「TPS/Agile組込システム」セミナー、2015/03/10 ESD21の紹介と の紹介と ソフト開発のTPS/Lean/Agile ソフト開発の 黒岩惠 黒岩惠 ([email protected]) (社)持続可能なモノづくり・人づくり支援協会(ESD21) NPO法人「ものづくりAPS推進機構(APSOM) 九州工大大学院情報工学研究院客員教授 ESD21の設立の の設立の狙い の設立の狙い ESDは国連大学提唱の「Education for Sustainable Development」から 豊通、富士通、富士電機、小島プレスなど 商社、部品サプライヤ、ITベンダーなど法人会員60社、 個人会員120名でなる民間主導の非営利団体 設立の狙い ・中小中堅製造業の競争力支援 ・情報サービ業(ITソフト)の競争力支援 ・参加者の QoL(Quality of Life) ESD21のミッション ・TPS(人的能力)とIT(テクノロジ-)による「改善・改革」 ・クライアント、パートナー(会員)、ESD21 の「三方良し」 ・学会などの良さを取入れ、コンサル会社、シンクタンクと 同じビジネススキームを持つ非営利団体を志向 モノづくりの持続可能性(Sustainability) モノづくりの持続可能性( 1. モノづくり価値観の転換 モノづく り モノづく り サービス サービス vs 2. グローバル経済のコラボレーション(特に東アジア) 多様性マネジメント、オープン、スピード、自律化、コンピタンス、レジリエンシー 3. 人間・機械系(IT) による新価値創出、生産性向上 ビジネス活動とは「人間系・機械系」による、情報処理・加工および 生産プロセスをとおして、お客様が満足(CS)する「価値を創る活動」 ビジネス活動 仕事の流れ(Business Flow) 仕事の流れ( 人・モノ 金・情報 ●価値(情報)の流れ (オフィス) ●モノの流れ (生産現場) 人間系 TPS/Lean/Agile 機械系 IT/ICT 商品、 サービス 顧客価値 顧客満足 ものづくりとトヨタ生産方式(TPS) ものづくりとトヨタ生産方式( ) TPSは、リーン方式(アジャイル)の名で世界の人達は真剣に学ぶ 1970 ’37 トヨタ自動車創立 トヨタ 生産方式 の発展 1980 USの のJapan バッシング 1990 2000 日本経済 バブル崩壊 伝統的TPSからの脱皮 ’73 トヨタ生産方式(社内マニュアル) 2010 ・グローバル展開 ・生産から経営全般 ・ICTの技術革新 ’78 トヨタ生産方式出版(大野) ’84 NUMMI設立(GM合弁のトヨタ北米工場) ’83 トヨタ生産方式出版(英語版:門田) T リーン 方式の 発展と 展開 (US,海外) ’85~90 USの日本産業の視察 ’89 Made in America(Lester) ’90 The machine that change the world(Womack) TPS/リーン生産がUSから世界に普及 ’03 The Toyota Way (Liker) TPS/リーン方式が他産業界へ TPSを源流とした 手法/コンセプト 6シグマ、ECR,TOC Agile ソフト 開発 USが がトヨタから学んだ NUMMI 生産性は全米一と米Fortune誌が報道 全米一のローテク工場NUMMIが生産性は全米一 生産性は全米一 ハイテク(CIM、自動化)よりも、人間性 人間性尊重、人間力 人間性尊重、人間力が生産性の決め手 尊重、人間力 • 1982 – GMがカリフォルニア州フリーモント工場を閉鎖 – 最低の生産性、欠勤率は最悪 • 1984 –NUMMI (Toyota & GM)として再開 – GM閉鎖でレイオフされた労働者(多能工化)で再開 – ホワイトカラーの役割は,指示ではなく支援 – 訓練された小さなチームで現場作業の自律的運営 – 作業者の判断によるラインストップ、 問題点の顕在化と改善(徹底まで6か月) • 1985 – 生産性と品質は2倍に.GM全工場を抜く. – ドラッグとアルコール中毒がなくなり、 無断欠勤がなくなる NUMMIスタート(1984) NUMMI閉鎖(2009) TPS/リーン方式 リーン方式 TPS/リーン方式は、製造業、流通業、サービス業など、業種業態を超えた 経済主体の活性化、生産性向上の考え方や方法論として、世界中で適用 1987時点のデータ <GMとToyotaの比較例 > GM Framingham 組立時間 [Hours/Car] 不良/100台の車 組立スペース [ sq. ft. ] 平均組立 部品在庫 19th Century Toyota 高岡 NUMMI フレモント 31 16 19 135 45 45 8.1 4.8 7.0 2 Weeks 2 Hours 職人の手工業 2 Days 2009年、GMと トヨタの合弁解消 Cf.:J.P.Womack, et al., The Machine that Changed the World (IMVP Survey) <ソフト開発プロセス> Now First half 20 Century 大量生産 (Ford system) ウォータフォール型 Near Future Latter half 20 Century リーン生産 (Toyota system) TPS/アジャイル型 US、 、海外でのトヨタ生産方式の普及 ・TPSはリーン(Lean=筋肉質)方式 として世界中に広まる。 ・ TPSは業種業態を超えた競争優位 戦略として世界のデファクト。 大野耐一 新郷重夫 James Womack & Daniel Jones “The Machine That Changed t he World (1990)” “Lean Thinking (1996)” TPS (Y. Monden:門田安弘) 1983 IE Association in US Made In America: Comparison of Industry among US, Europe and Japan 1983 by K. Lester & M. Solow リーン思考の5つの原則 1 Specify Value 顧客の期待で価値を定義し、 商品各々の価値を表現する 2 Map the Value Stream 価値の流れを全プロセスで 見える化。各ステップで顧客 サービスに対して価値有無 の割合をマッピング 3 Establish Flow 5 Work to Perfection ムダを徹底的に削除して、 全ての活動が顧客の価値 を創造する 4 Implement Pull 商品、サービス、情報の 流れを全プロセスを通して 最初から最後まで連続した 動きにする 後工程が前工程にPull情報(TPSでは“かんばん”)を 出さなければ、前工程は何もしない。 TPSを原点とする を原点とする Agileソフト開発プロセス ソフト開発プロセス USでTPSはリーン方式として普及。その後にAgile生産方式を提唱。 Agile方式は、ソフト開発手法としてUSで展開、日本に逆輸入。 XP, Scrum, Crystalなどの手法(流派)に、Kanbanと言う名の流派も。 業界におけるプロジェクト成功率の差異 ITプロジェクト プロジェクトは失敗多く、ムダも多い プロジェクトは失敗多く、ムダも多い 情報システム開発 1994年(米国) 成功 成功 16.0% 175,000件(11兆円) 16.0% 失敗(納期、品質、コストのどれかが守れない) 成功(納期、品質、コストを守れた) 破棄(プロジェクトを中断) 失敗率70% 100% 1.0 90% 19.0 80% 70% 60% 50% 40% 80.0 30% 20% 10% 0% 5.0 70.0 5.0 60.0 問題発生 問題発生 53% 53.0% 出典:プロジェクト・メンターズ社 85.0 途中キャンセル 途中キャンセ 31.0% ル 31.0% ソフト開発のムダは50% 16% ときどき利用する 25.0 35.0 14.0 1.0 ソフト開発 新薬開発 一般R&D 建設・エンジ 出典:Artemis International 13% よく利用する よく利用す る いつも いつも 利用する 利用する 7% 19% ほとんど ほとんど 利用しない 利用しない 45% 全く利用しない 全く利用しない Standish Group Study Reported in 2000 Chaos Report. 海外の人はソフトウェアをどうとらえている 海外の人はソフトウェアをどうとらえているか? どうとらえているか? EUROPE: Software as a Science –Formal Methods, Object-Oriented Design JAPAN: Software as Production –Software Factories, Zero-Defects INDIA: Software as a Service –Infosys, Tata The USA: Software as a Business –Windows, Office 出所: M.A.Cusmano, Fast & Flexible Software Development 10 Agileプロセスと プロセスという プロセスという名のいろいろ いう名のいろいろな流派 名のいろいろな流派 TPSはUSでリーン方式の名で普及、その後Agile生産方式を提唱。 01年に ソフト開発のAgileプロセスのリーダ達が集結。Agile方式は世界に普及。 Agile宣言(Agile Manifest) ・プロセスやツールより 4つの価値 ・包括的ドキュメントより ・契約の駆け引きより ・計画の順守より 個人との相互作用 動くソフトウェア 顧客との協調 変更に柔軟に対応 USのAgile ソフトウェア開発方法論 ‐ eXtreme Programming (XP) [Beck] ‐ Scrum [Schwaber] ‐ Lean Software Development [Poppendieck] ‐ Crystal methodologies ‐ Feature‐Driven Development (FDD) XPのプラクティス例 The Planning Game Small Releases Continuous Integration Refactoring 40‐Hour Week Pair Programming Collective Ownership On‐Site Customer 「見える化」は問題点の顕在化 見える化」は問題点の顕在化 (例1) 品質不良品の「さらし首」 人を絶対に責めない風土づくり要 (例2)かんばんは改善の道具(目で見る管理の道具) かんばん枚数・・・・生産と運搬に要するリードタイム分+α(安心代) かんばん枚数 を減らす 在庫が減る 異常の解決 (改善活動) 異常が見える 改善活動は「問題点の顕在化」から。 在庫削減 問題 ・品質不良 ・ロット生産 ・設備故障 ・引取りの バラツキ 問題 Value Stream Mapping とトヨタのTLSC とトヨタの ソフト開発における「見える化」 「見える化」は管理のためではなく、改善のための道具 「見える化」も標準の一つ。知恵と改善でレベルアップ 「見える化」 ・全体システム ・顧客の要求、機能優先度 ・各作業工程、進捗 ・ムダ、正味作業、付帯作業 ・手戻り、バグなど品質問題 ・スキルマップ(多能工化) ・改善提案と優秀提案 ・毎日朝一番の立ちミーティング ・改善活動サークル、発表と表彰 結果が 出る 現状が 見える 改善が 進む 異常が 判る アジャイル・ソフト開発への転換は歴史的必然 アジャイル・ソフト開発への転換は歴史的必然 ソフト開発の失敗率は70%以上、作っても使わないソフトのムダは50% ソフトウェアの最終顧客の価値は動く オブジェクトコードだけ。仕様書や 分厚い設計図書ではない。 System Requirement 伝統的な Waterfall process 大きなバッチ(ロット) プロセス Ford system in 1900 Software Requirement Program Design TPS/Agile プロセス Iterative Development Coding XP, Scrum, Kanban PDCA System Requirement Software Requirement Program Design Coding Testing Testing PDCA 一個流しの追求 Toyota system in 1970 PDCA Operation ・短いリードタイム ・速いPDCA サイクル ・品質不具合への早期対応 ・働く人の達成感 ご清聴有難うございました ・拘らない心、捉われない心、偏らない心, ・拘らない心、捉われない心、偏らない心 広く、広くもっと広く、これ般若信教、空の心なり ・障子を開けてみよ、外は広いぞ (豊田佐吉) 、ご質問ある方は遠慮なく、 下記のアドレスへコンタクト下さい。 黒岩惠 ( [email protected])
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