例
徹(国土交通省)
全国で実施された市街地再
の丈が事業の可能性を損なう恐れがある事を踏
が紹介された。
開発事業の傾向と、その中から特徴的な工夫が
まえると、民間から行政に対して投資のテーマ
②駅と大規模跡地、美観地区を繋ぐ再生 -倉敷
見られる事例が紹介された。
を気付かせるような工夫が求められる。
市の事例- |高木治(倉敷市)
---討論
チボリ公園跡
合意形成論的視点:駅整備に対するチェック機
地を活用して、駅チカに災害時の避難拠点とな
各々が紹介した事例をもとに都市規模や駅の
能とプロジェクトの脈絡を重視したエリアマネ
る広域集客拠点を形成した中心市街地活性化基
立地特性の違いを踏まえて、①デザイン的、計
ージメントが求められる。市民だけでなく異業
本計画の戦略と倉敷市の取り組みが紹介された。
画的な視点、②役割・機能面からみた行政の介
種間での合意と活動体制の改善が必要である。