平成27年3月10日 九州産業保安監督部 【注意】感電死傷事故の防止について注意喚起します 九州管内において感電死傷事故が多発しているため、関係者に注意喚起しま す。 九州管内の感電死傷事故(感電以外の死傷事故含む)の発生件数については、過去 10年において、年間3件~14件で推移しているところですが、平成26年度は 3月1日現在、20件(感電死傷事故17件、感電以外の死傷事故3件)の事故が 発生しています。 このうち7件については、公衆の者が被災した事故であり、ビル・アパート等の 外壁塗装工事における足場組立解体の作業中やキュービクル内に立ち入っての作業 中、高圧電気工作物に誤って接触したことにより発生しています。 これらの事故の原因は、ビル等の施設者や当該工事業者が、電気主任技術者等に 連絡をせずに作業等を実施したため、感電防止に対する防護措置が不十分であった ためです。 つきましては、電気主任技術者及び電気の保安に関する関係者におかれましては、 類似事故防止のため設置者に対する保安教育及び工事業者等に対する注意喚起を実 施していだたき、感電事故に対する安全確保に万全を期していただきますようお願 いいたします。 平成26年度感電死傷事故及び感電以外の死傷事故の一覧 http://www.safety-kyushu.meti.go.jp/denki/jiko/sokuho2H26fy.htm (本資料のお問合せ先) 九州産業保安監督部 電力安全課長 今枝 担当者:川ノ上、大坪 電 話:092-482-5519 感電事故事例① 1.発生日時:平成26年4月26日(土)18:30 2.発生場所:民間アパート 3.事故発生の電気工作物:高圧架空線路 4.被災者:足場組立業者 6,600V 男性(38) 5.事故概要: 4階建てアパートの塗装工事のための足場組立作業中において、被災者が 3階部分の足場床に足場シートを取り付けていたところ、足場ポールに接触 していた高圧架空線に右手が接触し、感電負傷した。被災者は、感電直後に 3階部分の足場から墜落し、アパートの1階屋根部分に転落した。 6.被災状況: 電撃傷(左手首、右腕)、頭部裂傷(5針縫合)、左脛裂傷(5針縫合)、肋骨 骨折(1本) 7.事故原因: 塗装工事会社が、塗装工事開始前に当該アパートに近接する高圧架空線に 係る建設用防護管の取り付けの申し込みを電気事業者にすることなく、足場 組立作業を行ったため、被災者が高圧架空線に誤って接触し感電被災したも のである。 なお、塗装工事開始前に、当該アパートの低圧引込線については、塗装会 社から電気事業者へ、建設用防護管取り付けの申し込みがあっていたが、高 圧架空線については、申し込みされていなかったものである。 感電事故事例② 1.発生日時:平成27年2月4日(水)14:20 2.発生場所:商業ビル 3.事故発生の電気工作物:高圧気中負荷開閉器(PAS) 4.被災者:足場組立業者 6,600V 男性(27) 5.事故概要: ビルの外壁塗装工事終了後の足場解体作業において、屋側3階付近に設置 されていた高圧気中負荷開閉器(PAS)付近にて、被災者が足場の布板を両 手で取り外そうとしたところ、高圧気中負荷開閉器(PAS)の2次側端末部 に左肘が接触し、感電被災した。 6.被災状況: 電撃傷(左肘Ⅲ度、左右掌Ⅱ度) 7.事故原因: 高圧気中負荷開閉器(PAS)の2次側端末部に、感電防止ための保護カバ ーが取り付けられていたものの、足場解体前に取り外しされており、被災者が 当該箇所に誤って接触し発生したものである。 保護カバーの取り外しについては、事前に打合せていた予定日に電気工事 業者が取り外そうと現場に到着したところ、工程の変更により足場がまだ解 体されてなかったことから、保護カバーを取り外すべきでなかったものの、 塗装工事業者が電気工事業者に対し足場解体予定日延期の連絡を失念してい たこと、及び電気工事業者が作業段取りの都合上、その日に取り外しを行わ なければならなかったことから、作業者が高圧気中負荷開閉器(PAS)付近 には近寄らないことを条件に取り外しを行ったものである。
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